PERSONA in デート・ア・ライブ   作:零之悪夢

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普通の難易度よりも高難度です。推奨レベルは30以上です。
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Star Festival & Utopia

狂三と出会ってから一か月程度。何事もなく学校生活を行っていた俺は今日ぐらいは外に出ようと思い中心街を歩いていた。今日は七夕祭り、浴衣や屋台が並んでいる。俺には予定がなかったので一人で人々を眺めていた。

 

 「し……さ……?」

 

声が聞こえた気がして横を見ると狂三が居た。今回は普通の格好をして。

 

 「どうした?普通の格好で来るなんて珍しいじゃないか」

 

 「今日ぐらいは、いいでしょう?七夕ですもの」

 

 「そうだな……じゃあ、デートとしゃれ込むか」

 

我は汝……汝は我……

汝、新たなる絆を見出したり……

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

汝、星のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん……

 

そうして、予定にないデートをすることになる。デートと言っても屋台を巡って食べ歩いたりプラネタリウムを見たりなどしただけだが。プラネタリウムでは乙姫と彦星について色々と談義になったがそれも面白かった。

 

 「士道さん……写真、撮ってみません事?」

 

狂三が行ったのは……結婚式場。俺たちの年齢では無理だと思うけどなぁ。

 

 「ちょっと待っててくださいまし。話を付けてきますわ」

 

その後ろを付いて来ている三人に気づかずに五河士道はその場所で待っていた。

 

 「シドーは狂三と何をしているのだ?」

 

 「でも……楽しそう、でしたね」

 

 「油断はできないわ……今は、士道が話しているけど暴れる可能性だってあるからこうやって尾行してるんだから」

 

数分待つと狂三がそこから出てきた。何て言ったのかは分からないが写真が撮れるようだ。俺も流石に緊張する……結婚式に着るスーツなど着たことが無いし、動きづらかった。

 

 「さあさあ、早く早く!!」

 

それはとても美しかった。早くと言われ、テレビでよく見る誓いの言葉を言う所に立っていた狂三はまさに花嫁だった。いつも着ている黒ではない対照的な白のウエディングドレスに身を包んだ彼女に俺は見とれてしまっていた。

 

 「士道さん……どう、でしょうか?」

 

 「すごく……似合ってるよ。見たことが、無いくらい、綺麗だ」

 

そして写真を撮った。一番、印象的だったのは二人で抱き合いながらのポーズだっただろうか、それとも別のポーズだっただろうか。どれも取る時の狂三の顔はとてもにこやかだった。その笑顔だけが俺の頭からこびりついて離れなかった。

 

 「写真、どうでしたか?士道さんも緊張なさってましたけど」

 

 「当たり前だろう……初めてだよ、結婚式場で写真を撮るなんて。まあ、狂三でよかったとは思うな」

 

顔を真っ赤に染めながら狂三がこちらを見てくる。あの時よりも感情的にはなっているのだろうか?それとも七夕だからだろうか?

 

 「士道さん、最後に願い事でも書きません事?」

 

狂三の言う通りに短冊に願い事を書く。今ある幸せが長く続きますように……と。これと空間震が無くなりますようにという願いも追加しておいた。そして掛けようと笹に手を伸ばしたところで見知った名前が見えたので願い事を見る。十香は今日の夕飯はカツカレーが食べたい。四糸乃はもっと話せるようになりたい。琴里は士道が使える人間になりますように。だけど黒く塗りつぶされているところをよく見ると士道と結婚したいと書いてあった。一応結婚は出来るけど……そこまで好きなのか?俺の事。と思いつつ、笹に掛け終わった。

 

 「あらあら、楽しそうな事をしてらっしゃいましたのね?わたくし」

 

 「狂三が二人?そういう事か……」

 

前、真那から聞いた何回殺してもまた蘇ってくることが分かった気がする。要するに分身が居るから何回も殺しても生きているのだろう。それで今日過ごしたのは分身体の狂三だったというわけだ。

 

 「別に殺そうとは思っておりませんわ。ただ回収に来ただけですわ」

 

 「そう、ですの……」

 

