ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~ 作:Java-Lan
[3日目(土):雛見沢分校:昼:前原圭一]
ゲーム開始十秒で監督は撃沈した。
梨花ちゃんと沙都子を狙うレナの猛攻に耐えきられなかった。
入江監督、いやイリー。アンタは頑張ったよ。
ただ努力は結果についてくるとは限らない。それが人生ってものなんだ。
俺は魂の同志であるイリーに心の中で敬礼をした。
…現実世界では同類と思われたくないので、
心の中にとどめたのが最大の理由なんだけどな。
さて、監督の話はともかく、
虫取りゲーム(正確には人取りゲームか?)だ。
範囲はグランドを含む学校の敷地内。
公平をたすために、全員の場所はクジで決め、
四方八方に散らばった。
おおむね、水鉄砲で遊んだときと同じだ。
ゲームに参加するのは、
俺、前原圭一、魅音、レナ、梨花ちゃん、沙都子、詩音に監督の計7名。
ルールは、全員が虫取り網を持ち、
頭から網を被らせられたら『捕獲』となり
お持ち帰りの対象となる。
最後まで生き残った者が勝利者だが、
お昼休みの終了のチャイムが鳴った場合は、捕獲した人数で勝者を決める。
という感じだ。
ちなみに総どり制なので、
2人捕らえている相手を捕獲すれば、
捕獲者を含め合計3人獲得できることになる。
ただ、その場合、お持ち帰りできるのは
あくまでも「直接捕らえた相手」のみだ。
…そうなると、このゲームの全体の流れは、
始まる前にほぼ予想できる。
レナと監督は即座に梨花ちゃんと沙都子を狙うだろう。
「捕らえた相手は、お持ち可能」というルールに、
監督とレナには、
だが、相手がレナでは監督が競っても勝ち目はないだろう。
ドン!ドン!
空気銃の音。
ゲーム開始の合図が始まった。
「げふっ!?」
監督の声。
予想通りレナに一蹴されてしまったようだ。
監督に心の中で敬礼を行う。
あとは、レナは梨花ちゃんと沙都子を執拗に狙うはずだ。
だが、今回はここからが味噌だ。
『捕まえたらお持ち帰り可能』であって
『ゲームに勝ったらお持ち帰り可能』では無い。
つまり、虫取り網で梨花ちゃんと沙都子を捕まえた段階で、
レナがゲームを続行する理由の五割ぐらいは減る。
つまり能力向上バフが無くなるのだ!
…いや、これはあくまでも希望的観測だ。
カワイイモードのままである可能性も高い。
しかし、その場合でも、少なくとも動きが止まるはずだ。
おそらく、しばらくは二人を頬すりしているに違いない。
となれば、俺の相手は
魅音と、詩音の二人に絞られる。
だが、おそらく沙都子の
自称している詩音は沙都子狙いにいくだろう。
とはいえ慎重深い詩音のことだから、
監督のように無暗やたらに突撃するとは思えない。
おそらく物陰や何かで沙都子や、それを探すレナの動向を見て対応するはずだ。
だとすれば俺が対応するのはただ一人…!
「圭ちゃんいただき!」
ブンッ
俺はとっさに身をひるがえしてよける。
案の定だ。そこには魅音が立っていた。
「へへへ、やっぱ、魅音か。最初に俺を狙うってのは、わかっていたぜ」
「ふ~ん。さすがだね圭ちゃん。どうしてわかったのさ?」
「そりゃお前、今、一番お持ち帰りしたい相手といったら・・・」
恋人の俺にきまってるだろ?
…と、声に出しかけて、どれだけ恥ずかしいことを言いそうになったかに気が付いて赤面する。
たぶん、魅音も俺が何を言いたいのか気が付いたんだろう。
俺達二人して無言で顔を赤くして視線を落してしまう。
って、お、おいおい前原圭一。何をやっているんだ!?
眼の前に相手がいるんだぞ?なんてドジだよ!
相手が動きを止めたのなら攻撃しろよ!恥ずかしがるな!
最初に赤面したのは俺なんだけどさ!
俺と魅音が距離をとったのはほぼ同時。
虫取り網を構えて臨戦態勢を取る。
「と、とにかくだ!お持ち帰りさせてもらうぜ魅音!」
虫取網を叩きつける、払う、突く!
ことごとく、魅音にはじき返されてしまう!
だが、魅音の攻撃も、俺はさばいて、さばいて、さばいた!
