ひぐらしのなく頃に~ただひたすら圭一と魅音がイチャイチャするだけ編~   作:Java-Lan

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第8話__4日目(日)A「平行世界」

[4日目(日):前原屋敷:朝:前原圭一]

 

魅音と一緒に寝たのは良いが、興奮して眠れなかった。

そりゃそうだ。だって腕の中に魅音がいるんだぜ?

眠れるわけないってんだ。

 

それでも、早朝にまどろみを感じはじめ、少しは眠ってしまったようだ。

腕の中に魅音がいなくなっていることに気が付いた。

 

よく見ると、部屋のドアの前に

着替えを終えた魅音が立っている。

 

「あ、ゴメン圭ちゃん。起こしちゃった?」

 

時計を見ると、午前五時だ。

 

「興宮の実家から親類一同が、今日来る予定になっているんだよ。

 だから一足早く、家に戻ろうと思ってさ」

 

ほとんど眠れてないせいか

今頃になって俺に猛烈な眠さが襲ってきた。

 

そうか…

 

瞼の重さに耐えきれず

そう答えるしか無い。

 

あぁ、そうだ帰るなら送ってやらないと…

 

「大丈夫だよ圭ちゃん。圭ちゃんはそのまま寝てて」

 

でも、よぉ魅音…

 

「圭ちゃん、昨日は、その…すごく嬉しかった。

あんなにも私の事を大事に思っていてくれただなんてさ…」

 

当たり前だろ…だって、魅音なんだぜ…?

 

「じゃ、また…今度はさ、うちに泊まりに来て。約束だよ」

 

魅音…

 

魅音は俺の頭に軽くキスをすると部屋を出て行った。

俺はというと手を動かそうとするが、それが限界だ。

 

あぁ、情けない。

魅音を送ることもできないだなんて。

 

そして俺は意識を失った。

 

目を覚ました時は午後二時だった。

一階に降りると、冷蔵庫にお袋のメモが貼ってあった。

 

<大切な用事がありますので、先に出かけています。

 魅音ちゃんと一緒に食べてね>

 

どうやら俺と魅音の分の朝食を作って出かけたようだ。

残すのも勿体ないので、魅音の分も平らげる。

 

「そういえば、魅音、朝も食べずに帰ったのか。あいつ、お腹減って無いだろうな」

 

ピンポーン

 

なんだ?チャイムが鳴ったので出てみると、そこにいたのは詩音だった。

 

「ハロロ~☆圭ちゃん。もしかして、おはよー!かな?」

「詩音か?あぁ、沙都子を送るとか言っていけど、その帰りか」

「そうでーす!学校までバイク取りに行く途中なんですけど、一緒に取りにいってくれません?」

 

沙都子と梨花ちゃんが住んでいる神社と、俺の家は学校を挟んで反対側にある。

つまり、沙都子を送って、バイクを回収してまっすぐ帰るつもりなら、その途中で俺の家にくるはずがない。

 

「いいぜ、ちょっとまってな」

 

魅音の事で話がしたいんだろうな。きっと。

 

[4日目(日):通学路:昼:前原圭一]

 

「いやぁ~圭ちゃん。朝は大変だったんですからね」

 

速攻で着替え、詩音と二人で学校へ向かったが、

その道すがら、とりとめもなく詩音の話が始まった。

 

「お姉ったら、昨夜はどれだけ圭ちゃんに大切にされたかをず~~~と言っているんですよ!

 こっちは、沙都子の朝ごはん作りの為に必死だってのに」

「そ、そうなのか。それは、まぁ、大変だったな」

「大変なんてものじゃありません!

 少しはノロケ話を永延と聞かされる方にもなってみろって言うんです!」

 

アハハハ

俺としては笑うしかない。

 

「所で圭ちゃん」

「なんだよ」

「お姉、抱かなかったんですか?」

 

ぐっ…

ストレートに聞いてくるな。

 

「いや、なんでそんな話を俺に聞いてくるんだよ。魅音に聞けよ」

「はぁ~その反応。やっぱり昨日の夜はダメだったみたいですね。

 せっかくお姉のために、色々な衣装を入れた着替えのバッグを持たせたってのに」

 

何をバッグに入れたのか聞くのは良そう。

どうせろくでもないものにちがいない。

 

「ん、まぁ、お姉には圭ちゃんとの間で既成事実をつくって、

 しっかりゲットしろってはアドバイスしていたんですよね。

 でも、無理かーお姉だもんね。仕方ないかーハァー」

「それ、攻略対象の俺に言う台詞なのか?」

「じゃあ、逆に言えば誰に言えってんですか?沙都子に言っても『なんて下らない事でさわいでいらっしゃるんですの』って目で見られるだけなんですよ?」

 

