エースコンバット7 FLIGHT REZON   作:ブレイブ(オルコッ党所属)

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 ミッションDLCスタート!
 とてつもなく久々に1週間ぐらいで書き上げちゃった自分に驚いています。どうした大丈夫か俺。


STAGE54【Sighthound(大空戦)

 

 

 

 

 

 

「鎮魂だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備ができ次第、出航せよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エースコンバット7

FLIGHT REZON

 

 

 

CHAPTER DLC

【SINGULARITY】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よしいくぞ!」

「派手にやってやる!」

 

 作戦空域到達。

 揚陸艇パフィンを含めた揚陸艦隊7隻の上をストライダー隊4機が通過する。

 結局4機しかこれなかったが、ドレイク隊8機と電子戦機が来るのだ。戦えない訳では無いし、任務なのだから文句を言ってはいけない。

 

 そう、来れば言わなかったのよね……

 

「……了解だ。くそっ!」

「どうした!?」

「電子戦機を含む、味方機の到着が5分遅れてる!」

「なんだと!?」

 

 そう。アルティーリョ港を視界に捕らえてから目視、レーダーを見ても味方戦闘機の数が俺たちストライダー隊しかいないのだ。

 これには仏のワイズマンも思わず悪態をつくもの。

 

「戦力差があり過ぎる。撤退し、仲間の到着を待て!」

「撤退は許さん。航空優勢を確保しろ」

「どうするんだトリガー!?」

「チィッ!」

 

 航空優勢を確保? それを確保出来るかが絶望的なんですがねぇ!? 

 クソー! オーシアの高官やっぱ嫌いだぁぁ!! 

 

『4機だと! エルジア空軍を舐めるな!』

『来い! 本物のファイターパイロットが相手をしてやる!』

 

 あーあーあーあー! 居るよ居るよ編隊が変態レベルで沢山居ますよおーい! 

 今ほど自分の視力の良さを恨んだ日はない。いやほんとマジで何機居るの!? 3、40機ぐらいは余裕で居るんじゃないか!? 円卓じゃねえんだぞここは! 花火どころか山火事だよこれじゃ!! 

 いったい俺がなにしたって言うんですかねぇー!! 

 

 ……よし。開始数秒の現実逃避終わり。

 状況確認。

 

 幻覚であって欲しかったが戦闘機がほんと尋常じゃない数。HUD越しに見える緑色のターゲットマーカーが青空に散りばめられている。快晴の空が台無しだ。

 見たところ無人機はなく全部有人機なのは妙だがそんなこと考える暇もないどうせみーんな敵だ。

 

「残念ながら俺たちの目的は変わらない。作戦通り揚陸艦隊の為に航空優勢を確保し、潜水艦アリコーンを拿捕する」

「この数をだぞトリガー」

「俺たちが逃げれば取り残されたパフィンは海の藻屑だ……故に取るべき行動は一つ!」

 

 パシンと怒りを込めてスロットルをぶっ叩き最大戦速! 

 F-22Aは間に合わなかったが今も絶好調な我が愛機F-15 S/MTDはそれに応えるべく敵陣地に吶喊。

 1機で突っ込んでくるとは思わなかったのだろう。正面にいたホーネットの部隊は泡を食って上昇。それに合わせて減速し直立軌道で敵のケツに目を合わせ……ロックオン! 

 

「ストライダー1から各機へ、花火を上げろぉ!」

 

 放たれた2発のHVAAは神速の速さで1機ずつホーネットを貫き、動揺して動きが鈍った最後の1機を蜂の巣にした。いっちょ上がりぃ!! 

 

『なに!? 一瞬でアガペ隊が!?』

『あのF-15、カナード翼付きだ!』

「ははッ! トリガーがおっぱじめやがった!!」

「やるぞ! トリガーに続け!」

「全機エンゲージ! 交戦せよ!」

「カウント、俺のケツにつけ! スカルドはフーシェンとエレメントだ! 派手に掻き回せお前ら! この戦場の主役が誰かを奴らに教えてやれ!!」

「「「ウィルコ!!」」」

 

 戦力差は10倍。だがそんなことで臆する俺たちではない。

 正直馬鹿見てえだがMQ-101が80機の時と比べれば半分だ半分! 

 

「准将、作戦時間の変更を我々に知らせませんでしたね」

「フン、5分ぐらい耐えられずに何がエース部隊か」

 

 なんか聞き捨てならねえ台詞が聞こえた気がしたがそれを理解する余裕も暇も労力も無駄もない。

 

「速力落とすな! 遅れる訳にはいかない!」

「上の4機が頑張ってるんだ! 船乗りとしての意地を見せろ!」

 

 准将なんてチャチな奴より下にいる奴らを守らないといけない。挫ける暇なんてないんだよ。

 

 それはそれとしてフラストレーションがマッハ過ぎる。とにかく敵をぶち殺すことでうさを晴らさないとおかしくなりそうだ。

 と思ったら目の前にラプターが2機見えた。

 ステルス機の傑作と謳われたそれは惚れ惚れとする計算され尽くされた造形美。見た瞬間何かがパチンと切れた気がしたわ。

 

 よーし八つ当たりするぞぉ! 

