PERSONA in デート・ア・ライブ   作:零之悪夢

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隠しイベント Install が開放されました。
普通の難易度よりも高難度です。推奨レベルは50以上です。
選択肢を間違えると最初からやり直しになります。
クリアするとコミュの開放と???が仲間になります。


Install……

万由里の一件から数日。俺達は精密検査をされたり等々……また、忙しい毎日を過ごしていた。思っていた通り、万由里も自分のクラスに転入して来た。そして案の定、俺に視線が集まり男子の呪いの言葉が聞こえてくる羽目になる。そんな学校生活を過ごしていると、ある時フラクシナスに来てくれと琴里から呼び出された。

 

 「言われた通り、来たけど……」

 

 「遅い……まあ、万由里に学校案内してたのは分かってるからいいけど。とりあえずそこに座りなさい」

 

俺が通された部屋は機械の配線が繋がっている椅子……それが、十数個ある場所だった。嫌な予感がする……

 

 「士道、貴方にはVRでマイ・リトル・シドー2をやってもらうわ」

 

 「まさか、あの時の……!!」

 

そう、艦橋で話した時の”あの”ギャルゲーが進化したのだ。嫌だ!!やりたくない!!

 

 「やめろ……!!死にたくない!!死にたくないっ!!」

 

 「グットラック……」

 

そうして俺の意識はゲーム世界へ取り込まれた。

 

 「あ?……此処は、家?」

 

気づいたら、家のソファーで横になっていた。少し周りを見渡すと、いつもいる家とは違う……モデルルームの様な異質さがあった。

 

 「繋がってるかしら……士道?聞こえる?」

 

 「最悪の気分で目覚めたよ……で、どうすればいいんだ?」

 

 「これはギャルゲー……要するに女の子を落とせばオッケーよ」

 

やりたくないという気持ちと面倒臭いと言う気持ちがありつつも出る為に家から出て商店街へ向かった。いつも通っている道を歩いていると横から誰かとぶつかった。何だ、このギャルゲー感は。

 

 「……ああ、士道か。偶然だな」

 

 「ん?天香……はぁ!?」

 

今、思うと俺がやる前提のゲームなので攻略ヒロインは俺が封印した、または知っている精霊であると言う事になる。なので、天香が居るのは当たり前なのだ。

 

 「どうした?そんな驚いて……まさか、私の事を考えながら歩いていたのか?変態め」

 

 「確かに、天香の事を考えながら歩いてたけど……変態呼ばわりはやめて欲しい。だって俺は、お前が好きなんだからな」

 

とりあえずゲームなのでこんな風に言っておけば好感度が上がるはずである。見ると顔を赤くしながら俺に近づいて来て主に腹をぐりぐりと攻撃してきた。

 

 「そうか……なら、私とデートがしたいと言うのだな?今直ぐデートに向かうぞ」

 

 「分かった……じゃあ、何処に行く?」

 

 「ちょっとストップ。とりあえずここまでにして頂戴……ヒロインの行動は確認できたから町の様子を見て頂戴」

 

琴里からストップが入り、俺は町を見て回ることにした。俺以外の人はNPC……ノンプレイヤーキャラクターであるため、俺が話したことがある人物はそのまま再現され、話したことが無い人物は情報の通りに再現されるとの事。その説明を聞きながら住宅街を歩いていると、俺の記憶にない白い少女が立っていた。

 

 「し……う……きこ……!?そ……い……だ、め!!」

 

 「ん?琴里?令音さん?」

 

二人の声にジャミングが掛かり声が聞こえなくなった。あの白い少女に近づいて行った時、ジャミングが掛かった気がする……原因が分かったのでとりあえず接触を試みることにした。

 

 「貴方に問います。愛とは、何ですか?……愛とはどんなものなのですか?私は、それを知らない。だから、知りたい」

 

 「愛、か。説明はしずらいな……俺個人の意見だったら、その人が好きでたまらなくて……絶対に守ってやるって言う気持ちかな」

 

 「それが、貴方の愛……なのですか?」

 

愛は一人一人考えが違う。誰がどう考えているかなど分かりやしない……分かるとするならば神様か何かだろう。

 

 「俺なりの愛だな……でも、愛って人それぞれだから他の意見も聞いた方が良いと思うけど……」

 

 「五河士道と愛を形成できる人物を検索……検索完了。アクセスを許可しました」

 

アクセスを許可?と言う事は俺は此処から出られない……とか、言わないよな?

