俺ガイル~別れ、そして出会い~君の一番星に【城廻めぐり編】 完   作:龍造寺

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第1章ー15話です。


第1章ー第15話ー綾香の居候。

ーー

 

「比企谷君、戸締まりよろしく」

 

「ああ」

 

雪乃はそう言うと、奉仕部の教室から出ていった。

 

「雪ノ下は、相変わらずだな…」

 

それでも少しずつ変わってきてると思う八幡。

 

ほんの少し。

 

ほんのちょっと。

 

それでも歩み出したことには変わらない。

 

八幡と雪乃の奉仕部の始まりでもあった。

 

 

 

ーーー

 

八幡は、自転車で自宅に帰って来ると、玄関には、何故か制服にエプロンをつけた綾香がいた。それも昭和の奥さんが夫を出迎えた格好で

 

「八幡お兄ちゃん、お帰りなさい」

 

「ち、ちょ…俺…無意識に雪柳家に?」

 

八幡は、家の表札を改めて確かめる。

 

しかし

 

表札には【比企谷】と明記されている。

 

「俺の家だ…じゃなくてなんで綾香がうちにいるんだ?」

 

すると小町が玄関の方に首を出して

 

「お兄ちゃん、綾香、しばらく小町達と住むことになったよ」

 

「はぁ?それはどういう意味だ?」

 

「綾香のお父さんのお仕事の関係で、関西に行かなくてはならなくなったから、お母さんもついていくって」

 

「おじさんとおばさんが、関西に…。綾香も行くんじゃ?」

 

「八幡、リビングまで来てね、みんなで話すから」

 

「八幡お兄ちゃん、全てを話すから、まずは手を洗ってね」

 

八幡の母親と綾香は、リビングの方へ行く。1人取り残された八幡は

 

「…一体どういうこと?」

 

八幡は言われたとおりに手を洗ってからリビングに行く。するとそこには、父親、母親、小町、綾香の4人が既に座っている。

 

「オレから話す。八幡、綾香さんを家で預かることになった。雪柳さん夫妻は、仕事の関係で関西に転勤となったんだ。綾香さんは、ここから離れたくないと言ったみたいだ。雪柳さん達も綾香さんの気持ちも考えて、家で預かってもらえないかと頼まれたんだ」

 

「それで引き受けたと?」

 

「そうだ」

 

「綾香は両親と行きたくなかったのか?」

 

「もちろん行きたい気持ちもあったよ。でも八幡お兄ちゃん、小町から離れたくなかった…お姉ちゃんの思い出が沢山あるここから離れたくなかった」

 

綾香はポロポロと涙を流し始めた。そんな姿を見て、八幡も小町も涙が自然と出てくる。

 

「綾香…!小町も離れたくないよ~」

 

「小町…」

 

八幡は、小町と綾香の頭を撫でた。昔から2人が泣き出したりすると、八幡がよく頭を撫でていたのだ。

 

学校で奉仕部で、雪乃や結衣によって疲れ果てた身体だが、綾香や小町の事を考えれば、疲れなんか関係なかった。2人とも嬉しそうにしている。

 

「八幡、綾香さんを頼むぞ」

 

「八幡、綾香さんを頼むわね。私達にとっても娘みたいなものだからね」

 

八幡は、綾香の事を任された。綾音と綾香の両親は、八幡の事を実の息子のように接してくれていた。綾音が亡くなった後も普通に接してくれていたのだ。だから綾香の事を任されたのだ。

 

「おじさんとおばさんが言うのなら、仕方がない」

 

「ありがとう、八幡お兄ちゃん!」

 

綾香は八幡にくっついた。

 

「全く、お前は昔から変わらないな~」

 

「変わったよ、ちゃんと成長したから」

 

「綾香、お兄ちゃんは、小町だって大好きだよ!1人で取らないで!」

 

そんな光景を見て、両親は微笑ましく笑ってるだけだ。八幡も嫌ではないから、なすがままになっていた。

 

そして、母親と綾香が作った夜ご飯を食べた後、自室に戻った八幡は、雅史、緑子、七海のグループチャットでその事を話していた。

 

【そうか、おじさんとおばさんが、関西にな。俺のお袋も事前に知ってたみたいだ】

 

