「えー、なんやかんやで無事帰還することが出来まして、トレセン学園の教官として働けるようになったのも皆の助力と応援あってのことです。ありがとうございましたー!そんじゃあ、かんぱーい!!」
「「「「「かんぱーい!!!」」」」」
愛バたちと寮に送り届けた後、早々に帰宅した俺は予定していた飲み会を開催していた。
参加メンバーは主賓の俺と、姉さん、ヤンロン、テュッティ先輩、ミオ、リューネの6人だ。
場所は俺の家で宅飲みと相成りました。
我が家には酒類等は常備して無いので、それぞれが持ち寄ることにした。
おつまみやお惣菜もたっぷり用意してきてくれたて、色とりどりの食料がテーブルの上に並んでいる。
「とりあえず、ご飯だけはたくさん炊いといたから白米いる人は言ってくれ」
「マジで!茶碗山盛りでちょーだいな」
「その前に肉焼くよ肉、いっぱい持ってきたからじゃんじゃん食べて」
「学園関係者たちとの歓迎会も良かったけど、気心知れた仲だけで集まるのもいいわね」
「やだ"メジロ水"持ってきたの誰よ。結構度数が高いからマサキはやめておきなさい、姉からの忠告」
「ういっす。飲める人は俺を気にせず好きに飲んじゃってよ。でも、ゲロ吐くまではやめてね。発射する時はせめてトイレでお願い」
「僕もそんなに飲める方ではない、純粋に料理と語らいを楽しむことにしよう。こいつを食ってみてくれ」
「これ手作り?相変わらずメッチャ美味い!」
「く~、白米と相性抜群の中華三昧!グルメに目覚めたミオちゃんはモリモリ食っちゃうぞ」
先日、学園の同僚たちが企画してくれた歓迎会はご近所の居酒屋にて行われた。
ありがたいやら気恥ずかしいやらで、ちょっと飲んでちょっと吐いた。
今日の宅飲みは完全プライベート。お子様の理事長や愛バ抜きで開催しております。
リューネが大量の肉を提供してくれたので焼肉パーティーですわ。
肉がいっぱいあるとテンション上がるね。遠慮なく頂くことにしよう。
いい食べっぷりのミオ、人型になり味覚を手に入れた元アインストはすっかり美食に目覚めたようだ。
酒も飲めないこともないが「飯の方が優先」なのだそうだ。
ヤンロンは嗜む程度に飲むらしい、このクールガイがベロベロに酔ったところは想像できない。
「ああ~お酒美味しい~。よく働いた後の一杯は堪らないわ」
「お、テュッティはいける口だね。私と勝負しちゃう?」
「ウフフフ、そんなこと言っていいのかしら~。その勝負乗った!」
「二人とも節度を守らないと斬るわよ」
「たづなさん~弟さんの前だからって無理しなくていいわよ~。理事長からは私以上のうわばみだって聞いてるわ」
「やよいは後で折檻ね。バレてるならいい、せっかくだから飲んでやるわ!」
「じゃあ飲める女三人で改めてかんぱーい!!」
「「かんぱーい!!」」
「こうなってしまっては僕では止められないな」
「なんかペース早くね?酒豪チームホント怖い、みんな程々に・・」
「しっ!目を合わせたら絡まれるよ。私たちはご飯に集中するんだ、いいね」
「あ、はい。そうします」
美味いご飯と頼れる仲間たちがいて嬉しいね。
しばらく談笑しながら楽しく過ごしているとスマホが鳴る。
「はいはーい。おお、待ってたぞ。ああうん、タブレットならあるよ。うん、うん、わかった」
通話を終了してタブレット端末を用意、焼肉量産中のプレートからちょっと離して設置。
「何事?」
「追加メンバーが来た」
教えられた設定にして・・・これでいいかな。
画面が切り替わり一人の男が映し出される。ワイングラス片手のポーズが様になってて非常にムカつく。
「皆さんごきげんよう。早速盛り上がっているようで何より、リモートで失礼しますよ」
「はい、リモート参加のシュウに拍手~」
「「「「ウェーイ!」」」
「女性陣はもうできあがってますね」
「一応、私は全然まともだけど」
「人外のあなたを女性にカウントしていいのか悩みどころです」
「性別メスだよ、立派な女だよ。私がそう設定したんだから間違いない」
「ジェンダーに悩むミオは置いといて、仕事の方はどうよ?あれから何か進展あったか」
「せっかくの飲み会なのに無粋ですね。優秀な従業員たちにより我が社の復旧は滞りなく、ルクスについてはまだこれからと言ったところですか」
「ちっ、やっぱり向こうから仕掛けてくるのを待つしかないってか」
「後手に回るのは癪ですが、ルクスは必ずあなたに接触してきます。今は来たるべき日に備えは力を蓄えるべきです」
「了解。姉さんたちもそのつもりでお願い」
「委細承知よ。弟の敵は姉である私の敵。発見次第、悪即斬!」
「あの仮面なんか腹立つし、元天級としても見過ごせないからね」
「ルクスかあ、一目見た時から胡散臭い奴だと思ってたけど。親父にも注意しろって言われてるし、私も警戒しておくよ」
「お師匠様の幼女化に加担した罪は重いわ。キツイお仕置きが必要みたいね」
「奴の存在は世界に混乱をもたらす。僕の手が必要ならいつでも力になろう」
ルクスには皆で協力して対処していくことを約束してもらった。ありがてぇ!!
