ザフト北アフリカ駐留軍司令部官舎。
親プラントの立場を取る【アフリカ共同体】の領土内にあるそこは、地元のホテルを接収したものらしく、結構豪華な作りをしている。その一室で俺は司令官であるアンドリュー・バルトフェルドと対峙していた。
「噂のロン・ヤア氏が面会したいと申し出てきたのには面食らったが……いやはや、
テーブルを挟んで座るバルトフェルドの表情は、苦笑。うんまあ、バレるわな。こんな変装なんぞ知ってる人間には丸わかりだ。たまに気づかない人間もいるけど。うちの妹とか。
まあ俺も正体を隠すためにやってるわけじゃない。そも
「世の中には似た人間が三人はいるそうで。そう思っていただければ」
「そういうことにしておこう。……コーヒーはお好きかな?」
「そうですね、泥のように濃く、苦いものが」
「随分と変わった好みだ」
微妙に困ったような表情となるバルトフェルド。背後でリシッツァが呆れたように息を吐く気配がするが、まあいつものことだ。
ややあって、俺の前にことりとマグカップが置かれる。置いたのはバルトフェルドの側近にして愛人(?)【アイシャ】と呼ばれる女性だ。にっこり笑う彼女に礼を言い、俺は淹れ立てのコーヒーを口にする。
……うん、良い具合に濃く、そして苦い。一発で俺好みのコーヒーを淹れるとは、なかなかやるな。
「え、それ平気なんだ……」
なんかアイシャが驚いた顔で小さく呟いている。なるほど、
「アイシャ? ……いや何か、すまないね」
ちょっとアイシャに目を向けてから、バルトフェルドが詫びを入れた。俺は軽くかぶりを振ってみせる。
「丁度いい塩梅ですよ。お世辞抜きでね。……コーヒーはこうでなければいけない。人生においては苦く苦しいことを飲み込まなければならないときがある。それを実感できますので」
格好を付けたが大した意味は無い。いやホント好みなんだけど、こういうの淹れると周りがうるさいからなあ、カフェイン取り過ぎとか。普段はごく普通の淹れ方だぞ? たまにしかやらないからいいだろうに。
……それはそれとして、軽いジャブはこの辺にしておこう。
「では本題と行きましょう。……リシッツァ君、例のものを」
「はい、こちらです」
リシッツァが渡してきたものを受け取り、バルトフェルドの前に差し出す。
「
「う、うむ、拝見しよう」
何でこんな回りくどいことしてんのこの人。そう言いたげな表情で、バルトフェルドは親書を受け取り開封する。
そして目を通していくうちに、その眉が顰められた。
「……この間の件に関する謝罪は分かる。だが、保護したザフト兵2人の身柄を引き渡す、というのは?」
やはり聞いていなかったようだな。バルトフェルドの態度に、そう確信する。俺が親書にしたためたのは、「うちの兵がえらいすまんかった、そこはマジ謝る。それはそれとしてザフト兵保護したから身柄引き渡すわ(要約)」という内容だ。アスランたちのことを耳にしていれば、何らかの取引を持ち込まれていると判断できるであろうが、どうやら彼は何も聞かされていない。まあ事が事だ、箝口令くらいは敷いているだろう。
俺は再びコーヒーを口にしてから、言葉を放つ。
「こちらでオーブの人間が問題を起こしたのとほぼ同時に、宇宙でオーブの艦とザフトの艦が少々トラブルを起こしたようでして、その際ザフトのパイロット2名がオーブに保護されたらしいですよ」
「……その、問題を起こしたザフトの部隊は?」
「クルーゼ隊と言うそうです」
「よりにもよって、ヤツか……」
バルトフェルドが渋い顔つきになる。原作でもクルーゼに不信感を持っていたからな。こう言う反応になるだろう。
「それで、あなたは自分に何を期待している?」
鋭い眼差しで問うてくるバルトフェルド。俺はすまして答えてやった。
「私は商人ですので、よりよい取引が出来れば、と。……オーブの思惑としては、手柄のチャンスを上げるから、こちらのやらかしをチャラにしてくれ、と言ったところでしょうね」
「……やはり俺に食ってかかってきたのは、オーブの要人、その関係者か。……恐らくは首長代表の娘、カガリ・ユラ・アスハ嬢」
「ご想像にお任せしますよ」
当然のように気づいていたな。彼がその気になれば、カガリのやらかしはオーブに難癖を付ける材料となる。幸いにして本人に事を荒立てる気はなかったようだが、情勢が変わればどうなるか分かったもんじゃない。故に恩を押しつけようというわけだ。
