また独自設定だヨ~。
はいはい俺の執務室執務室。
「……なんで正座なのだ」
「説教するからに決まってるだろ」
帰ってきて早速、俺は再び床に正座で膝をつき合わせていた。
その相手は親父殿。つまりオーブの国主、代表首長ウズミ・ナラ・アスハその人である。
「……サイーブのことか。言い訳は、せん」
「言い訳はせんでもいいが反省はしろ。中途半端な手出しすんな」
なんか疲れたように言う親父殿の言葉をぶった切る。情にしても策にしても隙が多いわあんなん。
「万が一の時には
「いや別に楽になりたいとか思っていたわけではないのだが……」
「だまらっしゃい。大体やるんだったらレジスタンス同士の連携を強めるように動いて波状攻撃で休ませないとか、共同体の弱み握って政治的に締め上げるとか、そういうのをやれ」
「お前そういうところだぞ」
正座しながら微妙に引く親父殿。まったく、友人を見捨てられないのとザフトの侵攻に危機感を抱いていたのは知っているが、こっちに話を通しておけっつーの。場合によっては融通を利かすつーのに。
まあ親父殿カリスマはあるが、政治的駆け引きにはあんまり強くないからな。平時だったら十分名君と言えるだけの指導力を持つが、こう言う生き馬の目を抜く状況だとその頑固さも相まって、どうにも動きが悪くなる。
サイーブについては個人的な感情だからと言う理由もあって裏でこそこそ動いていたようだが、そこを上手く広げて国の利益に持っていくようにせんかい。下手すりゃ単に代表首長の座を追われるだけになっちまうぞ。誰がそんな楽をさせるか。
ともあれ、それだけの理由でわざわざ正座させたりなんかはしない。
「まあアフリカの方は何とかしておいた。悪いが親父殿の援助にも細工させて貰ったぞ。簡単にばれたら困るからな」
「……あれは大分遠回しに迂回したルートで行っていたはずだが」
「分かるものが見たら分かるつーの。……で、それはひとまず片がついたとしよう。本題はこっからだ」
俺は深々とため息を吐いた。
「親父殿、
「む、むう……」
単刀直入に言った俺の言葉に、親父殿は視線をそらした。俺に知られている時点で誤魔化しようがないと分かってるのだろう。分かってるんならやんなきゃ良いのに。俺は傍らから取り出した資料を見ながら言う。
「
そう、DESTINYに登場したMS【アカツキ】の開発計画である。ストライクの設計データを流用したそれは、この時期には開発に着手していたはずだと思って調べたら案の定だ。秘匿工廠ならバレないと思っていたのかねこの親父殿は。
俺の言葉に気圧されながらも、親父殿は言い訳じみた反論を始めた。
「いずれ必要になるものだと私は考えた。この先MSの開発競争は激しさを増し、所謂ハイローミックスの流れが生じるだろう。各勢力のハイに位置するものに対抗できる存在は必須だ。いざというときにそれがないでは話になるまい」
「だったらこそこそやらんとちゃんと話通せ。議会で認められりゃ予算も通るわい」
「……ヤタノカガミをはじめとする技術は、オーブにとって切り札となり得るものだ。可能な限り秘匿しておくべきだろう」
この親父殿、さては俺を含めた身内も信用してねえな? まあ俺も強引に国の戦力強化を進めてるから、危惧を抱いているんだろう。だがな、
「
「う、ぬう……」
技術は競ってこそ伸びる。抱え込んで進化しなかったら、待っているのはガラパゴスだ。親父殿は妙なところで日本人気質なのかも知れない。
「ともかくこいつは次期MSの開発計画に放り込んでおくぞ。システムのコスト削減を図るなり流用するなりすれば、使えるところがあるだろう」
「う、うむ。……なんかわし、どんどん立場がなくなっていくような……」
「ブツブツ言ってないで次の仕事のこと考えろ。新規防衛計画発表の草案、上がってきてるぞ」
俺は別な資料を親父殿に手渡す。こっちはやっと形になったものだ。ここまで持って来るのに苦労したよ。
資料に目を通した親父殿は渋い顔だ。どうにもまだ納得しきっていない部分があるらしい。
「……正直な意見を言わせて貰えば、この【タメトモ】というレールガン砲台は不要に思えるのだが」
防衛計画の一つ。武士の中でも秀でた弓の使い手である源 為朝の名を冠したそれは、全長200m、口径1m強に達する巨大なレールガンである。これをオーブの首都があるオノゴロ島を中心にして諸島3カ所に設置し、オーブ領海全てをカバーできる防衛陣を構成すると言う趣旨なのだが、確かに性能だけ考えればオーバースペックにも思えるだろう。
なにしろ推定される射程を考えると、地球全土に届くどころか、容易く衛星軌道を抜ける。そして弾頭の種類にもよるが、戦略核並みの破壊力を出すことも可能だ。
つまり