やるべきことや問題は山積みだけど、今は飲んで食べて英気を養うことにしよう。
「フッ、やはりファンタはグレープ味に限りますね」
「ワインじゃないのかよ!」
「シュウってば顔に似合わず、お子様っぽいものが好きだよね」
「好物ハンバーグとか言っちゃう男だからな。ご近所のスーパーで"お菓子コーナーで真剣に悩むイケメン出没"とか有名になったこともあったな」
「ライスの協力を得た私は、先日、ファミレスで念願のお子様ランチを頼むことに成功しました」ドヤッ!
「アンタ何やってんの?何やらせてんのww」
そういえば愛バとファミレスに行ったとき、定員さんがシロにデラックスパフェを、俺にブレンドコーヒーを配膳したことがあったな。
ごめんなさい、パフェ頼んだのは俺です。ちょっと恥ずかしい!でも頼んじゃう。
「久しぶりねシュウ。直接会うのは高校生のとき以来かしら」
「そちらも壮健そうで何よりです。例の彼とは今でもラブラブですか?」
「ああ、彼とは卒業後一年持たなかったわ」
「ブゥゥゥッッッーーー!!」
「うわっ!マサキが麦茶吹いた!!」
「突然どうした!?うっかり、ビールと間違えたのか」
ち、違う。聞き捨てならない発言にビックリしただけだ。
「げほっ、えほっ、な、何言ってんスか先輩!"あの人"とは今も仲良くしていると、そう言っていたじゃないですか」
「後腐れのない友人として、という意味だったんだけど。今お付き合いしているのは別の人よ、ほらこれ」
スマホの画像をこちらに見せるテュッティ先輩。
満面の笑みを浮かべる色黒で筋肉質の男が写っている。
ウホッいい彼氏ぃ!大変良きヒートスマイルいただきました。
「なんか元カレと全然タイプ違う。ガチムチ熱血兄貴風だ」
「あ、リカルドのおっちゃんだ」
「知っているのかミオ!」
「学園に大量のニンジンを卸してくれる出入り業者の一人だよ。ノリがよくて面白い男だから、私は好きだな。運命的なものも感じるし」
「何度か話したことがあるが、豪快で裏表のない真っ直ぐな人間という印象だ。農家を継ぐ前は軍の戦闘機乗りだったらしい」
「リカルド農園のニンジンは味にうるさいウマ娘たちも「うまい!!」と断言しているわね。彼が学園の台所事情を支えていると言っても過言ではないわ」
「好評価ばかりでつまんない、なんか欠点とか無いの?例えばほら、マザコンでシスコンでロリコンとか」
「そんな三重苦背負った奴おらんやろ・・・って、俺じゃねーか!」」
「お酒と賭け事にちょーっとだけ、だらしないけど、いい人よ」
今バカにしたわねリューネ!「おまん、わしをわろうたか?」と心の中の幕末人斬りが呟いちゃうぞ。
リカルド、中々評判の良い人物みたいだ。会う機会があれば話してみたいな。
そうか、あの人とは既に別れていたのか・・・まあ、大人の男女だからそんなこともあるよね、うん。
現彼氏リカルドの話をしているテュッティ先輩が嬉しそう、先輩が幸せならそれが一番です。
「今幸せなんですね。どれ位ラブラブですか?」
「マサキとその愛バたちぐらいラブラブよ」
「ヒュー、それは相当なラブですよ!お幸せに!!」
「「「「お幸せに!!」」」」
「フフ、みんなありがとう////」
先輩の幸せを願って再度乾杯する。いいことがあったら皆で祝福して喜びを共有しましょう。
画面の向こう側にいるシュウはおつまみのミックスナッツをポリポリしていた。
あらやだ、全然興味ないのね。
ん?見覚えのある赤髪の女性がフレームインしてきたぞ。
「元カレを吹っ切る為に暑苦しい男に走ったのね。まあいいんじゃない」