「あなたがオーブと交渉し、2人の身柄を引き取った。そういうことにすれば、上の覚えをめでたく出来るのでは?」
俺の言葉に対し、渋い顔のままのバルトフェルド。
「正直気に入らない手段だな。……それに、自分に恩を売ることでオーブになんのメリットが?」
「ザフトを敵に回したくないので、交渉の窓口を増やしたい。……と言う推測では納得できませんか?」
「出来ないね。オーブは、いや、リョウガ・クラ・アスハという人間は、それほど手ぬるいものじゃないだろう」
……いいね、やはり分かっている。それこそこう言う人間を敵に回したくない。だから直接
「ではまず一つ伺いたい。ラウ・ル・クルーゼという人物、簡単に敵を誤認するような男でしょうか?」
「……その様子だと、クルーゼ隊が有無を言わさず一方的に仕掛けてきた、と言うところか」
「その上で、部下たちは何も聞かされていなかったようですよ」
「ならばほぼ間違いなく、オーブのものと知りつつ仕掛けたんだろう。……あなたは、いやオーブは彼を警戒しているのか?」
「正確に言えば
さて、
「
核打ち込んだのはブルコス派の暴走だろうし、NJは戦力差をひっくり返す為のものだろうがな。しかしものは言い様。裏があると思わせれば、いくらでも疑いが出てくるものだ。
「
バルトフェルドは押し黙る。まあ策略は策略だ。ただしクルーゼ個人のものだが。しかし胡散臭くは思っていても、クルーゼの背後を知らないバルトフェルドには、そこまで分からない。
ややあって、彼は口を開いた。
「なにか裏がある、と?」
「確証は何もありませんね。しかし最低でもラウ・ル・クルーゼは疑わしい。オーブではそう考えているようです」
食いついてきたな。さて、上手く釣り上げられるかどうか。
「なるほど、自分にヤツを探る獅子身中の虫となって欲しい、といったところか」
「願わくば、と言ったところでしょう。お引き受けにならなくとも、保護された2人の身柄を引き渡さない、などということはしますまい」
皮肉めいた台詞を受け流しながら言葉を返す。
「それにあなたも、
バルトフェルド隊は、
原作では本拠地に襲撃をかけるような対処をしていたが、あれはアークエンジェルというイレギュラーが舞い込んだからこそ。元々レジスタンスが支配下の町に物資補給の買い付けをしても見逃していたくらいだ。そのようなことがなければ取るに足らない……とまで言わないが、積極的に殲滅する気も無いだろう。
そういったことを置いても、この戦争自体に何やら不穏な空気がある。しかも前から不審に思っていた人物が関わってる可能性があると聞いて、黙っていられる人物だろうか。それが出来るなら、ラクス嬢の口車に乗ったりはしないと思うが、ね。
「……そうか、下手をすればザフト、プラントへの内政干渉という話になるから、あなたはこのような形で話を持ち込んだのか」
そういうわけだ。リョウガ・クラ・アスハとして直接この取引を行うのは少々問題となる。だから表面上だけでもクーロン商会というクッションを入れた、と言う形にした。まあパフォーマンスでしかないとも言えるし、なんなら本当に商会の人間に任せても良かったのだが、俺自身がアンドリュー・バルトフェルドという人間を見極めたい、という思いもある。だからこんな面倒なことをしてみたのだ。
俺は再びコーヒーを口にしてから、話を続ける。
「この戦争が馬鹿げている、とまでは言いますまい。だがもし何らかの企みによって引き起こされたものであるならば……それは命をかけているものに対する冒涜でしょう」
自分のことだがよく臆面も無く言ったものだ。俺自身が一番命を冒涜しているかも知れんというのに。何しろ己の都合のために本来の流れをしっちゃかめっちゃかにする気満々だ。今のところ自国の被害は最小限ですんでいるが、それで良いというわけでもないし、これからしっぺ返しがないとも限らない。
だが都合の良い未来を切り開くためならば、逃げも隠れもするし、嘘もついて見せよう。
「あなたは……この戦争を終わらせたい。そう思っていると?」
「商人としての意見ですが、戦争をしている状態よりも
これは俺の持論だ。基本戦争は
あんなのは緊張感を保った状態で
……ふむ、その辺見据えた新たな商売でも考えてみるか。などという俺の思考など知るよしもないバルトフェルドは、難しい顔で考え込んでいる。
「……俗物だな」
「情の分からぬ人でなしという自覚はありますよ」
