「ドクター・・・・・。」
何も見えない、暗闇の中。ふと耳を澄ませてみると、誰かの声が聞こえる。小さくて、透き通っていて、風の音なんかにすぐに掻き消されてしまいそうな、儚げな声。心なしかその声は高く感じる、変声期も過ぎていないような声。まだ声の主は年齢は二桁もないのではなかろうか?と疑問を抱く。今はそんなのどうでもいいか。などと朦朧とする意識の中で考えていると、暗闇が少しずつ晴れてゆく。
「・・・・・手を・・・・・!」
視界が明るくなってきた。目の前には少女がいた。自らの意識を覚醒させた、か細い声。それはこの少女のもののようだった。自分の手を握って、必死の形相で語りかけてくる。どうしたのだろうか。私に何があったのだろうか。現状が分からず、困惑する。今にも泣き出してしまいそうな少女の手を握ってあげて、大丈夫だ、と安心させなければ。なぜなら、私は■■■■なのだから。しかし、まだ意識ははっきりしていないのか、うまく体が動かない。両肩に重しでも載せされているのではないか、と疑うほどに体が重い。それなのに、ゆっくりと思考をする程の余裕がある。実に不可思議な状況だった。
「私を・・・・・!」
少しずつ、重しが取れてゆく。意識もはっきりとしてきた。
「私の手を握って!!」
辛うじて、少女の手を握ってあげることができた。それに対し少女は驚愕と安堵の入り混じった顔に変貌する。
「緊急・・・・・
・・・・・救・・・・・
・・・・・った・・・・・!」
少女はとても焦っているのか鬼気迫る、といった表情で誰かに声をかけている。そちらに視線を遣ってみると、いくつかの人影が見える。背丈の高い二人と、中背中肉の人物、背の低めな女の子と先程まで手を握っていた少女。その中で背丈が少女と同じくらいの、ちょこんとしたような印象を感じる女の子の話を、手を握っていた少女が真剣な表情で聞いている。まだ幼い、と形容されるような少女が。一般的な家庭で、まだ小学校も半ばごろといった年齢の少女がしないような、今から死地に向かうような兵士の、覚悟を決めた表情をしていた。私はそれを見て心が少し痛くなった。何が一体この少女を駆り立てているのか、分からなかった。
ーふと、周囲を見回して、思考に没頭していると、いつの間にか肩に感じていた重みが取れていた。随分長い間、体を動かしてなかったのか、起き上がるのにも少し苦労した。それを確認したのか、5人とも集まってくる。
「あっ・・・・・目を、覚ました?」
彼女は・・・・・手を握っていた少女と話していた、背の小さめの女性だ。その頭には、動物の耳らしきものがある。よく見てみると、手を握っていた少女にも、あの女の子とは別の形の、細長いそれがあった。・・・・・あれは動物に例えるとしたらロバだろうか?