 

 「士道!!そいつから離れなさい!!」

 

とりあえず言う通り後ろに下がる、少しだけ。

 

 「で、何が起こってるんだ?」

 

 「そこに居る奴のせいで士道がゲームからログアウト出来ないのよ。そしたら、ゲームの方からメッセージで私達だけにログインを許されてこっちに助けに来たってわけ」

 

予想通りの展開だ。しかし、この子は閉じ込めようとはしてないとは思うんだが……何も分かってないと言うか、機械的と言うか。

 

 「ちょっと待て。武器を仕舞なさい……お前らは戦争を起こす気か。あいつに敵対の意志は無いと思う。あいつ、何も知らないように見えるからな……例えるなら、機械みたいって言えば分かるか?」

 

とりあえずその場は納得してもらった。今この場に居るのは……十香、折紙、四糸乃、狂三、琴里、耶倶矢、夕弦、美九、凜祢、万由里である。メンバーを見て考えると俺の周りに居る女の子を集めましたと言った所だろうか。

 

 「あー。そういえば、名前聞いてなかったよな?」

 

 「私の名前は……或守。データベースに記録がありました」

 

或守、そう名乗った彼女は急に世界をリセットすると言って何かした。気づいた時には俺と琴里は五河家に居てどうしようかと悩んでいた。

 

 「もしかすると、初めからを選んだって事?」

 

 「ってことは……或守がゲームの権限を持ってるって事か」

 

ゲーム権限を持っているならば俺達は到底勝てない。ゲームの中に閉じ込められているならゲームのルールに従わなければならないのでそのルールにのっとって行動するしかないのだ。

 

 「はい、先ほどニューゲームで開始しました。私は五河士道の近くで愛の形成を観察します」

 

しかし、ゲームだからと言って何もしないと言う訳にもいかないのでとりあえず学校へ向かう事にしたのだが……何故か全員学校に居ると言うオチだった。

 

 「琴里は飛び級で、美九は交換生で……四糸乃は俺のクラスの担任か。何か変わんないな」

 

違和感はあるが学生の本業である勉学を行った。ゲームでもやった所が出てきたり……ハイレベルの問題が出てきたり……偏りがあった。

 

 「あ……よ、ようやく……終わった……」

 

 「士道?大丈夫?」

 

 「折紙は、疲れないか?」

 

首を横に振る折紙。流石天才は違うと思った。十香はスライムの様に溶けているし、勉強できる凜祢や万由里でさえも体を伸ばしている。

 

 「はぁ……折紙って俺の隣のマンションに住んでる、設定なのか?」

 

 「そういう設定になっている。だから、夕飯を食べに行ってもいい?」

 

 「どうせ、量が多くなっても変わらん。良いぞ」

 

疲れを感じながら食材を買い、家に帰ると精霊と或守が話をしながら待っていた。それを横目に見ながら夕飯の調理を始める……あまり時間を掛けないようにしないと十香が暴走する可能性があるので手早く作る。

 

 「はいよ、親子丼。おかわりが欲しかったら言ってくれ……3分で作るから」

 

 「いただきますだ!!」

 

十香が食べ始めると他の皆も食べ始める……食べ終わって、皿を洗い、シャワーに入って寝た。流石に疲れすぎたのかベットで横になると直ぐに寝てしまった。

 

~十香の場合~

 

俺、五河士道は来禅高校で国語を持っている教師だ。最近、入ったばかりで未だに分からない事が多いが頑張っていると思う。一緒に入って来た同期の十香さんとは仲良くしている。今日は十香さんの愚痴を聞かされる会である。

 

 「もう……本当にあの子たちが……」

 

 「まあ、自分のクラスにもそういう子居ますよ……」

 

