チート×チート×チート   作:スライム

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旅行しても(周囲が)チートでした

 大魔女直属の魔女が20人、弟子が10人のツアーだった。

 

「あの、クロウィさん! 俺、リオンって言います! 大魔女コインは持ってないけど、出来ること何でもするんで、お仕事あったらください! いつか、家を構えて独り立ちしたいんです!」

「悪い。旅行終わったらまた声かけてくれるか。旅行を目一杯楽しんでから、何するか考えたい。他の子も、わかったかな?」

「「「はい!」」」

 

 リオンは師匠のもとに駆け戻る。良かったわね、と頭を撫でられているのを見ると心が和む。

 魔女の国では野宿は許されず、必ず面倒を見る人か住処の鍵が必要とされる。それ以外の場所、例えば広場などに家を立てようとしても歩く箒に排除されてしまうのだ。

 とはいえ、十分な数の鍵束(一番力の低い魔女で5つ)はそれぞれに与えられていたので、街のキャパシティはある。そして俺はそれをわかりやすく荒稼ぎしていたので、なんだか鍵が欲しけりゃこいつに聞けまである。他にも鍵を売り買いしてたのはいたはずだけど、やはり最初に声を上げた際のインパクトは大きかったらしい。

 

 鍵は確かにたくさん持っているけどね。いつかなにかの事業を立ち上げた時、支度金代わりにしてもいいくらい。ただ、その事業が困っているのだ。何しよう?

 

 立派なゴンドラを、ドラゴンが運ぶ形式のようだ。

 

 まず初めに案内されたのは、ウェルツの素材盛りだくさん採取コースだった。

 皆、真剣な顔でひたすら採取している。

 俺もせっせと採取した。片っ端からコマンドリングのアイテムボックスに入れて解析。有用なものを採取していく。

 そう、俺の魔法体系は、コマンドリング。

 ゲームとかである、攻撃とか防御とかスキルとかアイテムとかを選ぶ、リング式のあれである。

 アイテムボックスに入れれば解析できるし、リングに通せば生き物も解析できる、解析特化の能力である。

 スキルもあって、色々事前にセットして使う。

 ちょっと変わっているけれど、俺は気に入っている魔法体系だ。

 自分は欲しくないけど、パーティメンバーに1人はいてほしい立ち位置の魔法となっている。なぜだ。

 

 次に、流水の無人惑星。

 これは、人型ロボットが作業をしていて、圧倒された。

 

「やあ、クロウィ! ようやく周囲に目を向けだしましたか」

「ああ、今、何をするか考えている所」

「開拓も楽しいですよ。ここがどんな街になるか、私が決めるんです」

「やりがいありそうだけど、根気が必要そうで俺は無理かな―」

「クロウィは採取専門ですもんね」

「言ってろ」

「ついでに欲しい物があるのですが。ウェルツみたいに1から作らない分、大魔女コインが浮いてましてね」

「なんでも仰って下さい」

 

 大量に物資を売りさばき、次に来たのは、ミーアの繋いだ世界。これは空から眺めるだけ。

 

『お~っホッホッホ! 今日のミーアの放送よ! 今日は雨の日だけど、特別にあまーい飴に変えてあげますわぁ!』

 

 空中投影魔法で演説か。しかしやりたいほうだいやってんな。

 ミーアの国はすぐわかった。街のデザインが違いすぎる。

 ポップでロリータでゴシックなデザインの家々が並ぶ。

 

『あら、この気配はクロウィ! 貴方、もう大魔女コインを吸い付くしましたの?』

「ミーアの大魔女コインがまだだからな。何かご用命はあるか?」

『欲しいものは自分で手に入れますわ―! と言いたいところですが……夢の欠片は持っていて?』

「まいどありー!」

 

 次はロイドが繋いだ国で、戦国時代系。

 だが、観光名所は安全を保っているらしい。

 忍者の派手なバトル(PVP結界を張っており、死者や怪我人は出ない)は見ごたえがあった。饅頭や忍者グッズ、和装などが売ってあり、ポーションが通貨だったので、心置きなく買い物をした。師匠を募集なんて看板もあった。忍者か……。やっぱり格好いいよな。

 後でまた来てみようかな。

 

 次は、ミクセル帝国で牧場や竜レース、闘技場を見学した。

 賭けはしなかったが、なかなか楽しかった。

 配られたお金で色々と買い物をする。

 弟子を送り出したいということで、鍵が3個売れた。

 

 次はいよいよ故郷、現代日本。

 魔法でよりパワーアップしたアトラクションは圧巻だった。

 魔法研究所では、大魔女の弟子限定で変身、異能、忍法の魔法の実が売っていた。100個入り、大魔女コイン一枚で。

 ぬ、ぬおおおおおおおおおおお!!

 

「鍵でなんとかならない?」

「大魔女コイン100枚で鍵一つとかボロい商売してますよね? 市場価値としては鍵の方が高いんですけど。そんなに大魔女コイン払いたくないですか?」

「払いたくない!」

「私、6つ買います! 半分鍵と交換してくれますか?」

「全部ください」

 

 鍵6つで魔法の実を手に入れた! 魔女と弟子達は喜んでいるし、Win-Winだろう。

 

「やれやれ、相変わらずの守銭奴だね」

「ロイド」

 

 ロイドが、ため息を吐いて近寄ってきた。

 

「欲しい素材があるんだが。ちょっと高価な素材や加工品だが、クロウィなら持ってるだろ?」

「任せろー」

「ついでに鍵も売ってくれ。弟子入り志望が多くてね」

「まいどありー!」

 

 そして大迷宮で採取をして、採取をして、採取をして、街で買い物をして帰路についた。

 旅行の帰り、リオンくんに問われた。

 

「立ち上げたい事業は見つかりましたか? 僕、頑張ります! これが卒業旅行なんです! 就職先探しに必死です!」

「そ、そうなんだ。口利きはしてもいいけど……俺かぁ。今はとにかく素材を集めたいかな……。大放出しちゃったしね。とにかく早く戻ってダンジョン巡りを……」

「いつまで素材採集しているつもりですか? 前を見ましょうよ、前を!」

「う、うーん。しかし、皆がやってないことなんて……」

「やってたっていいじゃないですか。皆さん、とても立派な仕事をされてました」

「それはそうだね。皆、とても立派だと思うよ」

「何かしたいこと、ないんですか?」

「ふーむ」

 

 まじで素材集め以外に思いつかん。ミーアのインパクト超えはなぁ……。ロイドみたいに大金かけられないし、ウェルツみたいな規模もない。流水みたいな根気もない。

 素材を! 魔女コインを! 大魔女コインを集めよぉぉ! してしまう。

 敵役はさ、魔女の法律に反するし、気分悪いよね。スッキリ喜べない。あ、ダンジョン除く。あれは望んで危険に飛び込んでいるんだしね。

 

 うーん。

 

「あっ 良い事思いついた!」

 

 早速帰ったら役人さんに連絡しよう。

 




五大魔女以外にも、沢山の魔女が活躍している。
特に魔法開発はかなり凄い。リオンくんは無事クロウィの口利きで就職した。
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