もしかしたら、時崎狂三が普通の人間であったならこういう人間だったのかもしれない。恋をしてみたくて、愛を感じたくて、今日この日に願いを書いたのだろう。彼女の願い事は士道さんと一緒に居られますように……この意味は狂三の敗北を意味してしまう。

 

 「狂三……また、会える。これを持っててくれ」

 

隠れて買っていた指輪を彼女の左手の薬指に付ける。安い指輪だが俺の想いが込められている。それだけでも意味があるだろう。ただの恋する乙女に、俺は思いを託した。

 

 「俺は忘れない……また、会える時まで付けていてくれ。それが俺の想いだ」

 

我は汝…… 汝は我……

汝、ついに真実の絆を得たり。

真実の絆……それは即ち、

真実の目なり。

今こそ、汝には見ゆるべし。

星の究極の力、ルシフェルの

汝が内に目覚めんことを……

 

 「なら、わたくしからも……これを」

 

渡されたのは先ほど撮った写真だった。現像してもらったのだろう。少し熱かった。

 

 「わたくしは忘れません。士道さんが思ったことを……」

 

そうして、影の中に消えていった、短冊を俺に託して。そうして本体の狂三も影に消えていった。俺はそれを出来る限り高い所に括り付けた、願いが叶うように。また、彼女に会えるように。

 

 「帰るか……カツカレーだったよな」

 

食材を買って、家に帰った。その日は皆、俺を励まそうとしてくるので何かしただろうかと疑問に思った。会えるのは先になるだろうけど、俺は前に進まなきゃいけない。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 「<凶禍楽園>は存続させなければならない……彼の為にも……彼が幸せになる為に私は……」

 

誰の声だ?でも、何か懐かしいような?

 

 「今だけは、いい夢を……」

 

待ってくれ!!まだ……

 

 「はっ……ゆ、め?」

 

 「シドー!!……シドー!!……」

 

夢から覚めると、十香が泣きながら抱きついてきた。何があったかあまり思い出せない。

 

 「また、死んでしまったのかと……思ったぞ……」

 

 「十香……琴里を呼んでくれないか。何があったか聞きたい……」

 

十香が下に降りて呼んできた。その後に四糸乃と令音さんも部屋に入ってきた。とりあえず何があったのかを聞いた。聞いていくうちにだんだんと思い出してきた……十香が霊力暴走を起こして、それを止めようと十香に近づいて屋上の壁に叩きつけられた……それで三日も寝ていたので皆心配していたらしい。実感はないが。

 

 「十香と同じく、四糸乃も暴走しちゃったのよ。おかげで、マンションの居住区格が氷漬けだからうちに住まわせることにしたわ」

 

 「りょーかい。……なんか、大事なことを忘れてる気がする?」

 

 「大丈夫?今のあなたは、直ぐに死んじゃうんだから……」

 

何故か精霊の力が失われているらしく、灼爛殲鬼が無い俺はただの一般人なので直ぐに死んでしまう。そのことではなく、他にもっと大切なことを、覚えてないと駄目なことを忘れている気がする……

 

 「………全然、思い出せん。とりあえずは体力を戻すことに専念するか……」

 

 「明日から、学校には行けると思うから。ちゃんと休んでおきなさい……倒れられたら困るから」

 

翌日、朝食を作り登校しようと玄関を出た。その時に知らない女の子を見た……いや、知っているはずなんだ。彼女は……

 

 「凜祢……おはよう」

 

 「!?……おはよう士道と十香ちゃん、琴里ちゃん」

 

我は汝……汝は我……

汝、新たなる絆を見出したり……

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

汝、永劫のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん……

 

一瞬、驚いた顔を見た気がするが気のせいだろう。そうして四人で登校するが……見知らぬ建造物が見えた。何だったか……新、天宮タワーだっただろうか?あそこで「   」と話に……何を考えてる?俺は何を今、思った?”何度かこの世界を繰り返している”感じがした。記憶が断片的にあるのはどういう事だ?それを考えながら、登校した。

 

 「……………」

 

教室についてもそれを考えていた。何か”既視感”があるような……

 

 「士道?まだ、体調良くないの?」

 

 「いや、考え事してただけだ。良くはなったけど、無理は出来ないかな」

 