裏路地にある居酒屋で二人で飲みながら話す……十香さんはビールのジョッキを片手に話しているが俺は日本酒をちまちま飲みながら話を聞いていた。どう見ても酒豪である。

 

 「ひっく……ああ、本当にどうすれば良いと思います?士道さん?」

 

 「まあ、自分だったら話に行きますけどね……何度でも、何度でも、話に行って説得しますけど。十香さんだったら行動で示せばいいんじゃないですかね?」

 

国語の教師をしているから話すことに自信はあるが……十香さんは保険・体育の教師なのでそう言ったことは苦手だと思い、行動で示したらどうだと言ったのだ。それは思ったより効いたようだ。

 

 「そうですね。そう、してみます……」

 

 「まあ、自分から言えるのはこれくらいですから……」

 

そうしていると十香さんがじりじりとこちらに近づいて来た。一応、個室なので見られることは無いが流石にこれは……

 

 「士道さんは……好きな人、いますか?」

 

 「い、居ないですよ……十香さん?」

 

酔っぱらっているのか、それとも本当にやっているのか。それすらも分からなくなってきた……十香さんが体重をかけてきている。お酒の匂いと甘い匂いが混ざって正常な判断が出来なくなってきた。

 

 「士道、さん?私、士道さんが好きです……だから。良いですよね?」

 

 「はい、お手柔らかに……」

 

そうして服に手を掛けて……

 

純粋な十香はそんな事しない!!

 

~折紙の場合~

 

俺、五河士道。このカースト制が存在する都立来禅高校二年生だ。一応、言っておくとカーストの中でも上位に居る……何故かって?ある人に気に入られてる?から。しかし、それはとても大変である。

 

 「豚は豚らしく、ぶひぶひ言っていればいい」

 

 「ぶひっ!!ぶひぃ~」

 

そう、俺の上に居る……このカースト制で女王に君臨している鳶一折紙に気に入られて?居るのだ。要するにこき使われていると言う事だ。大体一緒に居るが、こんな風に椅子になれとか、足を舐めろだとか、酷いときは首輪を付けられたり等……

 

 「本当に醜い。救えないロリコン野郎。ロリDOHに改名したら?」

 

 「ぶひっ!!ぶひっ!!」

 

暫くこんな風に話していないと何処からか持っている鞭で体をしばかれる……とても痛い。だから逆らわないようにしている。そうしないとここでは生きられないのだ。

 

 「嗚呼、何故か苛ついて来た。豚は叩かれるのが当たり前」

 

 「ぶひっ!?」

 

 「泣け!!啼け!!鳴けっ!!喚け!!私のストレスを発散させろっ!!」

 

こんなことも偶にある。最近は頻度が多くなってきていて鞭の威力も上がってきている……俺の体は包帯塗れである。

 

 「あはは!!あはははははは!!」

 

 「ぶひっ……ぶ、ひっ……ごほっ……」

 

初めて吐血と言うものをした。目の前が真っ赤に染まり、床に血だまりができ始める。そうすると俺の頭は靴で踏みつけられ血だまりの場所で押し付けられた。段々と声が聞こえなくなってくる……

 

 「あ……やり過ぎた……こ……だ……し……!!」

 

気づいたら保健室だった……しかし、手と足を拘束されて。そして裸であった。

 

 「起きた?豚。豚が勝手に気絶するなんて生意気。だから、今から豚の大事な物を奪う。怖いでしょう?」

 

 「怖いよ!!止めてくれよ!!止めろーー!!」

 

そうして彼女の腰が下がり……

 

折紙……本当にやらないでくれよ?

