天災の問題児がヒロアカの世界で自由気侭にヒーローを目指す 作:びっくり葉加瀬
『さーて!結果発表も終わった所で、いよいよ本戦!!気になる第2種目は──騎馬戦!!』
ミッドナイトが発表した種目に周囲がザワつく。そりゃそうだ。他人と戦うこの雄英体育祭で団体戦が選択されたのだから。
『皆にはこれから2~4人で騎馬を組んで貰うわ!通常の騎馬戦と違うのは各自に予選の順位に応じたポイントが割り振られること!つまり、組み合わせによって騎馬のポイントが変わってくるわ!』
成程、つまり予選1位通過の俺は必然的に狙われやすくなると。予選の順位が低い青山や葉隠と組めばある程度緩和されるのかもしれないが……。
『ポイントは、42位から5ポイントずつ与えられるわ!41位は10ポイント、40位は15ポイントって感じよ!そして……1位に与えられるポイントは1000万点!!!』
その思惑が消し飛ぶと同時に、その法外なポイントに辺りはシン……と静まり返る。そりゃそうだ。
「ミッドナイト……。」
『どうしたの葉加瀬君そんなに震えて!入試1位予選1位の貴方が怖気付いたのかしら!?』
「………………算数が……。」
『違うわよ!!!』
「冗談です。」
まぁ、それがPlus ultra精神ってことだろうが。つまりこの騎馬戦の競技というのは……。
「「「(実質1位の奪い合いってことか……!!!)」」」
「(なーんて皆思ってるんだろうけど……)まぁ、奪わせないよね、当たり前だけど。」
「勿論で御座います、マスター。」
その後もミッドナイトから説明が行われ、皆も思い思いに意見を言っては、各々策を巡らせているようだ。
『じゃあ騎馬を作りなさい!』
「あー、ミッドナイト、質問いいか?」
『何!葉加瀬君?』
「俺はリゼと2人で1人みたいな状態だけど、5人になっていいのか?」
『Yes!葉加瀬君は"個性"による特殊な状態!問題ないわ!好きにしなさい!但し、葉加瀬君とリゼさんの2人のみ、というのは認められないわ!騎馬戦のルールは守りなさい!』
「了解です。」
騎馬戦という他人と協力しあう競技な以上、誰かと組むのは必須ということだろう。個性の性質上、念話のように意思疎通出来る俺とリゼのタッグではあまりもソロプレイ過ぎる。
で、問題は誰と組むのかだが……。
「私の機動力を生かすのであれば飯田様や麗日様。個性で冷却出来る轟様。物を作り出せる百様。体格から見て峰田様や梅雨ちゃん様が相性が良いと思われますが。」
「前者はともかく、峰田は論外。今後も近づくなよ。まぁ、無難に麗日辺りを……。っといたいた、麗日ー!」
「1位の人!!!」
麗日に声を掛けた瞬間に、突然A組ではない女性から話しかけられる。
たしか俺とリゼが障害物競走でサボっている時にプレゼント・マイクに紹介にされていた……、
「サポート科の発目……だったか?」
「おぉ!まさか1位の方に名前を覚えて貰えているなんて!」
「あぁ、俺の個性はどちらかというとヒーロー科というよりサポート科向けだからな。唯一サポート科で目立っていて、第1種目を突破した発目のことは気にしていた。」
「何たる僥倖!それでは、私と一緒に騎馬を組みましょう!あと、今度ベイビーも一緒に作りませんか!」
「ふむ……、良いだろう。」
瞬間、俺たちの周りに静寂が訪れる。
一部、1位である俺の品定めをしていた生徒達のようで、今の会話を聞かれていたらしい。
観客席や遠くにいる生徒達には聞こえていなかったようで、チーム作りは支障なく継続しているようだ。
「ななななな、何公共の面前でなんと言うやり取りしてんだこの羨ま変態野郎!?あと気軽にOKしてんじゃねー!」
「なんだ峰田、自己紹介か?というか、聞いてたのか。」
「違ぇわ、この馬鹿野郎!!!お前んとこのメイドに呼ばれた気がしたから来てみれば……!」
「マスター。恐らく峰田様は先程の会話を勘違いなされているのかと。後峰田様は今後私に近づくのはご遠慮下さい。」
「なんで!!?」
