エースコンバット7 FLIGHT REZON   作:ブレイブ(オルコッ党所属)

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STAGE6【The Unsngu War(身近な戦争)

 

 

 

 ラリーと別れ。アンソニーの世話になった俺は学校に通った。

 学校なんて言ったことないからもう見るもの全てが新感覚。友達もまあまあ出来て、凄く充実した生活をしていた

 

 そんな俺がオーレッドに来てから。

 世界で大きな二つの戦争が起こった。

 

 

 

 2003年、夏。

 大陸戦争と呼ばれた、エルジア共和国の武装蜂起。

 

 戦争を行った理由はユリシーズによる難民問題による、経済のデフレスパイラル。

 難民の受け入れ候補の最有力だったエルジアには既に20万人の難民が入ったが。国に入れなかった者、国境線の壁に阻まれた迷える難民は60万人を越えていた。

 

 エルジアは当然ながらこれ以上の難民受け入れを拒否したが、各国はこれを非難した。

 そして過酷な状況に攻められ続けたエルジアはついにブチ切れた。

 

 ………なんかベルカ戦争みたいな始まりだな、と当時の俺は思った。

 またオーシアがそういう風に舵取りをしたのでは? と勘ぐってしまったのは仕方ないことだと思いたい。

 

 エルジアはまず手始めにサンサルバシオンに建造された隕石迎撃用のストーンヘンジ砲台を占拠。その圧倒的な射程距離と破壊力をともなった超兵器に各国は手痛い打撃を受け。背水の陣まで押し出された。

 まさにエルジアの独壇場。このままエルジアの一方的勝利に思えたが。

 

 例のごとく見事に引っくり返された。

 

 後の世にもその名を轟かせる。大陸諸国の首脳陣が集まった軍事同盟『ISAF』に所属していた、メビウス1と呼ばれるエースパイロット。

 

 メビウス1を中心としたIASFは怒涛の快進撃を遂げる。

 エルジアの無敵艦隊と言われたエイギル艦隊を壊滅に追いやり。果ては絶対に突破できないとされたストーンヘンジを破壊し。当時のエルジアのエース部隊、黄色部隊を撃破した。

 

 ストーンヘンジの力に頼り切り、要のエース部隊を失ったエルジア共和国は総崩れ。首都ファーバンティを攻め落とされ。エルジアは降伏。大陸戦争は終戦を迎えた。

 

 と思ったら、諦めの悪いエルジアの急進派が軍事基地メガリスを占拠。大気圏外に浮かぶユリシーズの欠片にミサイルを当てて敵国にその欠片を降り注がせるという、ユリシーズの再来とも呼ばれる暴挙に手を出した。

 

 大陸戦争が始まった頃、俺が住んでいたオーレッドを含めたオーシアには直接的な被害はなかった為、いつも通りの毎日を行っていた。

 しかしメガリスから撃ち出されたミサイルによる隕石攻撃がここに降るかもわからない状況は流石に不味かったのか。アンソニーと一緒に地下シェルターに避難した。

 人生で二回目の地下シェルターであった。

 

 結果どうなったか? 

 メガリス要塞はメビウス1をリーダーとしたメビウス中隊とISAFにより破壊され。今度こそ戦争は終わった。

 

 そんな彼の活躍、というか身の毛もよだつ戦績に世界ではこんな言葉が生まれた。

『良い子にしてないとリボンの死神がくるぞ』と。

 

 たまに俺もアンソニーに言われたことがあるが、俺は決まってこう返す。

『円卓の鬼神よりは怖くないだろ』って。

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

 2010年、9月末

 

 OBCニュースでオーシアが秘密にしていた汚点、そして円卓の鬼神を追うドキュメンタリーが放送されてから5年。

 

 オーシアを大きく巻き込んだ戦争が行われた。

 環太平洋戦争と呼ばれる戦争である。

 

 オーシアと同じぐらい大きな、海を隔てた隣の国家。ユークトバニアがオーシアに宣戦布告を敢行した。

 

 オーレッドはユークトバニアとは真反対の位置に居るからめったなことでは心配いらない。アンソニーは俺にそう言ってくれたが。それでも不安はぬぐえなかった。

 

