PERSONA in デート・ア・ライブ   作:零之悪夢

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クエスト Truth が開放されました。
クリアするとコミュの開放とアイテムが入手出来ます。


Lily Diva……

修学旅行から天宮市に戻って一か月経った。その前に夏休みがあって俺は精霊たちと遊びながら宿題をし、家事をする……そんな重労働をしながら過ごしたのであまり記憶が無い。で、今何をしているのかと言うと天央祭で勝つための決起集会をしているのである。しかし、聞いているとどう聞いても軍隊のあれにしか聞こえない。そうしたら、生徒会が過労で倒れたので誰か入って欲しいとの事……まあ、やることないし俺から立候補した。その後は色々説明を受けた……かなり時間が掛かってしまったが。

 

 「天央祭って、あんなに気合入れるもんか?逆に怖いわっ……」

 

実行委員の亜依、麻衣、美衣の三人組は恐ろしいほどの執念を持っていて引いた。別に勝たなくても、楽しめればいいと思う……

 

 「ただいま……もう食べてたのか」

 

 「お帰り、士道……十香ちゃんがお腹すかせてたから」

 

今この場に居るのは、十香、四糸乃、琴里、耶倶矢、夕弦、凜祢である。恐らく、俺の分だけを取っておいて、後は皆で食べるつもりだったのだろうが十香が恐ろしい勢いで食べ進めているので直ぐになくなった……結構、量があったと思ったのだが。

 

 「士道……体調は、問題ない?」

 

 「ん?別に、問題ない。なんかあったらお前らに言うし……」

 

最近、琴里がよく体調を気にしてくる。理由として思い浮かんだのは天使を召喚したことによる体調不良だろうと思っている。それを気にさせないためにも使わないようにしないといけない。

 

 「お前も、天央祭来るか?俺、実行委員になったから居ないけど……」

 

 「多分行かないわ……今の所、四糸乃を行かせようと思っているわ。令音が居るし大丈夫だと思うけど」

 

俺達が出店するのはメイド喫茶……四糸乃には早い気がする。しかし、どうやって教諭に話を付けたのだろうか?あの三人組は。

 

 「女装?いや……無いな」

 

 「どうしたのよ、変な性癖でも目覚めた?」

 

 「俺が男なのにメイド喫茶ってどうなのかなって……」

 

今考えていたのは永久的に厨房で料理を作り続けることだ。まあ、この量を毎日作っているので特に何も思わない。それに、凜祢もいるので二人で回せると思う。

 

 「要するに居ていいのかって事?別にいいんじゃない?女装を強要させられなければ」

 

 「強要させられるのか!?流石に……無い、よな?」

 

それを無い事を祈りつつ、部屋に戻ろうとした……しかし、何となく呼ばれている気がしてベルベットルームに足を向けた。

 

 「あ、君……来てくれたんだ」

 

 「久しぶり……なのか?此処って時間の感覚がよく分からないから」

 

今日はちゃんとイゴールが居た。偶に居なくなるのはいったい何をしているのだろうか?

 

 「貴方様は奇跡を起こした……そして、また新たなる可能性の芽を掴み始めている最中でございます……あと、二つ。貴方様にはまだ、可能性が残っております」

 

 「まだ、増えるってことですか?メサイアみたいな奴が……」

 

 「左様。わたくしのお客人が使っていたペルソナを扱えるようになるでしょう……」

 

イゴールが言うには奇跡を起こした者、真実を照らし出した者、神に叛逆せし者。その三人のペルソナが使えるようになりつつあるらしい。聞いていて実感は湧かなかったが。

 

 「伝え忘れておりましたが……貴方様に別の力が目覚めています。それはとても不安定になっていると言う事だけ伝えておきます……」

 

 「別の……力?絆じゃ、無い?」

 

何だろうか……一応、頭の片隅に入れておいた。そして、本題を切り出す。

 

 「マリー……俺達バントで演奏するんだけど……何がいいと思う?」

 

 「え?それが聞きたかったの?なら、これがいいと思うよ」

 

渡されたのは『True Story』という曲だった。確か、アイドルの久慈川りせが歌っていたような……

 

 「これね……一緒に歌ったんだ。もちろん、君のよく知ってる久慈川りせとね」

 

 「アイドルと歌うって、どんな体験してるんだ……まあ、ありがとう」

 

 「私も一緒に歌ってあげようか?どうせ君のお祭りに行くつもりだったし」

 

行く?よく聞くと、ベルベットルームの住人は自由気ままに外に出ているらしい……大丈夫なのか、主?