 

「てめぇ! なんでてめぇがラプター持ってんだあぁん!? 俺のか!? それ俺のじゃねえだろうなぁ!? ぶっっ殺す!!」

「いつも以上に弾けてんなぁトリガー」

 

 苦笑いを浮かべながらもついてくるカウントと共に敵ラプター2機に襲いかかる。

 F-15 S/MTDと同等の旋回性能を持つそれはロックしたと思いきや射線をずらして回避。そのまま返しの太刀でこちらを狙おうとしてくる、が。

 

「オォイ! 舐めた機動してんじゃねえぞ! 玉ついてんのか玉ぁ! そんな体たらくなら俺に寄越せ! 今直ぐベイルアウトしろ! それ寄越しやがれ!!」

「言動の割に飛び方に乱れ無さすぎだろコイツ。まあ同意するけどな!」

 

 溢れ出る嫉妬心は敵の動きを見逃さずレティクルド真ん中。放たれた機銃が運良く敵のコクピットをぶち破り。そのままカウントが追っているラプターを横合いから撃ち、動きがとろくなったところをカウントが仕留めにかかった。

 

「ウィィィィ! ……ふぅ」

「落ち着いたか?」

「少しはね。このまま引っかき回すよ」

「オーライ。そらミサイル来たぞ!」

「回避回避!」

 

 短時間で5機落としたが鳴るわ鳴るわミサイルアラートが! もうさっきからミッソーミッソーって鳴らない時がないんだよほんま。

 だが敵も統率を取りきれていないのか。はたまた狙いが少数だから過剰火力になってしまっているのか狙いはそこまで正確ではない。

 けどフレアはしっかり使わないと怖くて飛べたもんじゃない。ほんとマジヤバい。

 

「ランツァと代わってやればよかったぜ! 数で押されるって案外きつい!」

「しゃべる暇があったら撃て!」

「くそっ! 派手にやってやる」

「全機! 乱戦に持ち込め! 敵を盾にするんだ! フレアを惜しむなよ! ロングキャスター! ドレイク隊は来てくれてるんだよな!?」

「確認している。現在当空域に向かっている」

「聞いたな!? 気張れよお前ら!!」

 

 まだまだ絶望するには早い。

 業腹だが、クレメンス何某の言う通りあれを放置するのは戦争に関わる。

 遠目から見てもデカい船体。かつてのシンファクシ級を超える性能を持つアリコーンを手中に収めれば戦争の早期終結に繋がるのは確かだからだ。

 

「くっ、こいつは体力勝負だ!」

「意気込んだは良いが、ワイズマンがいないと空戦は厳しいぜ!」

「そんなことねえ! 見ろよ、トリガーはバンバン堕としまくってやがる!」

「ふんぬらばー!」

『敵の後ろを何っ……』

『味方機が被弾! ラジンスキー中尉!』

 

 頭腕足忙しなく動かし縦横斜め360度全部から注がれる敵意をその身に受けながら連続でアクロバット飛行。

 どのミサイルを回避するか、どのミサイルは放置しても問題ないか。目視、レーダーを瞬時に見比べて最適なコースに機体を飛ばしていく。

 

『やるぞこいつら!』

『俺は左をやる。お前は右だ。俺たちの世代が最後のファイターパイロットだ! 覚悟を見せろ!』

 

 俺たちの相手をする戦闘機乗りたちはなんとも勇猛果敢というか。俺を3本線と分かるや否わ群がって武勲を立てようと弾幕雨霰を浴びせてくる。

 その分カウントたちに余裕が出来るだろうが当社比だ。チキンレースをしてるのは変わらない。

 

「強がってみたが、結構堕とした筈だが減った気がしねえ!」

「泣き言を言うな。トリガーを見習え!」

「ほーらほらほらほら! 鬼さんこちらぁ! おらどうした! 数だけかてめぇら! 俺をやるにはてんで足りねえぞ! 俺をぶっ殺すならオレンジ野郎を持ってこぉぉい!!」

「ああ確かにあいつは絶好調だ……くそ、やってやる!」

「その意気だカウント! 撃破数勝負でもするか?」

「パスだ! 敵機を数えるのも馬鹿らしいんだよ!!」

 

 カウントが撃破数勝負を放棄するほどうんざりする戦力差。まだ3分もたってないらしい。いまはアドレナリン過剰摂取でなんとかなってるが何時まで持つかどうか。

 あと勢いで言ったけどオレンジ野郎来るなよ? 来たら来たでぶち殺すけどさ。

 

『こちらシグルズ1。3、4は方位305へ、挟み撃て!』

『シグルズ3ウィルコ! 4ついてこい! 機体と一体になれ!』

「トリガー、最新鋭のステルス機がいやがる」

「Su-57だ、機体性能も高い! 交戦するなら用心しろ!」

「フェロン!? 何処にそんなの見つけた!」

 

 フランカーシリーズのバチバチの最新鋭機! エルジアくんだりがなんでそんな超高級品持ってんのさ! 