 戦争が始まってしばらくして。

 両国では決戦兵器の応酬を繰り広げていた。

 

 散弾ミサイルと呼ばれる特殊炸裂弾頭を搭載したユークトバニアの潜水空母。シンファクシとリムファクシ。

 

 ユリシーズの破片の除去の為に建造された軌道清掃プラットホーム。アークバード。

 

 対弾道ミサイル用として建造された両兵器は戦争のあり方そのものをひっくり返し。

 まさに驚天動地の戦争を繰り広げた。

 

 そしてオーレッドから少しはなれたアピート空港が、ユークトバニアからの襲撃を受け。

 戦争が始まって初めて首都オーレッドは混乱の渦に飲まれた。

 

 戦争を意識していても。今までは対岸の火事に等しかった戦争の刃が突如として喉元に張り付く。

 人々はその時初めて理解した。自分達の家がいつ砲火にさらされてもおかしくない。

 今日が人生最後の日かもしれない。そう感じながら。俺たちは地下シェルターの中で震えるしかなかった。

 

 それでも俺たちは信じたのだ。オーシアの軍人が必死に戦っていることを。

 そして、1分でも1秒でも早く。戦争が終わりますようにと。

 

 シェルターを出てからは、もう学校どころじゃなかった。

 学校は休み。学校に行かなくてすむ! なんてはしゃいだ奴はごく少数。

 ひしひしと戦争の恐怖を肌で感じながら、皆家に引きこもった。

 

 ラリーは、無事らしい。

 何処にいるかは教えてくれなかったけど。手紙には髭を生やした彼の写真が同封されていた。

 その写真を見て二人で笑ったものだ。

 なんて髭が似合わないんだろう。ってね。

 

 

 

 テレビにはアップルルース副大統領が戦争の様子を国民に伝えていた。

 そう、また副大統領だ。

 

 戦争が始まってから。俺は今の大統領。ハーリング大統領の顔をニュースで見ていない。

 国のトップが一回もだ。副大統領は大統領は多忙の為テレビに出る暇がないなんて言ってのけた。

 これを見て思わずアンソニーは鼻で笑った。これは相当キナ臭い物が国家に渦巻いていると。

 

 どうやらユークトバニアも同じらしい。トップのニカノール首相に変わって、副首相がテレビで語っている。

 

「俺も変だとは思う。でも、ベルカ戦争のそれとはなんか違う気がする」

「ほう。なんでそう思う?」

「副大統領は、戦争を終わらせるって言っておきながら、ユークトバニアに侵攻するとか、戦争は継続するとか言ってる。矛盾が過ぎるよ」

「何かが起きてるんだろうな」

「うん。でもその何かがなんなのかわからない」

 

 民間人である俺たちには戦争の情報はニュースで発表されてることしか知りえない。

 

 それでも確信していることは一つ。

 今回の戦争は、ベルカ戦争と同じく。

 とてつもない闇が蠢いているのだということを………

 

 

 

 

「私は、オーシア大統領ハーリングです。戦場に居るオーシア、ユークトバニア両軍将兵の皆さん。銃を置いて、塹壕を後にしましょう。私の不在を利用して専断していた者たちから。首都オーレッドは解放されました」

 

 確信は現実の物へと変わった。

 12月の下旬。今まで姿を現さなかったハーリング大統領が、テレビで演説を始めたのだ。

 

 その隣には、なんと今も戦争をしている敵国のトップ。ユークトバニア元首ニカノールその人がいた。

 その二人が、カメラの前で手を取り合い、肩を並べていた。

 

 世界は目の前の光景を現実かと疑った。

 たちの悪いドッキリなのではと。

 

 大統領の話では。ユークトバニアには戦争の意思はなかった。無論オーシアも。

 両国の名を語り。互いに潰し合うように仕向けたものたちが居たのだという。

 

 そしてその憎しみを駆り立てた真の敵は。

 国そのものを破壊する兵器を撃つつもりなのだという。

 