 

 「じゃあ、言っとくな……またな。マリー」

 

マリーの参加を言っておかなければ……それと、俺はどのポジションに居ればいいのかも聞いておかないと……それを考えながら眠りに着いた。

 

 「此処が……竜胆寺女学院か。めっちゃ気まずい……」

 

 「まあまあ、気にしないの……五河君も、女装することが決まったんだし、気まずくなんて無くなるよ?」

 

今日、マリーの参加と俺の立場を聞いた所……マリーの参加は許可されたが俺は何故か女装する羽目になった……どうして。

 

 「名前変えないと駄目だね……士織ちゃんとかで良いんじゃない?」

 

そうして俺の女装した時の名前は五河士織になってしまった……気持ちを沈めながら会議室に案内され話を聞く。竜胆寺のリーダーはアイドルの誘宵美九だった。少し、おかしい所はあったが……皆を連れてこなくて正解だったと思う。しかし、俺を見る目が鋭いというか、嫌悪感を抱かれてるというか。

 

 「…………琴里……今、大丈夫か?」

 

 「どうしたの?今日は会議があるはずでしょう?」

 

 「今は休憩時間だからな……ちょっと調べて欲しいんだ。誘宵美九について……もしかしたら、精霊かもしれない」

 

調べてもらった所、誘宵美九は聞く麻薬と言われるほど人気が出ている。そしてライブは女性限定で、気に入った女性をお持ち帰りする……要するに百合っ子だと言う。だから俺の事を嫌っていたのかと理解する。

 

 「で、どんな感じだったの?」

 

 「洗脳……かな。反対意見を言うとねじ伏せられるんだ。それは違うと思います……って」

 

 「洗脳、あり得そうな話ね。今の所、確認できていない精霊が居るのよ……識別名<ディーヴァ>。もしかしたら、彼女かもしれないわね」

 

そうして、電話を切って会議に戻る。やはり彼女、誘宵美九は洗脳をしている可能性が高い……俺は何も言わないで周りを観察していた。誰も、反対意見を言わない。段々と洗脳され始めていると思った。しかし、俺には何も効果が無かった……精霊の力、霊力を持っているからであろうか。

 

 「今日はこれで終了です……皆さん、お疲れ様でしたー」

 

それで、終わったのは良いが……何故か俺が呼び止められた。よく分からないが別の部屋に通され、美九と二人っきりの状況になる。

 

 「貴方、精霊ですか?私の”声”が効かないなんて……」

 

 「精霊じゃない……ってことは言えるな。どうしてそんなに俺の事を嫌ってるんだ?」

 

 「男なんて醜いッ!!私を殺して、(ころ)して、(ころ)してッ!!私を信じてくれる人なんていないッ!!」

 

自分を信じてくれた人が裏切った。何もかも壊された。死のうと思った。その時に”神様”が来てくれて私に”声”をくれた……そう、話す彼女はとても可哀想だと思った。そう、狂三の様に。

 

 「なら、俺が信じてやる。ファンになってやる。俺が、お前を肯定してやる」

 

 「どうせ……裏切るつもりのくせに……」

 

 「なら、見せよう。俺がお前を肯定するって。天央祭で俺がお前とデートして満足させられたら、認めてくれ」

 

そうして、人を信じられない少女と全てを肯定する少年の戦いが始まる。

 

 「やるじゃない……早速デートの約束を取り付けるなんて。それにしても……似合うわね」

 

