ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~ 作:Java-Lan
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自分へ向ける微笑みが欲しいだけなのに。
彼女の幸せのために祈るですか?
その幸せは貴方自身にむけたものなのに。
彼女の愛のために貴方は守り抜くと言うのですか?
貴方が守りたいのは、彼女が自分に向ける愛情なのでしょうに。
第31話_12日目(月)A「ご褒美の誘惑」
[12日目(月):古手神社:放課後:前原圭一]
授業が終わり放課後になった。
6日後の日曜日に行われる綿流し祭りの奉納演舞の練習をするため、今日から梨花ちゃんが直帰するらしい。そのため、しばらく部活は中止になることに決まった。
魅音も、今日はこれから古手神社の集会所に委員として向かうと話していた。
「圭ちゃん、圭ちゃん。週初めの今日の集会には来てもらって良いかな?顔見世ってことでさ」
「いいけどさ…逆に今日だけで良いのか?」
「圭ちゃんはオークションの司会をやることになるから、夜の方の集会には参加してもらうことになるかな?今日のは、とりあえず確認作業だけだから本当は来てもらわなくても大丈夫なんだけれど、ほら、一応圭ちゃんは、おじさんのお婿さんだから、顔を見せに来て欲しいんだよ」
綿祭り準備委員なったとは言っても、俺は当日に叩き売りオークションの司会をするだけだ。
とは言え、やはりそういう集会には出る必要があるらしい。
だからといって俺が集会に行って何かをするわけでもない。
その他の一切は、すでに決まっており、今日はあくまでもその段取りの確認だけらしい。
毎年、祭りを行っているために手順はほぼ皆わかっている、だから特に込み入った話にもならないとか。とはいえ、それほど重要では無いのは俺だけで魅音は違う。実行委員の中心的人物だ。
「それと今年は結納披露も行うからね。ちょっと、おじさんも色々忙しいんだよね」
「そうか。結納披露自体は祭りに組み込まれているけど、本来は祭りとは無関係なんだよな…」
「そうなんだよ。結納披露を行うのは、あくまでも園崎家だからさ。もちろん当日は多少手伝ってはもらえるけど、そんなにあてにしたら悪いしね」
あと6日後に、村内の人達…いや、綿流しの祭りに集まった人たちの前で、結納披露を行うのか。
なんか実感がわかないな。そういえば、結納披露のさいの衣装とかはどうなっているんだ?
「うちの本家と、圭ちゃんのご両親との間で話が進んでいるよ。
たぶん、明日か明後日ごろに、一度試着をしに興宮までいくことになると思う」
「やっぱり、その…特別な衣装ってことになるのか?」
「ククククク、圭ちゃん、それは見てのお楽しみってヤツだよ」
魅音、お前、なんて不気味な笑い方をしやがるんだ。
とはいえ、良家が大々的に行う結納披露なら、そんなおかしな服は着せないだろう。
俺と魅音、それと梨花ちゃんと沙都子は一緒になって古手神社へと向かう。
古手神社は梨花ちゃんの家があり、今は沙都子も同居しているため行く方向が同じだ。
ちなみに集会所も古手神社の敷地内にある。
集会所につくと、すでに委員の人達がほとんど集まっていた。
俺は魅音に案内されて上座の方に誘導される。
席順は左から、
俺…前原圭一、園崎魅音、公由村長、そして空席の座布団が一つ、そして書記の人。
「魅音、座布団が一つ開いているけど、誰かくるのか?」
「あぁ、あれは梨花ちゃんの席だよ。でも、今日は奉納演舞の練習でいないんだけどね。ただ古手家の当主だから席は用意されているんだよ」
まぁ、梨花ちゃんの席か。
今頃、奉納演舞の練習を頑張っているんだろうな。
しかし、上座と言うのは居心地が悪い。
慣れていないというのもあるが、正直、場違い感が凄い。
「…圭ちゃん。おじさんと結婚したらこういう席に出ることが多くなるんだから、
今のうちに慣れておかないとね」
魅音が耳元でささやく。
少しくすぐったいな。
「それではみなさん。会合をはじめしょうか」
公由村長の声で、本日の集会が始まった。
綿流し祭りまでの日取り、業者の確認、出店の縄張り、納入品の中身と数量、その他いろいろと話が出てくるが、正直俺にはさっぱりだ。強いて言えば、オークションを行う時に、司会として俺が行うという話が出た時、立ち上がって挨拶をしたごとぐらいしか覚えていない。
集会そのものは本当に確認だけで終わったので、小一時間で終わった。
本来なら、この後、部会ごとにわかれて話し合いも行われるらしい。
ちなみに部会は、総務部、設営部、模擬店部、奉納演舞部、そして俺が所属するイベント部などで構成されている。
ただ、今日はこれで開きで、それらの会合は明日以降の夜の集会で行われる予定だ。
もっとも最初の方で言った通り、既に取り決めはほぼ終わっている。
あまり俺が出て、何か話すと言う事も無いだろう。
随分早く終わってしまったが、これからどうしようか?