「『見せ札』は派手な方が良いのさ。そもこいつはマスドライバーの技術を応用したもので、さほどコストはかからない上に
そう、こいつは
「予算は湯水のように……とは言わないが、これくらいの『はったり』をかませる余裕はある。打てる手段は全部打っておくべきだろう?」
タメトモはどっちかと言えばびっくりドッキリメカ系列だ。見た目は派手だが連合各国が抱える数多の核弾頭に比べれば大人しい類いだろう。NJの影響で核弾頭は現在使用できない状態だが、そう遠くない未来問題は解決する可能性が高い。今のうちに対抗『出来そうに見える』用意はしておく。
この先戦況が俺の理想通りに転がる――連合とザフトが休戦するように持って行ければ良いが、そうでなかった場合、連合かザフトかどちらか一方が勝利を収めてしまうと、次はオーブが狙われる可能性がある。
何しろうちは
親父殿もそれは分かっているのだろう。いや分かっていたから原作では不本意ながらも軍備を整えた。結局それは色々と不足して国が焼かれる結果となったが、この世界では
とりあえず(色々やったから)金はある。経済力の恐ろしさ見せてやるわ。
「……お前の言いたいことも分かるし、必要なことだと理解も出来る。だが何というか、石橋を踏み潰して渡っていくような不安感があるぞ」
「無事に渡れりゃなんだって一緒だろう。国護るためならいくらでも踏み潰してやるわい」
「お前そういうところだぞ、本当」
親父殿は心底疲れたという顔で、深々とため息を吐いた。
もちろん俺は真っ当な防衛計画も考えている。その進行状況を確認するため、俺はモルゲンレーテ本社工廠を訪れていた。
「生産のペースは予定通り。今月中には陸海空三軍に大隊規模で配備することが出来るでしょう」
担当者の言葉に頷いてみせる。俺達の前で整然と並んでいるのは、レッドフレームに近い色合いのアストレイ。
【MBF-M1量産型アストレイ】。型式番号こそ原作のM1アストレイと同じだが、その実少々異なっている。
この機体、プロトタイプであるP0シリーズとほぼ同じというか、
原作ではセンサー類とか色々とダウングレードされていたようだが、その辺りも手抜かり無く、むしろ一部のものはより高性能なものを搭載している。そういった強化や機体自体が重くなったこともあって活動時間は短くなったが、それはオプションに搭載されるバッテリーや、増槽の燃料電池などで十二分に補えるようにしてある。
そして、P0シリーズからのことだが
そういった諸々含めて基本性能はジンどころかシグーをも上回るものとなった。当然この先出てくるであろう連合の【ダガー】系列よりも上だ。試作品より弱い量産機とかない……なくない? と設計に口出ししてこのようにさせた。なに金はある。本来のM1より少々コストがかさむが、それでも原作より数は揃えられるぞ。
「各種オプションのテストもP04とP05をベッドにして順調にこなしております。最優先である【F装備】はほぼ全てのタスクが終了。順次パイロットの慣熟に入ります。【M装備】もじきに。少々特殊なものですのでパイロットが慣れるのに時間がかかると思われましたが、意外に使いこなせるものが多いようで」
原作では人手に渡ったり魔改造されたりしたP04【グリーンフレーム】とP05【グレイフレーム】だが、こちらでは各種装備のテストベッドとして使われている。多分実戦に出ることはあるまい。
ともかくアストレイの生産と配備は予定通りだ。なんだかんだ言ってこれから先MSは主力となる。連合に先んじて使い物になるようにしておくのは必要だから金突っ込んだぞ。
「その分【R装備】は後手となりますが……よろしいので?」
「オーブは海洋国家だ。防衛に徹しようと思ったら海上でけりを付けなければならない。本土でR装備の出番があるとすれば、それはもう負けと同意だよ。万が一のための備えくらいに思ってくれれば良い。陸軍にとっては貧乏くじだろうが」
「承知いたしました。では次いで生産される分の配備は予定通りに」
量産型アストレイの強みは、全軍で機体を共用できるというところだ。装備の換装とOSの調整でどの状況でも運用可能。ぶっちゃけストライクと同様マルチロールを目指したわけだが、オーブのように兵力が限られている国では有効である。訓練次第で機体と共に
まあそこは今後の課題だ。今は予測される危機に対処することを優先するしかない。金で何とかするにも限度はあるのだし。
細かい課題はあれど、本土の軍備は整いつつある。宇宙の方もアメノミハシラとクーロンズロックで、艦とMSの生産を進めており、程なく予定通りの数が揃うだろう。そしてできうる限りのカードも用意した。……けどここまでやってもこの世界、油断ならんのだよなあ。一応大西洋連邦が
