大和型3番艦「信濃」の奇妙な旅路   作:ナイトーテンマ

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第6話 ファイターとしてデビューをする。

私の名前は信濃。大和型3番艦の空母だ。天界では戦いが無事に終わったというべきなのかどうなのかわからないけれど。日本も米国も英国もフランス、ロシア今はソ連もドイツも皆焼け野原となったわね。

 

で、日本の方も私が渡したブルが大活躍しているようね。で、ブルから派生してドーザーショベル、バックホー、ディーゼルローラーなどの建設機械がうなりを上げて活躍しているようね。

 

まあ、講和時に南方の製油所や油田の使用、採掘権利を貰った私たちは数千tの小型タンカーでちまちま運ぶよりもでかいタンカーで運んだほうが早いということで排水量8万tクラスのの巨大タンカーが先日竣工したところだね。

まあ、3万tクラスのタンカーも多数量産され船団を組んで日本に大量のガソリン、重油、軽油、各種機械油。原油が運び込まれているようだね。

 

そしてその油によって各種の建機が稼働し船の燃料として大いに活躍していたりするわねぇ。まあ、あたしも格納庫やら燃料庫に大量のガソリンを満載させてかつやくしてたけれどどうも効率が悪かったようで

 

すぐに暇を出されて無謬をかこっていたよ。

 

なんというか「働かざる者食うべからず」というスローガンで私が無位無官というのはなんだよなぁ。まあ、私は私で釣り竿と銛をもって食料確保をして五十六の所の食卓に取った獲物が解体されて調理されて上がったわね。

 

あ、そうそう。男所帯だったのと、伊良湖、間宮のところで修行したところ数日で間宮さんから合格を貰ったよ。これも鳳翔の記憶のせいなのかどうなのかわからないけれど。とりあえず食材をどう捌いてどう調理すればいいのか

が判ってしまえば。多数の食材は宝庫ともいえるわけだ。

 

で、五十六の所は男所帯だったのであたしや空母の連中が飯炊き女という事になったけれど。なんというのか皆こぞって飯はへたくそだったね。逆に駆逐艦の連中のほうが家庭の作業に関してはよほど役だったわねぇ。

え、あたし?あたしは珍しく掃除、洗濯、炊事ともに合格点らしい。まあ、そんな感じで日々を過ごしていたのだけど、ある日五十六から誘いがあった。

 

「五十六。何かな」

 

「おお。信濃。実はな評議会の方からコロシアムの再建が完了し興行を復活させるとの通知が来た。いよいよ君たちも参加できるようになるぞ」

 

「そう。それは目出度いけれど。はっきり言って私や雲龍、天城、葛城は空母としての戦い方を知らないけれどいいのか?」

 

私がそれを言うと彼は驚く。

 

「何?そりゃあどういうことだ」

 

「どういう事って。私は空母として未完成のまま出航させられてそのまま潜水艦にやられた。で、雲龍達は空母として竣工するもすでにそのころには搭載させる機材も操縦手もいなくて雲龍は航空機輸送中にやられ

葛城、天城に至っては動かす燃料すら事欠く有様で呉で防空砲台としてだぜ。まあ、あたしは鳳翔の記憶があるし先のカチコミで空母の戦い方はマスターしたけどね」

 

「むう。そうかならば鳳翔よ。済まんが天城達にやり方を教えてやってくれ。まあ、参加が遅くなっても仕方がないか」

 

で、私も鳳翔から空母の運用方法を学んだけれど。私の戦い方は皆とは違っていたので参考にはならなかったけれど、戦術は大いに学ぶことができたよ。で、加賀達と模擬戦闘しようとするけれど皆私に対してしり込みばかり

だったりするわね。

 

それからしばらくして私も剣闘士の組合に参加することがきまったわね。で、加賀達と一緒に登録したわね。で、私は空母クラスという事もあり鳳翔と組むことが多かったよ。まあ、なんでも鳳翔さん自身が私に対して

本当に親身になってくれたよ。

 

それで私は鳳翔に尋ねることにしたね。

 

「鳳翔よ。なにゆえ私に対して親身になってくれるのだ。それを知りたいがね」

 

「信濃だったわね。私のいわば分身というべきなのかわからないけれど貴方が庇わなければ私は廃人になっていた。三笠姉さまの決断とはいえ私も廃人となる記憶注入を決断したのは事実。その代償として貴方が壊れた

だから償いもあるわね。これでいいかしら」

 

「そう。それを知ってよかった。鳳翔だったね。あんた何かしたいことがあるか」

 

「そうねぇ。小料理屋を開いてのんびりと。って言うのは駄目かしら」

 

「問題ない。いいと思う。鳳翔のご飯とてもおいしいから私は好き」

 

「そう。信濃達は生前苦労したんだから思いっきり甘えていいのよ」

 

「そうか。ならば私は鳳翔を護る。だけど鳳翔の体ではこれからの戦に対応できないからデビューはしないほうが良いと思うぞ。むしろ私たちの健康管理なんかをしてくれると嬉しいそれでは駄目か」

 

それを聞いた鳳翔は言う。

 

「そうですか。もはや私では戦えないという事になるわけですか」

 

「改造すればだが、如何せん鳳翔の体では小さすぎて無理だ。今の状況なら回転翼機母艦としての運用が一番になるかな。潜水艦ハンターとして活躍というのもありだと思うが・・・」

 

「そうですか。では赤城たちに任せて私は後方に下がりましょう」

 

「それが無難だね。その・・・。つらいかもしれんが事実なんで」

 

「それを言われるとですね」

 

そんな感じで鳳翔は雲龍達の教官兼我々のトレーナーとして活躍することになったわね。

 

で、私達もコロシアムで試合することになったわね。

 

