俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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シャミ子

「寝るぞ寝るぞ~、おやすみなさいっと」

 

 寝間着に着替えた俺は部屋の明かりを消し、準備した布団へと滑り込む。

 今日は久々にロンリーな一人の夜だ。

 

「連日、私たちがベッタリではお疲れになるでしょう」

「ゆっくり休んでしっかり回復。そうしたら、また相手してね」

 

 という、愛バたちの提案で設けられた時間は、個人修練と仕事で使う知識の確認と準備で消費した。

 特に溜まってもいない家事を手早く片付けて、今日は早めに就寝することにする。

 一人でいる時間をもっと有効活用できると思ったが、上手くいかないもんだな。

 映画見たり、ゲームしたり、遊びに行ったり、外食したりは「あいつがいる時にやろう」と思っちゃうんだよな。同じ空間に愛バがいない、それが酷く寂しい。

 俺、愛バたちにどっぷりハマってるなぁ。愛バ中毒是非もなし!

 こうして一人になると愛バのありがたみがよくわかる。

 あのぬくもりが傍にいてくれる、それがどんなに幸いで嬉しいことか再認識した。

 みんな今何してるかな?ああ、早く会いたいな。明日は俺から甘えてみようかな?

 おやすみ、クロ、シロ、アル、ココ・・・・ねむねむ~。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「で、ここはどこよ」

 

 気が付くと俺は知らない場所に立っていた。

 眼前には色とりどりの草花が咲き乱れている原っぱ。まあ、なんて綺麗なお花畑でしょう。

 俺ってば寝相が悪すぎて、自然豊かな場所まで来てしまったの?そんなわけない。

 

 マサキ知ってるよ。

 ここが自分の夢の中だって、クボかメルアが安眠妨害用ゴッドフィールド(神造謎空間)に俺を引きずり込んだんだって・・・拉致じゃん、ものすごく迷惑じゃん!

 神だからといって、俺の睡眠時間削ることは許しませんよ。

 

「クボーーー!メルア―ーー!いないのかーーー?」

 

 拉致犯であろう二人に呼びかけながら移動開始する。おい、返事しろコラ。

 ここが現実ではないことはすぐに判明した。

 歩き出してすぐ透明な壁にぶち当たったからね!顔から「ゴンッ」と鈍い音がした、痛いわ!

 気を取り直して探索続行。

 最初にいた場所の地面に目印を付け、見えない壁に手をつきながら移動する。

 ぐるりと一周して戻って来るまで体感時間でおよそ20分弱、ふむ、トレセンの敷地より若干狭い。

 壁に向かって覇気弾(威力小)を撃ってみると、壁に「もわわわ~ん」と吸収され無効化された。

 上に撃っても同様、あの青空や雲も偽物ですかい。

 どこまでも続くかと思われた花畑は見せかけで、ここは透明な壁で仕切られたドーム状の箱庭なのだ。

 

「あそこに行ってみるしかないか」

 

 遠目にチラチラしていたが、この空間の中心に建造物が見える。

 近づくにつれてそれが、お洒落なデザインの休憩所だとわかった。

 ヨーロッパの宮殿にあるようなアレだ。えーと、貴族様たちがお茶会するテラス席みたいな?

 石造りの屋根にテーブルとイスがあり、イスに腰かけて舟をこいでいる人物がいる。

 

「俺の安眠妨害しておいて、自分はうたた寝かよ」

 

 ありゃ?初めて見る顔の女だ。

 クボでもメルアでもない・・・まさか、ルクスの精神攻撃かっ!?

 あれは寝込みを襲うために送り込まれた刺客?夢で俺の精神を殺して、現実の俺もお陀仏作戦なの。

 敵味方の判断をするのは早計かもしれないが、警戒するに越したことはない。

 どうする?まだ距離がある内にブラスターを撃ち込んでみるか。

 

 ・・・あ、起きた。

 接近する俺の気配に気づいたのか、うたた寝女は目を覚ますと、キョロキョロ辺りを見回す。

 俺の姿を確認すると「はっ!」とした表情の後に、邪気のない微笑みを向けて来た。

 あらやだ、可愛いじゃない。

 女は席を立つと小走りに俺へと駆け寄って来る。もう、待ちきれないといった感じだ。

 しかし、焦っていたのか、何もない地面で転倒しそうになる。

 

「!?!?」

「危ねぇ!・・・っとと」

 

 アクセル(加速技)を発動させて瞬間加速、倒れそうになった女を正面から抱き留める形になった。

 ふわぁ~いい匂い。そして柔らかい!

 

「大丈夫か?」

「・・・・」コクコク

 

 声を出さずに頷く女。間地かで顔を見てギョッとする俺。

 女の外見は愛バたちと同じぐらい美しい、文句なしの美少女であった。

 恐ろしく整った美貌、華奢な体躯にきめ細かい白肌、青く煌めく長髪からはキラキラした粒子が零れているかのよう。高貴な者に特有の気品も感じられる。どこかのお姫様?