俺はオーブの民以外の人間を
「人でなしは人でなしなりに、思うところがあると言うことです。今回はあなたと接触する理由があり、そして恩を売りつける材料があった。言わば機を見た投資ですよ」
押し黙るバルトフェルド。ややあって彼は口を開いた。
「……正直なところ、やはりあなたは気に食わない。あるいはこの場でけりを付けた方が良いのかもと、思うほどに」
その言葉にぴくりとリシッツァが反応しようとして、俺はそれを手で留めた。
「しかしいかなる理由があったとしても、戦いを終わらせたいという意思には賛同できる。そして、背後で何かが蠢いているとすれば、こちらとしても面白くないのは確かだ」
ふう、と疲れたような息を吐くバルトフェルド。原作で彼は、戦いはどちらかが滅ぶまでは終わらないと、そのようなことをキラに言っていたが、俺はそれが本心だとは思えなかった。
終わりの見えない戦い。そしてキラのような少年と戦わなければいけない葛藤。複雑な内心の思いを押し隠した言葉が、ああいうものだったのでは。キラに対して敵として立ちはだかるための、
果たして彼の判断は――
「いいだろう。あなたの話に乗ってみるとするさ。クルーゼの背後関係を洗えば良いのだろう?」
「やっていただけますか。感謝いたします」
「自分はこういうことが得手では無い。何も出てこなくても、恨まないで欲しいな」
「取り越し苦労であるならば、それに越したことはありませんよ。何があろうと無かろうと、ご一報いただければ、それで十分」
あるけどな確実に。クルーゼの思惑はともかく、ヤツの裏は色々と黒い。多分某ロン毛の将来的に議長になりそうな男が色々と協力しているのだろうが、出自を誤魔化していること自体が疑念となる。上手くすればヤツが連合に伝があることも突き止められるかもだが、そこはバルトフェルドの腕の見せ所だろう。そして。
「その結果、
本命はこっちだ。クルーゼを調べる過程で、バルトフェルドは様々なことを知るだろう。そこから彼がどう判断しどう行動するか。最低でも従順な兵のままではいられまい。
ザフトに対する内部疾患、とまでは言わないが、喉に刺さる小骨くらいにはなって貰おう。万が一敵に回るようであれば、それまでだ。強敵になってしまうだろうがね。
「やはり食えない男だ、あなたは」
苦笑しながらそう言いつつ、バルトフェルドは右手を差し出す。俺もまた手を差し出し、握手を交わした。
そうして細かい話を詰め、大体纏まった辺りで俺は切り出す。
「そうそう、サービスというわけではありませんが、一つ
「ドン引きしましたわ。向こうの
「彼女も中々肝は据わっていたがな」
車で移動しつつ、俺とリシッツァは言葉を交わす。
浮世離れした雰囲気のアイシャが「えぇ~?」とでも言いたげな表情になるのは中々見物だった。彼女としては、あの『いたずら』で俺の反応と度量を見る――俺という人間を
いやこっちも原作知識というチートがあるからこそなんで、偉そうには言えんのだが。
「でも彼女の気持ちは分かりますわ。
「売れるときに恩を売っておくのさ。折角縁があったんだ、貸しを作っておくのは何かの役に立つかも知れない。それに……」
俺はにやりと笑ってみせる。
「上手くいかなかったところで、俺に、
その言葉に、リシッツァは複雑な表情となった。
「……私も自分はろくでなしだという自覚はありますけれど、あなたには負けますわ」
「褒め言葉と受け取っておくよ」
そんな俺達を乗せて車が向かう先は、
現地のオーブ軍から前もって話を通していたこともあって、俺達はすんなりと目的の人物に会うことが出来た。
「悪いね。こっちも色々と事情があるのさ」
「オーブの重鎮が直接訪れたとなれば色々騒ぎになるだろう。その辺は理解している」
面会すると同時に俺が変装を解いて相対するのは、サイーブ・アシュマン。この地で最大のレジスタンスである明けの砂漠を率いるリーダーだ。
一体何の用事だと、彼の目は語っていた。多分親父殿の周辺から色々と聞き及んでいるのだろう。粗暴に見えるが元大学教授で、親父殿とは所謂同じ釜の飯を食った仲だ。相応の知性と見識を持っている。
先手はサイーブが打ってきた。
「恐らくは先立って私がカガリ嬢を焚き付けた件だろう。あれは私の独断だ。町のものには……」
「おっと、俺はそれを咎める気は無いよ」
サイーブの言葉を制する。いや本当に咎める気は無いんだ。何しろ
そういった本心を押し隠して、俺は言う。