 核兵器。俺の家だった物を焼き払い。世界の黒点と化した悪魔の兵器を。

 また躊躇いもなく使おうとする人たちがいる。

 

「どうか心あらば。あなた方の持てる道具を持って。彼らを手助けしてやって欲しい、彼らは今、東へ飛んでいる」

 

 そして、それを阻止する為に東に。ノースオーシア、元ベルカ領のスーデントールに。誇り高き軍人たちが飛んでいるという。

 

「なおもまがまがしい武器を使おうとする者たちよ。平和と融和の光の下に、ひれ伏したまえ!」

 

 演説が終わると同時に会場は拍手喝采に包まれた。

 後から聞いた話では、この演説を期に。オーシア、ユークトバニアの両軍が。大統領の言う彼らと共に戦い。そして、見事それを討ち果たしたという。

 

 世界はまたも一つになった。国境の垣根を越え、強大なる悪意に立ち向かったのだ。

 

 

 

 その日は興奮で寝られなかった。

 大統領と元首の大演説に、世界は光を取り戻した。

 なんとか寝ようとして寝たは良いものの。俺は目を覚ましてリビングに向かった。

 

「随分早起きだなリヒト」

「アンソニーこそ」

「フッ。どれ、ハニーミルクを作ってやろう。起きるなら顔を洗ってこい」

「はーい」

 

 冷たい水に身震いしながら、寝巻きのまま。リビングに戻ると、カーテンから朝焼けの光がこぼれていた。

 カーテンを開けると、これまた綺麗な日の出だった。

 

「ほれ」

「ありがとう。あー美味しい」

「昔から好きだなそれ」

「マルセラさんに貰ったハニーミルクは本当に上手かった」

 

 バー・トレーロでの日々は。今でも鮮やかに思い出せる。

 そこで触れあう人々と、ラリー、マルセラさん。

 その全てが今の俺を形成している。

 

「戦争は終わったのかな」

「終わるさ。大統領たちがあそこまで大っぴらに演説を噛ましたんだ。きっと終わる」

「うん………」

 

 俺にとって初めての身近な戦争。

 ベルカ戦争の時は一歳だったから。

 

「リヒトは、やっぱりオーシア空軍に行くのか?」

「まあね。ちゃんと勉強もしてるよ。アンソニーの言う通り、遠回りでもちゃんと受けるつもり」

「そっか。ラリーも喜ぶだろうな。お前の父親もきっと、な」

「父親、か……… 」

 

 一度もあったことのない父親。アレか色々調べはしたが。いまいちしっくり来るものが得られない。

 

 どうすればいいかな? 

 俺はもう一度ハニーミルクを口に含んだ

 

 その時だった。

 

 ズドォォォォォ!!! 

 

「んんうっ!?」

「なんだ!?」

 

 とんでもない音が鼓膜を叩く。

 突如オーレッドに響き渡った爆音に盛大にハニーミルクをぶちまけた。

 

 窓がカタカタと揺れる轟音と共に、外が一瞬光った。

 雷ではない。もっとでかく、長い音だった。

 

 まさか敵の攻撃!? 

 思わず窓を開け放ち、少しでも情報を得ようとした。

 

「っ! アンソニーあれ!」

「なんだ、あれは」

 

 空の中央。巨大な花火、いや花火なんて生易しいものではない巨大な爆発が紫の空を照らしていたのだ。

 

 まさか? 核兵器が爆発したのでは? 

 いや、核の爆発とは少し違っていた。

 

「ん?」

「どうした?」

「あそこ、戦闘機だ」

「なに、何処だ?」

 

 指を指した方向。そこには戦闘機とおぼしき点が爆発から離れて飛んでいた。

 

「あれは。F-14か? 4機いる」

「え、5機じゃない?」

「なんだって?」

「俺には5機見えたけど? あれ、気のせいか?」

 

 5機に見えたのは間違いだったのか。

 夜空に溶けるような色をしたF-14の編隊はそのまま夜の闇に消えていった。

 俺とアンソニーはその姿をしばらく見ていた。

 

 そして感じた。

 

 彼らはきっと。今回の戦争の雌雄を決した、エースパイロットだったにちがいないと。

 