 う、美しい。愛バたちで美少女慣れしていなければ、危なかった・・・はぅ!

 

「な、なにするだぁ!」

 

 無言のまま、謎の美少女が俺をハグして来ました!

 そうしてスリスリしたりハスハスしたり、コラ!お尻を触るんじゃありません。

 慌てて少女の肩を掴んで引き離す。ホントに危ない。

 

「君は何者だ?名前と所属とスリーサイズを答えなさい」

「・・・・」

「黙っていたらわからん!返答次第では「成敗っ!」しなくては」

「・・・・」フルフル

「あくまで黙秘を貫くか、美少女なら俺が油断するとでも?甘い、グラブジャムンより甘めぇよ」

「・・・・」ブンブンッ

 

 豆知識、グラブジャムンとはインドのお菓子で世界一甘い食べ物です。

 否定するように首を振る美少女(刺客?)を見据える。

 日々、愛バたちからアレコレしてもらっている俺に対し、ハニートラップを仕掛けるとはw随分なめられたもんですなぁ。

 とりあえず、武器を隠し持っていないか身体検査だな。

 やましい気持ちは一切ない( ー`дー´)キリッ

 

 いい加減なんか言えよ。

 美少女は俺の言葉には答えず、上着の襟元を緩めると自らの首を指差した。

 何かを伝えようとしている?

 

「え、何?首?首絞めてほしいのか?そういうプレイの趣味はねーよ」

「・・・・!!」

「違うのか・・・ん?なんだこの痣は」

 

 首を一周するように、彼女の美しい肌には不釣り合いな痣がくっきりと浮かび上がっている。

 痣は何かを縛り付ける鎖のようだと思った。

 首を見せた後に「ここも、ここも!」とばかりに体の各部位に存在する痣を見せてくる。

 手首、足首、背中、胸元・・・もういいから、やめなさい!おぱーい見えちゃうから。

 俺は何故セルフおはだけした美少女(初対面)の服装を直しているのだろか?

 フフ、愛バの服装を日頃から直している経験が役に立ったぜ。

 

「何かの封印か?誰にやられた」

「・・・・」コクコク

「は?自分でやったの・・ハードMか」

「・・・////」ポッ

「否定しろよ。ちょっと見せてみな」

 

 手招きすると無邪気に近づいてくるM女。俺を信用しきっている顔だ。

 なんか警戒していたのがバカバカしくなった。

 敵意悪意は感じない。仮に敵だったとしても、その時はその時だ。

 これじゃ、愛バたちには呆れられてしまうな。

 

 ヒーラーの習性故か、治療できそうならしてあげたい。

 首の痣はどう考えても封印の証。コレのせいで喋れないのだろう。

 手で触れて診断開始・・・( ^ω^)・・・思ったより簡単に解けそう。

 

「解除していい?」

「・・・・!」コクコク

 

 患者の了承を得た上で治療開始・・・( ゚Д゚)・・・ふぅ、無事終わりました。

 手を首から離すと鎖状の痣はきれいさっぱり消え去っていた。

 

「これでいいはず。どうだ、声は出せるようになったか?」

「ん・・・ぁ・・・あぅ・・」

「ゆっくりでいいからな」

「あー、あーあーアー!・・・喋れる・・・私、声が出ます」

「よかったね~」

「ありがとうございます。2000年ぶりに自分の声を聞くことができました」

「二千!?何を言って、ちょ、どこ行くねん?」

「少々お待ちください、よいしょっ・・と」

 

 踵を返し休憩所まで戻った彼女は、石造りの屋根上へとよじ登る。

 

「おいおい、危ないから下りておいで」

「すぅー、はぁー・・・いきます」

 

 深呼吸した彼女は偽物の空を見上げ、取り戻した声で突拍子もないことを高らかに叫んだ。

 

「うまぴょいしたいですぅぅぅーーーー!!!」

 

 なくした警戒心がMAXまで上昇する。

 気品があると思っていたのに、下品だったとは・・俺の周りこういう子多くね?

 

「トーヤ!私!今、メッチャうまぴょいしたいですぅぅぅーーーー!!!」

 

 綺麗な声で何をほざいているのだろう。

 トーヤ?人の名前か、どこかで聞いたような?

 変人だ、ゴルシ並みの変人だ・・・帰りたい、もう帰ってあったかいお布団で眠りたい。

 この夢から覚めるにはどうしたらいいんだろう?頬をつねって・・いてて・・・ダメか。

 いやー!閉じ込められてるー!変な女と閉鎖空間に閉じ込められてるー!