凛祢が顔を覗き込んでくる。凜祢という存在は俺のストライクゾーンと言うより、理想像の彼女なので此処まで顔を近づけられると恥ずかしい。

 

 「顔、赤くなってるよ?」

 

 「恥ずかしいだけです……見ないでください……」

 

それに気づいたのか、凜祢も恥ずかしがる。それを見た時、俺のハートにダイレクトアタック!!俺のライフはゼロになった。

 

 「……………」

 

 「……………」

 

お互い気まずくなる……その時にチャイムが鳴る、タイミングが良かった。そうして授業を受ける……顔をお互い見ることが出来ないまま昼休みになってしまった。

 

 「なあ、凜祢……屋上、行かないか?」

 

 「うん、分かった……」

 

何故か十香や折紙が止めることなく、屋上へ来ることが出来た。いつもなら俺にくっ付いてくるはずなのに……何か不思議だ。

 

 「とりあえず、朝の事を忘れよう。この後、非常に困るから……」

 

 「うん、そうだね。忘れよう……」

 

昼食を食べながら話す……俺は何となく、新天宮タワーを見ながら話を聞いていた。今までの事を振り返ってみると何か”都合が良すぎる”と思う。凜祢と一緒に居ようと思うとそうなる。誰かがこの世界を”操作”しているみたいに……

 

 「凜祢は……俺の事を、どう思ってるんだ?」

 

 「どうしたの急に……別にいいけど」

 

何となく聞いてみただけだと言って、答えを聞く。

 

 「私は士道が好き。大好き。誰よりも士道の事が好き。でも、私以外の人を選んだら私はそれを祝福する。十香ちゃんと結ばれたい、鳶一さんと子供を作ったり、四糸乃ちゃんと一緒に過ごしたり、琴里ちゃんと旅行に行ったり、時崎さんと交わったり……もちろん、誰も選ばなくても構わない。逆に、全員を手に入れたいっていうならそれも応援するよ。士道が幸せなら何でもしてあげる。士道が望むなら、私が何でも叶えてあげる。私は士道の幼馴染でも、恋人でも、妻でも、妹でも、姉でも、母でも、娘でも、上司でも、部下でも、敵でも、仇でも、他人でも、構わないの。―――士道が幸せなら、それで……ちょっと言いすぎちゃったかな?」

 

常人ならば聞いているだけで震えが止まらなくなる話だろう。でも、俺はそれが凜祢の想いなんだと思う。単純に俺の事を見てくれている、俺の事を案じている。そんな、凜祢が俺は……

 

 「そっか……じゃあ、両思いだな」

 

 「……?もう一回言って?聞き間違いかもしれないから……」

 

 「俺は、凜祢が好きだ。凜祢が思ってる事をちゃんと受け止めたい。まあ、それ以前に皆が迫ってくると思うけどな……十香とか折紙とかが」

 

それを話すと、凜祢がくすっと笑う。何となくそれは認めない!!って結婚する時に入ってきそうだなー、と言ってみた所。凜祢も笑い始め、二人で笑いあった。

 

 「ふふ……でも、私は士道の事を尊重するよ?皆をどうしたいの?」

 

 「最低な男って言われるかもしれない……だけど。俺は皆を選びたい。皆と一緒に居たいんだ……もちろん、凜祢も入ってるからな?お前がどっかに行こうとしたら絶対止めるからな?」

 

昼休みにそれを話したことにより、恥ずかしいものは取り払えただろうか。授業を終えて、今日の予定を整理する。確か、今日は何もなかったはずなので……凜祢とデートでも行こうかと思い凜祢を誘う。

 

 「凜祢……デートに行かないか?」

 

 「えっ?私でいいの?他の人じゃなくて?」

 

 「屋上で話しただろ……俺は凜祢が好きなんだ。デートに誘うのは普通だろ」

 

凛祢を誘う事に成功して、デートをする。まあ、ただウインドウショッピングをしただけなのだが。少し休憩しようと思って、公園にあるクレープ屋でクレープを買いベンチで食べる。

 

 「んーー、俺のクレープと凜祢のクレープ少し交換しないか?ちょっと恋人みたいな事してみたくなった」

 

 「いいよ、はい。あーん……」

 