峰田が顔真っ赤にして突っかかってきたと思ったら、今度は青くなっていく。表情豊かなオモロい奴だな。まぁ、許さんが。
「いいかい峰田君。先程の第1種目の第2関門で発目君が活躍した時、態々大声で"私のベイビー"と言っていただろう。少し考えれば共同開発しましょうねっていう誘いだと理解出来ないのかね。」
「知らねーよ!分っかるわけねーだろ、この天才馬鹿!」
「ありがとう、いい褒め言葉だ。」
「褒めてねぇ!!」
『あー、発目さん、勘違いされるような発言はやめましょうね。』
「はい!何のことか分かりませんが分かりました!!」
「「「何も分かってねぇ!?」」」
ミッドナイトに注意された発目に、勘違いした生徒らが律儀にツッコミしていたが、我に返ると自らのチーム作りに戻っていく。
「んじゃあ発目が2人目として……発目は心当たりある?」
「ありませんね!サポート科は私しか第1種目突破してないので!」
「了解。じゃあ麗日麗日……っと。」
発目を仲間にした俺は完璧な作戦を遂行するべく麗日を探す。すると声を掛けたまま放置されていたのを律儀に待っていたのか先程ツッコミしてくれた中にいたようで、近くで慌てて辺りをキョロキョロとしているのを見つける。
更に幸をそうしてか、麗日の近くにもう1人のお目当ての人物の姿もあった。
この3人と組めば、騎馬戦はおろかアピールも抜け目なくできることは間違いない。
「なぁ、麗日、とそこの
2人から肯定の返事を受け、俺はニヤリとほくそ笑むのであった。
『さーて時間だエブリワン!イレイザーも起きろ!15分の交渉タイムが終了し、計11組の騎馬が出来上がったぞ!』
『中々面白い騎馬が出来ているな。』
角取チーム(175P)
角取ポニー・凡戸固次郎・吹出漫我・鎌切尖
「やってやるデス!!」
拳藤チーム(225P)
拳藤一佳・柳レイ子・取蔭切奈・小森希乃子
「頑張るよ、皆!」
心操チーム(255P)
心操人使・宍田獣郎太・鱗飛竜・庄田二連撃
「………………。」
葉隠チーム(275P)
葉隠透・砂藤力道・耳郎響香・青山優雅
「はっはっはっー!!葉加瀬くんカクゴォー!」
物間チーム(305P)
物間寧人・円場硬成・回原旋・黒色支配
「さぁ、ここまでだよA組。」
峰田チーム(405P)
峰田実・蛙水梅雨・障子目蔵
「略奪の時間だぜぇーーー!!!」
緑谷チーム(535P)
緑谷出久・常闇踏陰・尾白猿夫
「1人少ないけど……やるよ!皆!!」
轟チーム(600P)
轟焦凍・飯田天哉・上鳴電気・八百万百
「とるぞ……!」
爆豪チーム(645P)
爆豪勝己・切島鋭児郎・瀬呂範太・芦戸三奈
「デクもメカオタクもぶっ殺す!!」
鉄哲チーム(685P)
鉄哲徹鐵・骨抜柔造・泡瀬洋雪・塩崎茨
「やってやらぁ!」
『さぁて上げてけ鬨の声!血を血で洗う雄英の合戦が今!狼煙を上げる!』
左前騎馬──葉加瀬唯我
右前騎馬──小大唯
「小大、後でちょっと開発で手伝って欲しいことがあるんだがいいか?報酬は払う。」
「ん。」
『3!』
左後騎馬──麗日お茶子
右後騎馬──発目明
「葉加瀬さん!私とベイビー作るのが先ですからね!?」
「発目さん!やからその言い方誤解するって!!」
『2!!』
騎手──リゼ
「ふむ、身体の重さが無い、というのは
『1!!!』
葉加瀬チーム(10000200P)
「さーて、少しズルい気もするが守りきって、また勝つことにしようか。」
『START!!!!!』
「先ず騎馬だが、リゼを騎手にしたいと思う。」
「この子ですか!?しかしそれは私達の力では持ち上がらないと思うのですが。もしかして葉加瀬さんの"個性"のおかげでスカスカの超軽量タイプだったりするのでしょうか!?」
「いや、ある程度必須なパーツ削れてるし、軽量型なのは確かだけど、その分別の強化パーツ入れてるからそう変わらんね。大体150kgくらいかな。」
「……その言い方だと"個性"を使わなくても高性能なAIが作れる、と聞こえるのですが?」
「作れるぞ。必要な時間と施設と材料と技術力と技術者がいればな。」
