※リョウガ視点
突如レーダーに現れた艦艇からMSが射出され、高速で迫ってきた。先頭は、あの男か。
「艦隊の直接的な援護に向かわずに、
恐らくは
アメノミハシラが攻撃されるようだと聞いた一部の賓客がざわめき始める。危険性は前もって説明してあったのだが、やはり実際に襲撃があるとなれば動揺するのだろう。俺は堂々と告げてやる。
「方々、ご安心を。我がオーブが誇るアメノミハシラの鉄壁の防御、ご覧に入れよう」
その言葉に、ざわめきは小さくなる。完全に安心したというわけではないだろうが、俺が堂々としてるから根拠があると……
ん? なんだ?
※他者視点
ストリームストライクに続く正規採用型ダガーの部隊。そのリーダー格であるパイロットは、
上手く行けばオーブを大きく揺るがすことができる。それは今後自分たちが台頭していくために役立つだろう。千載一遇の機会だ、試す価値はあると彼は勢い込んでいた。
迫るアメノミハシラ。そこに
彼の心を読む、あるいは一時的にでも混乱させられれば、付け入る隙は生じる。そう信じ彼の所在を探り当て――
(誰だ? 俺を探しているのか?)
瞬間、強く重い意思が流れ込む。そして。
(……貴様か)
僅か一瞬。高速で接近しているとはいえまだ距離はあり、厚い装甲が幾重にも重なるその先とは視線が通るはずはない。
だがしかし、確かに。
「う、うわああああああああああああ!!」
彼のダガーに装備されている大型スラスターユニットは、荷電粒子砲の技術を応用した超伝導推進機関である。それは制御システムを変更することで、大型のビーム兵器として運用することが可能であった。
スラスターユニットが大きく動き、両肩から前方に噴出口を向ける形となる。本来であればもっと接近した状態で使用されるはずであったそれを、彼は
※リョウガ視点
今のぞき見された感覚があったが、俺がNTであることを自覚した途端早速とはね。
強化人間の類いか? いや、この世界なら遺伝子レベルでいじくったコーディネーターって可能性もあるな。泡食って逃げ出したようだが……おっと?
方角からして俺をのぞき見していた機体から、高熱源反応があった。大出力のビーム兵器。恐らくスキュラと同等以上の威力はあるだろう。
それが放たれたと理解した者の中で、信用しきれなかったか「ひっ!」と小さく声が上がる。もちろん俺が動じるはずもない。
放たれたビームがアメノミハシラに直撃する――
直前で、
「ほう、
得心した声を上げたのはハインライン。
「ご名答。アメノミハシラを護る防御システムの
ハイペリオンから技術をパク……応用したアルミューレ・リュミエール・シールドを、アメノミハシラは新たに備えていた。もちろんこれだけじゃなく数々の防衛システムと戦力を充実させている。原作でも難攻不落だったんだ。さらに倍となったアメノミハシラを容易く落とせると思うなよ?
「さて次はどう出る? それとも尻尾を巻いて逃げ去るか?」
届くはずもないと分かっていながら、俺は彼方のクルーゼに問いかけた。
※他者視点
「早まったか! だがあの挙動の乱れはただ事ではない……イントルーダー1よりゲストリーダー。何が起こった?」
突然の狂乱に眉を顰めたネオは、己が率いるダガー部隊のリーダー機に通信をつなごうとした。しかしリーダー機はそれに応えず、代わりに答えたのは副リーダー機――ゲスト2であった。
「こちらゲスト2! ゲストリーダー機にトラブルが発生した模様です! 自分が随伴しますので離脱の許可を!」
「分かった。離脱については許可する。だが回収の時間にはまだ間がある。戦場を迂回して時間を稼ぎ合流地点へ向かえ」
「っ! 了解! 以後ゲストチームはゲスト3に指揮を移行! ご武運を!」
そう言い放って、ゲスト2はゲストリーダーの機体をひっつかみ、引きずるように戦場を離脱した。
戦力のダウン。だがネオはそれを大きな問題だと思っていない。
「どの道これでは本丸には届かん。ならばせめて防衛戦力を蹴散らしておくか。……ゲストチーム、敵MS部隊に目標を変更する。制限時間いっぱいまで引っかき回してやれ」
そう指示を出して、彼はスロットルを開ける。リョウガ・クラ・アスハに
ある意味プライドを捨て開きなおった
「あれがエース。鹵獲機を改造した物のようだ。……割って入るのも無粋だが、その性能と腕前、見せて貰おうか」
背後から敵機が急接近するのを察知し、カナードは舌を鳴らした。
「ちっ、新手か! 立て込んでいるときに!」
目の前の
「隊長! こいつは我々に任せて、そのデカ物を!」
「お前達!?」
特殊部隊Xの配下が駆るアストレイ3機。それがハイペリオンの背後を護るように展開した。
「なるほど、エースだけに頼りきりというわけではなさそうだ」