 「メイクとか作法とか狂三に教えてもらったけど……そんな似合ってるかぁ?」

 

一応、一人で出来るように教えてもらった……けど、自分の姿がこれだと信じたくない。変な方向に目覚めそうだ。

 

 「じゃあ、明日から頑張ってね?”おねーちゃん”?」

 

おねーちゃん呼びが怖いよ……そう思いつつ次の日。

 

 「設営もこれでやるのか……恥ずかしい」

 

只今、俺、五河士道は女装して五河士織になっている。もちろん女子生徒の服を着て、だ。しかし、意外と好評で、危険な発言も聞こえた気がする……あいつが男なんて信じられねぇよ、って聞こえた。襲われないように気を付けないと。

 

 「あの?オリガミさん?何故、一眼レフのカメラを持って俺を撮ってるんです?」

 

 「貴重な姿を撮影するため。女装した、士道はとてもレア。今のうちにたくさん撮っておく」

 

パシャパシャと撮られながらも設営を続ける。しかし、うちの高校が出すのはメイド喫茶。俺もメイドにならなくてはならない。俺の何かが壊れて汚れた気がする……

 

 「……美九も居るのか。ちゃんとやってるみたいだな……」

 

 「あれ?士道さん……居ない?」

 

美九が俺と話をしたがっているのかあちらから接触してきた。しかし女装した俺に気づかない。周りの人に聞いて何処に居るんですかと聞いて回っている。そして、俺の前に立ち止まる。

 

 「貴方……本当に、士道さん、ですか?」

 

 「はい、そうです……本当にすみませんでした……」

 

 「男なのに……何でこんなに可愛いんですかっ!!……体が!!勝手に!!」

 

少し動揺はしたがそう言えば百合っ子だったなと思い気にすることはなかった……抱きついてくること自体は十香で慣れているので、動くことなく宥めるような感じで場所を移動した。

 

 「急にどうしたんだ?デートは明日だろ?」

 

 「何で、私に手を差し伸べるんですか?」

 

 「何で、か。前の俺みたいだからかな?そんな思いをさせたくない」

 

たったそれだけの理由。それで納得してくれとは言えないけど心からの本心。そんな人を増やしたくないから俺はこんなことをしている。

 

 「別に信じなくたっていい。俺が好きでやってることだ……まあ、明日のライブとかうちの所に来てくれたら嬉しいけどな」

 

そうしてその日を終えたのだが……彼女が思っていたのは、それよりももっと酷いものだった。

 

 「うふふ……士道さんは私だけのもの……士道さん、士道さん、士道さん……!!私を助けてくれた、人に嫌な事なんてしませんよ……うふふ」

 

そうして天央祭当日。うちのメイド喫茶は大盛況だった……何故かって?俺が居るからである!!

 

 「士織ちゃーん!!こっちにオムライス一つ!!」

 

 「はーい!!今行きまーす!!」

 

こんな風に大盛況である。これが朝一番からずっと続いているのだ……一応、四糸乃と令音さんが来たのだが。

 

 「士道、さん?とってもきれいでかわいいですよ?」

 

こんな純粋な目で見られて死にそうになった。もう、女装はしたくないと思う理由の一つになった。

 

 「いらっしゃいませー……って美九か。来てくれて嬉しいよ」

 

 「来ちゃいました……うふふ、何がいいですかね?」

 

何となく美九の雰囲気が変わった気がする……前よりも怖くなったと言うか……目が虚ろになっている気がしてならない。

 

 「俺のお勧めのオムライス……まあ、簡単に書くけどな」

 

すらすらと美九の名前を筆記体で書く。これだけは何故か得意で俺がオムライスに名前を書くことが仕事になった。

 

 「うふふ……可愛いです。ありがとうございます……」

 

俺の手を握ってくるのだが……触り方が優しすぎる。日が進むにつれて何か美九の中で心境の変化があったことは間違いないと思うのだが、おかしくなったと言うのが正しいだろうか。

 

 「ツルツルのすべすべですねー……もっと触りたくなっちゃいます」

 

