もちろん本家も好きです
魔王に転生なのだ!
(痛い…………すっごく痛い…………)
「玲夢ちゃんしっかり! いや…………どうして、こんなことに……」
涙をぼろぼろと流して私の手を握る親友の美香ちゃんに、私は『大丈夫だよ』と答えようとするけど声がでない。
それもそうだ。
通り魔と思われる男にナイフで腹部を刺され、信じられないほどの勢いでだくだくと血が流れていてこうしてまだ意識が残っているだけでも奇跡なのだから。
美香ちゃんの手の温もりが熱く感じるほどに、私の身体は冷えていっているのを悟る。
ああ、私もうすぐ死ぬんだな…………
私はいたって普通の人生を送ってきたと思う。
まったくトラブルがなかったのかと問われれば、まあないわけじゃないけどね。
子どもに言いがかりをつけてオラついてる不良をのしたり、他校の友達が苛められているのを知って授業そっちのけでカチコミに行ったり…………あれ? 今思い返したら、全然普通じゃない?
(…………もう、美香ちゃんの顔も見えないや。美香ちゃんの結った髪、ウサギみたいで可愛いから最後に見ておきたかったのに)
《確認しました。ユニークスキル『
(誰にも気づかれないようにひっそりと過ごしてたら、こんなことにならなかったのかな…………)
《確認しました。ユニークスキル『
最後に美香ちゃんに遺言というわけじゃないけど、『私の親友になってくれてありがとう』って言おうとしたけどやっぱり声は出ない。
(何で最後って時に何も言えないの? 感謝の言葉を伝えたいだけなのに)
《確認しました。スキル『思念伝達』を獲得…………成功しました》
(もしも次があるなら、誰も悲しませないように強くなりたい。そうだな…………魔王って言っても差し支えがないぐらい)
《確認しました。魔王に匹敵する肉体を作成します…………失敗しました。代行措置として、現魔王の魂と個体名『中原玲夢』の魂の統合を『結合者』を通して実行…………成功しました》
(さっきから聞こえてるの、なんだろ? 死ぬ直前にボケるとか、笑えない。私は自分を保って生きたいんだ…………もう死ぬわけだけど。美香ちゃんごめん…………この後、一緒にパンケーキ食べに行く約束してたのに…………)
《確認しました。ユニークスキル『
次の人生があるなら面白可笑しく強く生きよう、そう心に誓いながら私の十六年弱の人生は幕を閉じた。
◆◆◆◆
「ここは…………私、ワタシは…………」
唐突に見知らぬ草原らしき場所で目が覚め、私は大いに困惑した。ビルもなければ車などのエンジン音すらも聞こえてこなかった。
しかし、唐突に吹き出してくる知らないはずの記憶、ミリム·ナーヴァとしての記憶が私の中で目覚めて動揺はかなり収まった。いや、それでもめっちゃ驚いているけどもね。
どうやら私はあのまま死んで、魔王ミリム·ナーヴァとして転生したらしいのだ。
自分でも驚くほどの力が満ち溢れていて、今の私であればなんでもできそうな気がする。
この世界で魔王として生きることになって、正直に言えば不安がないわけじゃない。
でも、私は生前に願った次の人生があることに嬉しくて飛び上がりそうになった。
この世界で私は面白可笑しく、そして強く生きるんだ。
そこでふと、この世界を見て回りたくなった。
『ワタシ』にとっては見慣れた風景でも、『私』からすれば異世界だったから。
なんだか自分の宝物を誰かに自慢しているようで、私の心はワクワクで満たされている。
まずは人間がたくさんいる国に行ってみよう。
『分身』のスキルで作り出した私をその場に残し、力をぎりぎりまで込めて跳躍。
どんどんと空に舞い上がる感覚を覚えながら、目的に適した国へと進路をとる。
そうだな…………とりあえず『イングラシア王国』あたりまで。
入国審査がめんどくさいと聞くが、私には関係ない。
『認識阻害』
このスキルには二つの用途がある。
一つは自分の存在を認識させないこと。
一見不意打ちし放題のチートスキルに思えるが、デメリットとして認識されない変わりにこちらから攻撃が出来ないこと。
攻撃をしようとする意思がある時点でスキルが解除されるのだ。
そしてもう一つは、私の魔素を知覚させないこと。
仮に魔素が街中で溢れだそうと、人々に気づかれる心配はない。
「よし…………じゃあ、行くのだ!」
これからきっと楽しいことがいっぱいあるに違いない、そんな期待に私は胸を膨らませていた。
修正
転生後のオリ主はミリムの魂と混ざりあった結果、第三の人格になったということでしたがそれだと今後の描写で分かりにくい点や書きにくいところも多いと考え人格は完全オリ主に変更します
オリ主が目覚めた時系列はリムルが転生する一ヶ月前ほどを想定しています
ミリム・ナーヴァ(中原玲夢)
追加スキル
『
詳細は追々
『
『思念伝達』原作通り
『
『分身』原作通り
※ただの念話って思念伝達の下位互換では? と思ったので修正しました