「うるさいわね。何であなたが出てくるのよ!」
「私はシュウ様の下僕であり今は敏腕秘書よ!せっかくだからお呼ばれしたわ」
「呼んでませんけどね」
「ああん!シュウ様は今日も手厳しい!」
「まあそう言ってやるな。飛び入り参加のサフィーネさんです。チョリーッス!」
「「「「チョリーッス!!!」」」
「何よそのノリ。元気そうね坊や、就職してようやく一端の男になったかしら」
「お陰様でな」
追加の酒類と料理を持って登場したサフィーネ。
自然な動きでシュウの隣に陣取る。
「今日は無礼講です。あなたも好きに飲み食いしなさい」
「お言葉に甘えさせていただきますわ。よろしくしてあげるから感謝なさい、坊やとその他愚民ども!」
愚民てw初対面の人にはとりあえずSで攻めてみるんだ。やっぱ頭おかしいww
「何だ、この無礼かつ下品な女は」
「どうしてマサキの周りにはこんなのばかりが・・・姉として情けない、サイさんは何をやってたのよ」
「変態サドマゾだけど悪い奴じゃないよ。特に害はないから安心しろ」
「私は結構被害受けているわよ。人の彼氏をどうこう言う前に自分の賞味期限でも心配したら?」
「言ってはならないことを!自分だけ幸せになってないで誰か紹介しなさいよ!いや、ホントマジでお願いします!」
「こちらのヤンロンなんてどう?」
「待て、僕を巻き込むな」
「どれどれ、ほぉー堅物そうだけどいい男じゃない。私の性癖について来る覚悟はあるのかしら!」
「「ついて来れるかヤンロン!!」」
「誰がついて行くか!品性のない女は僕の趣味ではない。それに、悪いが間に合っている」
「振られたわ!シュウ様、慰めてくださいまし」
「そんなあなたには、このエイヒレを差し上げます」(超適当)
「さすがシュウ様!私の欲しい物を理解していらっしゃる」
「そんなのでいいのか」
エイヒレで失恋の傷を癒したサフィーネは今日も逞しかった。
仕事も気遣いもできるし、黙っていればいい女なんだけど、如何せん性癖が足を引っ張っている。
「間に合ってるって何?説明を求む」
「マサキはまだ知らないのか、いるんだよ~ヤンロンにも愛バがねぇ!」
「そういう大事なことは教えてよ!俺とお前の仲でしょうが」
「別に内緒にしていた訳ではない。ただ、言い出すタイミングがなくてな」
「そうよ~。私にだって愛バはいるんだから」
「は?は?はぁぁぁ?聞いてない!!」
「マサキは職場環境に慣れるのと愛バの相手で忙しそうだったから、もう少し落ち着いてからの方がいいと思ったのよ」
「疎外感を感じる。悔しい、そして寂しいー」
「あらら、すねちゃった。とりあえず姉として抱擁しておくわ!ぎゅー」
「むぎゅう・・ああ~姉ぱいが当たってるじゃぁ~」(無抵抗)
「機嫌直してマサキ。そうだ、こっちのお肉食べていいわよ。はい、あーん」
「今、肉に大量の砂糖をまぶしたのは何故?うちの弟を糖尿病にする気か!」
「こっちの方が美味しいからよ。皆もそう思うわよねぇ?」
「「「「ないわー」」」」
「誰も理解してくれないのね。いいわよ、一人で食べちゃうんだから。うーん美味しい!」
砂糖まみれの肉を食べてご満悦のテュッティ先輩は御覧の通り"超甘党"
ケーキに追い砂糖は当然、カルピスも原液で飲めちゃう人です。
全然太っていないし(むしろスタイルはいい)、虫歯になったという話は聞いたことがないので、今のところ健康面で問題はないらしいが心配になる。
相手の健康状態が気になるなんて養護教官らしくていいと思います!自画自賛!