「故郷が占領されて、そして打開する有効な手立ても見つからない。そんな状況で利用できそうなものが現れたとなれば、不本意であろうとも利用しようとするさ。気持ちは十分に分かる」
俺の言葉にサイーブは少し言葉に詰まったようだ。それはそうだろう、『お前たちじゃ逆立ちしてもバルトフェルド隊には勝てない』と言ってやったようなものなのだから。事実だと理解しているから、反論も出来ない。
「だがね、オーブとしてはあんたらに加勢するわけにもいかん。
原作でカガリが明けの砂漠に参加できた理由。それは親父殿がサイーブに請われて何らかの支援をしていたからだと踏んでいたが、実際調べてみれば全く予想通りで、親父殿は己の私財を投じて遠回しに明けの砂漠へ援助していた。
親父殿としては旧友に対する情もあっただろうし、ザフトに対して牽制も出来ると考えてのことなのだろうが、まったく
「つまり君は、我々に釘を刺しに来たと言うことか」
親父殿の支援以外には何もしてやらない、そう告げに来たと判断したのだろう。サイーブは苦々しく言う。おいおい、
「そう結論づける前に聞かせて欲しい。……この先、もしもザフトを追い出せたとして、
「む……それは無論、我らが故郷を取り戻した暁には、正当で公平な治政を……」
「そう簡単にはいかない、と断言させて貰おう」
「……なぜだ」
話の腰を折られたあげく物言いを付けられて、サイーブは機嫌を損ねたようだが構わない。俺は話を続けた。
「よく考えてくれ。アフリカ共同体は
「それは、ザフトが供する資源と技術に目がくらんだから――」
「だけじゃない。共同体には
「足らないもの? 確かに資源や何やら、そういったものは多いが……」
「
元々アフリカ共同体には連合の軍が駐留していたが、ザフトに蹴散らかされ敗退した。そこで共同体は手のひらを返し親プラントに鞍替えしたわけだが、そこには自国の戦力が心許ないという理由もある。
サイーブは元大学教授だけあって地頭は悪くないが、そこら辺の要素には疎い部分があるのだろう。俺の言葉に眉を顰め、疑念の視線を向けている。
「しかしザフトを追い出せば、連合が戻ってくるだろう?」
「戻ってくるだろうな。そのとき
「っ!」
原作でもザフト駐留軍の主軸であるバルトフェルト隊が壊滅した後、連合軍は反攻作戦を行いザフト駐留軍は敗退。共同体は事実上解体された。仮にサイーブの目論見が上手くいったとしても、同じ事が起こる可能性は高い。
「そんな、連合がそこまで……」
「連中プラントに恨み骨髄だぞ? 甘く見ちゃいけない。ちょっと風見鶏したつもりでも、容赦なんぞするもんかね。ろくな戦力の無い共同体なんぞあっという間に踏み潰されるだろうよ」
まあレジスタンス連中はある程度目こぼしされるかも知れんが、待っているのはボロボロになった国土だ。今まで以上の苦労をすることになるだろうな。
それ以前にザフトを追い出すことが出来たとしても、
話を聞いたサイーブは、がっくりと肩を落とし絶望したような表情となる。
「我々の、我々のやってきたことは無駄だったというのか……」
いや無駄というか、ちょっとやり方が拙い。やるんだったら情報集めに徹してザフトの隙を窺い、連合を介入させる手引きをするくらいはせにゃ。援助があるからつっても、戦力差ははっきりしてんだから真っ正面から挑みかかってどうすんだっての。
その辺の本音は置いておくとして、俺は軽く鼻を鳴らした。
「とは言っても、俺はあんたを絶望へとたたき込みに来たわけじゃない。現状を理解して貰った上で、一つ提案があるのさ」
その言葉に、はっと顔を上げるサイーブ。いやそんなに期待すんなて。蜘蛛の糸とは言い切れない提案なんだから。
「
「……は?」
唖然とした表情になるサイーブ。部屋の外で微かに響く、がたりという音。俺は
「オーブ軍を立ち会いにした、対話の席を設ける用意がある。向こうさんは戦況が膠着状態であるうちなら、いつでも話を聞くとのことだ」
「まて! それは我々に降伏しろということか!?」
泡を食った様子で言うサイーブ。だから慌てなさんなって。
「そういうことじゃないよ。この話が気に食わないであれば蹴っても構わない。あくまで余計なお節介。
そう簡単に納得出来るものではないだろう。だから無理強いなどしない。
「話し合ったところで決裂し、相容れないと再確認する羽目になるかも知れん。蓋を開けてみなければどう転がるか分からない話さ。だが戦い続けるのとは別な道が開ける可能性もある」