相手が沙都子ではなぁ。

 

「それに…」

「それに?」

「お姉が好きになった圭ちゃんが、どんな人かって。ほら、確かめたいじゃないですか」

「今更かよ!何度もあっているだろう!?」

「今更ですよ?アハハハ」

 

相変わらず詩音は手ごわいな。

捕まえようとすると、こう、するりと手の平から逃げていく。

そんな感じだ。

 

でも、逆に言えば俺よりも物事を距離を置いて見ているような気もする。

 

そうだ。そういう詩音だからこそ。

昨夜の話を、してみるか。

 

「なぁ、詩音…俺の話も聞いてくれるか?」

「なんですか?圭ちゃんも、ノロケ話を聞かせたいんですか?だったらNOサンキュウですよ!」

「あ、いや、むしろ、その逆なんだけどさ…」

「ふ~ん。なんですか?」

 

俺は昨日の夜、魅音を疎外感を与えてしまった話をした。

魅音に対して、他の部屋に泊まるように行動したり、ベッドで一人に寝るように言ったり、

おおよそ、恋人らしからぬ行動について、聞いて欲しかった。

 

詩音は最後まで話を聞くと、少し困った顔で聞き返した。

 

「それで、圭ちゃんは私にどんな返事を求めているんですか?」

「あ、いや…その、悪いことを魅音にしてしまったな。って思ってさ」

「で、お姉はそのことを怒っているんですか?」

「え?いや、それは無い。と思う…」

「なら、それでいいじゃないですか。もうそれで、この話は終わりです」

 

え?終わり?それでいいのか?

 

「…圭ちゃん。よく聞いて欲しいんですけれど。お姉は昨夜のこと悪い想い出だなんて、全く思っていませんよ?私が電話で聞いた限りでは、圭ちゃんと素晴らしい一夜を過ごしたと思っています。きっと、お姉には初めて圭ちゃんの家にいった思い出は、何よりも大切な宝物になっているんですよ」

「そう…なのか…」

「なのに、圭ちゃんがそんな『悪い事をしてしまった』なんて考えていたら、

 それ、どういうことになると思います?」

「どうって…」

「お姉の中にある、圭ちゃんのとの素晴らしい一夜の想い出が、

 圭ちゃん自身によって踏みにじられることになるんですよ!」

「え…」

 

俺が、魅音の思い出を踏みにじる?

そんなこと、考えもしなかった。

 

「自分の落ち度に気が付いて、それに対応したのは褒めてあげてもいいですけれど、

 逆にそれに囚われていては本末転倒です。謝ったのなら、それでおしまい!

 許されたのなら、それでOK!

 だから、この話は二度としないでください。私の前でも、もちろん、お姉の前でも!」

「あ、あぁ、そうだな。すまない詩音」

 

「ん、まぁ、でも”らしい”ですけれどね」

 

口調は怒った感じだったが、なぜか詩音自身は嬉しそうだった。

それが何故かは俺にはよくわからないんだが。

 

そうこうしているうちに、学校にたどりついた。

詩音のバイクは裏手の方にあるらしい。

 

手を振って別れようとしが、詩音は最後にこう言い残した。

 

「圭ちゃん。圭ちゃんがお姉を大事にする気持ちはとても立派だと思いますし、素敵だと思います。だけど、あまり大事にされ過ぎると逆に、疎外感や孤独感を感じる事もあるんですよ?

 たまには肉食獣になって、お姉をガブリとたべちゃってください。たぶん…ううん。絶対美味しいですよ♥」

 

何を言いたいのか半分は分からなかったが、

だが半分はわかった。魅音を孤独にさせないこと、疎外感を感じさせない事。

昨日やってしまった俺の過ちについて、詩音を伝えたかったに違いない。

 

「ガオー☆ガオー☆なのですよ!」

「うわっ…!!」

 

突然声をかけられて驚く。

 

「…って梨花ちゃん?沙都子!?」

 

振り返ると、そこには両手をあげて狼?熊?の真似をしている梨花ちゃんと、その後ろに隠れている沙都子の姿があった。

 

「あれ?沙都子?詩音なら今、校舎に向かった所だから走れば追いつけるぞ」

「詩音さんに声をかけるだなんて、ゴメンですわ!昨夜から今にかけて、

 どれほどの悪夢を詩音さんにみせられたことか…!」

 

「沙都子は、詩ぃに拉致されて、三食カボチャ料理だったのですよ☆にぱ~」

 

三食?ああ、夜に、朝に、昼か…

しかし、詩音…お前、ここまでやると、逆に沙都子のカボチャ嫌いが加速するんじゃないか?