やっぱりやってみると少し恥ずかしかったが、満足だ。凜祢にも同じように食べさせて残りのクレープを食べた。

 

 「士道、クリームが付いてるよ?ちょっと動かないでね?」

 

そうして頬をペロリと舐められた。これを”何度か”された気がした。……今、一瞬、狂三と凜祢が重なって見えた。俺はやっぱり何か忘れている。それだけは分かった。

 

 「ご馳走様でした。士道?どうしたの?」

 

 「こんな事されたの初めてだからさ……ドキドキした」

 

その後、買い物の続きをして一緒に帰った。まあ、五河家と園神家は隣なので夕飯を一緒に食べるのは当たり前であろう。帰ると空腹で今にも倒れそうな十香とそれをなだめている四糸乃とよしのん。椅子に座りながら飴を舐めている琴里が居た。リボンが黒だったが気づかれないうちに白リボンに変えた。

 

 「お帰り―二人とも。十香が死んじゃいそうだから早めにご飯作ってねー」

 

 「まあ、思った通りだったな。じゃあ、夕飯をちゃっちゃと作りますかぁ……」

 

凛祢も居たので、直ぐに夕飯を作ることが出来た。夕飯を食べ終わると凜祢は家に帰った。十香と四糸乃はゲームをしているし琴里は、飴を舐めながら雑誌を読み漁っているので部屋に戻ることにした。しかし、あの人たちに聞きたいことがあったので、ベルベットルームの扉を開けた。

 

 「お邪魔します……あれ?居ない……何だこれ?」

 

床には、ポエムが落ちていた。俺の黒歴史の一つとしてポエムがあるがこれは世に出しても恥ずかしくないどころか、有名になりそうなポエムであった。俺はそれを熟読して感動していた。

 

 「何処に落としたかな……あっ!!それ返して!!勝手に見て!!オタンコナス!!」

 

すごい勢いで奪い取られた。奪い取った彼女は、今までのベルベットルームの人とは違い服装が異なっていた。

 

 「君は?後、イゴールさんは何処に居るんだ?」

 

 「ああ、マーガレットが言ってた新しい人か。イゴールなら席を外してるよ。私はマリー。ベルベットルームの人間じゃないけど偶に此処に来る人だと思っておいて」

 

その少女、マリーはポエムを持っていたポーチに仕舞いこみ近くに会った椅子に座った。

 

 「君も、座りなよ。ちょっと話したいし……」

 

 「じゃあ、遠慮なく。後、ポエムすごく良かった。あれは世に出すべきだと思う。絶対」

 

その後はポエム談議で盛り上がったが、話がずれてるからと話題を変えた。

 

 「君さ、世界が変だと思ったりしなかった?」

 

 「少し変だなって思った。何か、世界を繰り返してるみたいな感覚があった……都合が良すぎるって言った方が良いのか?」

 

 「やっぱり……私みたいな人が居るんだね」

 

そうしてマリーは話し始めた。自分がシャドウと言う化け物であった事。それをペルソナ使いの仲間たちに救ってもらった事。

 

 「君は、その原因の子を救ってほしいの。私と同じ目に逢わせたくないから。君は特別な力を持ってる……奇跡を起こすことだってできるかもしれない。君の絆の力が君を助けてくれる。私を助けてくれたあの人もそうだったしね」

 

 「絆の力と選択。俺がしたいことを貫けばいいのか……?」

 

 「あの人なら全部やるって言って聞かないけど。君もそれが出来るんじゃないかな?」

 

全部やる。それを目標として動くことにした。

 

 「……やりたいことが分かったよ。ありがとう、マリー」

 

 「どういたしまして。偶に居るからポエム読んで感想聞かせて?」

 

 「了解。じゃあ、またな」

 

そうしてベルベットルームを出て、そのまま眠りに着いた。

 

 「何故?私の記憶がある?記憶はリセットしているはず……記憶の消去が不完全だった?それとも、私が不安定になりつつあるのか?」

 

昨日の……待ってくれ!!話がしたい!!

 

 「どうして?私は貴方を幸せにするために動いているだけ。貴方は永久の幸せを投げ出そうとするのか?」

 

違うっ!!幸せは嫌なことがあって幸福と感じられるんだ!!幸せしかないのは駄目なんだ!!