そう思っていると、魅音が麦茶の入ったプラスチックの大きな容器を持ってきた。
「圭ちゃん、圭ちゃん。これを梨花ちゃんの元へもっていってくれる?少しなら飲んでもいいよ」
「おう、いいぜ」
魅音から麦茶の容器を受け取ると、梨花ちゃんが練習している所を聞き向かう。
古手神社には神社だけではなく、梨花ちゃんの実家である本宅が存在する。
亡くなった両親を思い出すために、そこには住まず、いつもはそこから離れた小屋に沙都子と二人で住んでいるらしいが、今日は本宅で奉納演舞の練習をしているらしい。
集会所から本宅までは近くなので迷うことは無い。
練習に集中しているのか、入り口から声をかけても誰もでないので家の中に入る。
魅音に教えてもらった通り、中に入って奥に進むと何かを振り回す音が聞こえてきた。
戸は開いているので、のぞき見すると数人の大人達と沙都子に囲まれて、梨花ちゃんが演武練習をしていた。
俺に気が付いた沙都子が近寄ってくる。
「あら、圭一さん。差し入れでございますの?」
「麦茶を魅音に頼まれてもってきた。梨花ちゃん大変そうだな」
梨花ちゃんの手には、餅つき用の杵が握られている。
演舞を見ていると、すこし杵の重さに振り回されている感じだ。
「本番用の道具も、かなり重さなので梨花はあれで練習しているんですの。
でも、去年もがんばりましたもの。今年もきっと、がんばりぬきますわ」
梨花ちゃんを応援している沙都子は偉いな。
俺は沙都子の頭を撫でる。
「おほめ頂けるのは嬉しいのですけれど、偉いのは私では無く梨花ですわ。
…あ、そうだ。ちょっと圭一さんにお願いがあるんですの」
「なんだ沙都子?」
「隣の用具室から変な音が聞こえてきますの。見てきては下さいません?」
なんだ。ネズミでもいるのか?
仕方ないな。沙都子のために退治してやるか。
俺は麦茶の容器を沙都子に渡し隣の用具室に入る。
少し薄暗く電灯のスイッチを入れようとしてみたが押しても電源が入らない。
昼間なので見えなくは無いが、少し困ったな。
その時だった。俺は誰かに手を引っ張られて、壁に押された。
な、なんだ!誰だ!?
「圭ちゃん、圭ちゃん。なんでおじさんがここにいる事を知ってたわけ?」
…って魅音?
魅音が俺の胸に頭をすりつけている。
「いや、沙都子から物音がすると聞いてさ…」
「あちゃー、失敗した。圭ちゃんを引きずり込もうと準備していた音、漏れてたのか」
いや、何をしているんだお前は…
「そりゃ、圭ちゃん成分が足りなくなってきたから補充しようと思っていたんだよ。
それにさ、この間の途中で終わっていたでしょ?」
「途中ってなんのだよ?」
「こ、れ…」
そういうと、俺から少し離れた魅音はスカートの両端を掴む。
って、お前、何をしているんだ!?
