天災の問題児がヒロアカの世界で自由気侭にヒーローを目指す 作:びっくり葉加瀬
骨抜とは真逆の位置に落りたち次の襲撃に備える。
「つか生徒以外を騎手にするのはいいのか?」
『面白いからヨシ!!!』
『麗日の"個性"でガイノイドを無重力にして騎手として成立させているのか。考えたな。利点はまだ分からないが。葉加瀬の事だから目立ちたいのか?』
合理的主義相澤先生がリゼを騎手にした利点について考察しているが、それは最後のお楽しみだ。なお、目立たせたいのは間違っていない。
「皆様、足元注意です。」
「えっ!?こ、これは!!」
「チッ気づきやがったか……!これから一方的な略奪が始まろうとしていたのによォ……!」
「なんですかこの気持ち悪くておぞましい声は!」
「気持ち悪いっていうんじゃねぇ!泣くぞ!」
聞こえて来たのは峰田の声。
どうやら"個性"のもぎもぎで動けなくした後、蹂躙する予定だったようだ。
しかしそこにいたのは障子のみ。しかし、その背には何かを隠すように副腕を掲げていた。
「はぁーい葉加瀬くぅーん。」
「うわっ!それありなん!?」
『それも面白いからアリよ!』
瞬間、峰田しかいないと思っていた暗闇から1本の鞭のようなものが飛び出てくる。
リゼは当然のように軽く避け、その襲撃者を予測して話しかけた。
「梅雨ちゃん様ですか。身体の大きい障子様と峰田様と組むには相性が良いでございますね。」
「ありがとう。でも様は付けなくていいのよ。」
「敬称を付けるのは私の義務でございます。ご承知ください。」
なんと、障子の背中には蛙水と峰田の2人がいて、ハチマキを奪られるのを防ぐ作戦のようだ。
手法は異なるが俺がこれからやろうとしてる事に少し似ていて腹が立つ。
「葉加瀬テメェ、騎馬戦でハーレム作りやがって……!しかもA組の女と肩組みまで……!!おっぱ……羨ましいぞこの野郎!!!」
「峰田テメェ、俺のリゼにキモイ物体投げやがって……!汚したらバリカンで皮膚ごと剥がすぞこの野郎……!!!」
「怖ぇよ馬鹿!それでもヒーロー志望かよ!?」
「ん。不純。」
「愛されてるなぁリゼちゃん……。」
「当然です。私はマスターの最高傑作なので。」
「ベイビーを愛す!当たり前です!」
「峰田ちゃん、嫉妬は醜いわよ。」
リゼにあんなキモイのが着いたらパーツごと換装確定だ。
まぁ、リゼには高性能センサーが付いているので当たることはほぼないだろうが。
「A組!奪らせて貰うぞ!」
「やぁ鉄哲君。漢臭いのは苦手だし、皆の"個性"が面倒だからここは逃げらせて貰うよ。」
「逃がすか!塩崎!」
鉄哲君の合図で塩崎さんが茨のツルで拘束しようとしてくるが、リゼはそれを軽々と弾いていなす。
「無駄です。」
「ジェットパック起動!あ、泡瀬君は今度"個性"のことで話があるから尋ねさせてもらうよ。じゃあね。」
「待て!」
待てと言われて待つ戦いはないので、さっさと逃げさせて貰う。そしてそのままジェットパックで5分は空中で待機させて貰うことにする。爆発三太郎こと、爆豪君なら飛んで応戦してきそうだが、今は緑谷の鉢巻を狙っている最中にB組の物間に鉢巻を奪られてしまったようで、そちらの対処に忙しいらしい。
空中から点数表を見ると鉄哲チームが1090点、続いて拳藤チームが930点とB組が上位をキープしていた。物間のようにA組打倒を目標としているのは一部なのか、B組間でもハチマキの奪い合いは発生しているようだ。逆にA組はハチマキを取られてばかりで点数の上昇はないようだ。
そして5分立った頃、ジェットパックの燃料切れと共にどうも俺の着地を虎視眈々と狙っていた中でも対抗心をメラメラと燃やしているチームが1つ。
俺はその挑発に乗り、そのチームの真ん前へと降り立った。
「最初から逃げ回りやがって。そっちから向かってくるんなら手間が省けた。」
「そんな闘志をぶつけられちゃねー。」
「当然だ。奪るぞ、お前から。」
