天災の問題児がヒロアカの世界で自由気侭にヒーローを目指す 作:びっくり葉加瀬
「1-A!!」
「だな。」
「1-Aですわ!私達2人共……!」
なんだ可愛いかよこいつ。
2人揃って登校した初日、クラス分けの紙の前で嬉しさを隠さない百に呆れつつも苦笑する。
俺はその間にも他の1-Aの面子の名前を確認する。
「(蛙水に尾白に耳郎か。鎌切と柳は離れちまったな。まぁ、耳郎当たりは百と仲良くなれるだろ。)」
「行きますわよ!唯我さん!」
「おー。」
勿論であるが、俺達2人きりな訳ではなく、俺の後ろにはメイドのリゼが3歩後ろに控えている。
そして着くは1-Aの教室。
バカでかい扉の前でほぅと声を漏らしたのはどちらだろうか。
「随分と大きい扉ですわね。」
「異形系の"個性"持ちの為だろ。ここまで大きいのは中々に
特殊だろうけどな。」
ガラリと大きさにしては軽いドアを開けるとそこには誰も居なかった。
「誰も居ませんわね。」
「まぁ早めに来たからな。早い奴はもう来そうだが……。」
名前が書かれた机を見渡し、俺達はそれぞれの席を確認する。
「席は離れてしまいましたわね……。」
「これっきりは、しゃーない。仲良し同士だけでつるむ訳にも行かないからな。」
荷物をロッカーへと入れ、俺は百の前の席へと座る。
峰田実、かどんな奴なんだろうか。、
そこへガラッとドアを開けられ、立っていたのは爆発頭のヤンキーのような少年だった。
「ああ゛!?メイドォ?」
「やぁ、俺は葉加瀬唯我。こっちのメイドはリゼ。キミは?」
「うるせぇ端役が!黙ってろ!」
「えぇ……。(困惑)」
なんとコミュニケーションを取ろうとした第一声が端役とは。彼にはコミュニケーション能力がないのだろうか。
「乱暴な人ですわね。」
「マスター。彼はヘドロ事件の……。」
「あぁ、あの。」
「言うなクソメイド!!」
「クソとはなんだクソとは。完璧なメイドだろリゼは!今時流行りのミニスカではなく伝統的なロングスカートに、瀟洒な立ち振る舞い。豊富な知識に隅々まで効く気遣い!どこにクソ要素があると言うのだね!?」
「クソキモイんだよオタク野郎がッ!?」
そう言うと彼は舌打ちをしながら机を見渡し、俺の席の後ろへと座り机へと脚をかける。
えぇ……あんな爆発三太郎が俺の後ろなの……。
つかリゼの待機する場所的に三太郎君のすぐ近くじゃん悪影響出そう。
次にガラリと開けたのは、身長の小さくミニマムなマスコット風な少年だった。
「メイドがいるじゃねぇか!」
「や!俺は葉加瀬唯我。こっちはリゼ。」
「おう!オイラは峰田実。よろしくな!ってメイドはなんだよメイドは!」
「あぁ彼女は俺の"個性"でね。いつも一緒にいるんだ。……で峰田ね。悪いキミの席はここだよ。」
「メイドとずっと一緒だとぉ!?羨ましすぎるぞ葉加瀬!」
そう言って席を退いて、百の隣へと座り直した。
「私は八百万百と申します。よろしくお願い致しますわ峰田さん。」
「おぉ!よろしくな八百万!」
その間に百も自己紹介しているが俺へ返した言葉より数段声が高い気がする。
「つかどうせなら席あっためてくれるなら女子が良かったぜ。」
「あはは、悪いね。」
なんだこいつ女好きか?