「ぉぉおおお!!その話を詳しくお願いします!!」
「はいはい、後でね。んで、リゼを騎手にする方法だけど……。」
語りたいことは多くあったが、同じ技術者としてこの話を続けると当然の如く長くなってしまう為、無理やり話を戻す。
騎馬をリゼにする為の絶対条件、その方法だが、それは本人が1番分かっているらしく、自ら名乗り出てくれた。
「ウチの"個性"の出番やね?」
「Exactly。麗日の"個性"『
「うん、問題無いで。」
「んで、騎馬は身長の近い麗日と発目が後騎馬、俺と小大が前騎馬にしよう。騎馬を組む以上、後ろの方が触りやすいだろ。」
「分かった。」
「機動力に関しては発目の作ったジェットパックを麗日と小大に背負って貰う。麗日は自分を無重力にすると酔うからその補助だ。安定性の為に対角に居る発目にも"個性"は使わず、飛ぶ時は俺と小大だけ無重力にしてくれ。着地の直前だけ"個性"を解除して、再びリゼを無重力にする。負担が大きいが出来るか?」
「うん、任せといて!」
「万一の時の為に、リゼは浮遊時の補助、空中でのバランスの微調整を頼む。最悪俺に乗る形にしてくれ。」
「あまりマスターに負傷させるようなことはしたくありませんが……かしこましました。そして御三方、少々失礼し致します。」
「なッ……!?」
「んっ……。」
「おろ?」
リゼは断りを入れると順番に麗日、小大、発目を数秒間お姫様抱っこをする。突然抱えられた3人は驚愕と羞恥でおかしな顔をしていた。
「な、何するんや、リゼさん!」
「申し訳ございません。空中でのバランス調整の為、体重を測らせていただきました。ご安心ください、プライバシーは遵守しマスターにはお伝えしませんので……マスターに命じられれば、別ですが。」
「今葉加瀬君が知りたいなら教えるゆうたな!何も安心出来ん!」
「麗日様が必要以上にマスターを挑発しない限り問題ないと思われます。」
「ホンマか?確かに葉加瀬君爆豪君とか峰田君に結構当たり強いし、ドSというかいい性格しとるよな……あ。」
「ほぉ〜?リゼ。麗日の体重は?」
「はい、「わぁあああ!!!!」」
「取り敢えず様子見……だが。」
始まると同時に駆け出して来るのは、葉隠チーム、鉄哲チームの2組。その後方で緑谷チームが様子を伺ってはいるが、攻めてこないようだ。
例え俺からハチマキを奪っても、3人騎馬でマンパワーが足りてないし、ダークシャドウと尻尾で手数が多くとも移動系の"個性"が無いため、防衛戦には向いていない。
さらに常闇はUSJ襲撃の際に弱点も聞いている為、むやみに攻めてくることはないだろう。
それに……。
「まずはデク!テメェをぶっ殺す!!」
「かっちゃん!?」
暴走爆発三太郎こと、爆豪君が緑谷を潰すべく仕掛けようとしていた。どうせ緑谷からハチマキを奪った後は1000万狙いで確実にコチラに仕掛けてくるだろうし、緑谷君には是非時間稼ぎをしてもらいたいものだ。
「よそ見か!舐めてんなA組1位!!」
「ケッ……!」
「葉加瀬君!沈んでる……!」
「ん、骨抜の"個性"。」
「おい小大!何でA組の野郎と組んでんだ!?」
ズブッ……と底無し沼のように騎馬が沈んでいく。
軽く脚を上げてみるが、抜けれそうには無かった。
「早速手札の1つを切らされるか。麗日!発目!」
「はいよ!」
「了解です!」
「飛んだ!?またか!?」
発目のジェットパックを使って骨抜きの"個性"から抜け出して空中へと躍り出る。
一旦は安全かと思いきや、続いて向かって来たのは3本の紐状のもの。
「耳郎と塩崎か!?」
「問題ありません。死角をお狙いになったのでしょうが、私に死角は御座いませんので。」
リゼが耳郎の耳のプラグと塩崎の茨のツルを難なく叩き落とし、ようやくフリーとなる。
骨抜の"個性"がヤバいな。なるべく遠くへ逃げよう。発目のジェットパックに加えて、リゼの自力飛行能力もあるから諦めてくれればいいのだが。
そんなことを考えながら次の作戦を実行に移すのであった。