俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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よるかいわ

 嫌な事件だったね。

 

 

 サトイモ事変の経緯を聞いた。

 当時を思い出しクロはニコニコ顔、シロは凹んでいた。

 あちゃークロは愉悦部員だったか。

 

「あの後も大変でしたよ。友人はごっそり減るし、サトイモの次は「ダイヤ様」になって腫物扱い・・・ハァ~…私は何処で間違えたのでしょう」

 

 自業自得とはいえちょっと同情する。

 

「親衛隊が誕生してたよね」

「"ダイヤ様親衛隊"ですか・・・あの人たち、靴を舐めようとしてくるんですよ・・・ホントやめてほしい」

「さらに親衛隊に対抗して、謎の人物「ノワール」がレジスタンス"黒の騎士団"を立ち上げたんだよね」

「おかげで今の学校は、二大勢力がしのぎを削る紛争地域と化しました。」

 

 エライ事になってるじゃん!事後処理が全然できてない。

 でも・・・シロには悪いがちょっと楽しそう!

 

「親衛隊に「ダイヤ様」呼びで崇拝されるシロちゃん・・・素敵だよ」

「嬉しくねーです。隊員の殆どがドⅯなんですよ。しかも、最高幹部の三人が校長たち"ヅラ三兄弟"・・・泣けるぜ」

 

 やばwww面白いwww

 

「黒の騎士団からは「クレイジーダイヤモンド」と言われ、恐れられてるシロちゃんも・・・素敵だよ///」

「ちょ!それは初耳なんですが!誰だ私をスタンドにした犯人は!!!」

「それも私だ」

「!?・・・いい加減にしてください!クロちゃん楽しんでるでしょ!元凶はまたあなたですか!!!」

「ごめんごめんwwwでも信じて本当に私は味方だよ?」

「それにしても「ノワール」の正体は誰なんでしょうか?・・・わかり次第抹殺してやります!」

「それも私だあぁああああああああああ!!」

「やっぱてめぇかよ!ブラァァァッッックゥゥッゥウウ!!!!」

 

 叫び声を上げ飛び掛かるシロ、笑いながら迎え撃つクロ。

 こらこら、近所迷惑でしょーが静かにしなさい。

 暴れんな、暴れんなよ・・・やめてー!賃貸物件なのよ退去命令出されちゃう!!

 

「今日こそ決着をつけてやりますよ!キタサンブラック!」

「サポカのイラストちゃんと見ろよ、もう勝負ついてるからwww」

「あれは最終的に私が勝利してるらしいですよ?」

「・・・なん・・・だと・・・」

「どちらのサポカも優秀なので皆さん完凸までお願いします!」

「お願い~(課金してね!)」

 

 時折、意味不明な言い争いをしながら喧嘩する二人を放置して、寝床の準備を始める。

 止めなくていいのかって?声量もギリギリ抑えているみたいなので、まあ大丈夫でしょ。

 流石に部屋を壊しそうになったら全力で止めます、止められるかな?自信ない。

 床にすのこマットをセット、その上に布団を敷く。

 布団派の俺が洋室で寝るために辿り着いた結論です、もっといいアイデアがあれば教えてね。

 

「おーい、今日はもう寝ようぜ」

「ハアハア・・・クロちゃんのせいで無駄に疲れました、もう休んだ方がいいですね」

「布団1つ?何処で寝たらいいの?」

「お前たちがその布団を二人で使えよ、俺は適当に床で寝るわ」

「家主を差し置いて布団を占拠するなど・・いえ、ありがたく使わせていただきます」

「いつもと違うお布団・・・なんか楽しいねこういうの」

 

 いつも俺が使っている布団へ横になる二人。

 

「ふわ~、なんか布団に入ったら途端に眠たくなってきました・・・」

「わたしも・・・そろそろ・・・落ちる・・ね・・・」

「ああ、おやすみ。しっかり寝ろよ」

「「おやすみなさい・・・」」

 

 またひと悶着あるかと思ったが、疲れていたのだろう直ぐに寝息を立て始めた。

 こういう所はやっぱり子供だな、それにしても・・・寝顔天使すぎじゃね?めっちゃカワイイ!

 おっと、寝る前に興奮しすぎてしまう所だったぜ。

 電気を消して床に寝転がる、ちょっと硬いけど一晩ぐらい耐えてみせろ俺のボディ。

 明日は無事にクロシロが家に帰れますように、俺も無事に平穏な生活に戻れますように・・・。

 そんな願い事をしている時、マナーモードのスマホが震えた・・・。

 

「起きてましたか?」

「ちょうど寝る所だったが問題ないぜ」

 

 二人を起こさないように、明かりの落ちた部屋を移動。

 物置と化した隣の空き部屋の床に座り通話を続ける。

 

「その後、何か聞き出せましたか?」

「ああ、真名に家出の理由も判明した」

 

 二人の真名がキタサンブラックとサトノダイヤモンドである事、家宝を探すため家を飛び出してきた事を伝える。

 