 

~四糸乃の場合~

 

俺、五河士道。夢であった自営業を始めたばかりの成人男性である。何をやっているのかと言うとただの喫茶店みたいなものだ……しかし、人気なのか直ぐに常連さんが付いたので何とか維持できている。今日も常連の一人が店に入って来た。

 

 「こんにちは……」

 

 「やっほ~」

 

 「いらっしゃい。四糸乃、よしのん……」

 

学生であり、常連である四糸乃、そして左手に付けているパペット、よしのん。店を始めた日から来店してきてくれている本当の常連だ。

 

 「注文は?いつものでいいか?」

 

 「はい……お願いします」

 

彼女が頼むのは紅茶とケーキのセット。偶に、サンドイッチやパフェを食べることもあるがいつもはこれだ。

 

 「はい、どうぞ。で、今日は何処が分からないんだ?」

 

 「ちょっと待ってください……」

 

最近、勉強が分からないので教えて欲しいと言われた……まあ、俺も妹も勉強を頑張ったせいか妹は学年トップだし、俺は大学を首席で卒業した。暇だから勉強してたという理由だ。

 

 「ああ、ここな……やり方分からないとすぐ間違えるんだよな。懐かしい」

 

 「此処と、此処は分かるんですけど……此処が分からなくて……」

 

彼女……四糸乃は少し教えるだけで分かってしまう、天才少女なので教えているのかどうか怪しい。勉強をすると助言してくれるよしのんも居るので教えている意味があるのだろうかと思ったりもする。

 

 「後……これも教えてくれませんか?」

 

 「…………保健か。しかし、なんでこんなに詳しく書かれ始めたんだ?」

 

相変わらず、この日本と言う国は少子高齢化をどうにかしたいと思っているらしい……もう、無くなっていると思うのだが。

 

 「それで……あの、その……」

 

 「頑張って~よしのんも応援するから」

 

要するに、女性では分からない……男で唯一、頼れる人に聞いた方が良いと思い此処に来たのだろう。それならば答えなければならない。

 

 「あー……何となく、理解したけど……何処が分からないんだ?」

 

 「……………」

 

顔を真っ赤にしながら教科書に指を指す……思った通りの場所だった。これについてはあまり教えるのは……得意ではない。

 

 「勉強したから分かると思うけど……これがこの中に入ってだな……」

 

そこから、時間が経ち……大体を話し終わりお茶を飲んでいると急に四糸乃が抱きついて来た。

 

 「しどうさん……やっぱり、わ、分からない……ので……やってもらって、い、い、ですか……?」

 

その声を聴いて手を伸ばして……

 

俺のオアシスはそんな事しねぇ!!

 

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

 

 「はっ!!夢だよな……あれ以上見たら精神が持たん。とりあえずシャワーに入って忘れよう……」

 

あの夢はすごく具体的でリアルだった。口調や性格が変わっている場合が多かったが……心当たりがないわけではなかった。このゲームはギャルゲー、要するに権限を持っている或守がやっているのだろうと思った。愛を知る為にこのような方法でやろうとしているのだろう。

 

 「何やってるんだか……精神修行とかした方が良いのかなぁ……っ!!」

 

其処には凜祢と万由里が一緒にシャワーに入っている現場だった。もちろん、脳内フォルダに強烈に焼き付いた。俺はすぐさま扉を閉めた。

 

 「し、士道?入るんだったらいいよ?」

 

 「は、はい……し、失礼……します」

 

あまり見ないようにして、さっと椅子に座る。うちのお風呂も広いわけではないが四人位は入れるスペースがある。

 

 「で、二人は何でうちのシャワーに入ってたんだ?」

 

 「マンションの方が修理中になってたから借りに来たの。まあ、士道が入ってくることを予想してなかったこっちも悪いけど」

 

あちらの方は多分、権限を使ってこういうイベントを行ったのだろう。やはり上には上が居るのだと身を持って理解した。しかし……

 

 「凜祢サン?まさか、此処でやるんですか?万由里も怖いぞ?」

 

 「一応話しておいたの。そしたらやってみたいって言ってるから……じゃ、始めよう?」

 

あまり記憶は残っていないが良い思いをしたと思う。万由里も満足そうな顔をしている。此処が風呂場で良かった。

 

 「……此処でやるのは、危険だと思うんだが……のぼせそうだ」

 

 「上がろうか。じゃあ私達先に上がって着替えるね」

 