ネオは激しく機体を機動させながら複合ライフルを放つ。実弾とビームが入り混じった攻撃を、配下のアストレイは回避し、或いはシールドで弾く。
「こいつ、やる!」
「俺たちを押さえられる。隊長と同格だ」
「査定がかかってるんだ、そう簡単にやらせるかよ!」
カナードほどではないが、それでも十分な技量を持つパイロット達だ。3人居ればネオにも何とか対抗できる。つばぜり合いを背景に、カナードはデストロイの相手を続けていた。
「そろそろガス欠になってもおかしくはないはずだ、がっ!」
ビームをシールドで受け流し飛んでくる両腕をかいくぐり、果敢に挑みかかるカナードであったが、やはりデストロイの防御を崩せない。
とは言ってもデストロイの方もさほど余裕はなかった。
(バッテリーの残量が6割を切った。推進剤も同様。増援があるとは聞いていないが、アレが味方とも限らんか)
鉄面皮の下で僅かな焦燥に駆られているスウェン。出力を絞りつつ驚異的な機体制御で保たせているが、そろそろ底が見えてきた。突如現れた乱入者は、オーブの軍勢の中に飛び込み引っかき回しているようだが、味方だとは断言できなかった。(この時点でスウェンにはネオが放った通信は届いていない)
「この! 落ちろよ!」
「ああウザいしつこい!」
攻撃を任せている二人は苛立っており、聞く耳を持ちそうにない。攻撃に回す電力をセーブしているので見た目ほど消耗はないが、しかしじりじりとバッテリーは減っていく。引くなら今のうちだがそんな命令を出すとは――
そのとき、艦隊の旗艦から信号弾が放たれた。
「撤退信号?」
スウェンにとっては良いタイミングであったが、彼には
なぜ今になって、などと考えている時間も惜しい。スウェンは両腕のコントロールを自分に切り替え、ゲシュマイディッヒ・パンツァーを前面に展開しながら後退を始めた。
「スウェン! 何しやがる!」
「まだあいつらを殺してないのに!」
同僚2人が非難の声を上げるが、スウェンは淡々と返す。
「撤退信号が出た。これ以上オーブに関わっていると、本命のザフトを始末できなくなるぞ」
詭弁である。だがこうでも言わなければ2人は納得しない。事実2人は同時に「「ちっ」」と舌打ちをしたが、強く拒否を示すことはなかった。
撤退信号はオーブ軍の方でも確認されている。
「退くか。乱入してきた連中、何やら仕込んだか?」
ギナが少し眉を顰め呟く。しかしこの程度は予想の範疇だ。
「深追いをさせるな。多分乱入者達が殿を受け持つ。手強いぞ、最後まで油断するな」
その指示を受けたカナードは、デストロイの追撃を即座に打ち切った。
「水入りと言ったところだな。勝負は預けた、と言っておこうか」
あのまま続けていたらどうなっていたか分からない。薄氷の上の結果だと、自身が一番理解している。
「では残りのお客にもお帰り願おうか」
機体を翻し、乱入者達の対処に向かう。その乱入者筆頭であるが。
「連中は撤退するか。こちらもほどよいところで撤退といきたいが」
最初は3機だけだったが、ブルーコスモス連中が撤退を開始した途端、手空きになった戦力が次々とこちらに参戦し始めた。さしものネオもそれを捌くのは骨が折れる。
「やはり連合やザフトと比べても練度が高い。エースの技量も確かめておきたかったが、潮時だな」
ハイペリオンまでもがこちらに向かってくるのを見て取って、ネオは苦笑した。そして交戦中の僚機に指示を出す。
「撤退する。各機は状況を破棄、離脱して各々合流地点に向かえ。健闘を祈る」
言うやいなや左腕の複合兵装をパージしてアストレイ部隊の方へ投げる。そしてライフルを向け射撃。狙い違わず撃ち抜かれた複合兵装は爆発し、それを目くらましにネオは離脱した。
僚機はそれぞれの技量に任せる。傲慢なまでの自信があるのだ、ここから離脱し逃げるくらいは容易くやってのけるだろうと、無茶振りを押しつけた。
一方先に離脱したゲストリーダーとゲスト2だが。
「
ゲスト2からの呼びかけに、ゲストリーダーこと【オルフェ・ラム・タオ】は脂汗を流しながら応える。
「大丈夫だ
オルフェは屈辱と恐怖に彩られた鋭い眼差しを虚空に向け、唸るように言う。
「
思いも寄らぬ因縁が、ここで生じていた。
※リョウガ視点
ブルコス連中と、(多分)クルーゼ率いる部隊が撤退を始めたと同時に、ある知らせが俺の元に届いた。
「ここにきて
それ自体は予想の範疇にあったが、想定していた時期よりも少々早い。これは
ふん、次から次へとやってくれる。
唐突におまけ
※続くかどうかは分からないけれど、もしもこの話が劇場版までいった場合のIF
シュラとの決闘シーンにて。
●●(オーブ軍所属)の場合。
(まっすぐ行ってぶち込むっ!!)
