天災の問題児がヒロアカの世界で自由気侭にヒーローを目指す   作:びっくり葉加瀬

4 / 4
評価9と5と1というバランス良いものがついてました。
嬉しいと悔し゛ぃいいいという気持ちがありつつもまだ3話だぞという気持ちも。

この作品はゆっくり続くので皆さんがいいかなって思ってら評価ください


葉加瀬唯我4歳――"個性"の考察

 その後は色々大変だった。

 母さんと父さんにリゼのことを紹介……というより俺の"個性"であることを説明。"個性"複数持ちかっ!?と驚く両親を宥めて、単純に少し早熟で数学や物理学が得意なだけだったとなんとか納得して貰った。

 この世界では論理的でないことでも"個性"という理由で説明できる。母さんの"個性"の影響じゃないか、といえば、両親も何となくそうだと信じてくれたみたいだった。

 

 その後、"個性"について詳しく調べた結果、やはり俺の"個性"は『AI作成』というべきものであることが分かった。リゼレベルでの高度な意思のあるAIは俺が長年考えて練っていた――正しくは前世から詳しく考えていたからだが――からか新たな個体は作成出来なかったが、電子レンジや部屋の電気のスイッチなど、特定の人間の言葉にだけ反応するような意思のない単純なAIなら簡単に作成することが出来る。

 また、制限としてAIはリゼを含めずに4つまでしか作成出来なかった。5つ目を作成しようとすると、全く反応がない。これは年齢か"個性"の限界かはまだ不明だが、これは後々鍛えていけば増える可能性が高い。

 

 この"個性"の性質にビックリする程反応したのが母さんである。

 

 

「いずれは家事用の音声認識可能なAIとか作れるのかしら!?」

「作れる……と思う。というかリゼも一応戦闘用AIだけど、平時は身の回りを世話する用のメイドっていう設定だし。」

「あら〜!それは楽しみね〜!」

「あ、あの……母さん。俺も頼ってくれても……。」

「祐さんは洗濯も掃除も洗い物も雑なので何もしなくていいです。」

「しゅん……。」

 

 

 家事が楽になると聞いて嬉しそうに微笑む母さん。そんな母さんに寂しそうに進言する父さんは……うん、ドンマイ。一応、買い物とか俺のお守り(イージー)とかあと、大雑把な料理――鍋とか肉焼くだけとかは出来るので、簡単な朝食とか良く作っているのは見る。が、家事をしない人だと思っていたが、そういう訳だったのか……。

 

 

「あー、でもリゼの躯体を1番に完成させてからだから、家、というか家事専用機は遅れるかも。一応、俺が家にいる時はお願い出来るかもだけど。」

「はい、お任せ下さい。御母様。」

「ありがとう〜リゼちゃん!唯我、ゆっくりで良いからお願いね。」

「うん。後、父さんにお願いがあるんだけど……。」

「ん?なんだ?」

「お金が欲しい。」

「む、それはやはりリゼさんの開発費か?あまりウチの貯金から出すというのも悩むが ……、まぁ母さんが助かるというなら一千万くらいなら――。」

「いや、リゼは俺の趣味だからお金はいいよ。どちらにせよ大掛かりな施設は欲しいから、多分数十億単位でかかるし……。」

「「数十億!?」」

 

 

 母さんと父さんの声がリビングに響く。まぁそりゃそうだ。ガイノイド1体に数十億単位かかると聞けば誰だって驚く。しかし、AIの問題や素体の造りこみが解決したとしてもそこを妥協する予定はない。あくまでリゼは戦闘用。前世では魔法耐性や物理キャラが多かった為に物理耐性の高い素材を使ったが、今世では"個性"なんていうあらゆる可能性がある以上、頑丈に作ってやりたい。

 

 

「だからお金は家事用の時にいくらか貰うとして……、リゼの躯体開発の為の資金として俺から技術の特許を申請したいんだ。だからその受け口に……最悪父さん名義でもいいけど。」