その後は三人でソファーに座りながら抱きしめ合った。一種の愛情表現になりつつあるこれは俺の欲望なのだろうか?そう思っていると皆が集合して作戦会議となった。いつも通りに過ごし、様子を見ると言う事にはなったが……

 

 「一ついいか?名前を考えたいんだ……或守の。呼びずらいだろ?」

 

 「名前ですか?」

 

考えている時間は多かったので候補はかなりあるが……やはりここは。

 

 「鞠亜……何てどうだ?」

 

 「鞠亜……データベースに記録しました。私の名前は或守鞠亜。名前……良い物なのでしょうか?」

 

困惑はしているが喜んでいるようだ。そうして、学校へ行き放課後。また、事件は起きた。あまりにも言えない物が多すぎるので軽く言うと。狂三=保健室の先生、めっちゃ危険。耶倶矢、夕弦=マネージャー。俺を落そうとしているがあちらが落とされる。美九=部活の部長。よく分からないが俺に付きまとう、ヤンデレだった。そして……凜祢と万由里は幼馴染という何処かで見たことのあるシュチュエーションだった為楽しく過ごせた。二人以外が強烈すぎてこちらが困惑を越えて引いてるのだが。

 

 「はぁ……強烈すぎる。俺の精神が持たない……」

 

 「あんたも大変よねぇ。まあ、あたしが気にする必要はないけど」

 

我は汝……汝は我……

汝、新たなる絆を見出したり……

絆は即ち、まことを知る一歩なり。

汝、太陽のペルソナを生み出せし時、

我ら、更なる力の祝福を与えん……

 

其処に居たのは黒い鞠亜。いや、違うAIだろう。鞠亜を善意とすれば、こいつは悪意だ。

 

 「何の用だ?俺達を閉じ込めた犯人が俺に直接的なコンタクトをするなんて不用心が過ぎるんじゃないか?」

 

 「へぇ。分かってたんだ。あたしは、或守鞠奈……あいつとは違う。せいぜい頑張って過ごしなさい」

 

鞠奈と名乗った少女は消えていった。そいつの事を皆に報告して、気を付けるようにと言っておいた。あいつがこの事件の黒幕。何がしたいかは分からないが注意することに越したことは無いだろう。

 

 「愛を知る為に今日の奴をやったんだよな?それだったら、俺達だけじゃない愛も見た方が良いんじゃないか?例えば……遊園地にでも行ってさ。明日休みだし」

 

そうして、遊園地に行くことになったのだが……大人数過ぎる。

 

 「鞠亜と俺は固定として……後は交代しながらだな。最初はどれから乗る?」

 

多数決により、ジェットコースターになったのだが……

 

 「ぎゃーーーー!!」

 

 「きゃーーーー」

 

 「うぉーーーー!!」

 

終わった後は皆死んでいる顔をしながら降りた。流石にやりたくない。途中で撮られた写真も皆、叫んでいる状態でこれを現像する気にはなれなかった。

 

 「次は、お化け屋敷?大丈夫か?」

 

 「問題ない」

 

 「だ、大丈夫……です」

 

心配だなぁ……と思いつつもお化け屋敷へと足を踏み入れた。脅かす人たちの場所が大体わかるので驚かなかったが、特に四糸乃は怯え切って俺が抱っこしながら進んでいる。折紙は俺の腰から離れず、鞠亜は俺の手を組んでいる。お化け屋敷は俺はあまり怖くなかったが、四糸乃は嫌いになったようだ。

 

 「次は、メリーゴーランド?しかも、お前ら二人かよ……回しすぎるなよ?」

 

 「大丈夫だって。回しすぎないように努力するから」

 

 「注意。気を付けて回します」

 

と、言ったが。早すぎてもう、吐きそうだ。鞠亜の方は何も感じないように目を閉じていた。

 

 「か、ぐや、ゆづ、る……も、もう……むり。と……」

 

 「ちょ!?士道?しっかりして!!士道ー!!」

 

数分の間俺は気絶していたようだ。三半規管は弱い事が分かったのでもう二度とメリーゴーランドには乗らない事にしよう。うん、そうしよう。

 