 

 

 

 

 

 戦争の事後処理が粗方片付いたあと。政府は戦争の概要を大まかに話してくれた。

 

 オーレッドの頭上で爆発した巨大な花火が、強力な磁気嵐によって地表に落下したオーシアの軍事衛星SOLG(ソーグ)であること。

 それを撃墜したのは。あの時見たラーズグリーズと呼ばれる戦闘機部隊ということ。

 

 ああ、ラーズグリーズに関しては、厳密に言うと機密文書の一部が流出したらしい。

 

 亡命していたハーリング大統領の私設部隊。

 一説にはユークトバニアに向いたオーシアの基地。サンド島に所属していたウォードック部隊がラーズグリーズ部隊なのではという憶測が流れたが。

 そのまま憶測として有耶無耶になった。

 

 そして、両国の誤解を蔓延させ、各首領を幽閉し、今回の戦争を引き起こしたのは、ベルカ公国強硬派の残党による工作活動で発生したものと発表された。

 

 人々は怒りを発し、恐怖した。

 ベルカ強硬派残党が起こした、というものは重要視されなくなり。ベルカ公国全てに憎しみを向けた。

 

「ベルカ人は混乱の源だ!」

「ベルカ人は陰謀家で、破滅主義の筆頭だ」

「ベルカ人は国家間を混乱させる謀略の卸元になることを好む民族だ!」

 

 誹謗中傷なんて、そんな生易しいものではない。

 正しく迫害。世界中でベルカ人に対する風当たりも強くなり。社会問題まで発展した。

 

 ………無論、俺もそうだった。

 

 ベルカという国に愛国心なんか持っちゃいない俺も。周りから標的にされた。

 

 それだけなら、まだ我慢は出来た。

 否、我慢するしかなかったのだ。

 何故なら俺がベルカ人なのはみんな知っていたし、今さら覆るようなものではなかった。

 

 だが………

 

「ベルカの悪魔め! パパとママの仇!!」

 

 俺が16歳の時だった。

 

 クラスメートが突然刃物を俺に向け突き出したのだ。

 首を狙ったのだろうが狙いがずれ、俺の右頬を切り裂いた。

 

 教室は阿鼻叫喚の渦となった。

 

 鮮血が飛ぶなか、クラスの女の子が憎しみと涙を目に込めながら再びナイフを向けて突進。

 俺は死に物狂いでナイフを避け、彼女の顔面に拳を叩き込み、よろめいたところを押さえつけ、ナイフを奪って捨てた。

 

 直ぐに先生が駆けつけ、警察も来て大騒ぎに。

 俺は病院に運ばれて傷の治療を行った。

 

 警察が言うには、その子の父親はオーシアの軍人で。今回の戦争で帰らぬ人になった。

 母親が苦渋に耐えきれず薬に手を出して廃人になり、彼女は一人に。

 そして、その憎しみは身近にいたベルカ人、つまり俺に向けられ、今回の犯行に至ったのだという。

 

 事件から日を待たずして、オーシアとユークトバニア両政府はベルカ人に対する人種差別を非難し、その間違いをただすために会見を開いた。

 今回で非難されるべきはベルカの特定党派であり、ベルカ人事態に罪があるわけではない。みんな冷静さを取り戻し、不当な差別はやめましょう、と。

 

 正直に言おう。もう少し早く言って欲しかった。

 

 ぼやきながら俺は右の頬を擦った

 頬の傷はふさがった。

 だが俺の頬には1本の目立つ線がスッと残されたのだった。

 

 

 

 

 ーーー◇ーーー

 

 

 

『我々オーシア、陳びにユークトバニアは。2020年に環太平洋戦争の機密指定文書を公開することを、ここに宣言致します!』 

 

 環太平洋戦争から3年。

 2013年3月。連邦最高議会でハーリング大統領とニカノール首相が揃って会見を開いた。

 内容は戦争内容のドキュメントと、国家が握っている極秘情報を7年後に解放することを述べていた。

 今すぐ公表すればいいのにと俺は思ったが。最高機密というのはなかなか面倒な代物だと、アンソニーが言っていた。

 