「ドクター・・・・・?」
少女が私に心配そうに声をかけている。私の名前はドクターというのだろうか?私について。私の過去。私。私は一体?何故だかその部分だけ、もやがかかっているように思い出せない。その疑問に対しての答えが見つけられない。
「オッハー!!!!!!(気さくな挨拶)ドクター兄貴体調は大丈夫かゾ?」
急に大声で呼びかけられる。何を言われたのか、少し意味がわからなかったが、とりあえず声のする方向に振り向く。
「ターニャさん!ドクターはまだ目が覚めたばかりですし、大声を出すのはやめてください!ま それに、いつ敵に襲われるかまだわからないんです!もっと緊張感を持ってください!」
「ファッ!?アーミヤCEO!?すみません!許してください!なんでもしますから!!」
「ダメです!この注意も今回だけじゃないですよね?流石に今回は怒りました!ドーベルマン教官に報告させていただきます!!」
「ドーベルマン教官はまずいですよ!こっちの事情も考えてよ......人間の屑がこの野郎.....」
「何か、言いましたか?」
「すいません許してください!何でもしますから!(二度目)」
そこでは手を握っていた少女が、気の抜けた口調で話す背丈の高い左肩に青い紋様のあるスーツを着た人物に怒っている。そもそもあの人は人間なのだろうか?その姿はまるで狼のようだ。もしも口を開かなければその風貌から、人を寄せ付けないほどの圧力を身に纏っていたことだろう。それもあの気の抜けた口調で話しているお陰でその圧力も緩和されている。もしかしたらあの話し方は自分の外見から与えてしまう誤解を解くために身につけたものなのかもしれない、と一人で納得した。私の手を握ってくれた少女はアーミヤと言うのか、しかし、CEOと呼ばれているのに違和感を持った。彼女達は一体なんなのだろうか。それにしても、何故かここの人物は動物的特徴がその姿から散見される。これは一体どういうことなのだろうか。と考えを巡らせていると、今度はおずおずとした口調の中肉中背の人物に話かけられた。
「あの・・・・・お体の方はご無事で何よりです。ドクターさん。ぼ、ぼくはエレナっていいます。」
この人は・・・・・女性だろうか?先程大声で話していた、ターニャと呼ばれる人物と同じ模様のあるスーツを着ている。彼女?は他の人とは違い、特に動物のような器官は見つからなかったが、それを差し引いても余りある異常な外見をしていた。その顔は、半分が「赤」で塗り潰されていた。まるで血管が蠢いているような顔のそれは私を驚愕させた。
「あっ・・・・・びっ、びっくりさせちゃいましたかね!?すみませんでしたぁっ!!!!」
少し驚いたたけだ、あまり気にしないで欲しい、と返す間もなく彼女は後ろに下がって行ってしまった。あのような話方から察するに、彼女は内気な性分なのだろうか。だとしたら彼女は相応の勇気をもって私に話しかけてくれたのだろうか。それこそ、あのような誤解を招きかねないような外見で、彼女も散々な苦労を味わって来たことだろう。そんな彼女の勇気をふいにしてしまった。本当に悪いことをしてしまったと自己嫌悪に陥っていると、誰かが近づいてくる。
「ゲトウさん?ドクターに何か.....?」
医療オペレーターが驚いた様子でドクターに近づく男に声をかける。
「お前が、ドクターか。」
そう尋ねて来た男もまた不思議だった。外見は普通の人間なのだが、その衣装はまるで極東の人間、それも僧衣、という周りの人物達の衣装とはまるで毛色の違う装いだった。彼の発言に対して、私自身自分が誰なのかわからないのだから、答えると言ってもどうしようもなく。肯定も否定出来ずに答えあぐねてしまった。彼はじっと、私を見つめている。
「ドクター・・・・・?」
アーミヤと呼ばれていた少女がいつの間にか、こちらを見ていた。どこか不安そうな、それでいて何かに縋るような響きだった。彼女の声を聞いて全員の視線が私に向けられる。君達は、一体。
「私は・・・・・・一体、誰なのだろうか?」
「Library of Ruina」からターニャとエレナ、「呪術廻戦」から夏油傑参戦です。(白目)なお中身は、
ターニャ→生前は迫真空手部()
語録をよく使うホモガキ
TS
エレナ→コミュ障
絵師
TS
夏油→無口
霊媒師
中身の設定は大雑把にこんな感じ。全部ルーレットで決めたらこうなった()たまげたなぁ.......
お知らせがあります。
これから二名、転生者くんに憑依される肉体のキャラを募集しナス!
一人は関西弁ドルヲタ(ソラのファン)君と無愛想系ラノベ主人公料理人君です。詳しくは活動報告見てください。そのうち続き出します。気長に待ってくれよな......
プロローグ終わったら何見たい?(上位2位までを並行して書きナス!)
-
0章
-
プロローグ転生者視点
-
夏油主役の「騎兵と狩人」
-
ライカン主役の「マリア・二アール」
-
ターニャ主役のオリジナルストーリー
-
エレナ主役のオリジナルストーリー
-
転生者達のプロファイル