「やるね圭ちゃん!私相手にここまで戦うなんてさ!」
魅音は良家のお嬢様だ。
おそらく真剣や木刀なら手慣れているにちがいない。
もし、手に持っている獲物がそれらだったら
戦いにもならず瞬殺されたはずだろう。
しかし!
攻撃速度が比較的遅い虫取り網ならなんとか対応できる!
だが、そんな俺の考えを読んだのか、
魅音はニヤリと笑って左手をスカートのポケットに入れた。
「甘いよ圭ちゃん!」
飛び出してきたのはロープ!
グランドに白線を引くときに使う長いロープ!
結構長くて太いそのロープを俺めがけて投げてきた。
しかも、なんとも上手いぐあいに俺の両手に絡みつく。
「ちょっと待て!?
そんな長いロープ、スカートのポケットに入りきらないだろう!インチキだ!」
俺の抗議は笑顔で無視。
魅音は、たまに物理法則を無視して物体を収納してくる!卑怯だろ!
これは絶体絶命のピンチだ。
俺はこの事態を打開するために今すぐ判断をしなければならない。
後ろに下がるか?魅音を引っ張って、力づくで!
いや、ダメだ。相手をこちらに引きずろうとした瞬間、飛びかかってくるだろう。
そうなれば俺が後ろに倒されてOUTだ。ゲームセット。魅音にお持ち帰りされてしまう。
…よくよく考えてみたら、それでもいい気がする。
いやいや、それはダメだ。
会則第何条かは忘れたが、どんな勝負でも最後まで本気で戦わなければいけない。
すると方法は一つ!
後ろが駄目なら前に飛び出す事だ!
いつだって活路は前にあるのだ!
「魅音ッ!覚悟!」
俺は魅音に引っ張られて倒される前に、飛び掛かる!
だが魅音はそれを予想していた。会心の笑みを浮かべている!
これはマズったか?しかし、もう遅い!サイは投げられたんだ!
「圭ちゃん。残念だよ!こんな罠にひっかるだなんてさ!」
「うるせえ!今日はお前をお持ち帰りして、俺の両親に紹介してやるんだよ!」
「…ほぇ?」
パサ…
俺の虫取り網は、見事に魅音の頭を捕らえた。
勝った!魅音め、俺の勢いに飲まれて動きを止めたな。
これぞ作戦勝…
「…圭ちゃん。ご両親に紹介するって…どういうこと?」
魅音は顔を顔を赤くして、
ぼ~と俺を見ている。
…あ。まずい。
特に深い意味はなく、勢いで口走っただけだなんだが。
魅音にあらぬ誤解を与えてしまったみたいだ。
これは釈明しないと。
「あ、いや…その、変な意味じゃなくて…」
「じゃなくて?」
「あのさ、今日、出かける時さ…その、親父が『今度、彼女を連れ着て』と言っていたから…」
「…そ、そうなんだ。
…だから圭ちゃん、私を御両親に紹介したくて、お持ち帰りしたかったのか…アハハハハ」
「そうなんだよ。アハハハハ」
俺達はお互いに照れ笑いしていた。
…というか釈明というか何でもないな。
普通に事実の羅列だ。え、と…間抜けか俺?
バサ…
「はい圭ちゃん。色んな意味でごちそうさまです♥」
虫取網が俺の頭に!
誰だ!?あ、詩音っ!?なんでここにいんだよ!
お前は、沙都子を追っていたはずじゃ…
「圭ちゃんと、お姉が、ここでラブってる間に、沙都子と監督はGETさせて頂きました☆」
…監督?あ、そうか。そういうことか!
我ながら度し難い。考えればわかることじゃないか!畜生!
レナが開始早々、監督をブチ倒しても、
レナは梨花ちゃんを逃すタイムロスをさけるために虫取り網で捕まえずに
まっすぐ梨花ちゃんの元へ向かったんだ!
何しろ『虫取り網で捕まえた相手をお持ち帰り』できるのだ。
レナにとっては、監督など眼中にない!あくまでも目標は梨花ちゃんと沙都子だ!
詩音はそれを見て、すかず倒れた監督を捕縛する!
次にどうなるか?