 

 「なら、貴方は幸せを求めないと言うの?」

 

いいや、求めるさ。皆が幸せになる為の道を俺が創る。だから、前に進まなきゃいけない。

 

 「……………」

 

だから、君も無理しなくていいんだ。君がやった事なんだろ?俺に何かして幸せにしようとしてる。でも、俺は十分幸せに過ごせた。だから、終わらせよう。

 

 「えっ?ゆ、め……凜祢?」

 

 「あれ?私、寝ちゃってた?」

 

今日は休みのはずだ。なのに凜祢が来るなんて珍しい。

 

 「今日は休みだろ?何でうちに来たんだ?」

 

 「何となく、士道と一緒に買い物に行こうかなって思って。琴里ちゃんがまだ寝てるから起こしていいよって言われてたけど……私も寝ちゃったみたい」

 

凛祢の顔には疲労が見えた。疲れていると言うか無理をしていると言うか……

 

 「時間は……まだ、7時じゃねぇか。なら、いいか……よっと」

 

 「え!?士道!?何するの!?」

 

 「凜祢、疲れてるだろ。少し寝てから行こうぜ、どうせお店も空いてないしな……そんな無理していく必要はないと思う」

 

そうして、凜祢を無理やり俺のベットに入れ込んだ。俺が手前で凜祢が奥という位置だ。彼女のいい匂いが香ってくる……なんだか眠くなってきた。

 

 「ふぁぁ……まだ、寝れるな。凜祢ちゃんと休めよ?俺が一緒に居るから、さ……」

 

 「うん、私も休む……ありがと、し、どう……」

 

それを聞いて眠りに着いた。其処では夢を見ないで寝れた。彼女は、俺の事についてどこまで知っているのだろうか。そうして、起きたのは数時間たった後だった。

 

 「ん……?抱きついて寝てちゃってたのか。結構、ホールドされてるし。時間もいいし、起こすか」

 

 「しどう……いかないで……わたしを……おいてかないで……」

 

寝言だと思うが、非常に怖い事を言っている。俺が離れる、か。何となくそんなことも可能性として考えてはいた。その可能性を消していくことが目標なのだが、心配させすぎた俺の失態だろう。

 

 「置いてかないよ……ずっと、一緒だ。凜祢……」

 

 「ずっと……いっしょ?しんじて……いいの?」

 

 「―――もう、離さないから。もう、絶対間違わないから」

 

何故か”聞いたことのある”言葉を話していた。誰から聞いたのかもよく分からない。でも、俺の言いたい事をいう事は出来たので問題はないだろう。

 

 「あれ……士道起きてたの?起こしてくれれば良かったのに」

 

 「うん?今起きたばっかだから……」

 

とりあえずは嘘を言っておく。あんな凜祢を見たことはなかった。いつもなら弱音を言わない凜祢があんなにも悲しい声で弱音を吐いたのだ。俺はそれを支えなければならない。

 

 「疲れは、取れたみたいだな。じゃあ、行こうか」

 

 「じゃあ、下で待ってるね」

 

着替えて凜祢と一緒に出る。凜祢が行きたいところに付いて行くことにした。まあ、彼女はショッピングが好きなのでそれについて意見を言っていくだけなのだが。そして、最後に人気のない給水塔で話をしようと言われた。何か嫌な予感がするので、ペルソナを出せる用意をしておく。一応、この銃は召喚器と言うらしい。

 

 「士道は、掛け間違えたボタンに気づいた時、どうする?」

 

 「直そうとする。でも、やろうとしたらどんどん綻びが出来ていく。それを元に戻したいけど戻せない。戻すのなら、全て終わらせるか、最初の様に戻すか、だな」

 

 「そう、だよね。ちょっと待ってて」

 

凛祢は奥の給水塔の方へ歩いて行った。最初からか終わらせるか。一般的な答えを言ったが俺はどちらも選択はしない。綻びを戻していく、それが俺の答えだ。

 

 「来たか……」

 

案の定、何者かが俺に攻撃を仕掛けてきた。其処に現れたのは、夢で出てきた人物だった。

 