 フランカーの系列というよりF-22AかYF-23に近いステルス機特有のフォルムは4機編隊を組んでこっちに向かってきている。

 

「左右から来るぞ」

「上等! ストライダーの底力を見せろ!」

「おうよ! ワイズマンなしでも俺はやれる!」

「そいつを証明してみせろカウント!」

「あいよぉ!」

 

 ワイズマンの激を背にシザース。

 ヘッドオン。目の前のSu-57がミサイル発射、慌てず騒がず回避軌道からの縦半ロールからのインメルマンターンで後ろを取る。

 

『なんだその動き!』

「FOX3!」

 

 お返しにHVAAを発射……ヒット、撃墜! 

 思ったより簡単に当たったな。てかなんか動きが少しつたないような。

 

「トリガーがSu-57を撃墜!」

『くそ! くそ! 1番の若手を!』

「やるじゃねえかトリガー! よしFOX2!」

『ぐうぅ!』

『シグルズ1! 脱出を!』

『まだだ! 俺が引き付ける! お前が堕と……』

「はいもらいぃ!」

「おいおいトリガー。俺のを取るなよ」

「悪い、丁度いい位置に居たんでな。しかしこいつら」

「ああ、さっきの以外は多分ルーキーだな。機体は良くても腕がなってないんじゃな。うちのルーキー隊長を見習って欲しいぜ」

 

 どうもどうも。軍属から4カ月のペーペーです。

 いまは小隊長をやらせてもらってます。

 

『ああっ! シグルズ1が堕ちた!』

『カトル! 指揮を引き継げ!』

『俺が!? 無茶を言うなよ!』

『お前がやらなきゃ誰が』

『ピーピー騒ぐなよひよっこども』

『チェリーボーイズは下がって息を整えな。こっからはベテランの出番だ』

『グラムロック隊! すみません! 頼みます!』

『おうよ。さあ行くぜ中古品ども!』

「トリガー、カウント。F-4Eの編隊8機、そちらに向かっている」

「見えてる」

 

 最新式の次は旧式がご登壇。

 2機も失ったSu-57と入れ替わるようにファントム部隊が猛進してきた。

 

『捕らえたぞ。お前ら! 3本線を堕として最後にひと花だ』

『来やがったな! 機体もパイロットもロートルだが舐めるなよ』

『ヒーハァ! いくぞカーボーイども! 取り囲め!』

 

 ファントムの部隊は動きに柔軟性があり、まるで一つの生き物のように飛んでいる。

 そして背後を取ろうとするとすかさず他の奴らがカバーする。

 機体は多少いじってるのかパイロ並の戦闘機道で撹乱。隙あらば狙い撃とうとするそれはまるで狩人だ。

 

「おっと! 打って変わって動きが良いぞ。古強者って感じだ」

「油断大敵だ。全員ズィルバー隊だと思え!」

「オールケラーマンは勘弁だろ!?」

 

 自分で言ってみたけど同意だわ。

 そうじゃないことを祈りつつ敵一団を乱すために操縦桿を手繰り寄せる。

 

「ストライダー隊、敵機が味方艦隊を攻撃し始めている。航空優勢の確保を急げ」

「わかっちゃいるんだがくそ! 数で押されてるんだよ! こいつら旧式機の癖に動きが良い!」

「スカルド! フーシェン! そっちは行けるか!?」

「こっちは手一杯だ! くそっ、こんな空戦そうはないぞ!」

「やられるか! あたしたちより場数踏んでるやつなんていねえんだ!」

「ストライダー隊、こちらはまだ大丈夫だ! 進路そのまま! 多少の火の粉は被るつもりで進め!」

 

 士気は高い。だが戦略的物量差は遺憾ともし難い。

 しかもこのファントムたちがほんと嫌らしい動きして。

 だが本当に窮地だ。まだ空には敵戦闘機がウヨウヨいる。むしろここまで被弾なしなのが奇跡だ。

 

 居るかどうかわからん神に祈りたい気分だ。

 ……うむ。神に祈るのも時には悪くないな。良い感じに気まぐれを起こしてくれたようだ。

 

「こちらエンチャンター、作戦空域に到達!」

「いいぞ! 電子戦機だ! ドレイク隊もいる!」

「思ったより早かったな」

「フッ、飛ばしてきたのさ! さあ行くぞぉ! ブレッド様の凱旋だぁ!」

「待ちたまえ待ちたまえ! この輝けるグリッターを差し置いて主役を名乗るのは頂けないぞ!!」

「はいはい。2人とも戦場で浮つかないの。ドレイク7、エンゲージ!」

 

 増援が来た以上に嬉しさが胸を一杯にした。

 忘れることはない声たちを耳に受け、湧き上がる興奮が全身を駆け巡った。

 

「相変わらず元気だなお前ら。ウェザール基地の時から全然変わってないんじゃないか?」

「え……え、え?」

「おいおいグリッター。空耳か? なんかトリガーの声が聞こえたような気がするんだが」

「お前もか? これでも耳は良いほうだと自負してるのだが……」

「ハハハッ。ストライダー隊、戦線後退だ! 急ぎドレイク隊とエンチャンター隊に合流! 反撃開始と行こう!」

 

