チート×チート×チート   作:スライム

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バーサク幼女はチートです

「ようこそ、俺のダンジョンへ! 人類の代表者よ!」

 

 草原の中、俺は道化を意識して手を広げ、歓迎する。

 周囲はカメラアイが飛び回っている。下手な演技はできない。

 

「ゲームは簡単! 怪物を倒し、謎をとき、このダンジョンに隠された宝を集める。それだけ! このゲームをクリアしたら、人間に新しい可能性をくれてやろう! ま、絶対ムリだろうけどな!!」

 

 ヒーロースーツに身を包んだパーフェクトジーニアスは、周囲を、そして自分を観察している。

 

「さあ、言えよ! 円環を想像し、コマンドリングと!」

 

 パンっと手を叩き、スキルリングがふわっと広がる。

 そうね。俺、手を叩くだけで出してたからね。かわいくなーい。

 カシャカシャカシャ! 円環を操作すると、カメラアイの画像が見られる。

 

「使い方は教えなくて良さそうかな―?」

「いや、教えて欲しい」

 

 俺はドヤ顔をして浮かぶ円環の上に座り、告げた。

 

「コマンドリング! 俺の開発した大魔法さ! まずは円環にの道具袋の書かれた部分を目の前に持ってきて、開けと念じてご覧。君はそこに何だって入れられる。本も、果物も、卵だって! そして、解析できるんだ。その速度や精度は君次第! 勉強頑張れってことさ! まあ、果物に毒があるかぐらいは判定できるさ、人類の代表者たる君ならね!」

 

 俺が果物を投げると、受け取って円環に取り込む。

 解析が瞬時に終わる。早っ

 展開された画面に結果が表示されていく。

 

「生き物の解析はできないのか?」

「円環に通せば出来るさ! 解析は得意なんだ。もちろん攻撃手段もあるぜ! なにせここには化け物がいるからな!」

「聞こう」

「コマンドリングの杖マーク、スキルを選択するんだ。盾や剣は君の身体能力を一時的に強化するけど、微々たるものだからおすすめできないね」

「スキルは……簡易縫合」

「え、攻撃手段ねーの。ダサっ 優しい俺が武器を渡してやるよ」

 

 大鎌を渡す。

 

「もっと使いやすいのはね―のか……」

「ほら、使い方の本だ。アイテムボックスに入れな。魔法の品だぞ―」

 

 大鎌の指南書をアイテムボックスに入れると、パーフェクトジーニアスはヒュヒュン、と大鎌を軽く振り回した。

 

「ほら、最初の敵がお出ましだ! 俺が結界張ってやるから、張り切っていけ!」

 

 スライムが襲いかかってくるのを、スパスパっ

 スライムが消えて残されたものを、アイテムボックスに入れるパーフェクトジーニアス。

 

「そーそー。ふむ、しかし攻撃手段がないのか……。よし! 大サービスだ、最初の課題を今日中にクリアできたら、最初の仲間を選ばせてやろう! バーサク幼女! 根暗呪符師! オタク詠唱者! 監視付き召喚師!」

「なんだよ、監視付きって」

「深淵を見るもの、深淵から見られるって言うだろ? 召喚師は紐付きなんだよ。ちなみに俺のおすすめはバーサク幼女! 時点で召喚師だ。呪符も詠唱も練習が必要だからな」

「ふざけんな。幼女を巻き込めるか」

「別にそのままだと死する運命だから良いんじゃないか?」

「はあ!?」

「あと五時間で死ぬな。二時間以内にクリアして幼女を選べば助けられるかも」

「クリアの条件は」

「飴を探せ。後はノーヒント!」

 

 パーフェクトジーニアスは走った。

 そして、一時間後。

 パーフェクトジーニアスはペロペロキャンデイを守るビッグラビットを降し、中に浮かぶ巨大なペロペロキャンデイを手に入れた。

 

「おめでとう! さあ! 勧誘ターイム! あ、勧誘タイムは皆さんには見えないようにします」

 

 カメラアイをシャットダウンする。

 

 パーフェクトジーニアスは、画面越しにやせ細った幼女を見て歯を食いしばった。幼女の前に、ベルトとキャンディとイヤリングが落ちる。

 

 パーフェクトジーニアスは声をかけようとする。

 だが、俺は知っている。この幼女は自分を助ける術を知っている。

 幼女は、飴に飛びついて食べた。そして、ベルトをカチリ。

 

 次の瞬間、バーサク幼女はパーフェクトジーニアスの目の前にいた。

 カメラアイ復活である。

 黒いふわふわドレスに、黒い杖。目元には黒い仮面。ブラック魔法幼女たんである。

 

 幼女は両手を差し出した。

 

「食べ物、ちょーだい」

 

 パーフェクトジーニアスは、全力で食べやすいように工夫した食事を幼女に御馳走した。

 

「君は、ネグレクトを受けているのか。すぐに助けに行くから、住所を……」

「それでも」

「え?」

「それでも、ママが好きなの。ここで戦えば、その時には食事ができるから。大丈夫。私、ちゃんと戦える」

 

 幼女の言葉に絶句するパーフェクトジーニアス。この幼女、世界で一番優れていると占いで出た幼女である。生半可なことではどうにかならないぞ!

 

「さあ、ここで新たなる仲間、バーサク幼女を得たパーフェクトジーニアス。ダンジョン攻略の行方やいかに!? 乞うご期待! ってことで、楽しみに見守っているよ!」

「あっ 待て!」

 

 そして、俺は魔女の国へ帰った。

 

「くーろーうぃー♪」

 

 ミーアが、ロイドが、流水が笑っていた。怖い。

 

 

 

 

 

 

 

 リアルドラマはとにかく魔女たちの注目を集めたようで、幼女にはとりあえずアイテムボックスが魔女一同から贈られることとなった。食事付きである。

 もはや幼女が飢えることはない。

 

 さて、これからの活躍を楽しく見させてもらおうか!

 素材を採取しながらな!




クロウィは無事お仕置きされました。
どう転んでも、幼女は助けるつもりだった。
黒の装いなのは、闇落ちしているから。
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