俺ガイル~別れ、そして出会い~君の一番星に【城廻めぐり編】 完   作:龍造寺

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第1章ー9話です。


第1章ー第9話ーもう1人の幼なじみ。

ーー

 

下校時刻のチャイムがなり、雪乃は読んでいた本を鞄にしまうと、八幡の方を見て

 

「それじゃあ、比企谷君」

 

それだけ言うと、教室から出ていく。八幡はため息を吐きながら、夕陽を見ながら

 

「はぁ~無視された初日よりもマシになったか」

 

八幡も帰る身支度をしてから、教室から出た。

 

相変わらず、特別棟の方は静まり返っている。

 

「さっさと帰るとするか」

 

自転車に乗ってそそくさに帰る。

 

 

 

自宅まで帰って来た八幡は、綾音の家の方を見る。するとそこには綾音の妹の綾香がいた。彼女は洗濯物を取り込んでる最中だった。実はこれまでも見かけた時は、彼女に声を掛けたが、無視されていた。彼女も綾音を喪って、八幡の事を嫌ってるのではないかとも思っていた。

 

彼女の名前は、雪柳綾香、綾音の1つ下の妹。小さい頃は、綾音と一緒に遊んでいたが、高学年になると、八幡の妹の小町と遊ぶ事が多くなった。それでも綾香は、姉である綾音が大好きで、八幡の事もお兄ちゃんと言って慕っていた。

 

綾音が倒れた後も八幡が来れない時は、必ず看病に来ていた。八幡と付き合うと知った時も心から喜んだ。

 

だけど、綾香の心の中で何かが生まれたのも同時だった。

 

そして綾音を喪って悲しむ八幡の姿を見て、自分が何とかしなくてはと思った。

 

自分が八幡を支えるんだと。

 

中学3年になってからは、八幡とほとんど会話せずに、勉強やスポーツに勤しんだ。自分にカツを入れるため、あえて八幡を無視していたのだ。

 

そして八幡がいる総武高校へと。八幡には内緒で。

 

八幡は、上から下へ綾香を見る。彼女は、今年で高校1年生である。綾香の容姿は、黒髪でセミロングで、身体も随分と成長している。当然胸だって成長していて、もしかすると綾音よりも大きくなっている。八幡は、戸惑いながらも

 

「綾香、久しぶりだな、元気にしてたか?綾音の葬式以来、あまり見なかったからな。それにそれから綾香に無視されてたし」

 

「八幡お兄ちゃん、お久しぶりです。それと今までごめんなさい」

 

綾香は、八幡に対して深々と頭を下げた。

 

「綾香…そうか、もう嫌われたかと思った」

 

「ううん、八幡お兄ちゃんを嫌ったりしないよ。私、総武高校に入ったよ」

 

「そうか。今さらだけど、おめでとうな」

 

「ありがとう」

 

「でも、お前って海浜総合高校に行ったんじゃ?」

 

「違うよ、私は八幡お兄ちゃんを追って…」

 

小さな声でそんなことを言った。

 

「うん?なんだ、綾香?」

 

「な、なんでもない」

 

綾香は顔を赤くして、家の方へ入っていく。そんな彼女を見ていて

 

「綾香、元気になって良かった」

 

そう言ってから自分の家に入ったのだった。

 

 

八幡は、寝る前にチャットを確認する。すると雅史からのチャットだった。

 

【八幡、話があるんだが、今良いかな?】

 

【別に構わないが?】

 

【八幡、綾香ちゃんと話したんだな?】

 

【うん?何で知ってんだ?】

 

【まあ、綾香ちゃんから色々と相談受けていたからな。八幡が綾香ちゃんの事を嫌ってるかもって】

 

【嫌ってるわけない。むしろ俺が綾香から無視されてたし…】

 

【それには、色々と原因があるのだが、綾香ちゃん、まあ、ちゃんとお前と話せて良かった、俺も安心したよ】

 

【まさか、総武高校に来てるとは思わなかったけど。綾音が行きたかった海浜に行くとばかりに】

 

【八幡…彼女は……。おっとこれ以上は綾香ちゃんに失礼か。緑子や七海、綾香ちゃんが可哀想だな】

 

【綾香はともかく、緑子や七海の気持ちは…わかってる……だけどその思いには答えられない…俺は綾音しか…】

 

【八幡…今でも、綾音が好きで愛してるのはわかっている。でも…もう先に進んでも良いと思う。綾音だって…】

 

【わかっている!わかってるけど…】

 

【八幡、怖がるな、側には俺や緑子、七海、陽介、完二や小町ちゃん、綾香ちゃん、他の人達がちゃんとついている】

 

【雅史、…ありがとう。励ましてくれて…】

 

【ああ、当たり前だろ親友なんだから】

 

八幡は、雅史に励まされた。雪乃のあのセリフと雅史の言葉に少し心が動かされたのだ。

 

雅史とのチャットを終えて、八幡は綾音の写真を見る。

 

その写真は、綾音だけが写っているものである。もちろん写真を撮ったのは、八幡である。綾音が優しい表情で写っているのだ。

 

「綾音、俺は……」

 

八幡は、とある歌を歌い出した。

 

今は、悲しい時、苦しい時に歌っているのだ。己を奮い立たせている。以前は、不安な綾音のために歌っていたのだ。ギターも陽介に習って覚えて、人に聴かせられるまで上手くなった。

 

全て綾音のために頑張って来た八幡。

 

だから今度は、何のために頑張っていくのかわからない八幡。

 

今の八幡は、暗闇の中に1人でいるようなものだ。

 

綾音という一番星が消えて光を失い、大きな穴が空いた八幡の心。

 

そんな歌声を聴いて、小町や綾香は涙を流した。

 

そんな悲しみの時間も過ぎていく。

 

運命も少しずつ動いていく。それが幸せなのか、不幸に動いていくのかは、誰にもわからない。

 

それは、運命のサイコロさえもわからない。




ちょっと初期設定を変えました。綾音に1つ下の妹を追加しました。

綾香は、ちょっとヤンデレ感があるかも。小町とは親友同士。

八幡が歌い出した歌は、GReeeeNの【星影のエール】ですね。八幡が入院している綾音のためにずっと歌っていたんですね。

参考までに、to be continue後の世界は何が良いですか?

  • 1ーありふれた職業で世界最強。
  • 2ー魔法科高校の劣等生(優等生も含む)
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