 ファントムの部隊を振り切るためにパワーダイブで後方に戻っていく。

 

「やっぱりその声トリガーか!? トリガーなのか!?」

「久しぶりだなお前ら。こちらニューアローズ基地所属ストライダー隊隊長のトリガーだ。来てくれて感謝する!」

「え、本当にトリガーなの!?」

「しかも隊長だって!? 会ってないうちにどんだけビッグになってるんだい君は!」

「ちょっと待て! もしかしてアーセナルバードをぶち落とした2つ頭って、えー!?」

 

 おー驚いてる驚いてる。

 実際俺もなんで自分がこんなとこに居るのか分からない時があるから気持ちは分かるぜ。

 

「トリガー、知り合いなのか?」

「ああ。俺が訓練生だった時の同期だよ」

「こちらドレイク1。ストライダー隊、遅れてすまない。ところでトリガーと言ったか? 本当にあの大馬鹿野郎のトリガーなのか?」

「おい、訓練生の頃から大馬鹿野郎だったのかお前」

「お久しぶりです教官どの。正真正銘リヒト・パーマーで御座います」

「わー! やっぱりトリガーなんだな! 嬉しいぜトリガー! 今日は正真正銘のラッキーデーだ!」

「俺も会えて嬉しいよブレッド」

 

 再会を喜びながらパフィンの周りに張り付いていたMIG-31Bを払いのける。

 急遽来た援軍と戻ってきたストライダー隊に敵も態勢を立て直すべく徐々に後退してくれている。

 

「ストライダー隊、ドレイク隊。電子戦機のESMは強力だ。ロックオン範囲やミサイルの誘導性能などの格闘戦能力が格段に上がる」

「了解! エンチャンター、左右に敵が集まってる。そちらの方向で誘導を。カウント、2人と合流して右翼を攻めてくれ。ドレイク1、3人を借りても宜しいか。こちらは左翼を攻めます。ドレイク隊には中央から引っ掻き回すのをお願いしたい。なるべくこちらの弾薬は節約しておきたいので」

「おっ、トリガーと一緒に飛べるのか! それはいい……」

「ストライダー1、いい加減にしろ。ここはピクニックではないのだぞ。作戦には緊張感を持ってもらおう」

 

 おっと、さっきからろくに指示も飛ばさず高みの見物をしていた准将どのが出張ってきたぞ。

 俺が楽しそうにしてるのが面白くないらしい。

 公私はきっちりわけているつもりだったが准将にとってそんなの関係ないようだ。

 

 だが俺たちの教官はその意図を汲んでくれたらしい。

 

「こちらドレイク1、了解した。ひよっこ3人を預けさせて貰う。クレメンス准将どの、トリガーの案は的を得ていると思われます。私はトリガーの案を支持します」

「ぐっ……」

「失礼致しました准将どの。准将の言ったとおり少し浮かれてしまいました。これより緊張感を持って任務に当たらせて頂きます。これでよろしいですかな?」

「……チッ」

 

 あらあらちゃんと聞こえてますよ舌打ちが。

 もう少し腹芸を覚えないと高官などやってけないと思うのですがねぇ? 

 

 無論。昔なじみを誘ったのは私情などでは断じてない。

 エンチャンターの加護化で戦えば有利な状況も取れるし、敵は俺を落とそうと必死だ。囮として飛べばこいつらの生存性は飛躍的に上がるだろう。

 まあ戦略のせの字も知らない准将どのには荷が重かったかな? 奴の苦虫顔に免じて触れないでおいてあげよう。

 

「よし。ドレイク6、7、8、エレメントを組むぞ! 左翼に群がった敵を蹴散らす! エンチャンター、しっかりついてきてくれ!」

「ドレイク6、ウィルコ! いやー俺らの教官は話がわかるなぁ」

「ドレイク7、ウィルコ。トリガーも苦労してそうね?」

「ドレイク8ウィルコ! 頼りさせてもらうぞ英雄どの! さあ盛り上げていこうじゃないか!」

「エンチャンター1了解。飛び出すなよひよっこ諸君」

 

 ブレッド、コーギー、グリッターのF-16Cが背中につき、エンチャンターと共に左翼戦線へ。レーダー上に示されたエンチャンターのESM範囲である青い円を注視しつつ前進

 目の前には先程煮え湯を飲まされたファントムの部隊が来た。エンチャンターの存在を認識してないのか、着々と狩場に引き込まれていく。

 

「全機、先ずは目の前のF-4Eだ! 旧式だが腕は最高級だ。なるべくエンチャンターの円から撃て!」

「了解!」

「よし、そのまま……入った! FOX2!」

「「「FOX2!」」」

 

 一斉に放たれたミサイル……ええ!? 

 機から撃たれたミサイルはHVAAレベルの速度かつQAAMレベルの鬼誘導を持ってファントム4機の鼻っ面を直撃した。

 まてまてまてこんなに変わるのか電子支援って! 