 「そ、そうか……そろそろ時間だから、次はライブでな」

 

俺はその場を後にする。一応、休憩時間にはなっていたので少し休憩をした。

 

 「士道……お疲れ様。大変だったね」

 

 「ああ、凜祢か……まあ、結構疲れたかな」

 

メイド姿の凜祢は思ったよりも映える。それを俺の脳内フォルダに永久保存しつつ、手に持っていたコーヒーを飲み切る。

 

 「……美九の事なんだけどさ……どう、思う?段々変わってきてるのは分かるんだけど、怖いんだ……」

 

 「士道の事しか見えてない……そんな風に見えたかな。自分を助けてくれたから、異常な執着心で動いてるのか、それとも他の想いなのかは分からないけど。でも、士道の気持ちをぶつければいいと思うよ」

 

想いをぶつける、か。彼女はアイドルである。なら歌で想いをぶつけれればいいだろうか?と思う。そうして、ステージへと向かった。

 

 「な、何それ……あははは!!君、ふざけてるの?……ぷぷっ……」」

 

 「ふざけてないよ……何かこうなった……」

 

 「まあ、いいか。久しぶりに歌うな……頑張ろ?」

 

そうして、会場へ向かい、歌う。配置としては俺とマリーがギター、夕弦がベース、耶倶矢がドラム、折紙がトランペット、狂三がサックス、凜祢がキーボード、十香がタンバリンという編成だ。マリーの話によると編成が全く同じになっていると言う話だ。だからあの時を思い出しながら楽しく演奏出来たと言う。まあ、俺もかなり本気を出して歌ったので引かれてないかなと心配になる。

 

 「ふぅ……楽しかった。やっぱり歌うのって楽しい……」

 

 「あああ……黒歴史が増えたぁぁ……」

 

琴里のネタにされることは確定した。もう、嫌だ。今直ぐに記憶を抹消したい。

 

 「あ!士道さん!!歌、良かったですよ。私の歌も聞いてくださいね?」

 

嵐の様に美九は去っていった。段々とおかしくなっている気がする……皆を洗脳してでも、俺と一緒に過ごしたいという信念というより執着心が見えた気がした。

 

 「あの子、もう壊れるよ。何かの衝撃で絶望する……君が止めて。君にしかできないから」

 

 「ああ、絶対に止める。マリーも帰った方が良いと思う……此処に居ると事件に巻き込まれる可能性が高くなるから、さ」

 

 「うん……ありがと、心配してくれて。君も頑張って。絶対救って……」

 

そう言ってマリーは帰っていった。そして、美九の歌が始まった。途中から彼女は精霊の力を使い始めた……急に服が変わった、霊装だと思うが……それで観客を沸かせていた。

 

 「士道さん……私は輝いてますか?貴方にふさわしいでしょうか?」

 

体が震える……俺しか見えていないのが分かった気がする。絶望から掬い上げたことで他の人が信じられなくなったといった所か。俺がどれだけ希望で、他の人がどれだけ絶望の原因か……それが分かってしまったからこんな風に精霊の力を使っているのだろう。

 

 「ねぇ士道さん。私は貴方が大好きです……貴方と一緒に居たい、私の願いはそれだけ。一緒に居ましょう?」

 

俺はステージに入り、美九と話していた。観客の目の前でこれは……恐らく皆、洗脳を受けているので何も思っていないのだろう。精霊の皆もステージに入ってこない。

 

 「それは出来ない……確かに俺は美九の事は好きだし、助けてやりたい。でも、これは違う。俺は皆が好きなんだ。だから、これは認められない」

 

 「私は、士道さんとずっと一緒に居たいんです。私は……貴方の幸せも守りたいっ!!……だけど、私はそれは出来ないっ!!」

 

矛盾した想い。一緒に居るとなったら、俺は悲しむ。皆と居るとなったら、俺が離れていく。どちらも悪い方向になってしまう想いを美九は決めかねている。

 

