ガンダムSEEDが始まらない。   作:捻れ骨子

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続き、できちゃった。




2・根回しとかも怠らない

 

 

 

 書類が山積みとなっているわけではないが仕事は山積みとなっている俺の執務室に、またしても来客があった。

 

「いやあ参ったよ~。穏健派でアレなら、タカ派の連中ってどんだけ言葉が通じないものなんだろうね」

 

 一見ヘラヘラとした様子で言うのは、ユウナ・ロマ・セイラン。現在特使として連合とザフト関連を飛び回っている。その合間に一旦帰国したのだ。

 

「そういった輩なら、「特使?では死ね」とかいきなり言い出すんじゃねえの?」

「怖いこと言わないでよ。戦場でもないのに命の危険にさらされるのはごめんだよ」

 

 そう言いながら肩をすくめる姿には余裕が窺える。この男原作では役に立たないボンボンだったが、泣きわめくところをケツをけりつけ、軍の教練に叩き込んでからPKOに送り出してやったら、肝の据わった人間になって帰ってきた。最低でも銃口を向けられたらおびえはすれども、みっともなく泣きわめくような真似はしない。

 そんな彼を俺は交渉役として特使に任じた。理由は二つ。一つはこの男人当たりが良く、交渉ごとに向いていたこと。もう一つは五大氏族に次ぐ家柄で、それなりの立場として権威を背負えることだ。事実この仕事はユウナに向いていたようで、彼は頭角を現しつつある。

 ……が、そんな彼をしても、この戦争における交渉は難航していた。

 

「どっちも結局、「相手が先に頭を下げなければ身内を説得できない」って言ってるんだよねえ。気持ちは分かるけどさ、そこは折れるとこでしょ」

 

 肩を落としてため息を吐くユウナ。双方相手に譲歩を求め、自分から折れる気はないと言うことだ。言ってることが譲歩か全面降伏かで、タカ派とまるで同じである。

 ……ま、予想できたことだがね。

 

「穏健派は穏健派で戦後を有利に、とか考えてるって訳か。時代が進んでも人間何も変わらんな」

 

 連合は再構築戦争から何一つ学んじゃいないし、ザフトは自身の能力を過信して調子に乗っている。ええからお前ら戦争やめーや! 連合はプラントの独立認めてプラントは理事国に借金と賠償金ローンで払えや!! と喚き散らしながら関係者の股間を襲撃してやりたい衝動に駆られるが、そいつはとりあえず頭の隅に押し込んでおく。

 

「だが交渉は続けにゃいかん。戦いが長引けば双方疲弊もしてくるし、特にザフトは自給自足に限界がある。手を差し伸べ続けたらすがりつきたくもなってくるだろうさ」

「わっるいこと考えてるねえ」

「そりゃそうさ。生き馬の目を抜く世の中で善人なんぞ食い物にされるだけだろ」

 

 ついでに言えば戦争をおっぱじめるのはいつだって自分を善人と信じているヤツだ。欲望を善意と正義で押し隠し突き進んでいく。俺みたいな『悪人』にとっては非常に迷惑千万である。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「ともかくお前さんにとってはやりがいのない仕事だろうが、しばらくは頼む」

 

 そう言ってユウナに頭を下げる。苦労はさせている自覚はあるが、今のところ給与と誠意しか与えられる物がない。まあ頭を下げるのはただ。対費用効果は高いしな。

 俺の態度にユウナは眉を動かし、言葉を返す。

 

「分かってるよ、必要なことだってね。……僕も長々と戦争続けられちゃあ気が滅入る」

 

 言葉は軽いが、世界を回っているうちに色々なものが見えたのだろう。俺が裏でやっていることをある程度察していながらも、口を挟まないくらいには清濁併せのむ度量もついてきた。やはり経験は人間を成長させるものだ。

 ……と、そこでユウナは表情をいたずらげな物に変える。

 

「ところで話は変わるけど、カガリをPKOに押し込んだって?」

「聞いたか。あれもそろそろ頃合いだと思ってな。……行く先はアフリカだ」

「ザフトの勢力圏かい!? それ大丈夫なの!?」

 

 流石に驚いたかユウナが声を上げる。うん、大丈夫だ問題ない。

 

「あの辺りはむしろザフトの勢力下に入ったおかげで、治安が向上してるからな。たしかにブルコスのアホどもとか現地の抵抗勢力とかがあるが、昔よりは遙かにマシだ」

 

 虎さん……【アンドリュー・バルトフェルド】が仕切ってるからね。彼はどこか厭世観を漂わせているが、ザフトの中では良識派だ。原作でも支配地域は一応秩序ある環境を整えていた。この世界では俺の商会を通じて接触を図ってみたが、ほぼ原作通りのやり手だと見て取った。関わって損はない。

