どうやら俺は異端者のようです   作:クラプス

7 / 18
第六話

「ハァ…」

 

俺はため息を吐く。

 

目の前に座す単眼のサクナ。彼女に勝利するビジョンが一切見えない。

 

とりあえず回復しようと、セイジャの秘薬を二つほど使用する。

 

MPは564から451と減り、HPは987から3976へ、疲労は78から28へと回復した。

 

彼女は、こんなことを目の前でしているにも拘らず、襲ってくる気配はない。

 

俺が弱いからだろうか?

 

いや、襲えば彼女に多少なりとも傷は与えられるはずなので、俺のことを弱いと判断することは無いか。

 

俺は自分への疑問を自己完結させる。

 

「とりあえず戦うか?」

 

俺は戦いの中で打開策を考えればいいかと思い、そんな事を言って、単眼のサクナへと歩き出す。

 

現状、打開策は無い。彼女に勝てそうにはないが、それは感覚だ。自分自身で確かめないと分からないだろう?

 

ある程度近づくと、俺は短剣を構えた。

 

 

数秒、無言が続く。

 

 

 

俺は地面を思い切り蹴り、サクナへと駆けだす。

 

途端、サクナは杖を召喚し、迫る俺へと振りかぶる。

 

玉座に座るサクナは自分の間合いに入ると、俺に向けて杖を振った。

 

それを視認し、短剣で受けてみる。すると、

 

バゴンッ、と重い音が鳴った。その華奢な身体からは想像ができない、重く強い一撃だった。

 

俺はその一撃に耐えることはできないと思い、すぐさま離脱する。

 

 

HPは――2ほど減っている。

 

特に気にするほどでもない。

 

俺はもう一度突っ込む。

 

今度は攻撃を回避して自分の間合いまで接近するために。

 

スキルを使用し、接近すると、サクナは立ち上がる。

 

サクナは攻撃するが、俺はその攻撃を回避し、自分の間合いまで接近すると、斬りつけてみる。

 

俺はサクナの腕ごと斬ったつもりが、少し深い切り傷が付いただけだった。

 

すぐさまそこを離れようとするが――

 

「カハッ…!」

 

サクナに腹を突かれ、勢いよく飛んでいき、背中で着地する。

 

「ガハッ…、ゴホッ、ゴホッ……」

 

内臓は…損傷してないか。骨も折れていない。

 

HPもあまり減っていない。

 

手加減をされたのか?

 

…それは少しムカつくな。

 

俺は長剣を取り出す。

 

 

突然、サクナから枷が外れたかのように、玉座が壊れた。

 

 

それと同時に、俺へと向かってくる。

 

速い!?

 

サクナは俺とは比べ物にならない速度で、俺に近づき、最初の攻撃の何倍もの速度で攻撃をする。

 

その攻撃は俺がギリギリ視認できるほどの速さだ。

 

攻撃を長剣で受けるが、そのまま吹き飛ばされ、壁に叩きつけられる。

 

「――――――――ッ!」

 

長剣は言うまでもなく、バラバラに瓦解し、サクナの攻撃を受けた方の腕は、剣を挟んで受けたにもかかわらず、これまで味わったことのない激痛が走り、悶絶した。

 

受けた腕は、折れていなくともひびは確実に入っているだろう。

 

俺は激痛に耐えながら、短剣を構える。

 

サクナを見れば、余裕そうな表情で、歩いて近づいてくる。

 

「ッハァ、ハァ……フゥ…」

 

息を整えると、サクナに向かっていく。

 

 

出来るだけ本気で(今できる全力で)

この強者に勝利するつもりで。

 

俺は戦う。

 

 

相手の隙を狙い、確実にダメージを与えていく。

 

こちらも何度もダメージを与えられる。

 

しかし、俺はダメージを受ければ受けるほど、

体は軽く。

攻撃は重く、強く。

感覚は鋭く。

頭は冴えていく。

 

恐らく起死回生のおかげだろう。

ただ、そんなことはどうでもよかった。

こいつに勝利できるのなら。

 

俺のHPが10%以下になる頃、サクナの攻撃がほとんど当たらなくなっており、俺から一方的にダメージを与えていた。

 

そのまま、ダメージを与え続けていく。

 

 

「さっさとくたばれぇッ!!」

 

 

俺は短剣を薙いだ。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 お知らせ

単眼のサクナを討伐しました

 

レベルがアップしました

レベルがアップしました

 

 

 

 [アイテム:サクナの眼]

 

入手難易度:A

   種類:秘薬

 

 サクナの眼球です。サクナを討伐すれば稀に手に入ります。眼球を喰らう事で、サクナの持つ魔力を手に入れられますが、代わりに一つのスキルの能力を低下させます。このアイテムが持つデメリットを無効化することはできません。

 

―効果「サクナの残滓」:MP最大値上昇

―副作用「呪物」:ランダムで一つのスキルを弱体化

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

「ハァハァハァハァハァ…キッッツ……レベル1で来るダンジョンにしては、強すぎ…」

 

俺はサクナの眼の説明を読むと、何時食べても同じだろうと思い、口の中へ放り込んだ。

 

味としては無味で強烈な臭いだった。

 

食べたことにより、MPはかなり上昇したが、代わりに起死回生の能力が下がった。まあ、もし下がるなら起死回生だと思ってはいたが、まさか本当に下がるとは。

 

目の前にウィンドウが出現した。

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 お知らせ

ボスを討伐したのでダンジョン内が元に戻ります

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

すると、ダンジョンがただの路地裏へと戻っていく。

 

空を見れば、日は完全に落ちていた。

 

俺は疲労感が半端ないが、ダッシュで病院へと戻った。

 

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 ステータス

 

名前:国玉夜 レベル:32

職業:無し  疲労度:86

称号:武器の使用者

   写し鏡

   神使虐殺者

 

装備:無し

 

HP:605

MP:397

 

 

―――

筋力:95 体力:62

俊敏:78 知能:64

感覚:44

 

―――

 分配可能ポイント:15

 

―――

 スキル

 

 パッシブ

持久力

起死回生

 

 アクティブ

俊足

隠者

 

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「失礼しまーす」

 

そう言って、デイリークエスト中に病室に入ってきたのはナースの方。しかし、俺は水篠さんのようなカッコいい容姿ではないため、

 

「あ、筋トレ中ですか。すいません」

 

と、淡白に言われる。

 

俺はすぐに患者衣に着替えた。

 

 

 

「あ、そういえば、これどうぞ」

 

俺はそう言われ、番号を渡される。

 

「えーっと?」

 

「ああ、それは私の電話番号です。退院後、何かあればそちらに連絡してください」

 

「分かりました」

 

 

 

 

俺は退院し、家に帰った。

 

 




今回、かなり短いですが、許してくれませんか?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。