変だったらすいません
俺達がダンジョンから出て、四十分ほど経つ。
すると、近くに止まった黒塗りの車から協会の人達が降り、こちらへと向かってくる。
その中に一人、俺と、恐らく旬さんも知っている金髪の男がいた。
「お久しぶりです」
金髪の男が俺と旬さんに話しかける。
「あっ…えっと…監視課の…」
「はい。監視課の犬飼です」
「どうもお久しぶりです」
犬飼さんは、道門の事に関して、真相が明らかになったら謝罪すると言うが、捜査は監視課ではなく、捜査課が捜査するらしい。
ならば何故、監視課が来たのかと言うと、
「B級ハンターである道門を殺したのはどなたですか?」
犬飼さんは俺達にそう聞いた。
「私です」
そう名乗り出たのは、旬さんではなく馬渕さん。
今回、真島さんたちが死ななかったのが響くかと思ったが、どうやらストーリー通り進んだので良かった。
……今回、真島さんたちを救ったのは人間としてはよかった行為なのだろう。旬さんの精神的にも、成長はしないが良かったはずだ。
しかし、ストーリーとしてはどうだろうか………―――いや、何故俺はストーリーに固執している?俺がプレイヤーになった理由は、俺の影響による
「水篠ハンター、国玉ハンター」
俺はその声で、思考を止める。
犬飼さんは、E級の俺達のどちらかがB級の道門を倒したとは思っていない、再覚醒を疑うのは前回だけで十分なはずだからと言葉を続けると、俺達に気をつけろと言う。
何故かと旬さんが聞くと、どうやらこの間の右京隼人の弟、S級の右京将人が俺達と、もう一人のD級ハンター ―恐らく、諸菱健太― を狙っている可能性があるあるらしい。
S級は法で縛ることができない、災害のような存在で、怪物以上の怪物が俺達を狙っているかもしれないから気をつけるように、そして、
「できることなら、家族を連れ日本を離れたほうがいいと思いますよ」
と、犬飼さんが告げた。
現在の俺はレベルは34。そして、能力値は恐らく、旬さんが悪魔城に挑戦する時ほどのはず。うろ覚えなので恐らく、だが。
なので、一応はS級にも届くはずだ。どんなことが起きても大抵のことは対応できる。が、予想外は何事にもあるものだろう。
調書を作成するために同行し、3時間ほど。取り調べ中に道門に殺害を依頼したという男が自首し、俺達の正当防衛が成立した。
「水篠の兄ちゃん…二重ダンジョンでの事。本当にすまなかった……許してくれとは言わない……ただ、これは本心だ。本当に……本当に、すまなかった…」
真島さんが旬さんにきちんと、頭を下げ謝罪しているのが見える。
「……真島さん…あなたの謝罪は、気持ちは受け取ります。でも、俺はあなたを絶対に許しません。どんなことがあっても、あなたを恨み続けます…。だから、あなたはこの恨みを一生背負って生き続けてください」
「っ、ああ…もちろんだ……」
……どうやら、真島さんは、今回、旬さんに頭を下げることができたようだ。
俺はここに居る意味が無いので、さっさとそこを離れた。
翌日。
「今度こそ二体目見つけてやる」
俺はドッペルゲンガーを捜索する。残り時間は約3時間。
もし相手が俺と同等の強さだった場合、2時間以内に見つけることができれば、討伐可能だ。
血眼になって捜し、1時間。目の前に姿を現すことは無かった。しかし、ここで諦めてしまうと、昨日の俺の二の舞だ。
突然、後ろに気配がした。
俺はすぐに避けると、俺のいた場所をドッペルゲンガーが攻撃した。
能力的には、俺よりも低い?
俺がそう考えた瞬間、ドッペルゲンガーの気配が消えた。
どれだけ集中しても、場所が把握できない。どうやら、二体目のドッペルゲンガーは能力が低い代わりに隠密能力のみが圧倒的に高いらしい。
すると、また後ろから気配がした。
俺はドッペルゲンガーが攻撃する瞬間に合わせて、ドッペルゲンガーを攻撃し討伐する。
隠密能力だけが高くとも、攻撃をしてくるのなら討伐するのは簡単だ。
目の前にウィンドウが出現した。
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シークレットクエスト―蜃気楼
目標
ドッペルゲンガー討伐 2/2
制限時間4時間
残り時間:1時間58分41秒
シークレットクエスト蜃気楼をクリアしました。
シークレットクエスト蜃気楼の報酬が支給されました。
報酬を確認しますか?
はい いいえ
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どうやら、弱者を超えて強者を目指して では、夢の回廊の攻略とは別に、シークレットクエストが用意されていたらしい。
俺ははいを選択する。
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受け取る報酬を選んでください
次の報酬を受け取れます
報酬.1祝福されたランダムボックス
報酬.2能力値ポイント +10
全ての報酬を一括で受け取ります。
よろしいですか?
はい いいえ
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弱者を超えて強者を目指して のシークレットクエストはかなりいい報酬がもらえるようだ。
はいを選ぶと、目の前にボックスが現れた。
中からは、赤い液体の入った瓶が出てきた。
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[アイテム:業火の劇薬]
入手難易度:A
種類:秘薬
百万の罪人を対価として、燃え盛る業火を液体化させ、人間が飲めるように加工した劇薬。
飲んだ者を強化させるが、代わりに一つの罰が与えられる。
―効果「一の善事」:筋力・俊敏・体力に+25
―副作用「万の悪事」:何かしらの状態異常を永久的に受け続ける。
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俺は恐らく大丈夫だろうとそれを飲む。
……システムから何も言われないけど、大丈夫か?
能力値を見れば、確かに+25されている。
俺はとりあえず帰還した。
弱者を超えて強者を目指して の報酬はいつもと同じランダムだった。
その後、一時間ほど経っても何もなかったので、大丈夫だったのだろう。
終わりが中途半端ですいません。