 

『なに!? 半数が一気にやられた!?』

『なんだあのミサイルは! 3本線のやつ、いったいどんな手品を使いやがった!?』

「こちらトリガー、敵機撃墜! これは大化けだぞおい」

「いいぞ! ESMのおかげで格闘戦能力が上がっている」

「上がってるなんてもんじゃないな」

「まったくだ。各機、エンチャンターと敵機の位置に注意しろ。エンチャンター、狙われたら直ぐに言ってくれよ」

「了解した。こっちは戦闘能力がない。頼むぞ」

 

 この戦い、エンチャンターあるなしで戦況が左右される。

 パフィンも見なきゃならんし。忙しいのは変わらないが。

 だが先ずは敵のファントムを片付ける! 

 敵ファントムが横を向いている、普通ならミサイルは当たりゃしないが。さっきの誘導性能なら……

 

「FOX2!」

『!? なんだその誘導は、ぐぅあ!!』

 

 ヒット! 

 これはもうチートだぜチート!! 

 

『グラムロック3! 脱出を!』

『駄目だ、電気系統がやられちまった』

『なんだって!?』

『最後にお前らと飛べてよかっ』

『……ああ、お似合いのラストフライトだったぞ! 3本線! 次は俺が相手だ!』

「トリガー! 敵が後ろについたぞ!」

「オーライ!!」

 

 背後についたファントムがミサイル! こちらのESMは攻撃型特化だからか敵のミサイル性能低下の能力はない。

 しかもこいつ良い感じのとこで撃ちやがった! 

 出し惜しみせずフレア。からのコブラ機動で敵をオーバーシュート。

 

『その手は食わんぞ!』

「やるっ!」

 

 だが敵はそれを予見したか急減速でオーバーシュートを防いだ。

 目の前には頭を上にしたまま静止機動に入ったF-15 S/MTD。撃ち抜くなら今だと機体を上げようとした、が。

 

『なにミサイルアラート!? ぐっ!』

「取らせてもらう!」

 

 敵ファントムの背後に敵機は居なかった。

 だがESMで歪曲機動を施されたコーギーのミサイルがファントムのケツにヒット。致命傷にはならなかったが、コブラからクルビットに移行した頭上からのミサイルは躱しきれなかった。

 

『フッ。俺としたことが、3本線相手に勝ちを急いだか……』

『グラムロック1! おいジョージ!!』

『悪い、やっちまった。だが敵の絡繰は見抜いたぜ。奴ら電子戦機を持ってやがる』

『電子戦機! さっきからおかしいミサイルの正体はそれか!』

『……フッ。ミサイル避けのお守りは持ってたつもりだったんだがな……あばよカーボーイ! 先に逝く!』

『待ってろ、直ぐ追いかける! グラムロック隊から各機! 敵は電子戦機を持ってる! 電子戦機をやるんだ!』

「こちらエンチャンター1! やっこさんこっちに気づいたかもしれないぞ!」

「こちらロングキャスター! 敵の動きに変化が見られる。電子戦機が落とされないよう注意せよ!」

 

 お楽しみタイムはそう長くは続かないか。

 ならここ周辺速攻で狩り尽くす! 

 

「当空域に接近中の攻撃機を探知! ハリアーだ!」

「味方艦隊への攻撃を企図する動きは必ず阻止しろ!」

「了解!」

「敵ハリアーはドレイク隊が引き受ける! こちらの兵装は全て4AAMだ。ドレイク2、右のをやるぞ、ついてこい! 残りは左を落とせ! ひよっこばかりに良いかっこさせるなよ!」

「ウィルコ!」

 

 ハリアーはドレイク隊に任せて大丈夫そうか。危なそうなら斬り込んで行かないとな。

 てことで落ちろファントム! 

 

『たくよ、もう俺たちロートルの時代はないってか』

「よし、敵ファントム撃墜!」

「こちらドレイク6! こっちも撃墜! これでファントムは全部落ちたな!」

『ああ! グラムロック隊が!』

『くそっ! くそっ! 敵討ちだ3本線!』

『うああぁぁぁ!!』

『待てシグルズ隊! 突出するな!』

 

 おっと、残ったSu-57が突っ込んできやがった! 

 ファントムの部隊がやられてドタマ来ちまったのか? 

 

「お前ら! 敵のSu-57が突っ込んでくる、注意しろ!」

「Su-57!? おいおい性能差ダンチじゃねえかよ!」

「待って、これトリガーの方狙ってない?」

「…みたいだな。こいつらは俺がやる。他のお客さんをもてなしてやれ!」

 

 やっぱ目立つなぁ3本線とMTD。

 だがそれでいい。お前らみたいなピュアボーイに落とされる俺じゃないってとこを見せてやる! 