轟の宣戦布告を受け構える。リゼは相変わらずだが、隣の小大と肩を組んでいる関係で緊張が伝わってくる。
「まずはジャブからだ。上鳴。八百万。」
「おう!」
「はい。」
「リゼ!」
「はい。電磁バリア展開。」
「いくぜ!無差別放電130万V!!!」
「無駄だよ。」
リゼの隠し108個ある兵器の内の1つ、電磁バリアの展開を指示する。これは半径1.5mに電磁バリアを展開し、電気や低威力の攻撃を防ぐことのできる代物だ。
『おぉーと!!ここでガイノイドの兵器が炸裂!!上鳴の"個性"を防御!』
「ンなのアリかよッ!?」
「残念だがアリだ。お前は機械にとっていちばん厄介なんだ。対策しない方がおかしい。」
「ウェ!ほ、褒められてるんだよな!?」
「喜ぶな。次行くぞ。」
上鳴の攻撃を防いでもほぼ表情を変えないまま轟は俺たちの騎馬へと向かってくる。途中痺れた騎馬からちゃっかり鉢巻を奪っている辺り、この展開は予想していたのだろう。
「小大!」
「ん!」
「ぬおおおっ!?」
小大に合図したのは今回の技の1つ、地面の砂を小大の"個性"で大きくして攻撃、だ。元々第二種目が始まる前少し持ってもらっていたもので、全力で潰しにかかる訳にはいかないものの、軽く投げるだけで牽制には持ってこいだ。
実際、前騎馬の飯田が驚いているが、スピードを減速させただけで大事には至っていない。
それに轟にはかなり痛手だ。
元々"個性"の炎を使うのを躊躇っている節があったため、今回も氷をメインにしてくるのは分かっていた。
その為、立ち位置と岩を使えば轟の"個性"は奪ったと言っても過言では無い。
「くっ……!」
「……轟君!このままでは鉢巻は奪れない。残り1分半弱、俺は使い物にならなくなるが……。頼んだぞ。」
「飯田……?」
「マスター、予測していた飯田様の"個性"が来ます!」
「良し、例の作戦を発動する!小大!」
「んっ!」
「奪れよ轟君!トルクオーバー!レシプロバースト!!!」
「!」
飯田が何やら不穏な事を言い出したことを、リゼの耳は聞き逃さなかった。恐らく持っているだろうと予測していた高速移動での鉢巻奪取を想定して立てた作戦は、少しずるいものであったがこの場で対策するにはかなり難しいもので、実際それは轟チームにかなり刺さったようだ。
「!!?スマン飯田!奪れなかった!」
『何が起こった!?速ッ!ってポイントの変動は無しッ!……というか
実況のプレゼント・マイクも驚くその作戦。それは……、
『小大の"個性"でガイノイドを小さくしたのか。"個性"でAIを付与できても生物では無い……、そういうことか。』
『な、なにィ〜〜〜!これはどうだ!アリなのか!?』
『うーん、少しずるいけどリゼさんは視認出来るし、鉢巻も人間の手の大きさで取れそうだしで、"個性"の範疇ということでアリ!!』
『アリだったァ〜!ず、ズリィ〜〜〜!!!考えたな葉加瀬!』
そう、リゼを小大の"個性"で小さくして鉢巻ごと小さくしようという作戦だ。ミッドナイトの言う通り、今のリゼのサイズはかなり大きいという感じのフィギュアサイズ、大体赤ん坊くらいの大きさと言えばいいだろうか。50cmくらいでギリギリだが、鉢巻は触れそうという大きさに留めてある。
「更に〜いくぜ麗日、小大!」
「んっ。」
「うん!」
「くらえ!飛ぶリゼフィギュア!」
「!?」
『何だッ……て!ガイノイドのフィギュアが2体!?』
「自律飛行……という対空できるリゼの寸分狂いのないミニチュアフィギュアだ。まぁほんとは遠近法やらで囮だったり、爆発、ファンネルとかの攻撃用なんだが、流石に武器の持ち込みは禁止でな。使えないと思ったが小大と麗日のお陰でフェイクに使えるぜ。この短時間なら有効だろ?」
「轟くん!どうする!」
「くっ!この時間じゃ無理だ!防衛に専念するぞ!」
「分かりましたわ!」
「安心しろよ、俺も防衛だからさ。」
「チッ……クソッ……!!!」
『TIME UP!!!』
そして爆発三太郎が視界の端に見えたところで、タイムオーバーが来たようだ。