 「俺は、お前ら全員と一緒に居たいって言った。だけど俺は一人一人ちゃんと一緒に居る時間だって作る。だから信じてくれっ!!俺を!!お前の希望になった俺を!!」

 

 「私は貴方を……信じたいっ!!」

 

手を取ろうと思った時、アリーナに巨大な穴が開いた。其処から大量の魔術師……そこには見覚えのある顔が見えた。

 

 「エレン、さん?……確か、アプテタス?」

 

その人たちが美九以外の精霊を攫って行った。俺は動こうと思ったが動けなかった。確か、随意領域だったか……恐らくそれに阻まれて動けなかった。

 

 「十香ッ!!皆ッ!!」

 

 「ああ……ああ。わ、私のせいで、皆さんが……ああああああああああ!!」

 

 「美九っ!!駄目だ!!そっちに行っちゃ駄目なんだっ!!」

 

彼女ら魔術師が居なくなり動けるようになると俺は美九の元へ駆け出して抱きしめていた。ただ、宥めて、落ち着かせて。

 

 「ああ……ああ。わ、私……士道さんに……嫌われる……嫌、嫌ああああ!!」

 

 「嫌いになんかならない!!だから、大丈夫だっ!!」

 

かなりの時間が経っただろうか。観客は避難している為俺達だけがステージに居る。何も聞こえないステージで美九のすすり泣く声が聞こえていた。

 

 「うっ……ぐすっ……士道さん……私……」

 

 「大丈夫だ。俺は嫌いになんてならない。離れて行ったりしない……だから安心してくれ」

 

彼女が落ち着くと急に転送された……見慣れたフラクシナスの場所に琴里と令音さんが待っていた。横には四糸乃が……怯えながらも待っていた。

 

 「士道!!無事だったとは……言えないけど……彼女が誘宵美九?」

 

 「そうだ、とりあえず落ち着かせて眠ったから医務室に運んでくれないか?」

 

彼女は泣き止んだ後、俺に寄りかかって眠ってしまった。あんなことがあり、疲労とストレスで眠ってしまったのだろうと思う。

 

 「まさか、DEMが襲撃してくるとはね……私達も洗脳されてたみたいだから判断が遅れたわ……」

 

 「やっぱり機械で聞いていても洗脳効果があるのか……」

 

これからどうするか、それはもう、決まっている。DEMに乗り込む。それだけだ。

 

 「士道……何処に行く気?」

 

 「もちろん、DEM社だ。社長と話を付けてくる、それだけだ」

 

俺は転送装置に乗り、地上へ降りた。空間震警報が鳴り響く住宅街を歩き続け、DEM社へ着く。空間震警報は誤報だとは直ぐに分かった。何故なら、此処だけは入り口が空いていたから……そうしてその入り口からぞろぞろと魔術師の集団が襲い掛かってくる。

 

 「社長と話くらいっ!!させろよっ!!<鏖殺公>!!」

 

十香の天使、鏖殺公を召喚し斬りつける。十数人の魔術師を退けて受付に入るが何も機能していないので社長室があると思われる場所まで階段で行くことにした。しかし、話を盗み聞きしていると社長室には居ないとの事……精霊の監禁室。其処に皆が居る、そして俺が話したい、アイザック・ウエストコットが居る。俺はそこへと歩き始め……向かってくる魔術師を制圧していた。

 

 「此処か……開かないし、無理やり開けるか。<灼爛殲鬼>……<砲>」

 

扉を壊し、中へ入ると十香、狂三、耶倶矢、夕弦、凜祢が眠ったまま何かのコードを付けられ座っていた。その手前には、スーツを着ている件の人物が居た。

 

 「アイザック・ウエストコット……貴方は何がしたいんですか?精霊の力を使い、何をするつもりです?」

 

 「答えよう、イツカシドウ。私は、精霊になりたいのだよ……精霊を生み出し、私は精霊の絶対的な力に見惚れた。私はそれが欲しいのだよ」

 

 「それならどうしてこんな事を?貴方には作る力があるはずでしょう?」

 