 え? お前はピュアボーイじゃないのかって? なわけねえだろがい、艱難辛苦汝を玉にするしてんだよこっちは。

 

「さあ来やがれ新品野郎! ついてこれるならな!」

『3本線が急降下!』

 

 敵機が後ろについたタイミングを見計らって180ロールからのダイブ。スライスバックから更に急上昇、そして機首を水平にしたのち左にハイGターン! Su-57の腹を機銃で軽く叩いてやる。

 

『うあっ! 被弾した!?』

『大丈夫かシグルズ4!』

『かすっただけだ。だけどなんだあの動き! 本当に人が乗ってるのか!?』

『3本線は無人機って噂は本当だったのか!?』

 

 おうおう目に見えて動きが乱れてきたな。

 機体が最高級でも腕があれじゃな。

 

 シグルズ隊はベテランのシグルズ1以外は軍属経験はあれど今まで戦闘経験は数えるほどしかなかった。

 戦闘機に乗り慣れてないルーキーに最上級の戦闘機を与え生存性を高める効果を期待してのことだった。結果的にその目論見は成功したが。それでも無人機が荒らした後の勝てる土壌の戦闘が多く。現在シグルズ隊2機はそのベテランが堕ちたことで混乱。お世話になっていた大ベテランのグラムロック隊が堕ちたことで琴線がぶち切れたのだ。

 

 勿論俺はそのことを知る由もない。知ってても同情はするが、それで手心を加えることは決してしない。

 Su-57は俺を追い回そうとしてるが完全に翻弄されている。キャノピー越しに見えるパイロットがしきりに周りを目視確認しているようだが、上に位置している俺に気づけないほど慌てている。

 

 ESM範囲外ではあるがこれなら問題なし。

 頭上から敵の背後に回り込んでミサイルとHVAAを2機同時に叩き込んだ。

 

『なっ、いつの間に後……』

『そんな、うわぁぁぁぁ!』

 

 爆散する2機の間を通り抜け、ドレイク隊とエンチャンターに合流する

 悲しいけどこれは戦争だ。恨むなら戦争かました自分の国を恨むんだな。

 

「こちらストライダー1。Su-57の全機撃破を確認。ハリアーは……」

「こちらドレイク1。ハリアー撃墜!」

「イエス! こちらドレイク4。こっちも片付いたぜ!」

「よっしゃ!」

「よくやってくれた。だが敵はまだ休ませてはくれないらしい。後方から更に敵増援MIG-31Bが6機。F-15Eが6機だ」

「これ以上出てくるのかよ! エルジア中の戦闘機集めてんのか!?」

「まるで蜂の巣を突付いたみたいだ」

「ああ。今回は軽食を口に運ぶ余裕もない!」

「待ってろ! 食えるようにしてやる」

「頼むぞ!」

 

 ロングキャスターの安定の食い意地に思わず口角が上がる。

 何時だって平常心で指揮するその姿は正にAWACSの鏡と言えるだろう。そんな彼が食い物を食えないということはこの戦場がどれだけ混沌としてるのが見て取れる。

 

「おいトリガー。うちのウィンドメイカーと違って随分キャラが立ってないかそっちのAWACS」

「ああ。弾薬よりも食料を絶やすなってルールが決まるぐらいには食いしん坊だよ」

「それは凄いね」

「なら彼のランチタイムを作るために頑張ろうじゃないか!」

「ああ。お前ら、油断せずに行こうぜ!」

「「「了解!」」」

 

 まだパフィンが到着するまで時間がかかる。

 短くも長い戦いはまだ終わりを見せては来れなさそうだ……

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

「機体不調、撤退する」

「戻って整備士に伝えろ。3本線がいると直ぐに機体の調子が悪くなるとな!」

「僚機が3本線を見たと言っている!」

「怖くて震えが止まらねえ!」

「間違いないのか?」

「間違いない! 3本線だ! グラムロックとシグルズ隊が食われちまった!」

 

 ひっきりなしに入ってくる味方の悲鳴とは真逆に、アリコーンのブリッジは落ち着きを払っていた。

 特に艦長席に座る男。マティアス・トーレスは戦場に居るとは思えないほどリラックスした様子で目を閉じている。

 

「艦長。我が方の戦闘機部隊が押されているようです」

「そのようだな」

 

 味方機に被害が出ているというのに眉一つ上げずに淡々と答えている。

 薄情とも言える艦長を気にすることなくクルーは各々のタスクを遂行する。

 

「敵艦隊、本艦に向かっております」

「副長代理。接近中の揚陸艦を敵対的な艦艇とみなし、目標とする」

「了解。第1目標、敵揚陸艦パフィン」

 

 トーレスは初めて目を開け。副長代理である青年将校の命令を修正する。

 

「目標はパフィン艦長、ロビン・エイリー」

「艦長?」

「分からんか? 艦ではなく人を撃つ、それが砲術だ」

「了解。目標、揚陸艦パフィン艦長、ロビン・エイリー。主砲の準備急げ」

 

 副長代理の指示に満足したように静かに笑みを浮かべるトーレス。

 瞳には喜色を宿し、これから描く芸術に想いを馳せる。

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

「第3目標地点通過! 距離残りあと半分!」

「パフィンより全艦。陣形を変換せよ!」

「最大戦速! 揚陸艦パフィンの前に出る! この艦を盾にするんだ!」

 