 

「それにな、あいつにはザフトの現状ってヤツも見せておきたい。地球側から見ているだけじゃ分からない現実ってものをな」

「……スパルタなんだかシスコンなんだか」

 

 ユウナが呆れたように頭をかく。はっはっは、アレ相手にシスコンだと? ねえわ。(真顔)将来的にはいい女になるかもだが、手のかかる妹以上の感情は持てん。

 それはともかく今口にした建前以外にも目論見はある。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、それを試しておきたい。

 原作では親父の伝を使って、カガリは現地のゲリラと合流しアンドリューと対峙していた。それとは違う形で双方を接触させるとどうなるのか。そのまま原作とは違う方向になるのか、それとも()()()()()()()()()()()()()()()()。その結果によって今後の舵取りも変わってくる。

 見極めねばならない。この世界が神の手によって作られた地獄なのか、それとも人の手による地獄なのか。いずれにせよ現実だ。立ち向かい方が変わるだけだが。

 

「【キサカ】と何人かを付けてる。優しい方だろ。ともかく、あいつが何か一つでも学んでくれれば御の字さ」

「できればもう少し大人しくなってくれると、僕としてはありがたいんだけどねえ……」

「上手く手綱を取ることだな『義弟』殿。あれももう少し修行すればいい女になる」

「だといいけど」

 

 今のユウナなら、上手いことカガリを操縦することが出来るんじゃないかね。正直どっかのおでこ広くて優柔不断なイケメンよりはマシだと思う。

 その後、これからの方針をいくつか相談し、ユウナは再び発った。まだあいつにはしばらく忙しく働いてもらわなければならないが、これも(俺のために)世界平和を築く道行きだ。頑張っていただきたい。

 彼が去ったしばらく後、俺はまたまた来客を迎えていた。

 

「珍しいな()()。あんたがこっちに顔を出すとは」

「未だに私をそう呼ぶか。律儀というか何というか」

 

 訪れた人物は【コトー・サハク】。サハク姉弟の養父で、代々オーブにおいて軍事部門を影で担ってきた、五大氏族サハク家の当主である。

 己の商会を作り上げるに当たり、俺は汚れ仕事の手管を学び、裏のコネを作り上げるため、コトーに頭を下げて教授してくれるよう頼み込んだ。対立しているアスハ家の嫡男である俺の行動に面食らったようだが、すぐさま己の益になると見たのだろう、渋々ながらも引き受けてくれた。

 そのときから俺は彼を師匠と呼び、一目置いている。

 

「それで、話ってのは何だ? ……ああ人払いはしてる。何でも遠慮なく言ってくれ」

 

 俺の言葉に、コトーはソファーに深々と身を沈め、重く口を開いた。

 

「……どうやら【一族】が、お前に目を付けたようだ」

「あんたが前に言っていた連中か。人類の管理者と自称しているって言う」

 

 原作の外伝に登場した、所謂秘密結社。古くから存在すると言うかの組織、その目的は人類の存続。そのためには時には戦争すら誘発し、人口の削減なども行ってきた。今の戦争にも介入していたはずだ。

 それなりに派手に動けばいずれ関わってくると思ったが、早速目を付けたか。手ずから入れたコーヒーをコトーの前に置きつつ、俺は対面のソファーに座る。

 

「連中の邪魔をした覚えはないんだがね」

「お前の商会が軍需産業に参入したことで、影響力が拡大したのを懸念しているのだろう。今のところはまだ様子見と言ったところだな」

「流石に偽名と偽の出自を複数用意したくらいじゃ誤魔化せんか。だが軍需産業に参入しようとしてるのはうちだけじゃないだろうに」

()()()()()()()()()()()ということだ。創設から十年かそこらで連合の新兵器開発に関わるなど、異例だろう」

「モルゲンレーテとあちこちから人引っ張ってきたからなんだがね。それに(オーブ)の紐付きでもある。……それだけだと俺に目を付ける理由が弱いような気がするな」

 

 実は分かってるんだけどね。連中どうにも『個人の影響力』ってのを重視している節があると思う。最近のオーブの路線変更は、俺がやらかしたからだと調べがついているんだろう。あるいはひょっとしたら向こうに()()()()()()が存在するのかも知れないが、そこはまだ未知数だ。

 

「いずれにせよ周辺には気を付けなきゃいかんと言うことか。用心しておくには越したことはない相手だろう」

 