「特許……ってAI開発のか?確かに有用だが、特許というまでのものは……。」

「いや、俺が作れるロボット関係のかな。」

「ロボット関係?」

「うん。人工生体部品とかかな。簡単にいうとロボットでも見た目や触感をほぼ完璧に出来る。まぁ、実際は義手義足とかに使われることになるだろうけど……。」

「……お前のことだから画期的、ということは分かる気がするんだが、見て見ないと何とも言えんな。明日みんなに説明出来るか?」

「大丈夫だよ。」

 

 

 

 

 


 

 

 こんな感じで家族会議を終え、"個性"変更届を出すことにしたのだが……。これがまた大変だった。

 『瞬時理解』という発動型の知識系、に分類される"個性"から発動型の創造系の"個性"への変更、且つ意思のある"個性"ということで様々な検査を受ける羽目になったのだ。

 色々検査やテストなど行ったが、幼い頃から早熟していた、という事でなんとか1日かけて無事"個性"の変更は終わらせる事が出来た。

 

 

「ふぅー、疲れた。」

「お疲れ様です、マスター。」

「うん、リゼもね。」

 

 

 "個性"の説明ということで、意思があるのはリゼのみであった為リゼも同行したのだが、検査が検査なのでリゼには苦労をかけた。2人で俺の部屋まで帰って来て一息つく。

 

 

「私を運んでいただき申し訳御座いません。」

「大丈夫だよ。そのサイズだから負担なんてないし。」

「ですが……。」

「ちゃんとリゼの身体造ったら、リゼには世話になるからその時はよろしくね。」

「……はい。その際は何でもご申し付けください。」

 

 

 俺が設定したためか、生真面目な性格は変わっていないようだ。今の俺達の姿形は前世とは異なるものの、やはりリゼはリゼだなぁと改めて実感する。そしてふと疑問に思ったことをリゼに質問してみる。

 

 

「リゼは前世の記憶、というものがあるんだよね。」

「はい。マスターとの記憶は勿論のこと、マスターが私の付近にいらっしゃならない際の記憶も存在致します。」

「うーん。やっぱりそれが疑問だよなぁ。俺視点の記憶以外もあるということは、前世から繋がってるってことになるし……。そういえば、俺が死んだ後リゼはどうしたんだ?一応、あの吸血鬼に任せることになってたけど……。」

「はい。マスターには反対されておりましたが、機能を停止しマスターと共に眠りに着きました。吸血鬼(サブマスター)も了承済みで御座います。」

「まぁ、分かってたけどやっぱりそうなったか……。俺が転生した影響で近くにいたリゼも一緒に、ってことかな。となると、俺の"個性"で作成出来る行動AIはリゼのみで他は無理か……?いや、"個性"の発言と共に誕生したということはリゼはきっかけのみで"個性"は推測通り……?」

 

 

 様々な推測が浮かび、自分の世界へと入り込みあーでもないこーでもないと脳内であれこれ考える。そんな俺へリゼが提案をしてきた。

 

 

「私で検証なさいますか?」

「……いや、もし"個性"を解除して元に戻せなくなったら取り返しがつかないからな。"個性"は鍛錬することによってやれることが増えるらしいから、徐々に試して行くことにするよ。」

「かしこまりました。その際に私が手伝えることがありましたら、お申し付け下さい。」

「うん、ありがとね。」

 

 リゼの言葉に嬉しくなり、小さなリゼの頭を壊れ物を撫でるように優しく撫でる。前世では労いの言葉や感謝の代わりのメンテナンスなどはしていたが、こうした直接触れるようなスキンシップはあまりしてこなかった。

 身体が小さいという理由からなのか、今のは精神年齢が幼いからなのか、『触れる』という行動がとても愛おしく感じる。

 

 