体をこちらに向けてこう言い放った。

 

 「私は、霊結晶ではなく反霊結晶が欲しいのだよ。もともと精霊の核となるものが絶望し、元ある姿へ戻った時……力は最大限発揮される。私はそれが欲しいために君を此処に連れてきたのだよ」

 

そう、話した時、彼女達全員が目覚めた。そうして、俺は後ろから腹を思いっきり刺され、抉られた。

 

 「……本当は、こんなことをしたくはなかったです。貴方と再戦する約束が消えてしまったのが、私にとっての後悔でしょう……」

 

その、声を聴いて、俺は意識を閉ざした。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 「えっ?折紙?何をしようとしてるのよ」

 

 「DEM社。彼は一人でそこへ向かった。恐らく、精霊も関係しているはず……ほら」

 

其処には精霊の反応が見られた。場所は……DEM日本支社。

 

 「私は行く……彼を迎えに行く」

 

 「はぁ……分かったわよ。一応、精霊もいるみたいだし。皆!出撃準備よ!」

 

そうして、出撃をしDEM社へ着いたのだが……

 

 「何よ、これ……」

 

其処には、大量の魔術師が倒れ、ナイトメアと機械人形が戦いあっていた。

 

 「ああ、折紙さん。いらしたのですね……」

 

 「士道は何処?」

 

 「わたくしの本体が居る場所……恐らくあそこでしょうか?一人で向かわれたようですので、助けに行ってくださいまし……こちらはこちらでやっておきますので」

 

 「分かった……」

 

折紙がナイトメアと会話している……彼女は精霊に対して強い感情を抱いていたはずなのにこんなにも変わっている。心境の変化でもあったのだろうか。

 

 「折紙?私達も機械相手にやってるから……あんたは行ってきなさい。私達がどうにかするから……」

 

その時、ビルの一角が爆発し黒い光が溢れ出ていた。

 

 「くっ……本体が絶望し始めていますわ!!折紙さん!!早く行ってくださいまし!!」

 

 「了解っ!!」

 

ただ彼の事が心配だった。彼が絶望した私を救ってくれたのに死んでしまうのは嫌だから。

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

暗い、ただそれだけの空間。俺は何をしていたのだろう……何か、大事な事をしていた、気がする。

 

 「…………ぁ……ぇ?」

 

声も出せず、動くことも出来ず。このまま消えるのを待つだけの運命なのだろうかと思った。

 

 「…………っ……がぁ」

 

目の前に暗い中でも光り輝いている二つのカードが降りてきた。確か……星と、死神……だったはずだ。

 

 「ぐっ……ぐぉ……!!」

 

今思っている事……ただ生きたいという本能に動かされている。そのカードを掴めと本能が言っている。

 

士道さん、貴方は、まだ、死んでは、駄目ですわ!!

 

星と死神のカードを重ね合わせ……嚙みついた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 「ガァァァァァッァ!!」

 

それは獣、約束を果たすために生きるだけの本能。

 

 「タ……ナ……ト……ス……!!」

 

召喚器をこめかみに当て、撃つ。そのペルソナは、今までのペルソナではない……ナイトメア<時崎狂三>と関わったことにより精霊の力とペルソナの力が混ざり合った神。

 

 「グルルルル……ガァァァァ!!」

 

 「何ですか……これはっ!!」

 

目の前に居た人間を片っ端から攻撃する。俺に敵意を向ける者、邪魔をしようとする者それだけが対象に入れられる。

 

 「…………ガァ!!」

 

随意領域すら破壊し、生身に傷を付ける……そして、彼女の付けていたパーツの一部を破壊した。

 

 「ほう……彼は、獣となり、彼女らは反転したか。しかしこのままだと回収すら出来ない、いや、させてもらえないか」

 

 「ガァァァァ!!」

 

 「アイク!!」

 

斬りつけることはなかった。ただ壁に大穴を開けた。

 

 「やはり、私の事を心では理解しようとしている、と言うわけか。面白い……エレン、此処は撤退しよう」

 