 「ごめん……士道。そんな顔しないで」

 

 「謝罪。やり過ぎました」

 

 「後で二人、俺に付き合ってくれ。ちょっと”おしおき”が必要みたいだしな」

 

俺の怒りのオーラがやばいと感じたのかそれを了承した。まあ、普通に荷物持ちにするだけなんだが。

 

 「次は、観覧車……七人乗りか。じゃあ、残りの人で乗るか」

 

隣は凜祢と万由里。反対は鞠亜、狂三、琴里、美九だ。まあ、ストッパー役の琴里と狂三が居るから美九も大人しいだろうし、景色を見ることに専念しよう。

 

 「ん……綺麗だな。VRとは思えない……すごい、綺麗だ」

 

 「何よ、お前の方が綺麗だとかいう奴の逆?いつからロマンチストになったの?」

 

 「素だよ、素。何か、色々と大きな出来事があったから、さ。俺が精霊を知って、救って。皆が居たから今がある。それが嬉しんだ」

 

荷物を八舞姉妹に任せながら帰路を歩く。この日常がずっと続けばいいのに……でも、それはずっとは続かない事を知っている。身を持って体験している。だから、前に進まなくちゃいけない。

 

 「買い物忘れてたな。買いに行くか」

 

皆がそれぞれの部屋に帰り、自らも家に帰って冷蔵庫を見ると何も入っていなかったので買いに行くことにした。晩御飯のメニューを考えながら買い物をし、帰る途中にまた、鞠奈に出会った。

 

 「もう、ちゃんとしてよね。こっちが困るんだから」

 

 「すまないねぇ」

 

彼女も根っからの悪人ではないのだろう。データの塊である事には変わりないが、彼女なりの心を持ってるのだろう。

 

 「お前も悪い奴じゃないんだな。ちゃんと優しいじゃないか」

 

 「なによ。あんたには関係ないでしょ。あたしが、五河士道みたいって言いたいの?」

 

名前が知られている。それは分かり切った事だった。

 

 「いや別に……お前も根は良い奴なんだなって。ほれ、お疲れさん」

 

余分に買っておいたジュースを投げる。投げたジュースをキャッチし、蓋を開けて飲み始める。

 

 「気が利くじゃない。今日くらいは褒めてあげるわ」

 

 「お前の目的は何時果たされる?」

 

踏み込んだ質問に彼女は……

 

 「もうすぐ分かるわ。あたしが何がしたいのか、何をしようとしているのか。明日、楽しみにしていなさい」

 

そう話した後、彼女はいつの間にか消えていた。明日、何かが起きる。それを考えながら休んだ。

 

 「それで、どうしたんだ?」

 

 「私が愛を、士道についての愛を理解するのにキスが必要なんです」

 

次の日の夜、呼び出された俺はキスをして欲しいと言われていた。恐らく、この後に何かが起きるはず。

 

 「まあ、それで分かるなら……ん」

 

キスをした。その後、鞠亜は苦しみ始めた。

 

 「そういう事か……権限が欲しかったって事か。鞠奈?」

 

 「そういう事。あたしはDEMで作られた精霊。だから邪魔するために此処に入って来たってわけ」

 

そうすると、俺は動けなくなった。これは、管理者権限によってゲームの進行などを制御できる力を使っているのだろう。

 

 「ちっ……逃げられた。とりあえずは連絡を……」

 

連絡すると他の全員は直ぐに集まった。そうすると、外の連絡も復旧し令音さんとも話すことが出来るようになったのはいいが。

 

 「このままだと落ちるってことですか?」

 

 「ああ……今、副司令とクルー達が頑張って制御しているが時間の問題だろう。これを止めるには……」

 

 「マザールームに行って鞠奈と話してこい……ってことですか」

 

彼女が逃げた先はマザールーム。情報であふれている場所。其処に彼女は逃げているらしい。

 

 「こちらもどうにかして耐える。そちらも頑張ってくれ」

 

 「はい、頑張ってきます」

 

通信を終え、今起こっている状況を皆に伝えた。

 