「クククク…圭ちゃんもいってたじゃん。笑顔でスカートめくる姿をみたいってさ」
魅音が、凄まじく邪悪な笑顔を俺に向ける。
いやいや、確かに見たいとは言った!
笑顔の方が良いとも、言ったかもしれない!
でも、俺の見たい笑顔とは違うぞ!?
「圭ちゃん。この間はさ、ごめん…だからさ、
これってある意味おじさんのお詫びでもあるんだよ」
魅音はスカートを少しずつ上げていく。
ゴクリ…
唾を飲み込む。
「み、魅音…」
俺はスカートが上がっていく姿に目が離せない。
徐々に上がりつづけ、膝までスカートの端があがった。
「ねぇ、圭ちゃん。この間も言ったけれど…
おじさん、スカートの下にハーフパンツは履いていないし、
沙都子のようにストッキングも履いていない。もちろん水着も履いていないよ」
ドキドキドキドキ…
俺の心拍が猛烈にあがる。
脚に力が入らず、崩れるように倒れて尻餅をつく。
魅音は俺を見下して、口を歪める。
「そうやってさ、下から見上げた方がよく見えるかもね…圭ちゃんにはその方が良いでしょ?」
…待て魅音!と言いたいが声が出ない。
スカートはさらに上がっていく。
膝の上10cm…20cm…
そして股と太ももと付け根の三角地帯まであがった。
その時になって、ようやく声が出せた。
「待て、魅音…!本当、それ以上は…!」
しかし、その声は魅音の心には届いていない。
「良いんだよ圭ちゃん。圭ちゃんには、おじさんの全部を見てもらいたいから…」
一気に魅音がスカートをあげた!
バカやめろ!!だが視線は釘付けのままだ!
くそっ、俺のスケベ!
そして、魅音ありがとうッ!!!
お前は最高の嫁だ!!!!
…ってあれ
ブルマ。
「あはははははははは!!!!!!!!!!」
魅音が笑い泣きしている…?
え?あれ?魅音が履いているのって…
赤いブルマ!?
「そうだよ!体操着の赤いブルマ!あはははは!
圭ちゃん。すっごい見ているんだもん。おじさん笑いをこらえるのに必死だったよ!
あはははははははははははは!!!!!」
えっと、確かにハーフパンツでも…
ストッキングでも、水着でも無いけど…
…
……俺は
………俺は騙されたのかッ!!!!!
あまりのショックで約十秒間放心してしまったが、
気が付いた途端、俺の中で猛烈な怒りが沸き起こった!
魅音、お前は…絶対にやってはならぬことをした!
純真なる男の夢を踏みにじったのだッ!!
例えお釈迦様が許したとしても、俺は許さん!
この怒り、受け取るが良い!!!
俺は四つん這いになると、魅音の足首を掴む!
「あはははは…って、あれ?圭ちゃん…?」
「…魅音、お前は男の純情をもてあそぶと言う、あるまじきことをした!
本来は万死に値する罪だ!だが、この前原圭一の妻として罪一等は減刑してやろう。
だがッ!その代わりに、最も恥ずかしい男のロマンを体現させてもらうぞッ!」
「えっと、圭ちゃん…なに?なに?」
ようやく、俺の怒りに気がついた魅音が狼狽している。
ふん!遅い!魅音、お前は俺の怒りを思い知れ!!!
「魅音、その手に握っているスカートの端を…放せ」
「ヴぉおおええええ!!?!?!?!?!?」
激しく動揺している魅音。
その叫び声が心地よい。
「け、け、圭ちゃん!?!?な、な、何をいっているのさ…!!!!!」
「何を動揺しているんだ?手を離しても、いまと現状はかわらないだろ。
強いて言えば、布が一枚あるかないか程度の話だぜ…?」
「そんなわけあるかあああああああ!!!そんなことしたら!!あ、あのっ!!
スカートの中に圭ちゃんの頭が入っちゃうじゃん!!!!!!」
「そう、それこそが男のロマンの中のロマン!
