ギルドJupiterの物語 作:サファリパーク管理者
多くの神は消滅し、ある神は逃げある神は眠った。
そこには人だけが起きていた。
神と神と人と竜の争いから1500年がまもなく経過する。
残った神が人に残した最後の贈り物は人を守りし結界だった。結界の中で人は人同士で争い、嘗ての繁栄ももはや過去の栄光となり、陽光が届くことのない暗い世界で、絶望へのカウントダウンは粛々と進む。絶望のむこうへと翔け始めるための小さな芽はその多くが魔獣等によって散っていくのであろう。今までの時代の英雄たちのように。嘗てあった多くの国々は、人に、魔獣に討ち滅ぼされもはや数えるほどしか残っていない。その中の列強国たる帝国にあった「ギルドJupiter」は、最強ギルドとして有名だった。決して人数は多くなく、されど個の戦闘力は絶大であった彼らもまた、生きる人間であったのだ。英雄と後に呼ばれることになった彼らも、悩み絶望しながら歩み続けた人間であった。故に彼らは成し遂げたのだ。
終わりなき絶望の果に人は何を見何を思う?
果てなき苦しみの怨嗟に人は何を知りなにを願う?
あがけ、人よ。賽はすでに投げられた。
己の心を燃やせ、声あげ進め。進め、もう他に道はないのだから。
人類創世記念日、それは神から人類が脱却した日。丁度1500年経っての祝いの日である今日は圧倒的な祝賀ムードが漂っていた。
それ自体は別に構わないとも思えるのだが、かつての神が遺したコロニーの中でしか生きれないとは、何という皮肉だろうか。冷めていると親友に評される僕はついおもってしまう。かつての神が人々を支配していたのは、今考えれば人々を守るためでもあったのだろう。勝手な憶測であるが、間違いというほど違ってはいないきもした。
そんな取り留めもないことを考えていると、親友から見れば楽しんでいないように見えたようだ。
「やっぱりキミ、今日元気ない?」
顔をぐいっと近づけて心配そうに見つめる元春はあまり理解していないみたいだけどとってもキレイで、少し気恥ずかしい。
「かつての神は、その中で何柱かは眠りについたと神話では語られているけど、彼らはどこにいるんだろうね?」
そう言ってふと思いついた質問で、とっさに誤魔化すと元春は律儀に返事を返してくれた。
「帝都にある結界の中心の石棺にいるんじゃないの?」
「順当に考えて行くとそうだけど、あそこには覇王帝が眠っているって言われてるじゃん。」
「ならどっかの遺跡にでも眠っているんじゃないかな。まあそのうちそんな遺跡にも行ってみたいね、樹。」
なんてつまらない話をしながら歩いていくとやっとお目当ての場所にたどり着いた。
古風な赤茶色のレンガ造りの建物の正面にあるその名前は、この帝国の中でも相当強者が集まるこの防衛都市の中でも名前を響かせている。
【Jupiter】
大層な名を冠したこのギルドは少数先鋭を地で行くギルドだ。
そんなギルドに僕を連れ込む元春はとにかく柔らかい笑顔でいった。
「ようこそJupiterへ!」
思えばこれが僕らのすべての始まりだった。きっと未来へのきっぷでもあった。