まぁ、悪い奴と決まった訳ではない。リゼに悪影響があるなら付き合いを考え直さなきゃ行けないが、流石に爆発三太郎程ではないだろう。
そんなこんなでチラホラと登校してくる者が増えていく中、とうとう見知った顔が投稿して来た。
「あ!葉加瀬!耳郎だけど覚えてる!?」
「当たり前だ。6人中4人同じクラスだったな。これからよろしくな。」
「よろしく葉加瀬。」
「まぁ!耳郎さんと言うと、あの入試の時の!私は八百万百と申しますわ!よろしくお願いします!」
「アンタが噂の八百万百って子ね。ヤオモモって呼んでいい?」
「まぁ!渾名ですか!勿論ですわ!」
耳郎のコミュ力で仲良くなった2人はキャイキャイと2人で話し始める。
「お前、女子2人にメイドって意外と軟派なんだな葉加瀬。」
「いやそういう訳じゃないけど……。」
「オイラも入試の時に女子とお近付きになりたかったぜ……!」
「ハハ……。そういうのはまぁ時の運もあるさ。」
峰田と話していると、登校してきた女子が話しかけてきる。
「おはよう!悪いけどそこ私の席なんだけど!」
「お、悪いな葉隠か?俺は葉加瀬唯我。よろしく。」
「良いよ良いよ!よろしくねー葉加瀬くん!」
件の女子は席に座ると、自分の身体を見せるように手を広げ、質問を投げかけてくる。。
「ビックリした?」
「え?何が?」
「え?ほら。」
「……ん?」
「いやー、びっくりだぜ。透明人間なんてエロ同人みたいグフッ!?」
「峰田は黙ってような……って透明人間?」
「うん!私"個性"が『透明化』なんだ!」
「あー、そうなのか。悪いが俺達にはそういうの効かないんだよな。」
「え?効かないってどうゆう事?」
未だ理解出来ていない葉隠が顔をコテンと傾げて疑問符を浮かべる。
「俺もリゼも葉隠の顔見えてるって事。」
「えー!?」
「はい。私にも葉隠様のお可愛らしい顔がハッキリと見えています。」
「え!?そうなん!もしかしてそういう"個性"!?」
「いや、リゼは俺の"個性"だけどな。機械だからサーモグラフィーや光の屈折の調整で透明な対象も見えるようにしてるんだ。俺はそうゆうコンタクト付けてるって訳。」
「えー!!いきなり私のアイデンティティが崩壊の危機だよ!」
「はは、コンタクト配ったりするか?」
「ちょ!辞めて恥ずい恥ずい!勘弁してって!」
「ハハハ、嫌がってるなら無理にしないさ。緊急の時はそうさせてと貰うが。」
「緊急の時って言うと?」
「葉隠が怪我して気絶した時とか?そんなんじゃ誰も見つけてくれない可能性だってあるだろ?」
「それもそっか!その時はよろしくね!」
「下着丸見えじゃねぇか……。」
ハイ。利用注意人物確定。
途中、尾白と蛙水も挨拶してくれて、爆発三太郎が言い合いになっていた時。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここはヒーロー科だぞ。」
急に低い声で注意が入ったと思ったら、残ってる席的に緑谷と麗日か?──のいたドアの外に寝袋に入った不審者が倒れていた。アレ絶対下着見えてるよな。
「ハイ。皆が静かになるまで9秒かかりました。時間は有限。君達は合理性に欠くね。」
寝袋を脱いだその姿も先生には見えないどころか依然、不審者のままだ。
「担任の相澤消太だ。よろしく。」
「「「(担任!?)」」」
「(たしか、抹消ヒーロー『イレイザーヘッド』。意外と不衛生だな。)」
そんな相澤先生は寝袋からくたびれた雄英高校指定ジャージを取り出すと、最初の指示を出した。
「早速だが、ジャージ着てグラウンドに出ろ。」
「"個性"把握テストォ!?」
誰が出した声だったか。クラスの全員が思っている疑問を言葉にしてくれた。
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長に行事出てる時間なんてないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは俺もまた然り。」
「……?」
俺達の疑問を他所に、相澤先生は説明を続けていく。
「あるだろう、中学の時にもした、体育テスト。"個性"禁止にして画一的な記録をとって平均を謳っているが、全く合理的じゃない。まぁ、文部科学省の怠慢だよ。」
「入試1位はお前だったな葉加瀬。」
「はーい。」
「お前が……!!」
爆発三太郎が突っかかって来ようとするが、相澤先生の一睨みで静かになる。なんだかわいいか?
「中学の時のソフトボール投げの記録何mだった?」
「え?30mくらい?」
「32.4mです、マスター。」
「「「(マスター?)」」」
「じゃあ"個性"を使ってやってみろ。円から出なきゃ何してもいいよ。但し、お前が不参加なのは許容しない。」
「はーい。」
「「「……?」」」
俺が不参加なのは許さないというのは全てをリゼに任せることは禁止ということだろう。
であれば。
「リゼ。パース。」
「YES、マスター。」
俺とリゼで円の中に入ると、そのまま俺は真上にボールを投げる。10mでも超えてれば十分だ。
リゼは円の中で器用にジャンプすると、スラスターを起動
させ、遠心力を高めるように空中で何回転かすると、そのままボールを蹴飛ばした。
ボールはそのまま飛んでいき、森の中へ姿を消した。
『ピピッ』
「まずは自分の最大限を知る。それがヒーローになる為の合理的手段。」
相澤先生の手にしている端末には1178.5mとの記録が。
「なんだこれ!スゲー面白そう!」
「1.1キロってマジかよ。」
「"個性"思いっきり使えるのか!流石ヒーロー科!」
「つか、結局彼の"個性"って……?」
「確かに。」
「
誰が言った面白そうという言葉に反応する相澤先生。
雰囲気が重くなり、なにやら地雷を踏んだ様だった。
「雄英での3年間、そんな腹積もりで過ごす気なのか……?よし、トータル成績最下位の者は、見込みなしと判断し、除籍処分としよう。」
「「「はぁああああ!?」」」
「ようこそ。これが雄英高校ヒーロー科だ。」