(ちょ、はや――)
まっす、のあたりで峰打ちによる神速の一撃をシュラの脳天に叩き込む●●くん。
思考より早く最適かつ最速の行動が取れるようになっている模様。
カナードの場合。
(なるほど俺の動きに合わせるか。筋肉の緊張や構えから次の動きを予想している? それとも先読みに優れているか、あるいは思考を読む能力でも持っているか。いずれにせよ読まれているなら対処のしようもある。動きを読めるのがそちらだけだと思うなよ? そら、左で受けてそこからなぎ払い。躱されたら突きで来るんだろう?)
(俺の動きを読んだ!? 当てずっぽうではない。この男……強い!)
キラ君と同等のスペック+特殊部隊用の軍事訓練(某代表首長補佐官との模擬戦含む)+数々の実践で磨き抜かれた経験。弱いはずがなく。
なおシュラ君はそんな彼相手に、オラわくわくすっぞモードに入る模様。
問題外。
(なんだつまらん基礎的なスペックは高いとは言え読心能力に頼りすぎている節があるこれでは読心能力を封じられたら戦闘力はガタ落ちになるぞ或いは他人に同調しその死を感知したりすればパニックを起こすやも知れん一見便利だが使えんな)
(おっと心を読まれているのであれば政治的な思考はタブーかしかし色々と考えねばならんことは多いのだよな主に
(そうだ帰りに嫁さん達へ何か土産でも買って帰らねばな
(ところで君ら俺がそっちと似たような能力を持ってると分かっていたはずだが何の対処もしてないな?眉唾と思っていたのか舐めていたのか自信があったのか知らないが随分と甘く見られた物だもう分かっていると思うがそっちの手の内は全部知られているんだがここから逆転の手段があるとでも?ああ核兵器は確保して無効化してるし宇宙の施設は全部押さえさせて貰ったがどーよ?)
↑この思考を全部同時並行で行っている代表首長補佐官。
「げふあっ!」
↑オーバーフローし頭部の穴という穴から血を吹き出して倒れるシュラ。
「「「「「ヒェ」」」」」
↑チワワのように震えるしかないブラックナイツの皆さん。
よりにもよってヤベーのに喧嘩売るからこんな悲劇が。
ダメなの。もといたまたま連れてこられたスタッフの場合。
「(無理無理無理無理僕ただのエンジニア決闘とかむぅりぃ~!)」
「「「「「思考と言動に表裏がねえ……」」」」」
そもそも何でこの場に引っ張り出されてるのかこのスパコー。
なおこいつらコンパス所属とは誰も言っていない模様。
ジークアクスもGジェネ新作も面白れぇな!
久々に当たりを引いた感じで大変よろしい捻れ骨子です。
さて結構遅れましたが更新です。やっとこさアメノミハシラ戦が決着……決着? しました。が、間髪入れず新たな問題が生えてきました。と言うか無印編をそろそろ終わらせたいのでごり押し展開ですw
そして無理矢理登場フリーダムキャラ。これでもう劇場版までやらないといけなくなったぞ自分で自分の首締めんなや捻れ骨子。
なお彼らが劇場版まで無事で済むかはノープランなので保証はできません。そしておまけはあくまで妄想なので実際こうなるわけではございません。そもファウンデーション王国独立できるかも怪しいしな~。(無責任)
そんなわけで今回はこの辺で。