 ようやく半分か。時間はまだ10分もたってないのに30分戦ってるかのような濃密さだ。

 

「よし! 敵航空部隊の損耗率、70%を突破。だがまた増援だ。タイフーンとF-35Cが接近」

「おいおい、エルジアはパイロット不足じゃなかったのか?」

「それでも大分視界が開けてきたな」

「このまま押し込もう!」

 

 夥しいほど居たレーダーの光点が散り散りになってきている。

 敵からしたら悪夢だろうな。戦力差3倍ぐらいの敵に一方的にやられるなんて。

 これも一重にエンチャンターとドレイク隊のおかげだな。しかしほんとなんで作戦時間ズレたんだ? 致命傷にも程がある。

 

「電波妨害を探知! 敵の電子戦機が居るぞ。ジャミング範囲をレーダーに表示した……待て、敵爆撃機の増援を確認! フルバックか、さっきより早いぞ! 方位270!」

「電子戦機の後ろから来やがった! しかもこっちのほうか!」

「艦隊には脅威度が高い、撃墜するんだ!」

「こちらストライダー1! フルバック方向の電波妨害は俺が対処する! お前らはフルバックを頼む! 恐らく敵の本命だ!」

「「「了解!」」」

「ドレイク1とドレイク2もフルバックの対処に移る。合流するぞ! ドレイク3、4、5は揚陸艦隊の直掩に付け!」

 

 敵電子戦機は3機。

 上の方から緑の円がレーダーに表示される。

 スロットルMAX。F-16Cの最高速よりマッハ1早いF-15 S/MTDはぐんぐんと僚機を引き離して電子戦機に向かう。

 出来ればフルバックと重なる前にやっておきたい。

 

「目視確認! EA-18G、グラウラーだ!」

「うちらと同じ機か。こいつは意外と機動力がある。振り回されるなよ」

 

 原型がスーパーホーネットだからな。

 機動力は押して然るべきだろう。

 

「うわっ、インシー渓谷並みにロックオンが」

「FOX2! 駄目だ、ミサイルが食いついていかねえ」

「敵のジャミング範囲内ではロックオン範囲やミサイルの誘導性能が下がる」

「厄介だな」

 

 ワイズマンの言う通り。戦闘より生存が第1の電子戦機。この前のA-10Cのネームドには負けるが判断が早く。そしてロックオン阻害がそれを助けている。

 だが機動力は思ったより並程度だ。付け入る隙はある。

 

「こちらストライダー3。敵電子戦機の動き、全部Su-34に集まってねえか?」

「ドレイク3の方も同様だ。なんで最初からそうしない?」

「運悪くフルバックの方にトリガーが居るからじゃねえか? こりゃ合流される前に潰さねえと面倒だぞ」

「エンチャンターも動くぞ。魔法は消えるかもしれんが、敵の電波妨害を打ち消せる筈だ」

 

 フルバックの積載量と爆撃能力なら揚陸艦隊揃って海の藻屑にすることは造作もないだろう。

 これは本格的にまずい状況だ。

 

「こなくそがぁ! 逃げんなぁ!!」

「こちらドレイク1。フルバックの後ろを、くそっ、奴らバラけたぞ!」

「くぅぅぅ! 吶喊!」

 

 遠くからじゃ拉致があかん! 

 ミサイルが吸われない? 機銃も当てづらい? なら絶対に避けられない距離からぶっ放せばいい! 

 更に増速。相対距離300のところでブレーキ。慣性のまま直進、敵パイロットと目が合った。

 

「散れぇ!!」

 

 苛立ちと共に放たれた機銃がパイロットごとEA-18Gをミンチに変える。と同時にジャミングの円が掻き消えた。

 

「こちらストライダー1、グラウラー破壊!」

「よし撃墜! 今のが敵の電子戦機か!」

「見晴らしが良くなったぜ」

「ストライダー隊! フルバックが分散して揚陸艦隊に向かっている! まもなく揚陸艦隊が射程内に入る!」

「エンチャンター1到着! ストライダー1! 撃て!」

「ナイス! FOX3、行けぇ!!」

 

 ただでさえ早いHVAAが正しく神速の速さでフルバックのエンジンにぶち当たる。

 

「残り3機、くそっ、電子戦機と被ったか!」

「敵のジャミング範囲内では味方の電子支援の効果が打ち消される。注意しろ」

「魔法が消えちまうって訳か!」

「こちらエンチャンター2、敵電子戦機と相対速度を合わせる。2機で打ち消してやる!」

「FOX3! FOX3!」

 

 残りのHVAA2発放出。野郎、フレア撃ちやがった! 1発はそれたが2発目はヒット、でも致命傷じゃないか! 

 

「落とせ! 一発たりとも艦隊に撃ち込ませるな!」

「もう少し、もう少しで電子戦機を!」

「ドレイク隊、畳み掛けろ! FOX3」

「オーライ! FOX3!」

 

 ドレイク隊のファルコン3機が4AAM発射。

 放たれた12発の大盤振る舞いは小破状態のフルバックを撃墜。残り2機にも命中したが撃墜にはならなかった。硬いなぁフルバック!! 