『女子のスカートに頭を入れる』だ!そう、これは思春期の男子にとって…」
「そんなウンチクいらないからッ!!!!語らなくていいからッ!!
だ、第一ッ暑いでしょ!!頭からかぶったらッ!大変だよ!」
「我慢する。問題無い」
「む、蒸れちゃうじゃん!ムシムシになるよ圭ちゃん!」
「魅音に蒸しられるのなら本望だ」
「それに、に、に、匂いとか、あるからさ!!!」
「むしろ、それはご褒美だッ!!!!」
「いやあああああああヘンタイだぁッ!!
圭ちゃんの口から、そんな話聞きたくないッ!!!!!!!!!」
「変態じゃない…そう、これはロマンだ!!」
ゲームなら、光彩エフェクト付き大爆発背景が表示されるであろう必殺の場面ッ!
見たか、魅音ッ!これが、これこそが男なのだ!!!
魅音が半泣きで叫ぶ。
「圭ちゃんが壊れた!ヘンタイになっちゃった!!!!!!!!!
誰か助けてえええええええええええ!!!!!!」
ふふふ、愚か者め。
思春期男子を怒らせるからだ…!純情をもてあそんだ罪、とくと思い知れ!
ガラガラガラ…
圭一&魅音「「あっ…」」
用具室の扉が開かれ、そこには笑顔を引きつらせた梨花ちゃんの姿が…
「…アンタ達、私が必死に奉納演舞の練習をしているときに、なに大声でイチャついているわけ?
今年の綿流しの生贄になりたいの?それとも、鬼隠しにあいたい?いいわ、好きな方を選びなさいちょうど二人いるしね。オヤシロ様も大喜びだわ…」
聞いたことも無いような低い声で語る梨花ちゃん…
これは、明らかに、完全に、キレている…!
梨花ちゃんの後ろにいる沙都子も頭を抱えている。
「…こういうことは圭一さんと魅音さんには、あまり言いたくはございませんけれど
もしかして、お二人は、おバカさんなのではございません?」
俺達は顔が引きつる。
騒ぎを聞きつけた大人達も次々と集まってくる。
この事態をどう収拾つけるべきが、俺は頭を全力で回転させた。
そして魅音と顔を見合わせる。
うん、無理だ。謝ろう
[12日目(月):前原屋敷:夕方:前原圭一]
俺達は用具室で正座をさせれ、一時間近くも梨花ちゃんに説教を受けるハメに陥った。
幼年組に説教される年長組の二人。シュールにもほどがある。
回りの大人達も困惑し、最終的に見かねた公由村長さんが仲介により何とか脱出できた。
だが梨花ちゃんの怒りは想像を絶し、練習用にもってきた布団を原型がとどめないほど杵で叩きつけたらしい。
「あの冷静沈着な梨花をガチギレさせるだなんて、ある意味大したものだと思いますけれど…今日はもう、お二人ともおかえりなさいませ。一晩寝れば、さすがに梨花も落ち着くでしょうし」
そう沙都子に諭されて、俺と魅音は手をつないでトボトボと家路についた。
明日までには雛見沢中で噂になっているだろうな「境内で逢引きをして梨花ちゃんに激怒された二人」として。
「はぁ~梨花ちゃん、怒らせちゃったね」
「明日一緒に謝ろうぜ。梨花ちゃんなら許してくれるはずだしさ」
「ごめんね圭ちゃん。こんなことになって」
「いや、俺もさ、大人げなかったし…」
どっちが悪いかなんて話はでない。
どうかんがえても、二人とも悪いからだ。
そう思える俺達二人は素晴らしい夫婦なのでは無いだろうか。
…という風にまとめれば、少しは良い話風に終われるか?