「よりにもよって"サトノ"ですか」

「なんかマズいのか?」

「サトノ家はウマ娘界の"武"を司る者たちです」

「武?」

「ウマ娘絡みの事件や武力衝突が起きた場合、その解決に動くのがサトノです」

「・・・・・」

「ウマ娘が持つ純粋な"戦闘能力"によって社会的地位を確立している一派ですね」

「それって、マフィアとかギャング的なやつか?」

「むしろそういった非合法組織を取り締まるというか、殲滅する側です」

「じゃあ安心だな、悪い奴らじゃないんだろ?」

「はい。ですが世間の評判はあまりよろしくないようで」

「なんでだよ」

「一応、事件の解決に尽力してはくれるのですが、それ以上に事件を起こす側なんですよね」

「あーなんかわかる」

「話が余計にややこしくなったり、むしろ被害が増えたり、無駄に何かを破壊したり、その他いろいろ、やらかし報告が上がっています」

 

 なんだろう、シロを見てると・・・すげー納得する。

 

「「また、サトノか・・・」は警察関係者の間で頻出するセリフですね」

「シロの家らしいと言えばらしいな」

「ダイヤモンドはその家のご令嬢あまり深く関わると・・・どうなるかわかりますね?」

「もう手遅れな気もする・・・ははは」

 

 やはりシロの家はヤバかった。

 じゃあクロは・・・・。

 

「ブラック嬢はおそらくサトノ家の配下、雇われの身なのではないでしょうか」

「親がサトノ家で働いていたりするのかな?」

「もしくは彼女自身が、直接召し抱えられているの可能性があります」

 

 シロがクロの上司って事か・・・そうは見えない。

 

「良家では同じ年頃の子供を一緒に育て、生涯の盟友や右腕にするのはよくある話です」

「そういうのもんかね」

 

 サトノ家に力があるのはわかった。

 では何故・・・

 

「本気になれば速攻で連れ戻されてもおかしくないのに、二人とも初対面の男の部屋でグッスリだよ」

「二人の捜索より優先すべき事があるのでは・・・例の家宝とやらが気になりますね」

「何なんだろうな本当に?子供二人より優先するって余程凄い物なんだな」

「ウマ娘の幼女二人より価値あるものなどあるんですかね?私には理解不能ですよ」

「まあ、お前はそうだろうな」

 

 俺の知り得た情報を話し終えて、明日の動きを考える。

 結論、明日も気を抜かず引き続き頑張れとの事・・・出たとこ勝負じゃねぇか。

 

「二人の事情について分かったので一歩前進としましょう。マサキ・・・ここからが本題です、心して聞いてください」

 

 シュウの真剣な声色に気を引き締める俺。

 

「・・・寝顔」

「何?」

「お二人の寝顔を見ましたか?」

「ああ、すげーカワイイぜ。いま俺の部屋に天使が二人仲良く寝てるんだ・・・それがどうした?」

「画像撮って送ってくれませんか?」

「結局シュウの頭は通常運転かよ!真剣に聞こうとして損したわ!!」

「ウマ娘に関して私はいつも真剣ですよ、それより画像ですよ画像!動画でも可!言い値で買いますから!お願いします!!お願いします!!!!」

「必死すぎてちょい引くわ!だめだめ盗撮になっちゃうだろ?二人が許可したら別だけど」

「こういう時、急に真面目になるあなたに失望しました」

「いや、気持ちはわかるよ?でもここは耐えてくれないか」

「うごごごごごぉ・・・それでも私は・・・わたしはぁ・・・・」

「"ネオさん"に言いつけるぞ」

「ぐっ!卑怯ですよ、ふざけた話の途中で母の名前を出すなんて!」

「ふざけている自覚はあるんだ」

 

 ネオさんとはシュウの実母で、俺の母さんと大変仲の良いママさんである。

 俺も子供の時からとても可愛がってもらったので、二人目の母親みたいな存在。

 元気にしてるかな~。

 

「ふう、母の名前を聞いたら萎えてしましました」

「萎えたとか言うな!冗談抜きでネオさんに殺されるぞ」

「仕方ないですね、今回は諦めます。だがいつの日か必ず!!」

「その情熱には素直に感心する」

「寝息の録音は可能ですか?」

「諦めたと思ったら急に何言ってんの?ホントにすげーなお前って奴は」

「可能ですか?」

「いや、やらないし・・・寝息の録音なんてどうするんだよ?」

「もちろん私のウマ娘コレクションアーカイブに永久保存します」

「・・・・・」

「あとは毎晩就寝時に聞きながら眠る事によって、疑似的に私は添い寝されている事に・・・フフッ、今から楽しみでしょうがありませんよ」

「きっついわー・・・・もう切るぞ」

「くっ!お二人を独り占めした事、いつか後悔させてあげますから。あと母にはくれぐれもご内密に・・・頼みましたよ」

「おやすみー」

「ええ、おやすみなさい。良い夢を」

 

 通話を終えて元いた部屋に戻る。

 眠る二人の頭を一撫でして横になる、シュウほどではないが二人の存在はちょっとだけ俺の癒しになった・・・のか?

 シロクロの穏やかな寝息を聞きながら俺の意識は落ちて行った。

 

 

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