「見てるとこっちの口内が甘くなってくるわ」
「見なきゃいいでしょうが、ほっといてよ」
「ふむ、加齢とともに代謝が落ちると一気に大崩壊パターンですね。今の内から偏食改善に取り組むことをお勧めします」
「冷静に分析しないでよ!糖質制限断固拒否!」
「いや、これはシュウが正しいよ」
「せめて運動量を増やしてはどうだろう。生徒に交って修練するのはいいものだぞ」
「トレセンの教官ともあろう者が、精神も肉体もたるんでいるようでは示しがつかないわ。地獄の教職員特別修練合宿(強制参加)の実施を検討した方がいいしら」
「地獄ってなんだよ」
「うわっ!嫌なこと聞いた。早まらないで、たずなさん」
「貴重な休みを潰した挙句、結果次第で給料査定にも響く合宿か・・・お断りだぁ!」
「甘党の話からえらいことに、テュッティは反省してください」
「え、私のせい?わかったわよ、おデブにならないよう気を付けるから許して」
模範になるべき教官だからな、生徒たちに失望されるわけにはいかない。
いくつになっても修練に終わりなし、若い子たちに負けないよう大人の俺たちも頑張らないと。
学園内のトレーニング施設は教職員も利用可能だ、愛バ不在時にの修練方法を考えてみてもいいかもな。
「ヤンロン、今度組み手でもするか?」
「いいだろう、どれだけ功夫を積んだか見せてもらう。テュッティ、たまには君もどうだ?」
「格闘術には自信がないんだけど、そうね、久しぶりにやってみましょうか。お手柔らかにね」
「得意分野を教え合うのもいいんじゃない。テュッティならガッちゃん譲りの覇気制御とか、ミオちゃんは形態変化の極意を伝授して進ぜよう」
「フォームチェンジはさすがに無理だろ」
「大丈夫、同じ人外のマサキならやれる!」
「断言されるとできそうな気がしてきた。そうだな、やる前からできないとは思わない方がいいよな」
「弟がヤバい方向に進路を・・今更か。ともかく、教官として恥ずかしくないようにお願いするわね」
「「「「了解しました」」」」
「生徒に嘗められたら終わり!理事長はアホかわいい子!はい復唱」
「「「「生徒に嘗められたら終わり!理事長はアホかわいい子!」」」」(何言わせてんだw)
「全てはトレセン学園の栄光と、お給料のために!」
「「「「お給料のために!!」」」」(ですよねー)
少し酔いが回っているのか変なテンションの姉さんに、こっちも変なテンションで付き合う俺たち教官連中だった。
「結局、金じゃないのww」
「賑やかな職場みたいで結構なことです。ブルボンやライスもよい環境で成長してほしいですね」
「マサキたちが教官やってる学園かあ、生徒たちが少し羨ましいかな」
楽しい飲み会は続く、たわいもない話で盛り上がったりすることが幸せだ。
愛バの自慢話とかしちゃうぞー!!
♦♦♦
一方その頃、マサキの愛バたちは学生寮の一室に集合していた。
「邪魔するよ」
「邪魔するんなら帰って」
「はーい。って何でさ!?」
「お約束の芸はいいですから、上りますよ」
「はい、二名様ごあんなーい。アルはもう来てるからね」
「ほぇ~綺麗にしてる、これがココの部屋かあ。カップ麺の容器が散乱しているかと思ったのに期待外れ」
「何で白を基調としているのですか!何で?どうして?白がシロでしろぉぉぉ?」
「情緒不安定で怖いよ!別にいいでしょ、シンプルかつ清潔感のある白色コーデ」
「そこのキチガイ、何で発狂した?」
「そういう雰囲気かと思って、特に深い意味はありません」
「そんなだからクレイジーの称号をもらうことになると理解して」
「サーセン」
マサキさんからシロと呼ばれている身としては一言物申したくなるでしょう?