「あ、あははは…そうだね。
ところで圭ちゃん、今日は家に行っても良い?今日はバッちゃがね、夜遅く帰ってくるんだ。
夕飯だけでも圭ちゃんと一緒に食べたいな。って思ってさ」
「おう、もちろんいいぜ!親父もお袋も反対はしないだろうしさ。
ってことは、泊まれないのか」
「うん。でも、その分サービスするよ圭ちゃん」
俺の腕に、自分の腕を絡ませてきた魅音をエスコートして帰宅する。
家に帰るとお袋が夕飯を作っていた。
魅音も夕食を共にしても良いかと聞いてみると、お袋は喜んでOKサインを出してくれた。
魅音は手伝おうとしたが「二人で、お部屋でくつろいでいてね」と、やんわりと拒否されたので、二階の俺の部屋へと一緒に行くことにする。
ちなみに親父はアトリエで仕事に没頭しているようだ。
よかったぜ、また親父に余計な事を言われると困るからな。
部屋に入ると魅音は無造作に床に座り、俺は本棚に向かった。
たしか魅音から借りた本があったはずだ。ついでだから返しておこう。
俺は中腰で本棚を探し、お目当ての本を見つけると振り返った。
「魅音…」
魅音が足を組んで俺を見ている。
わざわざ、スカートの丈を膝ぐらいまで短くして。
「どうしたの圭ちゃん…」
目を細めて、落ち着いた低い声で俺の名前を呼ぶ。
その声に、背中にゾクゾクっとしたものが走る。
「いやさ、お前に借りた本だけど、返そうと思って」
「いいよ、圭ちゃん。まだ持っていても…」
魅音は、見せつけるように
ゆっくりと足を組み替える。
…ま、待てよ。
落ち着けって、俺。
頭をふって、魅音の脚に釘付けになりそうなのを何とか耐える。
そうだ。こんな誘惑に引っかかるかよ。
「はははは、魅音。種がバレた手品なんて面白くないぜ?」
「手品…?」
「あぁ、もう既に、そのスカートの中にあるのがブルマだってバレているんだ。
俺がたじろくと思ったのかよ!甘いぜ魅音!」
そうだ。既に俺は、そのスカートの中が赤ブルマだと知っている!
だから、そんなにチラチラとさせても、少ししか気にならないぜ!ちょっとだけな!
「その、赤いブルマって、これの事?」
「…え?」
魅音の右手人差し指がくるくる回しているのは…まさか…
ポイッ
魅音が投げ捨てた赤いブルマが俺の目の前に落ちた。
赤いブルマを凝視する。あれはさっき魅音が履いていた赤いブルマにちがいない。
至近距離で俺は見たんだ。間違えようが無い。
「圭ちゃん、それはただの”布”だよ?」
その声に振り返る。
魅音は片足をあげて、ゆっくりと靴下を脱ぎはじめた。
スカートから現れる太もものラインに目を離せない。
そして悔しいことに、絶妙な角度でスカートの中身が見えない。
魅音は楽しそうに眼を細める。
「圭ちゃんはさ、おじさんの”中身”に興味があると思っていたんだけど、もしかして違ったのかな?」
脱いだ靴下をさらにブルマの上に放り投げた時、俺は気が付いた。
今の魅音は「勝負モード」に入っている。
もともと、魅音は勝負ごとに強いが、少しスロースターターな所がある。
だから、突発的なことに弱かったり、防御力が紙の時だってある。
だが、完全に調子に乗ったときは桁外れに強い。
何しろ戦略、戦術、戦闘、全てを兼ね備えた最強の指揮官になるのだ。
おそらく瞬間最大風速はトーゴー提督やネルソン提督をも超えるだろう。
そんな「勝負モードに入り絶好調」になった魅音が、全力で『誘惑』をしてきたらどうなるか?