 「貴方が幸せを否定した。なら、最初に戻すだけ……さようなら、五河士道……」

 

 「オルフェウス……」

 

攻撃してくるものをペルソナで打ち消す。思ったより威力が高く、ダメージを受けてしまった。

 

 「くっ……前に進むだけなんだ!!俺は、幸せを否定してない!!」

 

 「この<凶禍楽園>は貴方を幸せにするための物。其処から出ると言うのであれば幸せを否定したことになる……」

 

 「現実にだって!!幸せはある!!ここだけで掴んだ幸せは本当の幸せじゃないっ!!」

 

そうして、彼女はこう、言った。

 

 「なら、私を倒してみて。そうすれば、此処から出られる……【無へと帰す者】……これを使った私に貴方は、勝てる?」

 

そうして何処かへ消えていった。正体は分かった。後は、マリーの話を信じてやってみるだけだ。

 

 「シドー!!大事ないか!?」

 

 「十香……それに皆。大丈夫だ、皆も気づいたのか」

 

 「ええ、一応、霊波が観測されてたの。日を追うごとに不安定になって行って……今の状態で爆発したら日本という島国が吹き飛ぶくらいの威力があるわ」

 

不安定になっている。俺がイレギュラーな事をしでかしたから、それと俺が接触したから、それが原因だろう。

 

 「折紙も協力してくれるのか?」

 

 「緊急事態。それに士道が困っているのなら助けたい」

 

 「狂三?いいのか?霊力使っちゃうけど……」

 

 「別に構いませんわ……そういう”約束”でしょう?」

 

こそこそと狂三と話す。それを不思議そうに見つめる二人、怪訝そうに見つめる二人に当てられた俺は話を変える。

 

 「とりあえず、こんな景色になっているのはさっきの奴のせいだ……何て言ったらいい?「ルーラーよ」……じゃあ、ルーラーは俺を管理して、この世界を繰り返そうとしてた。だけど俺がそれを壊したからこうなったみたいだ。俺はそれを止めたい。協力してくれるか?」

 

全員頷く。そうして、俺は”知っていた”事を話す。

 

 「あそこに行くには、三か所の要を壊さなきゃいけない。神社と住宅街と新天宮タワーのモニュメントだな。そうしたら、タワーに入る。でも、其処には守護者が居るはずだから戦闘は避けられない……だから皆にそれを任せたい。後は、俺が決着を付けてくる」

 

 「私達が付いて行かなくて大丈夫か?シドー?」

 

 「俺がされた落とし前は俺が付ける。皆は知らないと思うけどな……俺がどれだけ失敗したかなんて」

 

そう、全て思い出した。忘れていたことを。あの時、間違ったことを。

 

 「じゃあ、俺達の戦争を始めよう……」

 

狂三、折紙、四糸乃は要の破壊に、十香と琴里は、タワーの守護者を倒しに行った。俺は階段を上っていく……しかし、其処には俺が出会っていない敵が待っていた。

 

 「此処にも守護者!?やるしかないのか……時間がないのにっ!!」

 

士道さん……貴方様の、思い。私が手助けいたしますわ

 

 「ありがとう……狂三。来いっ!!ルシフェルッ!!」

 

それは巨大な天使。俺が絆を深めたことで出来たペルソナで……

 

 「……明けの明星……!!」

 

それを唱えれば辺りは光に包まれ、敵は消し炭となった。先に進むにつれて敵は増えていくがルシフェルを使い消し炭にしていく……そして、最上階に着いた。

 

 「やっぱり来たんだね……士道」

 

 「はぁ……はぁ……流石にこんなに敵が居るとは、思わなかった」

 

ルーラーの正体は、幼馴染の園神凜祢だった。そんなことよりも、俺は聞きたいことがあった。

 

 「なあ、俺は今回で”何回目”だ?」

 

 「今で100回かな……それも気づいてたんだね」

 

繰り返す。そのトリガーは俺が”死ぬ事”。何故なら灼爛殲鬼が無いからである。それが引っかかる理由であった。

 

 「でも、もう遅いよ。【無へと帰す者】を使っちゃったし……この世界は終わらない」

 

 「いや、俺は終わらせる。やり方は分かってるからな……」

 

そうして、キスをした。拒まれると思ったが拒まれなかった。

 

 「……この<凶禍楽園>は私の意志に関係なく動くの。だから、もう誰にも止められない……」

 

 「凜祢……お前って、もしかして……”霊力で出来た存在”なのか?」

 

彼女は沈黙で返してきた。要するにイエスと言う事だろう。何故なら彼女は消えかかっているからである。楽園は止まらず彼女は消える。そんなことを認めたくはないんだ!!