 「私も、そう思います。流石に分が悪いです」

 

二人が去ると、何か憑き物が落ちたように意識が覚醒した。

 

 「うっ……ガァァ……あああ……」

 

痛み、身体を無理やり動かしていたので体のあちこちが割れるように痛い。周りを見ると……亀裂、穴、奥には椅子が……そこに居たのは誰だったか。黒い鎧を身に付けた少女。白い軍服を身に纏った少女。黒い拘束具を体全体に巻き付けた双子。そして、修道女の着ているような黒いものを身に纏っている少女。その五人が俺を見つめていた。

 

 「貴様は……何者だ。此処は何処だ」

 

 「俺は……五河、士道……此処は、DEM社……の区画の一つだ……つっ!!」

 

後ろに顕現しているタナトスに体を支えられる。俺はもう、立っている事すら出来なくなっている。

 

 「何故貴様は、あの女から私達を守った?」

 

 「俺のやりたいことはお前らを救う事だ……だから……やったんだ。失敗……した、けど……な」

 

意識が消えかかりそうになるのを何とか耐える。今の所、タナトスとリンクしている状態になっているので俺が倒れればタナトスも消える。

 

 「ふん、馬鹿な奴だ。己の体が傷つこうとも戦う、その意思は認めてやろう……しかし、私を絶望させたのはお前の力が足りなかったからだろう。なら、今の私と闘え」

 

 「戦う?……直ぐに終わるか?」

 

 「お前によるがな」

 

我は汝……汝は我……

汝、新たなる絆を見出したり……

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

汝、戦車のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん……

 

何か分からないが、戦わないと認めてくれそうもない。彼女以外の周りの人は椅子に座ってこの状況を観察している。

 

 「では、始めるとしよう……<暴虐公>」

 

 「さっさと……終わらせたいっ!!」

 

剣と銃剣が音を鳴らす。しかし、それだけでは無く手に持っている<鏖殺公>でも追撃を放つ。無意識にでも、生存本能が働いているのか体から痛みを感じないで動けている。

 

 「ふっ!!……遅いぞ。もう、決着を付けるとしよう……<暴虐公>、<終焉の剣>……!!」

 

そう言うと、剣は巨大化し、それを振り下ろしてきた。

 

 「はっ……ぐっ……」

 

タナトスで受け止めているが……俺も限界が近づいている。しかし、ある事が頭に過る。

 

 「タナトスッ!!……<四の弾>!!」

 

それを俺に撃つと体の傷が消えていき何の傷もない体になった。やはり、狂三の天使が使えるようになっている。それが分かったなら……

 

 「<一の弾>ッ!!」

 

それを撃ち込み、剣を弾いて、彼女の首に剣を向けた。

 

 「ほう、やれば出来るではないか。なら、任せられそうだな……」

 

 「君は……十香とは違うの、か?」

 

 「あちらの方は十香と呼ばれているのか……なら、貴様。名前を付けろ」

 

あの時みたいに名前を付けろと言われた。しかし、思いつかないので10日を英語読みした。

 

 「天香、で、どうだ?」

 

 「ふむ、天の香……いい名ではないか人間。今日はこのくらいにしておいてやろう。お前は十分に私に力を見せたからな……」

 

 「そ……うか。はぁ……ぐっ……」

 

戦いが終わったため急に体中に痛みが走り気絶しそうになる。それを何とか耐えながら話を聞く。

 

 「少なくとも、私はお前の事を好きにはなったな……餞別だ」

 

彼女が優しいキスをした。それに続き、白い少女が、双子が、黒い修道女の女の子がキスを順番にし終えたところで俺の意識は途絶えた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 「ぁ……うぇ?」

 

 「目が覚めた?阿保で馬鹿なおにーちゃん?」

 

隣には琴里が座っていた。フラクシナスなのだろうが……見たことが無い場所だ。

 

 「此処は重傷者を入れる為の医務室みたいなものよ。士道は倒れてここで一週間は寝てたかしら」

 

 「ぁ……ぇ……」

 