 

「じゃあ、詩音にお別れを告げに来たんじゃなければ、なんで学校にきたんだ?」

「それは沙都子が宿題を学校に忘れてきてしまったからなのですよ」

「うぅ、これから土日分の宿題を帰ってやらなければならないのですわ。

 カボチャ三昧でさらに宿題…この世は苦しみで満ち溢れておりますのよ…!」

 

そうか、そうか。大変だな。

だが沙都子、その苦労がきっと、お前を立派なレディにしてくれるはずだぜ。

 

「圭一さんに言われなくても、私は立派なレディでございますわよ」

「立派なレディはカボチャを嫌わないと思うぞ」

 

しかし、不思議なもんだな。

 

「何がでございますの?」

「あ、いや。魅音と付き合ってのがさ。最初はただの…っていう言い方もおかしいけど。

 こう、なんというか男友達って感じで、あんまり、女扱いしてなかった気がするんだ」

 

それが今では、恋人同士だ。

世の中どう転ぶかわからない。

 

「世の中には色々な可能性があるのですよ。

 圭一は今回は、魅ぃとお付き合いをする。という選択を選んだのです」

 

梨花ちゃんはそう意味深に語る。

 

可能性?選択?

たまに梨花ちゃんは不思議な事を言う。

 

これって、やっぱりオヤシロ様の巫女だからかな?

 

「それってSFでよくあるパラレルワールドというやつか?」

「みー…その言葉の意味はよくわからないのです。ただ、世界には色々な可能性があって、例えば圭一が、レナと付き合う可能性、魅ぃと付き合う可能性、沙都子と付き合う可能性の中で、

魅ぃを選んだ。そういうことなのです」

 

世界には様々な可能性ある。その可能性の世界は、いくつものあって俺はその中の一つにいる。

面白い解釈だが、沙都子は今一納得はしていないようだ。

 

「すると、私が圭一さんとお付き合いする世界があるというのですの?

 にわかには信じられませんわね」

「きっと、その世界では沙都子は、

 圭一に”圭一にーにー♥圭一にーにー♥”と甘えているのですよ」

「な、な、な、な、梨花ぁ!変な世界を生み出さないで下さいませ!」

 

俺は笑って、

沙都子の頭を撫でてやる。

 

なるほど、すると幾つもの可能性の中には、

監督のメイドをしている沙都子とかもいるわけか。

 

「いえ、それだけはありえませんわ」

 

即答か。

イリー、あんたの夢は中々ハードルが高そうだぜ。

 

キュルルル…

車の音が聞こえる。振り返ると黒い車が止まり、中から髭を生やしたおっさんが出てきた。

あれは、たしか葛西とかいう詩音のボディガードの人だったような。

 

「えっと…葛西さん?ですか。詩音でしたら、校舎の方に…」

「いえ、今日は詩音さんでは無く、前原圭一さん。貴方に御用があってきました」

 

俺に?葛西さんが?

 

「…園崎本家の方々がお待ちしております。どうぞ、車にお乗りください」

 

園崎の本家。魅音の家族が俺に何のようだっていうんだ。

考えられるのは魅音のことだけど…

 

でも、確か園崎のバァさんからは交際の許可を貰ったと言っていた気がする。

 

あまり良い予感がしないな。

何か理由をつけて逃げるべきだろうか?

 

だが、そんな俺の前に沙都子と梨花ちゃんが立ちふさがると、二人とも満面の笑みを浮かべた。

 

「圭一さん。何をそんなに怖がっていらっしゃるんですか?せっかくのお向かえなんですから、

 お乗りあそばされたらいかがです?」

「みー☆圭一、行くと良いのです。後でボクたちもいきますのですよ☆」

 

二人に、そう言われれば、行かざるをえないな。

よし、男・前原圭一。覚悟を決めて園崎本家へ行くとするか。




トピック: [ パラレルワールド ]
※トピックでは「ひぐらしのなく頃に」のネタバレが含まれます※

ひぐらしの世界ではループ物ではありますが「パラレルワールド」つまり、平行世界とは語られていません。
ひぐらしの世界では個々の可能性の世界は「欠片の世界」であり、その世界はループ、すなわち梨花ちゃんや、ナニガシラが巻き戻すことで誕生する『有限であるが無限の世界』となっています。

誰かが欠片の創造。つまりループを止めない限り、世界は永遠に作られ続けますが、逆に言えば、誰かが創造を止めた時点で、他の世界が作られることも無くなるのです。
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