私のデビュー戦の相手は潜水艦の大群とPTボートの大群の勝負だったわね。

 

「これは一体どういうことだ。明らかなミスマッチだと思うが」

 

私がプロモーターに食いつくと奴はこう抜かしやがったよ。

 

「ジャップのエアキャリアなんだろ。じゃあやってみろや」とな。

 

それを聞いた私は言う。

 

「判った。じゃあ何をしてもいいんだな」

 

「できるものならばな」

 

「吐いた唾は吞めぬぞ」

 

そんな感じで私は奴らが舐めた真似していると確信したわね。まあ、せいぜい舐めた真似すればいい。だが、奴らも勘違いしている。我らは鎌倉武士の末裔。”舐められたら相手を殺す”がモットーなんだよなぁ。

 

そして私のデビュー戦となったわね。

 

で、同じくデビュー戦だった。浜風、磯風、浦風の三人と共にデビューとなったわね。

 

そして私は彼女たちに言う。

 

「浜風、磯風、浦風よ。対潜装備の方は」

 

「まさかこれほど性能のいい聴音機や探信儀に対潜弾をくれるなんて潜水艦を狩りまくるで」浦風。

 

「信濃。今度はあなたを守り抜く」と浜風

 

「潜水艦は任せてほしい。いざとなれば私たちが盾になるから」と磯風

 

その三人大して私は言う。

「なら私は魚雷艇は私がやろう。潜水艦の方も索敵と攻撃は私がやるぞ。すでに対潜哨戒機、戦闘爆撃機は多数用意している。やつら、われらを舐めくさっている。奴らに一泡吹かせてやるぜ」

 

私がそういうと彼女たちはうなづく。

 

そしてわれら4人は闘技場のステージに立つ。で、試合形式は生死を問わない戦いだそうだ。まあ、死体撃ち、降伏した連中の攻撃は禁止というのとアメリカ、イギリス、フランス、ロシアの選手は降伏できるが我々には降伏する権利無という条件だった。

 

つまり、我々には死ねということなのね。それを知った私は生き延びるには奴らを挽肉にしないとダメと悟ったよ。

 

そして試合開始ゴングと同時に無数の雷撃音を随伴の駆逐が察知したわね。で、私は即座に回転翼機を無数飛ばし駆逐艦に魚雷の回避、迎撃を指示しその後は自由に戦えと言って私も回避に回った。

 

そして初手の雷撃を躱した私はすぐさま艦上機を全力出撃させ次々と魚雷艇を挽肉よりも酷い状況へと変えていきましたわ~。

 

そして回転翼機と哨戒機からの情報で潜水艦も次々と発見攻撃され潜水艦もまた酷い惨状になったわね。あるものは対潜弾の直撃を食らいまたある者は降伏して浮上するも127mm砲弾を食らって大破するものが続出だったわね。

 

で、結果は私たちの勝ちとなったわね。まあ、潜水艦も魚雷艇も8割が即死、残りも二度と使い物にならない状態というありさまでしたね。

 

そして試合後プロモーターからトンデモナイお説教を食らったわ。で、私は尋ねるならどういうのがお望みだったのかと。

 

「ふん。お前らが血祭りにあげられる方がよかったのだそれが試合の筋だったのだがな。ギャラはこれだ」

 

で、渡されたギャラを見て私達は激高する。

 

「約束の金額とは違うぞ。約束では1800のはずだ。だがこれは500しかないどういうことだ」

 

「税金と我々組合の仲介料ってやつだ。いやなら出て行けばいい。だが、どこも雇うことはないだろうよ」

 

「そうか。ならば今はおとなしくしよう。忠告だけど。あまり我々を舐めないほうが良いぞ」

 

そして私のデビュー戦は終わりを迎えたわね。

 

で、大和姉さんたちの方も酷いものだったわね。大和と武蔵の姉さん二人に対して14隻の戦艦との勝負だったようね。まあ、結果は姉さんたちの判定負けで終わったけれど奴らの方も8割が大破していたそうだしね。

 

それから私は赤城達と組んで米英機動部隊とガチ勝負したり、大和姉さんたちと組んでの変則マッチやら幻獣相手の戦いを繰り広げたわね。

 

でも、待遇は相変わらずだったわね。で、五十六に相談することにした。

 

「なんと。そこまで中抜きがひどいのかワシらもその辺を改善しようとは言っているが、下界の影響で我々は敗戦国の分際でというありさまだ」

 

「そうか。要するに奴ら我々を舐めていると判断していいのだな」

 

「そうなるが。まさか信濃お前。早まるな」

 

「今はまだ抑えが効くよ。今はね。でもこれ以上奴らが舐めた真似したらどうなっても知らないけれどね。心配するな五十六達には迷惑はかけん」

 

そしてそれからしばらくしてプロモーターである。ジョンからとある提案がされた。

 

「シナノ。次の試合は負けてもらう。ギャラは500万だどうだ。金を稼げるぞ」

 

「で、その相手は」

 

「レキシントン、ヨークタウン、アークロイヤル、イーグル、ハーミズ達にやられろ。筋はこうだ」

 

とまあ、内容はフルラウンドやって最後に負けろという事だった。それを聞いて私は考えておくと返事をし

 

件の試合が始まったわね。

 

で、結果だけ言うと私が勝利したわね。まあ、筋書き通りにフルラウンドを戦ったわね。で、最後に奴らが油断した隙に奴らに雷撃食らわせて逆転勝ちとなったわね。

 

まあ、あたしも中破するも発艦着艦可能状況で戦闘可能ということで生き延びたが敵サイドは飛行不可ということで戦闘不能扱いという事になったね。

 

そしてその試合後になんだよなぁ。

 

 


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