現時点の大西洋連邦でもっとも注意すべきはブルーコスモス、その盟主【ムルタ・アズラエル】。原作のキーマンであり、色々な意味で非常に面倒くさい人物である。大西洋連邦にパイプを持つ
とまあ聞いてもくれない天に文句を言ったところで仕方が無い。ともかく彼は原作通りの思考と判断で動くと見て良いだろう。そのままであればオーブのマスドライバーとモルゲンレーテの技術を狙い、艦隊引き連れて襲いに来る。が、オーブがそう簡単に攻略できないとすれば。そして
う~ん、なんだかんだと理由を付けて、やっぱり侵略しに来る気がする。敵であるコーディネイターを匿っているとか、理由付けられるしなあ。こっちからすれば理由になってない理由でも、向こうの中で筋が通れば無理を通すかも知れない。やっぱ徹底的に対策とっておかないと。
「製品の質を落とさぬよう徹底させてくれ。機体は修理できてもパイロットはそうはいかん。安全第一、だ」
「心得て。我らの戦場、勤め上げてご覧に入れましょう」
担当者は胸を張って応える。頼もしいことだ。
では、俺は
後日、オーブは世界に向けて正式に軍備を拡大することを発表した。
内容は正式採用された量産型アストレイの生産と配備。艦隊をMS対応にするための改装。防衛のための大型レールガン施設タメトモの建造。そして宇宙軍の拡大と再編成についてである。
クーロン商会が設計しオーブでライセンス生産される形になったアストレイは、陸海空三軍に、最低でも大隊規模で配備され、特に海軍は空母などをMSが運用できるように改装し領海内での戦闘に備えている。タメトモの建造にはしばらく時間がかかるが、完成すれば外敵は簡単に領海内へ侵入できなくなるだろう。
宇宙軍はMSを生産し配備するのは当然として、基本アメノミハシラに駐留していた10隻規模の艦隊を最大40隻まで増やし、ヘリオポリスなどにあるL3宙域に新たに基地を配置。増加したうち10隻程度の艦とMS部隊を駐留させ該当宙域の防衛に努める。これに合わせ宇宙軍総司令官であるギナは、艦隊司令の兼任を止め総司令官一本に集中。階級を一時少将に昇進させ、艦隊の数が揃えば再び昇進、中将とする予定だ。同時に彼の下に改めて艦隊司令などを複数配することになる。彼らはこれからのオーブ防衛の要。故にもっとも力を入れていた。
公表された内容だけでも各所に与える衝撃は大きいものだろう。連合とザフトの戦争が続く中、あちこちで様々な憶測が飛び交うに違いない。
精々踊ってくれれば良い。当然ながら防衛計画として公表していない用意もある。そしてそれすらも
理想的な戦争とは、
ともかく軍備が整う裏で、俺は勝つための土台を作り上げる。あるいは徒労になるかも知れない。だが必要なことだと信じて。
……とりあえずあと5徹くらいはいけんだろ。視界の端にピンクのゾウさんが見えるまでは大丈夫いけるいける。
(※このあとリョウガは強制的にベッドへ叩き込まれた)
おまけのメカ設定
タメトモ
オーブ防衛計画の一つ。アホみたいに馬鹿でっかいレールガン。お大尽アタック1号。
あっさりと砲弾が大気圏離脱するくらいの威力を持つため、事実上射程距離は無限。アメノミハシラやその他軌道衛星とリンクが出来るので命中精度も高い。
モデルはもちろんエスコンのストーンヘンジレールガン。これだけで何を目的としているか分かる人には分かると思われ。
量産型アストレイ
立場的にはM1アストレイだが、最早別物。基本はP0シリーズを踏襲し、その上で装甲とかセンサー類とかの性能向上を図っている。ぶっちゃけメタルなアーマーな方のドラグーン。お大尽アタック2号。
正直後発の連合、ザフトの量産機より性能は上。PS装甲のないウィンダムと考えてくれれば良い。その分コストはかかるが、原作より遙かに余裕のある予算によって相当の数が生産されることになる。
この世界で世間一般的にはこの機体がアストレイと呼ばれ、P0シリーズはプロトアストレイ、またはオリジナルアストレイと称される。
楽天で頼んだものがまだ来ねえ。
ふざくんなホントに泣くぞ!? キャンセルしてアマで頼み直して確実に来るかも分からんからしばらく待つけど! ちょっとイラっとしてる捻れ骨子です。
はいリョウガさんが裏でこそこそしてる話~。大体趣味だよ。もう分かる人には分かる伏線張っていますが、そこまで至るのにはどれ位かかるやら。たどり着くまで書けるのが早いか筆者が力尽きるのは早いか。止まるんじゃねえぞって倒れちゃダメですかねダメですかそうですか。
とにもかくにもリョウガさんはしばらくこそこそ動く予定です。バトルシーンが皆無に近いですが本当にガンダムの2次創作なのかこれは。そしてこれから先バトルシーンはあるのか。ある意味新機軸かも知れませんな。(反省の色無し)
まあそんな感じで、今回はこの辺で。