【ああ、俺の両親もそんな感じだった。本当は、春前に転勤の事はわかってたみたいだが、綾香が総武高校に受験するって、言い張ったみたい】

 

【綾香ちゃん、八幡の力になりたいって言ってたからな】

 

【それは、小町からも両親に聞いた。って緑子も七海も会話に入ってこないな?】

 

【……綾香ちゃん、八幡の家に居候するってことだよね?】

 

【どうなのかな、八幡?】

 

八幡は、緑子と七海からの嫉妬染みた言葉に引きながらも

 

【あ、綾香は妹、小町と一緒で妹的存在だ!】

 

【綾音の妹であって、八幡の妹じゃないでしょ?八幡は妹と思っていても、綾香ちゃんはそう思ってないから!私だって!】

 

【緑子、お前…そんな積極的だったか?】

 

【 緑子も私も綾音の手前、自分の気持ちを押さえていたの。でも…綾香ちゃんが、その均衡を破った…だから】

 

【七海?雅史…なんとかしてくれ!】

 

【俺にはどうすることも。2人とも八幡を好きだからね。綾香ちゃんに取られたくないんだよ】

 

【だから、俺は誰とも付き合わないって!】

 

【はぁ~八幡、今年こそ歩み出してくれると思ってるぞ!】

 

八幡は雅史が今年を強調したのは、今年は綾音が亡くなって2年、3回忌の年である。

 

だから12月の3回忌までに、彼女を作れという雅史なりの思いやりだ。八幡がいつまでも綾音の事を引きずっていれば、彼女も安らかに眠れないって言われたこともある。

 

【明日にも、総武高校前で待ってようかな?】

 

【緑子さん、やめて!総武高校が混乱しちゃうから】

 

【私も総武高校に突撃しちゃおうかしら】

 

【七海さんもやめて!同じく総武高校が大変なことになるから!】

 

緑子は、海浜の水泳部のエース、七海は、テニス部のエース。千葉県内でも注目されている。もちろん雅史もサッカー部のエース。そんな2人が総武高校に来たら、大変なことになる。

 

八幡はこのあと、緑子と七海を宥めてグループチャットは終わった。小町から、お風呂に入ってよし、と号令が出たから

 

「さてと、風呂に入って寝るか」

 

今日は色々あって、風呂から上がってきたらそのまま寝落ちしそうと八幡は思った。

 

八幡は、着替え等を持って風呂場へ。

 

八幡は着替えたのを洗濯機で洗うために、自分のヤツを色物に分けていると、小町と綾香の洗濯物が別にされていて、なんか目に入るようなところに置かれている。

 

「はぁ~、小町の下着とか見てもなんにも思わんし、綾香のヤツも何も思わんだろ!」

 

綾香の下着が何故か、隠しもせず堂々と一番上にある。青とピンクの下着である。

 

「綾香のヤツ…恥じらいを持ってほしい…」

 

そして八幡は風呂に入った。そして湯船に浸かりながら

 

「ふぅ…緑子も七海もそして綾香も…綾音の手前…身を引いていた…。でもその綾音はいない…だから……。でも俺はどうする?彼女達の思いを受け入れる事ができるのか?」

 

わからない、彼女達の思いを受け入れる事が本当にできるのか、彼にはわからない。

 

八幡の心から綾音に対する気持ちが消える訳がない。無くなるわけがない。

 

綾音の気持ちを抱いたまま、他の女の子を好きになって思うことが、できるのか。

 

その人を愛せるのか、わからない。

 

「…綾音、俺はどうしたらいい?」

 

その問いに誰も答えてくれるものはいない。

 

ただ静寂の時間だけが過ぎていく。

 

だが八幡の周りは、止まっていた時間が動き出す。

 

綾香が八幡の自宅に居候というイベントが、静寂だった時を動かすことに。




綾音の死後、八幡を思ってた人間は、抜けがけをしないという同盟を結んだが、綾香の居候で同盟は崩れた。

それは、総武高校の隠れ八幡ファンにも変化と動きを与えるように。男子も女子も。

参考までに、to be continue後の世界は何が良いですか?

  • 1ーありふれた職業で世界最強。
  • 2ー魔法科高校の劣等生(優等生も含む)
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