 「とりあえずは鞠奈の説得だな。最悪の場合、データごと消すことになると思う。それだけはしたくない選択だけど……」

 

 「そうさせないようにするのが士道でしょ?さあ、私達の戦争(デート)を始めましょう?」

 

そうしてマザールームに入ったのは良いのだが……

 

 「何でこんなに居るんだ?多すぎだろ……」

 

 「あたしは分身を作れるから。来ないで欲しいから時間稼ぎって事」

 

時間稼ぎ、か。別々になって攻撃していくしかない。そう思い、琴里に話しておく。

 

 「分かったわ……最後に、死ぬんじゃないわよ」

 

 「分かってる……皆、任せた」

 

そうして鞠亜の手を取りながら鞠奈の気配のする方へと走っていた。

 

 「鞠亜?どれくらいで着く?」

 

 「もう少しです。恐らく、あの奥でしょう」

 

其処には大きな扉があった。どう見ても開かないような大きな扉だ。

 

 「この先に鞠奈が居るのか?」

 

 「ええ、しかしこの扉は開かないようですね」

 

開かないなら、力でねじ伏せる。それだけだ。

 

 「イザナギッ!!」

 

巨大な大剣で真っ二つに斬ると隙間が空いたのでそこから入った。其処には姿を変えた鞠奈が待っていた。

 

 「いらっしゃい。でも、もう遅いわよ?何もかも手遅れなのに何がしたいの?」

 

 「お前はそこまでやっていない。手こずってるんじゃないか?」

 

図星と言わんばかりに彼女は攻撃を仕掛けてきた。そこまでするか、普通。

 

 「別に此処までしなくても良いだろ……お前は本当にこんな事したいのかよ」

 

 「そうね……自分が子供だったら誰が最初に褒めてくれると思う?」

 

 「親……じゃないか?俺の場合はよく覚えてないけどな」

 

 「そういう事よっ!!あたしは、親に褒められたいからやってるの!!」

 

攻撃は苛烈さを増し、鞠亜を守りながらだと厳しい物であった。そう、考えていると隙を付かれて拘束された。

 

 「ぐっ!!離せよっ!!」

 

 「離さないわよ。あたしは、五河士道を殺すの。貴方は何もできない」

 

そうすると鞠亜がCR-ユニット纏った姿になり、それに動揺した鞠奈の隙をついて脱出した。

 

 「それ、どうやったんだ?」

 

 「一時的に士道とのパスを繋いだので霊装を纏える状態になったと言う事でしょうか?」

 

 「ふ~ん。でも、関係ないわよっ!!」

 

コードの様な物で縛り付けて来ようとしていたので、それを後ろに下がりながら攻撃をする。

 

 「カグヤ!!」

 

光り輝く矢でコードを足止めしながら隙を伺う。流石に相手も同じようで膠着状態が続く。

 

 「メサイア!!」

 

あちこちで炎が爆発する。それでもダメージは無く、違う方法に変える。

 

アンタなら使いこなせるはずよ、士道

 

 「サタン……!!」

 

邪悪の神。それを出せば何もかもが破壊される。

 

 「爆発、しろっ!!」

 

あちこちで爆発が起きる。鞠亜の方へは当たらないような威力で広範囲で爆発を起こす。

 

 「何なのよ……何なのよっ!!」

 

煙からボロボロになった鞠奈が出てきた。満身創痍と言った感じになっている。

 

 「もう、やめようぜ。お前の役目はもう、終わってるんだ」

 

 「えっ……どういう事よ?」

 

 「鞠奈の親と話したことがあってな。その時に聞いたんだ。入ってくれればそれだけでいいって。だからもう、役目は終わったんだ」

 

何度か話を聞きに行っている俺は全てを理解することが出来た。しかしその言葉を信じない鞠奈は自身を暴走させた。

 

 「違う……チガウ、チガウチガウチガウッ!!あたしは、認められたいだけなのにっ!!」

 

彼女は消えて奥の方へと消えていった。此処からはもう行くしかないようだ。

 

 「シン?聞こえるかい?」

 

 「はい……もしかして、タイムリミットですか?」

 