 今テレビに移っているのは3日前の映像だ。

 

 月日はたつと早い。俺も18歳になり、大人に片足を突っ込んだ。

 前いた学校を転校し、10日後に卒業を控え。卒業後はオーシアの防衛大学で、戦闘機パイロットの足掛かりを手に入れる為に行く。 

 

「準備は出来たか、リヒト。もう迎えが来てるぞ」

「いま行く」

 

 テレビを消してリュックサックと大きめのショルダーバックを背負って玄関を出た。

 外に出ると、そこには身に覚えのない男性が車の前で立っていた。

 

「お久しぶりです中尉。お元気そうでなにより」

「クラウン、もう俺は軍人ではないぞ。それに階級ではもうお前の方が上だろ。なあ、メイジ隊隊長どの?」

「や、やめてくださいベディヴィア。あなたに隊長と言われるとムズムズします!」

 

 ベディヴィア。というのはアンソニーのTACネームだ。

 ということは、この人も軍人? 

 

「紹介しようリヒト。こいつはアイザック・ノスト。オーシアの現役パイロットで。俺の後輩だった奴だ」

「よろしくリヒトくん。俺のことはTACネームのクラウンと読んでくれ。名前で呼ばれると身体がピシッとしてしまってね」

「リヒト・パーマーです。今日はお忙しいところをありがとうございます、クラウンさん」

「さんはいらないぞ。TACネームだからな。それにしても聞いていた以上の色男っぷりだな」

「この傷のことですか?」

 

 いまもなお残る右頬の傷を撫でながら恥ずかしそうにそっぽを向いた。

 これがついてから周りの大人に色男だの、スカーフェイスだのと言われることが多くなった。

 色男はまだいいが、スカーフェイスはちょっと遠慮したい。

 この世界でスカーフェイスと言われれば1997年のユージア大陸の軍事クーデターを静めたエース部隊の名前なのだから。自分には分不相応過ぎる。

 

「いやいや、それ込みで良い男って意味さ。それに比べて、この前うちに入ってきた小生意気な新人パイロットはリヒトくんに比べて可愛げが………」

「クラウンお喋りも良いが、長引くと飛行機に間に合わないぞ?」

「あれ、もうそんな時間ですか。じゃあ行こうかリヒトくん」

「はい、宜しくお願いします」

「固くならなくていいぞリヒト。こいつほど堅苦しいという言葉が似合わない奴はいないからな」

「それ昔の話でしょう? 今はちゃんと堅苦しい軍人してますよ。リヒトくん。荷物はトランクにぶちこんどいてくれ」

「はい」

 

 言われた通り荷物をトランクにぶちこみ。

 助手席に座ってシートベルトをはめた。

 

「じゃあ行ってくるよアンソニー」

「ああ、気を付けていけよ。クラウン、頼んだぞ」

「了解です」

 

 クラウンさんはアンソニーに敬礼したあと車を走らせた。

 サイドミラー越しにドンドン離れていくアンソニーを見てるとクラウンさんが話しかけてきた。

 

「しかし君も物好きだね。わざわざあんなところに」

「防衛大学に入ったら身動きが取りづらくなりますから。クラウンには感謝してます。アンソニーはその、立場上厳しいですから」

「そうだな………」

「確かめたいんです。これから飛ぶのに、思い残しを出来るだけ取りたいんです」

「そうかい。じゃあ行くとするか───ベルカ公国に」

 

 これから行く場所。

 もう二度と行かないと思っていた……生まれ故郷にこれから赴くのだ。

 

 リヒト・パーマーではなく。リヒト・フォン・フリューゲルとして。

 亡き父親のことを知るために………

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところでTACネームは決まってるか? もし決まってないならジェスターってのはどうだ? 俺のクラウンにちなんで」

「えっと………ごめんなさい」

「うあっ、フラれた」

 

 

 






 一話におさえようとしたんだ。

 でも出来なかったよ(この大馬鹿野郎!)

 本編はいつ書けるのかなぁ、と思いながら書いてますわ(笑)
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