 

 「士道……もう、会えないかもしれない。だから、言うね。士道の事、ずっと好きだったよ……」

 

 「嫌だ……嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!」

 

こんな所で、諦めるかっ!!

 

―君なら奇跡を起こせる。君は特別だよ―

 

 「メサイアッ!!」

 

俺のペルソナ、オルフェウスが奇跡を起こす者<メサイア>に転生した。これなら……

 

 「凜祢!!俺の手を取れっ!!ずっと一緒に居たいんだろっ!!なら、一緒に居ようっ!!」

 

 「居たいよ……もう、離れたくないよ……」

 

凛祢の手を取った時、世界は白く塗りつぶされた。俺は絶対にその手を離さないで引き寄せた。

 

 「……戻ってきた?のか?」

 

 「……あれ?私、生きてる?」

 

気づいたら高台に居た。彼女、園神凜祢も一緒に。

 

 「成功、したのか……っ……」

 

 「士道!!……無茶ばっかり……自分も大切にして」

 

緊張から解けて、膝を付いてしまった。奇跡を起こす……それが実現できた。俺は、凜祢を救い出すことに成功したのだ。

 

 「良かった……本当に。凜祢を助け出せて」

 

 「士道は、奇跡を起こしたんだね。自分の意志を貫いて……そのおかげで大切なことに気づけた。私の考えてたことは間違ってたみたい」

 

 「人は間違いを知って次に生かす。凜祢もそうすればいいさ。もう、間違わないように」

 

我は汝…… 汝は我……

汝、ついに真実の絆を得たり。

真実の絆……それは即ち、

真実の目なり。

今こそ、汝には見ゆるべし。

永劫の究極の力、カグヤの

汝が内に目覚めんことを……

 

 「迎えが来たみたいだな。皆に自己紹介しないと……駄目じゃないか?あっちの事は皆知らないんだろ?」

 

 「そうだね……どう、自己紹介しようか?」

 

 「……幼馴染ですみたいな?いや、インパクトに欠けるか……」

 

二人で話し合った結果、士道の彼女ですに決定した。

 

 「おっ……転送されたな。てことは、来た来た。凜祢は見るのは初めてだよな?琴里の黒リボンモード」

 

 「黒リボンだ……何が違うのかな?」

 

 「見れば分かる……」

 

そうして、俺の鳩尾に某仮面ライダーの様なキックを仕掛けてきたので足を掴んでからお姫様抱っこの形にして下ろす。

 

 「ちっ……読まれたか。勝手に居なくなって何してるのよ?」

 

 「此処では、そうなってるのか……まあ、精霊を封印してきた」

 

 「はぁ!?精霊を封印したの!?」

 

ほら、自己紹介。と凜祢に進める。

 

 「士道の幼馴染の園神凜祢です。関係は、士道の彼女です」

 

 「えっ?色々、よく分かってないのだけど……」

 

 「知らなくて当然だ。お前らは忘れてるんだからな。忘れたままでいいけど……」

 

そこで奇跡を起こした俺は、次も頑張ろうと思ったのだ。




番外イベント 七夕 をクリアしました。
星コミュ 恋するナイトメアの開放と???の条件を一つ満たしました。
星コミュが最大になったので、ルシフェルが召喚可能となりました。
 狂三の写真 を入手しました。
効果 どんな即死攻撃でも体力を1残す。 (食いしばり)
隠しイベント Utopia をクリアしました。
永劫コミュ ルーラーの開放と園神凜祢が仲間になりました。
永劫コミュが最大になったので、カグヤを召喚可能になりました。
愚者 オルフェウスから審判 メサイアに転生しました。
星、永劫のペルソナを召喚可能になりました。
第2章 Daily Life が開放されました。
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