「こうしてマスターに触れられるのも不思議な感覚が致します。」

「ん……、そうか。前世ではこうしたスキンシップを取ることはあまり無かったもんな。嫌か?」

「いえ、そんな事は御座いません。どちらかと暖かくなるような……、これもこの世界の"個性"の影響でしょうか。」

「そうだな。もしかしたら精密な機械やデータによるAIではないから、より人間に近いと考えた方がいいかもしれない。」

「その場合はデータ化は可能なのでしょうか。」

「分からん。色々と検証する必要があるな。"個性"とは持っていると大半は感覚で使えるようになるらしい。だから、リゼも何か出来そうと思ったことがあったら直ぐに言ってくれ。」

「かしこまりました。」

 

 

 そう応えたリゼを見て、フツフツと気持ちが湧き上がってくる。今すぐに何かしたい、そう思った俺は気合いを入れ、勢いよく立ち上がった。

 

 

「よしっ!リゼの躯体の為に働くか!」

「マスター。大変有難いのですが、お身体は問題ないでしょうか?本日は検査もあり、お疲れであると思うのですが……。」

「大丈夫大丈夫!なるべく早く作りたいとは思ってるけど身体壊したら意味ないし。どちらにせよ夜遅くまで起きてると母さんに怒られるしね。程々にするよ。」

「それなら良いのですが……。」

 

 

 心配そうな声をあげるリゼを他所に、机に向かいPCを立ち上げる。前世と同様のガイノイドを構築する為に必要な技術をあげ、それから"個性"で賄える部分を排除していく。

 魔法も使わない純粋なガイノイドを造る為には様々な機能が必要であった。人間と同様に脳となるAIパーツやそれを守る外骨格、身体を動かす為の神経となる回路や配線、熱を排出為の機能、飲食が出来る為の機能、身体を動かす為にエネルギーを造り貯める機能、etc、etc……。

 それらの機能を全て搭載するのは、俺1人では時間がかかりすぎる。前世にいた学園のような謎規模の施設があるならまだしもこの世界にはない。更に世界的な技術力も低く、開発には時間がかかることは間違いない。

 但し、機能を絞れば別だ。"個性"というものの元となる個性因子という単純な物理学では説明出来ない物質があれば賄える機能は多くある。単純な話、ただ硬い金属で型を作るだけでも最低限の動作はできる。

 

 だが、それでいいのか?

 

 科学者として中途半端なものを作製し、それで満足がいくのか。

 

 否。それでは科学者失格である。

 だから先ずはリゼが活動できる最低限の動作が出来る躯体を作る。それが最優先事項。それは仕方ない。

 だが、その後開発を進め、徐々に前世と同じレベルまで改良を進める予定だ。

 

 

「まぁ、設計書は作れてもやっぱり問題は素材だよな……。」

「研究者の御父様であれば、何らかの施設を提供出来るのでは無いでしょうか。」

「いや、リゼが生まれる前に見た事あるけど、今ある施設だと、作れるのはほんとに限られてる。資金調達の為にリゼの躯体に必要なものを提供してその生産ライン作るとしても数年はかかると思う。」

「そうでしたか。何でも作れるという都合のいい"個性"でもあればいいのでしょうが……。」

「それだよ!!」

 

 

 ポツリと呟かれたリゼの言葉に食い気味に反応する。

 

 

「そうだ、そうだよ!前世の科学者気質な記憶が邪魔してて俺自身の"個性"のことしか考えてなかった!そうだよ、例えば()()()()()()()()()()()()()()"個性"なんかあれば、リゼの躯体作りが捗るぞ!!!ナイスだリゼ!!」

「恐悦至極でございます。」

「まぁ、リゼが思っているようにそんな都合良く見つかるとは思えないけどね……。資金調達と同時並行でそのプランも視野にいれようか。」

「よろしくお願い致します、マスター。」




おや何かの"個性"を思いついたようです。

そんな都合のいい"個性"持ちなんているはずがHAHAHA。
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