 原作通りであったら割とあっさり壊滅する末路を迎えるのだが、油断は出来ない。とはいってもこっちの邪魔をしない限りは積極的に動くつもりもなかった。奴らに構っているよりも実際ドンパチやってる連中の対処が先だ。優先順位は低い。

 

「そこまで分かっているのならばいい。……こちらからも人を回すか?」

「気遣いはありがたいが、そっちはそっちの仕事に専念してくれ。俺一人にかまけているわけにもいかんさ」

「お前はもう少し自分が重要な人物だと自覚していた方がいいぞ? まあお前の勘働きならそう心配することもないだろうが」

 

 コトーが呆れたように言う。これでも原作キャラよりは無茶してないぞ? 俺よりマルキオ導師の方がとんでもねえと思う。何回か会ったことあるけどあの人パねェわ。全部は認められないが、人として尊敬は出来る。

 

「勘頼りの人間一人いなくなった程度で瓦解するならそれまでってことよ。……さて、折角来たんだ、時間はあるんだろう? 俺も一息入れたかったことだし、一局打ってくかい?」

 

 そう言いながら席を立ち、備え付けの棚から碁盤を取り出す。前世ではちょっと囓った程度だったが、今じゃそこそこの腕になったと自負している。呆れ果てたと言うような表情のコトーは、諦めたかのように一息吐いた。

 

「……一局だけだぞ。時間があるとは言え、儂もそれほど暇ではない」

「分かってるさ。……今日は勝たせてもらうぜ?」

 

 いくつかの碁石を握り込み、じゃらりと音を響かせる。対してコトーは悠々と不敵な笑みを見せた。

 

「言うわ若造が。そうそう容易くいくとは思わんことだ」

 

 なんだかんだ言って、しがらみのない純粋な勝負事には目を輝かせる。このおっさんのこういうところを、俺は気に入ってるんだ。

 ぱちん、と、碁盤に石を打つ音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 適当な設定

 

 

 クーロン商会

 

 謎の投資家【フェイ・クーロン】が築き上げた多国籍複合企業。

 商会と銘打っているが、その実様々な事業に着手している。モルゲンレーテと同等の技術力を持ち、国家規模の資金力とコネクションを持つその正体は一体何なんだー。(棒)

 主な商売相手はジャンク屋組合だが、「金さえ払えばどなたでもお客様」と言うスタンス。オーブの仲介にて連合のMSと新型艦の開発を請け負ったり、マルキオ導師を介してプラントに対し食料などの物資を売りつけたりしている。

 あちこちから人材を集めており、その中にはヴァレリオなんちゃらさんとか、セレーネなんちゃらさんとかがいるらしい。で、兵器だけじゃなく、小型核融合炉やヴォワチュール・リュミエールなどの新技術も開発している。その結果というわけではないが、本来ジャンク屋の重機開発部門がやるはずの業務や、シビリアンアストレイや各装備品などアストレイ関係の技術を一手に引き受けることとなる。

 拠点として、掘削の終わった資源衛星を買い取りいくつかより合わせた開発基地クーロンズロックや、ジャンク屋組合に先んじて建造されたメガフロート【クーロンズポート】などを所有する。そのどれもが各国家の権力範囲外に存在するため、法の目を逃れているようだ。

 なお最近はフェイ・クーロンの名代として【ロン・ヤア】と名乗る青年が姿を現し運営を行っている。フェイの後継者とも言われるその青年は何者なのか?(白々)

 ……うん、

 フェイ・クーロン→フェイク、(ロン)

 ロン・ヤア→龍牙(リョウガ)

 ってことだよ言わせんな。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 ……なんかやたらと人気でたのに驚いていたら、いつの間にやら続きが出来ていた。
 何を言ってるのか分からないというか何言ってんだこいつといった感じだろうが、俺だってなんでこんなことになったのか分からねえよ!(逆ギレ)自分のやった事ながら異常な事態に戦々恐々としてます捻れ骨子です。

 はいそんなわけで続きが出来ました早ええよ!? うん書けるかなーと思ってキーボード叩いてたらあっさりと。構想も何もないノープランだったのに。短いとは言え面妖な。
 それはともかく前回から一歩も部屋から出てないぞこの主人公。あれか、この話シチュエーションコメディなのか。楽かも知れないこの形。
 それはそれとして主人公、セイラン家とかサハク家とかと仲いいようです。多分親父さんの理念とそりが合わないせいでしょう、独自の方策で動いている模様。なおコトーのおぢさんは、リョウガから股間への強襲を受けていない数少ないおっさんだったりします。実の父より扱い良いぞおい。

 さてこの後もこの調子で続くのか。それともあっさりと力尽きるのか。それは未来の自分に託すことにしまして、今回はこの辺で。
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