ならないですか、そうですか。
白を基調としたインテリアで統一された部屋・・・思い切り汚したくなりますね。
「やめてよ」
「やめておきます」(顔に出てましたか)
「なんかこの部屋ココ臭くね?」
「私の部屋だから当り前だよね。ココ臭い言うな」
「もっとニンニク効かせてみては?例えばそう、マサキさんが「もう無理、うぼぇ!」とゲロるぐらいに」
「嫌だね。マサキは私の匂い好きだって言ってくれたもん!ゲロなんかしない」
それぐらい私やクロだって言われてますよ。
匂いに敏感なウマ娘だからこそ、操者に不快な臭気をお届けするわけにはいかないのです。
嬉しいことにマサキさんは大変いい匂いがします、気を抜くとトリップしちゃうレベル。
もう四六時中クンカクンカハスハスしたいです。
「溶ける前にこれ、お土産のアイス。冷凍庫にインしといて」
「お気遣いどうも・・どれどれ、あずきバーだ!やったー!ハーゲンダッツはあるかな~?」
「贅沢言うな!それだって、ちょっとプレミアムな"ゴールドあずきバー"だぞ」
奥に通されると、テーブルに料理を並べているアル姉さんがいた。
うちに帰れば美人妻が手料理を振舞ってくれる。世の男性はこういうのが好きなんですか?
「ここで裸エプロンだったら、未来永劫アル姉を尊敬していた」
「もしそれを披露するのならマサキさんの前だけですね。いらっしゃい、クロさん、シロさん」
「アル中姉さん、どうもです」
「「おいバカやめろw」」
「中はいりませんよ?」(# ゚Д゚)
「雷撃禁止ぃ!ケンカするなら外でやって、頼むから!」
「まったくもう、ココさんに免じて許しますが、気を付けてくださいね」
「サーセン」
((このクレイジー全く反省しとらんな))
(サーセンwww)
クロの暴走にツッコミ入れるだけのダイヤかと思った?
ボケていじって痛い目にあう側にもなれる、それが私のサトノ魂だ。
おっと、アルちゅ・・アル姉さんの眼力が怖くなってきましたよ。このスリル癖になりそう。
全員で配膳をお手伝いして、料理と飲み物をセッティング完了。
デザートやお菓子の準備も万端です。
「それでは恒例の~愛バ会議という名の女子会スタートだよ」
「「「おおー!!!」」」
マサキさんが大人の飲み会をするというのなら、こっちは女子会しちゃいますよ!
今日の会場は学生寮のココ部屋です(じゃんけんで決まった)
「愛バ会議、これで何回目だっけ?」
「さあ、100から先は数えてません」
「そんなにやったかな。マサキの話で駄弁っているとすぐ時間が経つからねー」
「仲良し4人で集まってお喋りする。このひと時が私大好きです」
「アル姉がいい人過ぎてつらい」
「本性知ってる者同士だから気疲れしないのがいい。おお、このピザうめぇです」
「それは生地から私が作ったんですよ。よかったらこっちも召し上がってください」
「やるねアル、自家製ピザとか凄いよ。麺は作れる?」
「パスタやうどんならいけますが、中華麺は未知の領域です」
「もしチャレンジするなら言って、スープと具は揃えてあげるから」
それお前が食いたいだけだろ。
料理上手なアル姉さんはいい奥さんになりそうですね。
良妻賢母筆頭の座は譲れないので、私も努力しないといけません。
「ピザ食べてると思い出すね」
「ですね、マサキさんにテイクアウトされた記念すべき日のことを」
「そのお話、何度でも聞きたいです」
「うまぴょい計画ゼオライマーから鼻毛ボーボボの流れが秀逸かつアホで、笑えるんだよね」
マサキさんと出会った日のことは最高の思い出で、鉄板のネタ話でもあります。
あだ名がゲレゲレになりかけたり、ピザ屋の配達員がボンさんだったり、ブラッシングされたりと色々ありましたっけ。色あせない面白幸せメモリーズ。
「乳首削られたのもあの日でした」
「「それ初耳なんだけどぉ!?」」
「そ、そのこともうは忘れようよ」
「見事再生した暁にはマサキさんが結婚してくれると約束して・・」