おそらく、梨花ちゃんと沙都子は、レナのお持ち帰りを恐れて結託したはずだ。
そうなれば梨花ちゃんを囮にして、沙都子はトラップを仕掛ける。
そういう作戦をとるだろう。
しかし、トラップを仕掛けるということは梨花ちゃんと沙都子は離れなければならない。
沙都子が一人になっところに、詩音が捕縛。
可愛そうに沙都子の援護が受けられない梨花ちゃんは、
レナの餌食に…
「…そして間抜けにも魅音とロマンスをやっていた俺は隙をつかれたってわけか。やれやれだぜ」
「ま、私の予想ではお姉が圭ちゃんを捕まえたと思ったんですけれどね。
さすがお姉~惚れた弱みってヤツですか?」
「し、詩音~!!」
その時、お昼休みが終わるチャイムが鳴った。
部活は終了。勝者は詩音だ。
皆は集まり、今回の結果を確認。
場を取り仕切るのは勝者となった詩音だ。
「はいはい~☆それでは罰ゲームを発表します!
まず、捕らわれた梨花ちゃま、沙都子、お姉は
抵抗せずに、しっかりとお持ち帰りされること!」
「は、は、は、はぅ~☆梨花ちゃんお持ち帰りなんだよ!!」
「み、みぃ~!!!!」
「レナさんは、まっすぐ梨花ちゃまをお持ち帰りして下さいね!」
監督がおずおず手をあげる。
「あのぉ~詩音さん、私は?よろしければ車で興宮の自宅までお送りしますが。
もちろん、沙都子ちゃんと一緒に一泊しても…」
「お心遣い、ありがとうございます監督。それでは、車に乗せてもらいますね!
でも、お泊りはNOサンキュウです☆監督は、むしろ、お持ち帰りしない方が
罰ゲームになりますからね!」
「そんな~」
「沙都子♥今夜は、ねーねーがたっぷりカボチャのフルコース料理をふるまってあげますからね☆」
「い~やぁ~誰か助けてぇ~!詩音さんにころされるぅ~~!」
ん?あれ?
俺に対する罰ゲームは?
「圭ちゃんには…」
おぞましい笑みを浮かべるな詩音…
「お姉と一泊してもらいます♥」
俺&魅音「「ハァ!?」」
「ちょっと待ってよ詩音!お泊り!?圭ちゃんちに!?
着替えの用意なんかもってきてないし、そもそもバっちゃの世話どうするのさ!」
「あんれぇ~?今日、バっちゃは興宮の実家の方にいるんじゃなかったでしたっけ?」
「…うっ」
「いやぁ、偶然にも今日、私、うっかりアルバイトの日と間違えて、
着替えもってきてしまったんですよね…というわけで、持って行ってお姉☆」
「そんな偶然あるかー!詩音、あんた最初からー!!!」
なおも抗議しよう魅音に、着替えの入ったバッグを押し付ける詩音。
謀ったな詩音…だが…
「いや、待て待て、詩音!まず、俺の家庭の事情も考えてくれ!
いきなり彼女を連れてきて、『今夜泊まらせたいんだけどいいか?』なんて
いくら何でも、うちの親が許してくれるわけねーだろ!」
現実はエロゲーじゃないんだぞ!
そんなこと許されるわけないだろ!
だが、何が面白いのか詩音はケラケラ笑う。
「アハハハ☆そうでしたね!じゃあ、圭ちゃんには『いつでもいいのでお姉と一泊する』で、いいですよ!とりあえず今日ダメだったら、今度一緒に旅行に出かけるとかして一泊してみてください。それなら良いでしょ?」
…確かに、それならハードルがぐっと下がるし、なにより俺が拒否できない。
くそぉ詩音の奴め。味な真似をしやがる!
罰ゲームが決まった事で、解散となった。
レナは梨花ちゃんをお持ち帰りし、沙都子と詩音は監督の車で興宮まで行くことにした。
詩音の乗り物が学校に置くことになったが、
どの道、明日沙都子を連れて雛見沢までくるので、その時回収するらしい。
「…じゃ、さ。俺達も帰るか魅音」
「…うん」
皆と別れの挨拶をすると、俺と魅音は手をつないだ。
そういえば、魅音を両親に合わせる約束もしていたよな。
今日はこのまま、まっすぐ家に帰るとするか。
トピック: [ 魂の同志イリー ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※
魂の同志とは
「罰恋し編」で形成されました
前原圭一:K(ケイ)
大石蔵人:クラウド
入江京介:イリー
富竹ジロウ:トミー
の四人「ソウル・ブラザーズ」グループのメンバーの事。
部活で負けがこみ、意気消沈していたK(前原圭一)を発奮させるために登場。
四人はあらゆる妄想の中で、部活メンバーの女子や知恵先生などにイケナイ罰を考えました。