 

「よっしゃあ! 最後の電子戦機撃破!」

「これで視界が開けた! 礼を言うぜストライダー隊!」

「まだだ! フルバックを!!」

「FOX2! FOX2!」

「落とせ! 撃ち落とせぇ!」

 

 残り2機。フレアを吐き続けてこちらの狙いをそらしまくるが、俺とカウント、そしてドレイク隊4機の攻撃。更にそこにエンチャンターの支援が加われば。落ちない道理はない! 

 

『ぐあっ! せめて最後の一太刀!』

「そうはさせん!」

 

 敵がまだ動いてると勘付き、トドメの機銃で原型が無くなるほど穴だらけにする。

 しかし最後の執念かミサイルが放たれる。だがそのミサイルは惜しむらくも駆逐艦から少し離れた海面に落着した。

 

「ターゲット破壊! 良いぞ!」

「敵ミサイル、左舷洋上に着弾! 助かった!」

「トリガーが居なかったらやばかったぜ。よく気づいたな」

「こいつ、訓練生の頃から目が良かったんですよ」

「知ってるよ。呆れるほどな」

 

 良い目に産んでくれた両親に感謝しなきゃ。

 とにもかくにも驚異目標撃墜。みんな尽力の賜物だ。

 

『くそ! 悪いニュースだ!』

『それは電子戦機がいないことか? フルバックがやられたことか? それとも3本線がいることか?』

『全部だよ畜生!!』

「こちらパフィン。貴方たちのお陰で艦隊は一隻も欠けることなく無事だ。支援に感謝する」

「この調子ならあの大物を捕獲できそうだ」

「向こうも喜ぶぞ。2年も海底で過ごしたんだ、海に戻りたくないだろう」

 

 カウントは言わずもがなだが、スカルドのテンションも心なしか高めだ。スカルドが戦闘中にジョークを飛ばすなんて初めて聞いたし。

 かく言う俺も柄にもなく興奮している。激戦に伴うアドレナリン大放出のせいか。それともなんだかんだ昔なじみの3人や教官と共に居るからなのか。

 

「今のうちに部隊を戻しましょう。ストライダー隊、合流するぞ」

「了解、ひよっこどもの遠足も終わりだな」

「なんだもう終わりか。だがお前とまた編隊を組めて良かったぜトリガー」

「まだ終わりじゃないわ。しゃきっとしましょ」

「その通りだな。敵の超兵器の鹵獲だ。まだ手札を隠してるかもしれん」

「グリッターの言うとおりだな。フー、よし最後まで気を抜くなよ!」

「「了解!!」」

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

『3本線を見つけた』

『フッフハハハハ!! 殺してやるっ!!』

 

 落ち着いた男の声と狂ったように笑う女の声。

 珍しい黒と白のダズル迷彩をほどこした派手な機体。Su-47が2機、西の方から戦闘空域に突入。

 

 彼らの狙いは3本の爪痕が刻まれたF-15 S/MTD。

 今現在、この戦争でもっとも輝いてると言ってもいいエースの中のエースだ。

 

『レイジ、もうやっていい? 待ちきれないよ!』

『混乱に乗じて背中から撃て!』

『あくどいねぇ。好きだよそういうの!』

 

 1機のSu-47が突出。

 ターゲットに捕らえたのは3本線……ではなくエルジアの戦闘機だった。

 

『そーらぁ!』

『後方にオーシア機! 畜生撃ってきた! うわあー!!』

 

 予想外の方角から来た攻撃になす術なく爆散するエルジア機。

 女の気分は最高潮。思わずダンスを踊りたくなるぐらいに。

 

 2機のSu-47は尾翼がかするほどの距離で背面飛行しながらバレルロール。

 それを打ち合わせなしに当たり前のように行うそれは卓越した技量、なにより2機の連携能力の高さを物語る。

 

『イヤッホウ!』

『馬鹿! エルジア機を相手にするな!』

『馬鹿って言うな! 弟じゃなきゃ殺してる!』

 

 曲芸飛行でも危険なそれをルーティンのようにこなす2人の姉弟は狂気を身に宿しながら戦場を掻き回しに行く。

 

 混沌はまだ終わらない。何故ならそれすらも序章に過ぎないのだから。

 

 

 





 どうも。なんか少し調子が良い。作者のブレイブです。

 始まりましたDLCミッション編。
 ミッションSP1冒頭の映画みたいな始まり方を再現したくて久々にルビ以外の特殊演出やってみたんですけど、雰囲気でてますかね?冒頭だけでもいいので作中BGM流しちゃってみて下さいな。

 久々に登場したブレッド、コーギー、グリッターの3人。そして旧ヴァイパー2ことドレイク1。
 ドレイク隊が出るとわかってからずっとこの為にウェザール基地をドレイク隊所属においてました。
 今作ではドレイク隊もがっちりはまってるから原作よりもミッションがスムーズだった気がしますね。でもこれじゃスコア50000点いかないですねwww

 次回はミミック姉弟登場!こいつも台詞多いですからね出来るだけ拾っておきたいところです。
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