声が出せない……掠れている。体も自由に動かすことも、何一つ出来ない。

 

 「士道は暴走して、反転状態の精霊と面と向かって話してたんだし。仕方ないわよ……ほとんど私のせいなのにね」

 

悲しそうな声で言ってくる。俺は話すことすら動くことすら出来ないので話を聞くことしかできなかった。

 

 「今は、休んで。明日から会ってもらいたい子がいっぱいいるから」

 

それを聞いて、また眠りに着いた。次の日には動けるようにはなっていたが声は出なかった。

 

 「…………」

 

 「誰に会うのかって?もちろん、精霊の皆よ」

 

とある一室、フラクシナスでも厳重にロックされている場所。住めるようにはなっているが、無機質な部屋だ。其処には、十香、四糸乃、封印されていないはずの狂三と美九、凜祢、耶倶矢、夕弦が居た。

 

 「まあ、座りなさい……皆、とりあえず士道は生きてるわ。結構ボロボロからここまで復活できたのも奇跡だけど。士道は今話せない状況だから、其処も考えてね。じゃあ、ごゆっくり」

 

そうして琴里は部屋を退出した。俺は座っている彼女らを見ながらどうしようかと悩んでいた。そうしていると凜祢が話を切り出した。

 

 「何て言えばいいんだろう……私達が士道をちゃんと見てあげられなかった。それだけが皆思ってることだよ」

 

 「…………!!」

 

 「そんなこと無い?ううん、私達は士道がどれだけ大変だったか分かったつもりだったの。それに甘えて、何もしてこなかった。それが私達に返ってきた……士道が傷つくことがその代償だよ」

 

皆は何もしてあげられなかった事に後悔している。何も出来ない無力感に包まれ、どうすればいいか分かっていないのだ。

 

 「…………?」

 

 「何で、わたくしが居るのか?ですか?……覚えていらっしゃらないと思いますけど、わたくし封印されましたの。士道さんに」

 

その言葉を聞いた時に情報が流れ込んできて頭を抱える。狂三が精霊になった理由。そして、精霊にする人物。

 

 「士道さんにも視えたでしょう?わたくしはそれを悲願としてこの人生を生きてきましたわ。しかし、この先どうすればいいのか、分からなくなっていますの」

 

 「…………!!……?」

 

 「それがどうした……皆、士道さんと一緒に居たいなら一緒に居よう……ですか。わたくしもそうしたいですわ。出来ることならですけど」

 

皆、不安を抱えて、俺を心配している。それを考えなくてもいい世界を作る、俺はその力がある……なら、答えは簡単だ。

 

 「…………!!……」

 

 「世界を自分好みに作り替える?士道さんは本気で言っていますの?」

 

 「…………?……」

 

もう一人の自分、ペルソナを使える俺ならそういう事も可能であると思う。奇跡を体現した俺なら。

 

 「私は信じるぞ……シドーは何だってやってきた。今度は私が支える番だ」

 

皆が俺を支えてくれる。その思いに答える。その時に何かが芽生えた。

 

 「…………」

 

 「うむ。どういたしましてだ!!」

 

話し終わった彼女らはぞろぞろと部屋を出ていき美九と二人っきりの状態になった。

 

 「士道さん……私は、貴方を支えたいです。今の士道さん、昔の私みたいですから」

 

そうして唇を合わせた。力が流れ込んでくる感覚が感じられた。

 

 「大好きですよ、だーりん?」

 

約束を果たすため、皆が幸せに過ごせる世界を創る為に俺は動き始めたんだ。




クエスト Truth をクリアしました。
恋愛コミュ ディーヴァの開放と破軍歌姫<ガブリエル>を入手しました。
戦車コミュ プリンセス反転体が開放されました。
条件を満たしたことにより、刻 タナトス・刻々帝が開放されました。
愚者 イザナギが使用可能になりました。
levelが50になりました。
愚者、女帝、隠者、死神、刑死者、正義、悪魔、剛毅のRankが5になりました。
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