チート×チート×チート 作:スライム
「では、早速手引を……。読める、外国の文字っぽいのに読めるぞ! 魔法陣を思い描き、呪文を唱える……ライト! ライト! ライト! 【ライト】!」
光が浮かぶ。
「や、やった!」
「なるほど、戦闘中に使うには難しそうだな……」
「これだとしばらく、いっしょはむりだね」
ズバリ、バーサク幼女が言う。
「うまくたたかえるようになったらきてね。 れんしゅーがんばってね」
「そ、そんなぁ……」
僕、頑張ったのに。
いつだってそうだ。僕は、落ちこぼれ。
い、いや、僕は選ばれたんだ!
ベルトを取って元の場所に戻ると、友人達が固唾を飲んで見守っていた。
「帰ってきた!」
「どうだった? クルト!」
「鍛えてから合流することになった」
「そっかー。強いもんなぁ。パーフェクトジーニアスもバーサク幼女も」
「でもさ、ゲームとかだと最初弱いやつほど強いじゃん! 大器晩成型なんだって!」
「う、うん」
手引を開く。友人達は頭を寄せ合って魔法の書を見る。
「不思議だよね。外国語なのに文字が読めるなんて」
「えっ 読めないよ」
「あーあ、クルト。今度は俺達を魔法使いにしてよ」
「次の候補者は選べないみたいだよ?」
「じゃあ、全人類分見つけてよ。魔法の果実」
「う、うん!」
ということで、皆で相談して、アクアボールを覚える事にした。
誤射しても良いように、安全そうなものを、ただし反射的に撃てるようにすることにしたのだ。
練習を手伝ってくれるみたいで、持つべきものは友達だ。
一週間後。
僕はなんとかアクアボールが撃てるようになっていた。
その日は母がやたらと掃除を頑張っていた。
前日には、床屋へと行かされていたし、服を買ってもらった。
今日は大切なお客が来るらしい。
なんだろう。嫌な予感がする。再婚相手でも来るのだろうか?
ドキドキしながら、その時を待つ。
「GOGOテレビ局の者ですが、オタク詠唱者GMさんを取材に来ました!」
「ようこそいらっしゃいましたー」
母がよそ行きの笑みで出迎えに行く。
ええ――――!?
「この子が、神様に選ばれた子です」
「止めてよ、ママ! 神様とか引き合いに出すのは本当に止めて! そんなんじゃないから!」
「本当に、オタクで引きこもりでどうしようと思っていた所に、今回の件ですから、驚いてしまって……」
「ママ―!」
「本当に良かった。本当に……。人様に自慢できるなんて思わなくて……」
涙ぐむ母に、僕は何も言えなくなった。
「それでは、早速魔法を披露してもらいましょう!」
「ええ……じゃあ、アクアボールをお見せします……」
僕は、諦めて見世物になることにした。
どうせ、僕は引きこもりなのである。一回だけ、一回だけ見世物になるくらいなら……。
そうして、疲れ切った僕がテーブルに突っ伏していると、母はニコニコ笑顔で書類をドンドンとテーブルの上においていく。
『魔術師ブートキャンプ! ~軍人さんに学ぶ、ダンジョンの攻略法~ 企画書』
『映画 少年と魔法使い 台本』
『バラエティ サモンちゃんの部屋 出演依頼』
「お母さんがサインしておいたから! 息子が芸能人になるなんて♡ いっぱい稼いでね♪ あ、バイトはお断りの返事をしておいたからもう行かなくていいわよ♡」
僕は確かに、引きこもりで、お母さんに心配ばかり掛けて、趣味代を稼ぐためのバイトは一応しているけど、生活費は出させてしまっていて、女手一つで育ててもらって、でも、これは……これは……怒っても良いんじゃあ? これって、これって、どうなの?
僕は頭をぐるぐるさせながら、再度頭をテーブルに突っ伏すのだった。
正直書き直そうか迷った。
バレルの早すぎないかなって。魔法キャラを確立した後のバレるのも面白そうと。
でも身バレキャラ一人はいれたかったので続行。