そんなの決まっている。
抵抗できるわけがない。
「こっちに来て…約束だから、サービスしてあげるよ圭ちゃん…」
魅音が、もう片方の脚をあげて靴下を脱ぐ。
これもやはり絶妙な角度で足をあげているので、ふとももは露出しているが、
スカートの中身は見えない。
俺は操られるように、四つん這いで魅音の足元までくる。
顔をあげると、魅音は脱いだ靴下を親指と人差し指でつまみ、下唇を舐めた。
「圭ちゃんが欲しいのは”これ”じゃないよね?」
魅音はもう片方の靴下も投げた。俺は目で、それを追う。
美しい放物線をかいて、先ほど反対側の靴下を落した赤ブルマの上におちた。
「圭ちゃん…」
名前を呼ばれて振り向くと。
魅音がベッドの上で両膝が立てて体育座りをしていた。
両脚はきちんと閉じられていたけれど、
スカートは太ももまでまくりあげられ、生足を露出されている。
「好きにして良いよ」
…え?好きにして良いよって、
どういう意味だよ。
俺の心臓の鼓動が高まり、呼吸も激しくなってくる。
言葉通り解釈すれば、このまま足を広げても良いってことか?
いや、でも、そんなことは…
「圭ちゃんが、今思っている事。やってもいいんだよ…」
「え…あ…本気なのか…魅音?……」
「本当はね、圭ちゃんを困らせる気なんて無かったんだ。でも、圭ちゃんがあんまり可愛かったから、ついつい、おじさんイタズラしちゃったんだよ。御免ね。これは、その罪滅ぼしだからさ…」
…嘘だ。
さっきのは間違いなく俺をからかうつもりだった。
そして舌なめずりしている今の顔を見ればわかる。
謝罪の気持ちなんて微塵も感じられない。
でも、嘘だとしても、これを拒否できるのか?
抵抗なんて、できるわけがない。
もし抗うことが可能だとすれば、それは俺が魅音を愛しておらず全力で拒絶する気概に満ちている時だけだろう。だが、そんなことは未来永劫来やしない。つまり、俺にあらがうすべなんて無い。
俺は体を半分起こして、震えながら手を伸ばす。
そうさ、仕方が無いんだ。
そもそも、魅音が良いって言ったんだぜ?
その好意に甘んじても良いじゃないか。
いや、だったら…
本当に俺が望んでいることをするべきじゃないか…?
俺は伸ばした手を脚ではなく、肩に置いた。
「本当に、良いんだな魅音?」
魅音が頷くと俺は立ち上がり、魅音を押し倒す。
「圭ちゃん…」
魅音は少し驚いた顔をしていたが、すぐに口元を歪めた。
動揺をほとんどしていない、立ち直りが早すぎる。
だとするなら…
これも、お前の想定内なのか魅音?
あぁ、わかったぜ。
なら全力でやっても良いんだよな?
俺は魅音の唇を塞ぐ。
そして唇を何度も味わうように動かし、舌で少し魅音の歯を舐めた。
魅音は、最初軽く抵抗していたが、すぐに口を開き、舌を絡ませてくる。
初めてキスの時に舌を入れたが強烈だ。
脳天に響くほど甘美な味がする。
いつの間にか、俺と魅音は舌を絡ませ合い、吸い付くようにキスをしていた。
何度も、何度も口づけをしているうちに、頭がぼうっとしてきた。
タン、タン、タン…
魅音が背中を三回たたいている?
止めて欲しいのか?俺は何とか理性を総動員して唇を外す。
俺の舌と魅音の舌の間に透明な小さい糸が引いている。
「け…圭ちゃんッ…圭ちゃんッ…!おじさん、飛びそうだからッ、お願い強く抱きしめて」
飛びそう…という意味は分からないが、俺は頷くと魅音を抱きしめながら、キスを続行する。
さらに激しく、さらに濃厚に…その時、魅音が大きく体を2.3度痙攣させた。
俺は驚いてキスを止める。
「大丈夫か魅音?」
「ん、大丈夫。なんかふわふわする。あはは、おじさん…飛んじゃったみたい」
魅音はうつろな目で俺を見返す。
上気した顔がとても官能的だ。魅音の激しい息さえも甘く感じる。
あぁ、もう駄目だ。
自分でもわかっている。もう馬鹿になっている。止められない。
これが監督の言っていた若さゆえの暴走ってヤツなのか。
「魅音、すまん…俺、もう止められない…」
「いいよ、圭ちゃん…」
魅音はスカートのポケットから、何かを取り出した。
あれは、ピンク色のコンドームだ。
魅音は意味ありげに笑うとコンドームを口に加えた。
「やっぱり、監督に相談しておいてよかったね」
「…あぁ、監督には感謝しないと」
「…それじゃ、さ。始めようか圭ちゃん…私達の初夜…」
俺は魅音は見つめ合い。
手を握り、そして…
………………
……………
「圭一ー!魅音ちゃん、夕飯できたわよー!!!!!
