俺ガイル~別れ、そして出会い~君の一番星に【城廻めぐり編】 完   作:龍造寺

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第2章5話です。


第2章ー39ー第5話ー1枚の盗撮写真。

ーーー職員室

 

職員室の一角には応接スペースが設けられている。革張りの黒いソファにガラス天板のテーブルが置かれ、パーテーションで区切られていた。その側に窓があり、そこからは、図書館が見渡せた。

 

開け放たれた窓からうららかな初夏の風が入ってきて、一切れの紙が踊る。

 

「もうすぐ、夏だな…」

 

「何が、もうすぐ夏だ!」

 

そこにパンツスタイルの平塚先生がやってくる。自分の机の椅子に座ると、タバコの箱から一本取り出して口元に持っていきそれを加える。

 

「比企谷、私が何を言いたいのか、わかるな?」

 

「職場見学希望調査票のことですよね、あれではダメですよね?」

 

「わかってるのなら、何故書かない?」

 

「将来…何の職種につきたいとか、まだ正直わからないです」

 

「わからないか…漠然に何になりたいとかないのか?」

 

「…だから…良くわからないんですよ…あの日からずっと…」

 

「…あの日からずっと?」

 

「いえ、なんでもないです」

 

綾音が亡くなるまでは、彼女の病気を治すために医者という選択肢も入れていた。彼女が元気な頃は、彼女と共に人々の役に立つ職種につきたいと思っていた。

 

だが、綾音が亡くなってから、そういう夢が無くなってしまった。いや抱けなくなってしまったのかもしれない。八幡の中の時間は少しずつ動き出した。でもこういう事は、まだまだだったと言うことだった。

 

「まあ、比企谷、お前は少しは成長しているようだな」

 

「どうも…」

 

「だが、まだまだ成長する必要がある!」

 

「左様ですか」

 

「それと春雪の件も頼むぞ」

 

「……はい」

 

 

平塚先生の呼び出しの件が終わった八幡は、トボトボ歩きながら奉仕部の教室へ向かう。

 

「……まだ決断できるほどのものじゃねーし…」

 

特別棟の廊下を悩みながら歩いていると、隅の方に1枚の写真らしきものが落ちていた。八幡はそれを拾う。

 

「……これは…盗撮写真…!?」

 

盗撮写真の被写体は、吹寄だった。つまり吹寄のパンチラ写真である。

 

「なんで…吹寄の盗撮写真がこんなところに?」

 

周りを見渡すが誰もいない。誰かが盗撮写真を撮って、落としたのか?

 

「どうする…めぐり先輩に教えるべきか?」

 

そんなことを言っていると、誰かが近づいてくる。八幡は急いで空き教室に逃げ込む。

 

足音からして相手は2人組のようだ。その2人組は何かを探しているようだ。声からして、葉山グループの田中と山本であることがわかった。

 

「あれ?この辺りに落としたはずだが?」

 

「本当か?誰かに拾われたんじゃね?吹寄のパンチラ写真…」

 

「マジかよ…せっかく、今日のオカズにしたかったのによ…!」

 

山本と田中が、その辺りを探しているようだ。

 

「……仕方がない、諦めるか」

 

「諦めるのか?まあ俺は構わないが」

 

山下と田中は、ため息を吐きながら去っていく。八幡はしばらくして、廊下へ顔を出す。

 

「田中と山本か…。まさかあいつらのだったとは…」

 

彼は、スマホを取り出して、とある人物に連絡をかける。

 

「もしもし、八幡先輩どうかされましたか?」

 

「直斗、お前に相談がある。実は…」

 

白鐘直斗、白鐘探偵事務所の探偵である。中学時代にとある事で、協力しているのだ。天之河事件でも協力してもらっている。直斗は八幡達の事件以外にも必ず関わった事件は解決に導いている。

 

今回の事を直斗に相談をする。総武高校の盗撮事件、学校内に盗撮犯の仲間がいることや圧力を加えるヤツがいることを説明したのだ。

 

「……ということだ」

 

「なるほど、総武高校でそんなことが起こっているとは…」

 

「直斗、頼めるか?正直俺達では手に負えない感じがする」

 

「わかりました。他ならぬ八幡先輩からのお願いです」

 

「ありがとう、直斗」

 

「八幡先輩、こちらからも総武高校の教職員の事を調べてみます。それとあまり無茶をしないで下さい」

 

「わかってる」

 

直斗は、総武高校の教職員の事を調べる事を約束した。八幡は、吹寄の盗撮写真を懐にしまうと、生徒会室へ向かう。

 

 

生徒会室の扉を叩く。すると中からめぐりの声が返ってくる。

 

「どうぞ、開いてますよ」

 

「失礼します」

 

八幡は生徒会室へ入った。中ではめぐりが生徒会長としての日誌をつけていた。

 

「八幡君、どうしたのかな?」

 

「ええ、実はこんなものを拾いまして」

 

彼はめぐりに拾った盗撮写真を渡す。

 

「これは吹寄さん…盗撮写真…これをどこで?」

 

「特別棟の廊下ですよ」

 

「特別棟…うーん、あっちの校舎…放課後になれば、確実に人通りは減る…。そこで盗撮写真を売買を?」

 

「その可能性はあります。しかし特別棟にも部活動で使っている教室もあります。奉仕部、遊戯部…その部活の人間と鉢合わせになる可能性もありますから、これも可能性の1つですね」

 

「八幡君の本命はどこなのかな?」

 

「おそらくは、体育館裏、または校舎裏…ってとこでしょうか」

 

八幡は、ぼっち生活を満喫していた頃、学校中を散歩していた。そのときに体育館裏と校舎裏も一通り回ったのだ。悪さをするためなら、この2つの場所は教師からは見つからないだろうと思っていた。

 

「体育館裏、校舎裏…あまり行かないところだよね?」

 

「普通の生徒なら行きませんよ。考えてみれば、不良達のたまり場かもしれないのに」

 

「……そうだよね。これ以上盗撮の被害を出さないためにも…」

 

「めぐり先輩、先走ってはダメ。盗撮犯はどうやら教師側にもいる可能性は高い。いや確実にいます。だから…めぐり先輩に何かあれば…俺は…」

 

「八幡君…キミって人はもう…優しいんだから」

 

「冗談なんかで言ってません。俺は本気で言ってます」

 

「ありがとう、八幡君」

 

めぐりは、ちょっと赤く頬を染めた。夕陽が差し込んでいるから、八幡は彼女の表情の変化には気づかなかった。

 

吹寄の盗撮写真は、めぐりに預けることにした。八幡は自分が持っていると、別の疑いが掛けられると言って彼女に預けることにした。

 

めぐりとしばらく話してから、奉仕部へ向かうことにした。




これから盗撮事件が動いていきます。

白鐘直斗、ペルソナ4のキャラです。

参考までに、to be continue後の世界は何が良いですか?

  • 1ーありふれた職業で世界最強。
  • 2ー魔法科高校の劣等生(優等生も含む)
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