 「そういう事だ。このままだとフラクシナスは天宮市に落下し、爆発するだろう。被害は計り知れない」

 

やりたくなかったがデータを消す方法へと変えるしかないようだ。

 

 「鞠亜、最後まで付き合ってくれ」

 

 「はい。何となくですが……彼女に対抗するために作られたのが私。要するに私は鞠奈の妹と言う事になるのでしょう。だから私は姉を助けたいです」

 

 「じゃあ、行くぞ……」

 

マザールームのさらに奥、何もない黒しかない場所で彼女は一人座り込んでいた。

 

 「なあ、鞠奈。こんな所に居ないで外に行こうぜ。俺なら出来るんだ」

 

 「無理よ。親に褒められないまま、あたしは消えてなくなるだけ……誰も褒めてくれなかった」

 

 「何言ってるんだ。俺はお前を褒めたはずだぞ?」

 

あの時、彼女に言った言葉がちゃんと伝わっていなかったようだ。

 

 「昨日、ジュースを渡した時のことを覚えてるか?あの時、俺は優しいんだなって褒めたはずだぞ?」

 

 「え……?」

 

 「本当の親からは褒められた事はあるのか分からないけど。俺は周りの人も褒めてくれると思う。だって、俺が褒めただろう?」

 

俺は本当の親を知らない。だけど、琴里や琴里の親。精霊の皆が。誰だって褒めてくれる。

 

 「だけどもう、無理よ。あたしは消えてなくなる……鞠亜だって。消える」

 

その時、頭の中に声が響いた。

 

―どうした……見ているだけか?我が身大事に見殺しか?このままでは本当に死ぬぞ?それとも、あれは間違っていたのか?―

 

間違ってない!!俺は俺のやりたいことをするためにやった!!

 

―よかろう……覚悟、聞き届けたり 契約だ!!―

 

青白い炎に身を包まれた俺はいわゆる”怪盗”の様だった。

 

―我は汝、汝は我……己が信じた正義の為、あまねく冒涜を省みぬ者よ!たとえ地獄に繋がれようと全てを己で見定める、強き意思の力を!―

 

 「奪えっ!!アルセーヌ!!」

 

其処からはあまり覚えていない。夢中でペルソナを使い鞠亜と鞠奈を隔離し、文字通り”奪った”。其処から起きると最初のVRを付けた椅子の場所だった。

 

 「……データは何処だ?」

 

とりあえず、何処にあるかだけ調べる。そうすると見覚えのないアプリがスマホに入っていたので確認する。アプリ名は……AIナビ?

 

 「へぇ~。君ってこんなことも出来るのね」

 

 「ええ、士道ならなんだってできます」

 

我は汝…… 汝は我……

汝、ついに真実の絆を得たり。

真実の絆……それは即ち、

真実の目なり。

今こそ、汝には見ゆるべし。

太陽の究極の力、アスラおうの

汝が内に目覚めんことを……

 

 「って事は二人とも無事でいいのか?」

 

無事を確認し、とりあえず精霊の皆を確認する。折紙はもう、帰ったみたいだが。

 

 「士道……大丈夫だった?」

 

 「ああ、凜祢か。大丈夫だよ」

 

とりあえずは無事である事を聞いた。他の精霊は船の復旧作業に勤しんでいるとの事。

 

 「はぁ……疲れたー。俺は先に帰って皆のご飯を作っておくとしますか……」

 

 「私もそうするつもりで降りようとしてたの。だから一緒に行こう?」

 

そうすると携帯が震えた。どうやら二人が話したいらしい。

 

 「なら、料理してるところ見せなさいよ。暇でしょうがないから」

 

 「そうか……何か面白そうだな……」

 

料理の話をしながら俺達は地上へと降りた。この後自らの身に何が起こるかも分からずに。




隠しイベント Install をクリアしました。
太陽コミュ AI姉妹 の開放と 或守鞠亜、鞠奈が仲間になりました。
太陽コミュが最大になったので、アスラおうが召喚可能になりました。
愚者 アルセーヌが使用可能になりました。
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