「「なんじゃそりゃ!?」」
「記憶改ざんも甚だしい!そんなイベントなかったよ!」
「なんだ冗談か」
「そうですよね。さすがに乳首削れるとかそんなバカなこと」
「「それは本当」」
「「うええー」」
本当にあたった怖い話で、年長二人がドン引きしていた。
時間を確認、もうすぐ予定時刻なので用意しましょう。
こう、テーブルにスペースを確保して・・
「お?シロちゃん、ノートパソコン持って来てたんだ」
「まさか、今からみんなで女の子がアレやらコレやらする、えちえちなゲームを」
「マズいですよ、年齢制限がその////」
「女4人でエロゲプレイなんかするか!」
エロゲはね、誰にも邪魔されず一人でじっくりプレイするものなんですよ。
まったく素人はこれだから困る。
「シロってば、やーらーしーいー」
「うっせ!キモオタ上等だよ!ノベルゲーとしては面白いとクロも言ってたじゃないですか」
「読み応えのあるバトルものならいいんだけどね。エロシーンはおまけ」
「アルはあれかな、やっぱりゴブリンとか触手に滅茶苦茶されちゃう系が好き?」
「急にろくでもない話を振らないで、ココさん!」
「アル姉には「くっ、殺せ」「絶対に負けたりしない」とか言ってほしい。オークは是非とも登場させよう」
「いつの間にか私が酷い目にあうシチュエーションが考案されていく、この流れは非常に危険です」
「選んでアル、姫騎士と対魔忍どっちがいいの?」
「その二択!?どっちも嫌ですよ!」
「敵組織に捕まったアル姉さんは数々のエグイ調教を受け、洗脳悪堕してしまう!敵幹部となって我々に前に立ち塞がる彼女はかつての清楚さは何処へやら、下品な淫語を連発しながらマサキさんの"うまだっち"を狙う姿はサキュバスの如きドスケベっぷりであった。こんなのはどうでしょう?」
「「それだ!」」
「やめてくださいぃぃぃ!!感度3000倍は嫌ぁ////せめて、マサキさんとのイチャラブ純愛ルートを完備して救済してください!!」
「なんかちょっと期待してね?実はノリノリじゃね」
人気シリーズ化待ったなし。売れますよコレ!
冗談は置いといて、サトノ家の財源確保のためエロゲで一山当てるのはいい案かもしれない。
そういうの好きそうな人材は有り余っているので、父様に相談してみよう。
「皆さんは私を何だと思ってるんですか!ああ言わなくていいです、どうせドスケベって言うに決まってますから!!悪かったですねドスケベで!!」
「アル姉さんがいじけてしまいました」
「かくなる上はメジロ家の女に伝わる「殿方を悦ばす秘奥義」を極めて、マサキさんを誘惑してやります!ウフフフ、そうと決まれば何だか楽しくなってきました」
「本性表してきたね」
「どうすんの?アルがウマ娘やめてサキュバスになる覚悟しちゃったよ」
「ココがいじるからですよ」
私もノリノリでしたけどね。ウマ耳尻尾サキュバスか・・・少々属性盛り過ぎだがアリだな。
エロゲ談議はこの辺にして、よし、これで・・繋がったかな。
「あ、映った。よしよし、揃ってるようね。元気にしてた?私の可愛い娘たち」
「「お、おかあさま!?」」」
パソコンの画面に映る美女の姿を認識した瞬間、条件反射で私たちの背筋がピンッと伸びる。
事前に知っていた私もほんの少しだけ緊張する。
「特別ゲスト、マサキさんの母上である天級騎神サイバスター様です。皆の者!頭が高いですよ」
「「「ははっーー!」」」
「やめてやめてw平伏しなくていいわよ」
一斉に首を垂れるアホどもにサイさんが逆にビビッていた。
フレンドリーに接してくれるのでつい忘れそうになるが、天級騎神は雲の上の存在だ。
御三家令嬢といえど学生風情の女子会に招待していいはずないのだが、マサキさんの人脈とご縁に感謝ですね。
「急なお誘いをしてしまい、ご迷惑ではなかったですか?」
「いいのいいの。若い子、ましてや娘たちの女子会にお呼ばれするなんて嬉しいわ」
「サイママ登場なんて聞いてない!」