むう、と考え込むサイーブ。今までの話、そしてこれから先がどうなるか。頭の中で算盤を弾いているようだ。
こんなところ、かね。
「あんた一人で決められることでもあるまい。よくよく相談して、決まったらオーブ軍に連絡を入れてくれ」
そう言って席を立つ。サイーブは「ちょ、待った……」と押しとどめそうだが、構わず退室しようと背を向けた。
そこから首の上だけ振り返って、俺は最後に言い残す。
「そうそう、もしも二進も三進もいかなくなったとき……例えば
そして今度こそ俺は部屋を後にする。歩きながら眼鏡をかけ、髪を整える最中にも、周囲からガタガタという音が響き、警戒した視線が向けられるのを感じる。それらを無視する形で俺は建物を出て、待っていた車に乗り込んだ。
走り出す車の中、俺とサイーブの会話を盗聴してたリシッツァが、疑念の眼差しを向ける。
「……何を企んでらっしゃいますの?」
「そりゃ普通に色々とだが」
「そうじゃなくて、サイーブ氏にはもっとふっかけるかと思いましたのよ? ただ機会をくれてやるだけで、恩を売ったとも言えないでしょうあれでは」
まあ、そう見えるだろうな。だって今回
「これで連中がバルトフェルド隊と和解すれば治安も向上する。そうでなくとも動きが鈍れば御の字。最悪何も変わらなければ、交渉する気も無い無法者だと理由を付けて遠慮無く叩き潰せる。
「
そういうことだ。レジスタンスやテロに悩まされている一番の被害者は、実のところ共同体の政府である。ここでレジスタンス最大の組織である明けの砂漠を押さえられればどれだけ楽になるか。とはいえそういった一連の状況も、オーブ自体にはあまり関係ない話ではあるが。
「
くつくつと笑う。え? どういうことかって?
はい先ず、NJで混乱した上にザフトが降りてきて連合が敗退したアフリカ共同体における株価が急降下します。
↓
そこら関連の株を買いあさります。(もちろん足はつかないように細工してます)
↓
バルトフェルドさんが尽力して治安が向上した辺りで、オーブの軍を送り込み治安維持と戦災復興のために働かせます。
↓
国が安定します。
↓
株価が上がります。
↓
ええ感じで上がりきったところで売り払います。
↓
ね? 簡単でしょ?
(※なおこの男、他にもNJで被害を受けたところで同じようなことをやっている)
……あれ? なんか異次元の怪物を見るような目で見られてんだけど。
「うんあなた私なんか足下にも及ばない、ぐうの音も出ないド畜生ですわ」
「なにゆえ」
この程度などほんの初歩だろうに。つか原作知識なかったらこんなに上手くいくかい。
まあそれはともかくとして、これでバルトフェルドとサイーブに繋がりが出来た。この縁は後々の役に立つかも知れないものだ。上手く話が転がってくれれば良いのだが。
俺は内心の期待をおくびにも出すことなく、なんか妙に腰の引けているリシッツァ相手の会話を続けた。
このすぐ後に、アスランとイザークはバルトフェルド隊へと引き渡される。
そして俺と、オーブという国を取り巻く状況は、次の段階へと進むのであった。
バゲ子お前、ダ●ゼンガーやったんかい!
前々からスパロボ好きなヤツ関わってるだろと思っていましたが、これはもう確定やろ。分かる人にしか分からない確信を得た捻れ骨子です。
はい龍虎相対す……だけで終わると思ったか! なんかサイーブさんも口説いてるお話です。
なんでサイーブさんまでと思われるでしょうが、リョウガさん意外に己の立場捨ててレジスタンス活動している彼の気概を買っているかも知れません。
なおバルドフェルドさんがわりとざっくばらんだったのは、リョウガがそう扱って欲しいと理解したから。サイーブさんと相対するときに素のキャラだったのは、親父の息子であることを前面に押し出したほうが交渉しやすいだろうという算段からです。効果があったのかどうかは分かりませんが。
あとリョウガさんコーヒーの趣味だけはとことん悪い設定です。絶対虎さんとは相容れないでしょうそこだけは。つーか大概の人間とは相容れない。
そしてアフリカ共同体周りは原作を元にした独自設定と言うことにしておいてください。つーか原作と違いや矛盾があるところは全部独自設定。いいね?(暴論)
さてとりあえず問題児2人の押しつけは終わったことですし、これから先はどうなることやら。
次回をお楽しみに今回は幕です。