とめハザ   作:はらだいこ

16 / 21
アップルイン編完結です。アウトブレイクシリーズのハンターがシリーズ屈指の弱さなのは変異したでだからという説があるそうです。


第十六話 とめる見参

ラクーンシティ ホテル・アップルイン 警備室 9月29日 午前七時半頃。

 

バララララッー!ボン!ボンボンッ!!

 

(銃声が近い……なまほしちゃんにクッコロちゃん……近くにいる!)

 

「なるほど!カタログスペック通りハンターβの耐久力はαに一歩及ばないか。左腕の異常発達もリーチ面で有利な一方、それに偏りすぎてバランスを欠いている」

 

予想以上にいい勝負をするハンターβ×4vsクッコロ&とめる拘束バンドに戦闘データ収集の目的以上に熱狂するニコライの隙を見つけてとめるの腕力で引きちぎれるまで糸ノコで削った拘束バンドに渾身の力を込める。

 

「んりゃぁぁぁっ!!」

 

ぶちぃ!

 

脚部の拘束バンドがちぎれ飛んで下半身の自由を取り戻す。無論、ニコライは異変を察知して銃を構えて後ろを振り向くが職務を超えた熱狂が致命的な隙を生む。

 

「このクソガキッ!」

 

バンッ!バン!

 

銃弾の内の一発がとめるに命中するも比較的小口径の剣縦断では防弾性の配信服を貫くことは叶わない。

 

「フェラチオザウルス―!」

 

警備室の隅に雑に投げだされていたフェラチオザウルスのどてっぱらを思いっきり蹴り上げる。

 

ボロロロッ!

 

フェラチオザウルスの口から警察署内でかき集めるだけかき集めたハーブや弾薬、S.T.A.R.S.オフィスからガメたお菓子などがこぼれ落ちる。

 

「なっ……!」

「あむんっ!」

 

零れ落ちた宝の山から閃光手榴弾を見つけ出し犬のように食らい付きピンを引き抜くと天井高く蹴り上げる。

 

ギーン!!

 

「なっ……ぬぉぉっっ!!」

 

一瞬、閃光手榴弾を目で追ったがゆえに閃光と轟音をもろに食らって怯んだニコライの隙をとめるは見逃さない。

 

とめる「おりゃぁぁぁぁっ!!」

 

ばぎゃぁっ!

 

フェラチオザウルスの回収を忘れず、2階回廊に通じるドアを気合十分な回し蹴りで破砕する。

 

「待て!逃げるな!」

 

バン!バン!バン!バン!

 

ド派手なドアの破砕音のした方角に向けて銃を乱射するもののあっという間に弾切れを起こして舌打ちをする。

 

「くそっ!目と耳が……」

 

自分を出し抜いた獲物を好きにさせておくのは屈辱の極みだが五感が回復するまでヘタに動くわけにはいかない。戦場では闇雲に動いたやつから消えていった。哀れな負け犬の死にざまから得た教訓から、ニコライは警備室の奥に身を潜めてじっと機を待つ。

 

一方、なまほしちゃんと合流したとめるは手にしたサブマシンガンで不敵な笑みを浮かべる。

 

「と、とめるちゃん。大丈夫ですか?」

 

ニコライの元から脱出に成功した

 

「平気平気―!なまほしちゃん!無事でよかったよー!とめるが来たからあんなのイチコロだよ!」

 

拘束バンドが食い込んで傷んだ手を開いては閉じて具合を確かめ早速ハンターβの掃討に取り掛かる。

 

「うりゃりゃー!これでも食らえー!」

 

バララララララ―!

 

防戦一方なクッコロに俊敏な動きで迫るハンターβの急所である頭部に的確に浴びせかける。

 

きしゃぁぁぁぁぁぁっ!!

 

「えっ!とめるちゃん!」

 

ハンターβの挟撃を躱すので必死のクッコロの目の前でハンターβ二体の顔面の外皮がほぼ同時に弾けて怯む姿を見て回廊を仰ぐと年下の姉の姿を捉える。

 

「セッちゃん!やっちゃえー!」

「もちっ!てりゃー!」

 

とめるの声援を受けて雄たけびと共に突進して、くの字に折れ曲がったスタンロッドをハンターβの顔面に叩き込む。

 

バチィ!

 

きしゃぁぁぁぁぁぁっ!

 

「まだまだぁー!」

 

バチィ!バチィ!!バチィ!!!

 

きしゃっ!きしゃぁぁぁっ!ぎしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!

 

断末魔の絶叫。顔面の肉腫が炭化するまでスタンロッドで焼き絶命に至らしめる。

 

きしゃぁぁぁぁっ!

 

仲間を殺されて激怒したハンターβ最後の一体がクッコロの後ろから襲い掛かる。

 

バララララー!

 

きしゃぁぁぁぁぁっ!

 

「セッちゃん!ラスト一体!いっちゃえぇぇぇぇぇっ!」

 

とめるの援護射撃でハンターβの跳躍が失敗する。

 

「サンキュ!とめるちゃん!」

 

とめるが作った隙を利用してグレネードに硫酸弾を装填して無防備などてっ腹にお見舞いする。

 

バシュゥゥゥ!

 

きしゃぁぁぁぁっ!

 

「そら!とどめー!」

 

バシュゥゥゥ!

 

きしゃぁぁぁ……

 

二発の硫酸弾を浴びて全身が溶解して白煙に包まれたハンターβは仰向けに倒れ仲間の仇をとることは叶わず失意の中でこと切れる。

 

「やった!セッちゃん、ナイス―!」

 

ハンターβを全滅させたクッコロを讃えるべくなまほしちゃんとともにとめるは一階ロビーに下りる様子を五感が回復したニコライが防犯カメラで忌々し気に覗き込む。

 

「クソ!合流された。いい加減潮時か……それに」

 

復讐に固執して命を落とすリスクを冒すほどニコライは若くない。別のモニターを見るとクッコロから火炎弾をもらった異形のゾンビに急激な変化が生じる。

 

しゃぁぁぁぁぁっ!

 

脳天が裂け脱皮のように体表の組織が剥離していく。中から現れたのは脳髄を露出させた赤黒い筋繊維の塊のような悪夢の住人そもののなクリーチャー”リッカー”が誕生する。

 

ホテルというクローズドな生態系の中で勝ち抜いたゾンビたちが満を持して次々と変異していく。

 

「ここも伏魔殿か。もう人間のいる場所じゃないな。ん……?」

 

オォォォォォォォォッ

 

「くくく。流石は”暴君”。まだ遊べそうじゃないか……」

 

耳を澄ませばタイラントの復活の咆哮がバイオハザードの渦中のラクーンシティにに響き渡る。

 

とめるとなまほしちゃん、クッコロ、深層姉妹に最後の試練が訪れようとしていた。

 

to be continued―

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。