「言ってませんでしたから、サプライズってヤツです」
「なるほど、今日は義理の母娘でマサキの秘密を暴露しちゃうって企画なんだね」
「フフフ、どうしようかな~。それは気分次第ってことで」
「もう既にほろ酔いのようです。これはいけます」
私たちのことを娘と言ってくれることが、もの凄く嬉しい。
ちょっと顔が赤くニコニコしているサイさんは画面越しでも色っぽい。
「ガー子はグラの家に行っちゃったし、ネオは爆睡中。今日は一人で寂しかったのよ~、それで何の話していたの?」
「対魔忍アルダンについて少々」
「わぉ、女の子が集まってする話じゃないわww」
「やめろと言ってるでしょ!サイさんの前でよくも!ああもう、なんて日だ!!」
「いいぞ、アルがおかしくなってきた」
「サイさんの前でキャラ崩壊wこのままお清楚な仮面をはぎ取ってやりますよ」
「マサキさんの前で醜態を晒すのも時間の問題だね」
「最初からそれが狙いで!?仲間だと思っていたのに、全員敵だらけでした!酷いです!」
愛バ間の友情より、マサキさんへの愛情が勝った。それだけのことですよ。
隙をみせたあなたが悪いのですアル姉さん。最近、マサキさんへのスキンシップが多過ぎましたね。
ライバルを下げる絶好のチャンスは逃しません。
「コラコラ、ケンカしちゃダメよ。マサキが悲しむわ」
「「「「サーセンしたぁぁ!!」」」」
お母様にたしなめられて一同反省する。
いじりすぎたアル姉さんに謝罪して仲直り握手をぉぉぉぉ・・いだぁぁぁぁい!!
私を含めたアホ3人は腫れた手をおさえてうずくまる。指がもげるかと思った(´Д⊂グスン
ホントマジごめんなさい、ほとぼりが冷めたら覚えてろ。
「あれれ、アルちゃん今日は飲まないの?」
「そのつもりだったのですが、負の感情が爆発しそうなので、ええ!飲まなきゃやってられませんよ!」
「ごめんねアル"メジロ水"冷えてるよ。ささ、飲んで嫌なことは忘れようね~」
「嫌な記憶を植え付けた一因がなんか言ってる」
「気が利きますねココさん。ありがたく頂戴します。サイさん、お付き合いしてくださいますか?」
「いいわよ~。へへ、うちにもメジロ水あるんだなこれが」
「お酌してあげるね。はーい、アル姉どうぞどうぞ」
「「かんぱーい!!」」
アル姉さん禁酒初日で断念ww
遠く離れたサイさんと画面越しに楽しそうに飲みにケーションしちゃってます。
おおう、サイさんはともかく、アル姉さんガンガン飲んじゃいますね。ちょっと引く。
二日酔いになっても知りませんよ。
「ウコンやシジミエキスの入った物を用意した方がいいのかな?」
「あれ位なら大丈夫だよ。私たちも料理冷めないうちに食べちゃおう」
「そうしましょう。では、食べながらで「今日のマサキさん」のコーナーいっちゃいますか!」
「「「「待ってました!」」」」
「何か始まったww今日のマサキがどうしたの」
「解りやすく言うと「今日のワンコ」のマサキさんver.です」
「オッケー、理解したわ」
今日のマサキさんが、どんだけカッコよかったか、可愛いと思ったか、ドキッとさせられたかを報告し惚気合うという愛バ会議の人気コーナー、これだけで半日は語れる。
「撫でてくれる時の手つきがさぁ」
「それだったら私も」
「甘いですよ、私なんて」
「ちがーう、それの時にアレがコレで」
それぞれが、マサキさんの素敵エピソードを語り合う。
自分以外の愛バからの視点は更なる魅力の発見にも繋がるので有意義です。
「うちの息子大人気!・・・責任重大ね、ちゃんと全員幸せにしてあげなさいよ、マサキ」
女子会は楽しく進行中、今頃マサキさんもお楽しみですかね。
♢♢♢
再びマサキサイド。
飲み会も中盤に差し掛かり、集まったメンバーは寛ぎながら思い思いに行動をしていた。
「なんと!エロ本全部処分しちゃったの。そりゃまた思い切ったね」
「今の俺にはもう必要ないからな。たっぷり感謝した後に売却した」(`・∀・´)エッヘン!!