早く降りてきて、食べにいらっしゃーい」
……
………
お袋の、声が聞こえてきた。
俺達はしばらく無言で見つめ合うと、
いつしか笑い始めた。
「「あははははははははははははは!!!」」
なぜだかわからないが笑った。
笑って笑ってわらった。
一通り笑い終わると、俺は魅音の体から離れて、
仰向けになって倒れた。
「圭一ー!魅音ちゃん、聞こえるー!?お夕飯できたわよー!!!!!」
「聞こえるよ母さん。今行くー!」
先ほどまでの熱はすっかりと冷めてしまった。
あれほど燃え上がっていた情熱が一瞬にして無くなるなんて。
なるほど、これが冷水をぶっかっけるってやつか。
魅音が上から俺の顔をのぞいてくる。
「はぁ~。もうちょっとだったんだけどね。おじさんもガッカリだよ」
「嘘つけ、お前のことだから、お袋が声をかけてくるのも計算づくだろ?」
「そんなことないよー。いくら、おじさんでも、お義母さんがどのタイミングで夕食を作り終えるかなんてわかるわけないじゃん」
そりゃそうか。
幾ら何でも、そんなに都合よく人間が動いてくれるわけが無い。
うつ伏せになった魅音が、
俺のほっぺたをつっつく。
「でも、さ。あと十分、お義母さんの声かけが遅かったら…だよね。
ククク…圭ちゃんも本気になるってわかっただけでも収穫かな?」
「…どうでもいいけど魅音。お前、脱いだプルマと靴下片付けておけよ?」
「うぎゃあああ!圭ちゃん見ちゃだめっだってッ!脱ぎたてブルマを見るだなんて、
変態だよ変態!!!!」
見るなって、お前が脱いで飛ばしたんだろう…
本当にONとOFFの切り替えが分かりやすい奴だぜ。
ベッドから降りてブルマと靴下をバッグの中に入れている魅音を見る。
最初につき合った頃は、好きの一言も中々言えないぐらいに内気だったのに、
今では全力に誘惑するぐらい…それはノッているとき限定だけど…情熱的になってきている。
俺の為に頑張ってくれているんだと思うと、それがたまらなく愛おしい。
「圭ちゃん、それじゃ下におりようか…ふにゃ!?」
片付けが終わって、振り返ろうとする魅音の背中から俺は抱き着いた。
魅音は、顔を真っ赤にしている。
「け、圭ちゃん。ダメだって!お、お、お義母さん、そろそろ怒るよ?」
さっきまであれほど俺を右往左往させていた魅音が抱き着かれただけで狼狽するなんて。
本当に『勝負モード』じゃない時の魅音は防御力が弱いよな。
「ありがとうな魅音。俺のために、頑張ってくれているんだよな」
「あ、うん…」
魅音が視線を落として小さく頷く。
だめだ。ちくしょう。可愛すぎる。
自分を抑えるので精いっぱいだ。
夕飯時でなければ、このままさっきの続きをしたいぐらいだぜ。
だけど、さすがに三回も呼んでこなければ、俺の部屋にお袋が来かねない。
そんな時オイタをしていたら非常に気まずい。
やはり、今日は諦めるしかないよな。
我ながら未練たらたらだぜ。
俺は魅音の頭にキスをする。
「じゃさ、降りようぜ」
「うん。行こう、圭ちゃん」
俺は立ち上がると、魅音に手をのばす。
頬を赤らめながらその手を握る魅音。
それでは、愛しき我が妻を階下までエスコートするとしますか。