「ね、ねえ。このコンパートメントは開いてる?他は何処もいっぱいで・・・・・・」
「・・・・・・ぁ・・・・・・はぃ・・・・・・」
「・・・・・・?ご、ごめん。よく聞こえなかった。もう一度言ってくれないかな?」
「入ってきても良いって言ってんだろ!このタコ!」
「うわぁっ!?に、人形が喋った!?」
■
気がつくと、アタシとドナは汽車の中で揺られていた。そしてドナはロリになっていた。
・・・・・・いやどういう事だよ!?なんでアタシ達は汽車に乗ってるんだ!?なんでドナの体が縮んでるんだ!?
2人でひとしきり混乱したあと側に置いてあったデカいトランクに気がつき、見てみるとそこには「ドナ・ベネヴィエント」の文字が。中を検めると、そこには意味不明な物品が大量に詰め込まれていた。本や羽ペン、インクはまだ分かる。でもこの木の棒とかトカゲの干物とか良く分からない豆とかは何に使うんだ?こういうのはミランダの専門だろ。
「ふぅん・・・・・・魔法学校ねぇ・・・・・・」
トランクの奥から引っ張り出した手紙によれば、アタシ達はこれから『ホグワーツ魔法魔術学校』という全寮制の学校へ行って、魔法を学ぶらしい。非科学的だ、なんて一瞬思ったが、よく考えたら村の連中は皆魔法なんてものともしない奴らばかりだった。というかアタシがその筆頭みたいなもんだ。何せ完全な人外だし。
その時だ。アタシ達が居るコンパートメントの扉がノックされた。そっちを見ると、おどおどした小太りの少年がいた。トランクを携えているところを見るとコイツもホグワーツとやらの生徒なのだろうか。
ソイツは他のコンパートメントがいっぱいだったからここに入れて欲しいと言った。ドナは許可したんだが、如何せん対人恐怖症だ。声が小さすぎて聞こえなかったのだろう。聞き返してきやがったから少し脅かしてやった。ちょいと大人げなかったか?
「び、びっくりしたぁ・・・・・・」
「ははは!悪かったよ。コイツ、対人恐怖症だからさ。人の前だと上手く話せなくなっちまうんだ。だからアタシみたいなのが居るワケなんだが」
「そ、そうなんだ・・・・・・あっ、僕ネビル。『ネビル・ロングボトム』。えっと、君達は?」
「ぁ・・・・・・ドナ・・・・・・です・・・・・・」
「コイツはドナ・ベネヴィエント。アタシはアンジーだ。よろしく!」
「う、うん。よろしくね」
どうやらネビルは魔法族・・・・・・魔法使いの家系らしく、幼少の頃から魔法に囲まれて育ったという。これ幸いとアタシ達は情報収集に勤しんだ。魔法界というのは魔法を使えない普通の人間・・・・・・『マグル』から隠れて存在していて、知れば知るほど奥が深い。相当古くからあるものらしいな。
そうこうしている内にコンパートメントの扉が開かれる。車内販売だ。山ほどの菓子がワゴンに詰まれている。アタシ達は慌ててトランクの中を漁り金が入っているであろう袋を引っ張り出す。危ない危ない・・・・・・所持金の確認を忘れてたぜ。
「坊ちゃんにお嬢ちゃん、それに可愛らしいお人形さん。車内販売よ。何かいかが?」
「あ、えっと・・・・・・それじゃあ、『カエルチョコレート』と『百味ビーンズ』をください」
「アタシ達にも同じ奴を頼む!・・・・・・それとネビル、勘定を頼んでいい?アタシ達、魔法界の通貨をよく知らないんだ。」
「う、うん。分かった」
「・・・・・・はい。お代は確かにいただいたわ。ありがとうねぇ」
「サンキューな!」
そうして、アタシ達は魔法の菓子を楽しんだ。まあアタシは食べられないんだが、チョコレートのオマケのカードを貰えたから満足だ。
「2人は魔法族じゃないの?」
「・・・・・・ぅん」
「ああ。そうだよ」
「・・・・・・動く人形なのに?」
「アタシ達にも事情ってもんがあるんだよ・・・・・・うおおおおお!?なんだこのチョコ!?動くぞ!?」
「だってカエルだし・・・・・・あっ!オマケのカードがついてるんだよ。アンジー、食べられないでしょ?これあげるよ」
「あ、ああ。サンキュー・・・・・・こっちも動いてるゥ!?」
「あわわわ・・・・・・(お、落ち着かなきゃ・・・・・・そうだわ!このビーンズを食べて、リラックス・・・・・・)う゛っ!!!」
「ドナああああああ!!?」
「あっ・・・・・・生ゴミ味が当たったんだね・・・・・・」
「なんだそりゃふざけてんのか!?」
「(瀕死)」
・・・・・・やっぱり楽しめてないかもしれない。先が思いやられるぜ・・・・・・
ロリドナという概念