「秘蔵のロリものは高値で売れた?」
「ジャンル限定するのやめてくれる?結構いい値段がついてビックリしたぜ。次の持ち主にも大事にしてもらえるといいなと切に願う」
「ダメでしょマサキ、エロ本のジャンルは姉ものに限定しなさいと言ったじゃないの。年下のケモ耳娘はリアルでもご禁制にします!」
「何言ってんだこのブラコン」
「姉、怖いなぁ」
ホント言うと姉もの持ってたんだが、実の姉がいると判明してから背徳感でちょっとね、うん。
素早く移動した姉さんが俺に抱きついてきた。
「マサキ~私の可愛い弟~うぇへへへへ」
「姉さん酔ってる?お水飲む」
「酔ってない。でも、お水はもらう・・・ホントにいい子ね。よしよし」
「駿川女史もマサキの前では形無しだな」
「そうね。今のたづなさん、学園関係者は誰も信じないでしょうね」
「大丈夫、ちょっと距離感バグってない?」
「普通の仲良し姉弟だよ」
「生き別れになり、長い間、実の姉と名乗っていなかったそうです。多少は大目にみてあげては」
「多少?あれで」
「いい歳した大人の姉弟がイチャコラしてるのって、問題なのでは?」
「何も問題ないね」
姉さんはずっと頑張って来た人だから、俺の前では過保護なお姉ちゃんモードになってもいいと思う。
これこれ、君たちのその目はなんだね?俺たち姉弟はこれでいいのです!
「マサキ~、愛バのクソガキどもに裏切られても、あなたにはお姉ちゃんがついてるからね」
「そんなことにはならないと思うけど、ありがとう姉さん」
「ん~弟成分補給~」
姉さんのスキンシップが大胆になってきた。弟はなすがままを選択します。
「アンタの姉、スリスリしてるわよ」
「普通だ」
「ん・・・あむ・・・」
「アンタの姉、耳ハムハムし始めたわよ」
「問題ない」
「ホントの本当に危ないわよ!そこのとこわかってる?」
「近親相姦か・・・こうやってマサキの業は増えていくんだね。えーと、ファインたちの連絡先は」
「何を言い出しているのかね!とりあえず自重するから、愛バたちには黙ってて!」
ペロペロしそうになる姉さんを優しく引きはがしてスキンシップをやめてもらう。
渋々下がった姉さんは姿勢を変えて俺の膝でウトウトしちゃってる。お疲れかな、そのままにしておこう。
顔はほんのり赤く服装の乱れてる美人の全行程お姉ちゃん。本当にいいものですね。
間違いが起こりそうになっても・・・ヤベェ!これは確かに危ない!!今日のところはセーフっ!
こういうときは愛バのことを考えて心頭滅却!
あいつらもエロいからな、今頃妙な話で盛り上がってたりして、そんなわけないか。
「マサキ、そろそろあの話をしては?ここにいる皆さんも聞いておくべきでしょう」
「あの話とは、坊やが異世界に行ったとかいう。報告書を見ましたが信じ難い話ですわ」
俺も未だに夢か何かだと思うほど荒唐無稽な体験だったからね。信じられない気持ちもわかる。
「聞きたい聞きたい!たまに呟くフロンティアって何のことか教えてよ」
「異世界旅行記か、僕も興味あるな」
「ゲートの先にはどんな世界が広がっていたのかしら、気になるわね」
「親父が聞いたら憤死するようなネタだね。よし、追加の料理を準備しようかな~」
「姉として弟の冒険譚を聞き逃すわけには・・ちょっと待って・・・うん、もう大丈夫」
まどろんでいた姉さんがコップに入ったお水ではなく、メジロ水を一気にあおって目を覚ます。
みんな、そんな期待するような眼差しを向けられたら照れるじゃないの。
「オホンッ、リクエストをいただきましたので俺の体験したことを話すぞ。準備はいいか!」
「「「「いいぞーー!」」」」
「ではでは「チートスキルで異世界無双しようと思ったら、もっとヤベェ奴がゴロゴロいてドン引きした」話のはじまりはじまり~」
「タイトル長げぇww」
「なろう系ではよくあることさ」
次回、未知との遭遇しちゃった。