 

「お待たせしました」

「待ってない」

「声が戻った暁には、思いっきり叫んでやろうと決めていたんです。2000年の鬱憤が晴れて、スッキリしました」

「そうですか。2000年もずっとそんな願望を・・・頭おかしいですね」

「よく言われます」てへぺろ

 

 ひとしきり叫んで満足した女が俺の所に戻って来た(来なくていい)

 スーッと俺に近寄って来る度にスーッと距離をとっているのに、この女諦めない。

 

「私、避けられるようなことをしましたか?」

「うまぴょい絶叫するような人はちょっと無理っていうか、怖いっていうか」

「怖がることはありません。私はこの通り、エレガントでプレ~ミアムな女ですから」

「ハハッ」ワロス

「うわぁ、ネズミ―ランドのミキさん笑いですね」

「俺、もう帰りたいんだけど。どうすればいいかな?」甲高い声

「やることをやってしまえばいいのです」

「この俺に何をさせる気だい?」甲高い声

 

 とち狂ってミキさんになった俺は、変な女に手を引かれ休憩所まで連行される。

 見た目に反して力が強い!ガッチリと掴まれた手首は固定されたままびくともしない。

 あれれー?おかしいぞぉ?さっき見た時は無かったはずのキングサイズベッドが併設されているよ。

 「そぉーれぃ!」といって俺をベッドに押し倒す変な女さん。

 普段から押し倒され慣れている俺からしても、見事だと言わざる得ない。

 

「ここがあなたの夢の中だと、知っていますか?」

「存じてますとも」

「私の正体は、あなたが妄想の果てに生み出したうまぴょい専用女。いわゆる今夜のオカズです!

「なん・・・だと・・・」

 

 マジか!マジなのか!

 いやいやいや、俺の妄想にしてはクオリティ高過ぎない?

 この細部まで綿密にデザインされた外見に、個性豊かな性格まで持っている。

 そもそも妄想というなら何故、愛バたち4人の誰かが出てこない?

 

「その理由も説明できます。あなた、今夜はロンリーナイトスリープ(孤独な夜の就寝)ですね」

「そ、そうだが、それが何か」

「愛バ不在の寂寥感と開放感の狭間にて、あなたの無意識は思ったのです「あ~たまには別の女をつまみ食いしてぇなー」とね!そこで生まれたのが私です」

「俺とんでもないクズじゃん!」

「そう自分を卑下することはありません。現実で実行せず、夢で我慢しようとするだけ誠実です」

「そうかなぁ」

「そうです!夢に登場するオカズのことまで責める法律はありません。思考と妄想の自由は誰にも奪えない。どうせ、あなたの愛バだって別の男と妄想でぴょいってますよwww」

「やめろぉぉぉーーー!なんてこと言うんだ!」

 

 あがあがががががッッ!

 愛バたちが夢で別の男とぴょいるだと、うがぁぁ!夢にまで嫉妬する俺は異常か?

 妄想は自由、それはわかってる。でもでも、やっぱり嫌だぁーーー!

 

「狭量なあなたには、この言葉を送りましょう「夢ぴょいはノーカン」はい、復唱!」

「夢ぴょいはノーカン!?」

「ノーカンノーカンノーカンノーカンノーカン!」

「ノーカンノーカンのーかん脳幹納棺???」

 

 なんだかノーカンでいい気がしてきた。

 そうか!夢ぴょいはノーカンなんだ!自由なんだ! ※洗脳されました。

 

「はい。私の誕生秘話は以上です。では、生まれた意味を果たさせていただきまーす」

「待って、ぴょいる前に名前を教えてくれ」

「えーっとですね・・シャミ子と呼んでください。シャミ子、ご主人様にたっぷりご奉仕致します」じゅるり

「ききかんり~。よだれ!シャミ子よだれ垂れてる」

 

 ああ~、シャドウミストレス優子クッソ可愛いいんじゃぁ~。

 

「さあいきますよ。レェェェェェツ!コンバィィィィン!」

「テンション高いなぁ」」

 

 シャミ子はベッド上の俺に勢いをつけて飛び込んで来る。

 掛け声がゴンバトラーVで動きはルパンダイブだww

 これはノーカン、ただの夢だからね!本当にノーカンだからね!よーしバッチコーイ!

 受け入れ準備出来てますよ。

 

「やらせません!」

「ごぱぁッッ!!」

 

 エレガントとは言い難い悲鳴を上げ、シャミ子は彼方へぶっ飛んでいった。

 はいはい、突然の乱入者により、うまぴょいキャンセル入りましたー。そんな気はしていた。

 ダイブ中のシャミ子顔面にフルスイングされたのは、輝く緑の結晶で出来たバット!

 それを肩で担ぐのは俺の知っている金髪巨乳の一人。

 

「まったく、こんなことだろうと思いましたよ」

「メルア!」

「どうもです、マサキさん。いや~痴女に襲われるなんて災難でしたね」

「痴女?シャミ子は俺が創り出したオカズではなかったのか!」

「シャミ子てwwやれやれ・・適当なことを言って、つまみ喰いする気満々でしたか」

 

 シャミ子とメルアは旧知の仲なの?だとしたら、シャミ子も女神!?

 ドタバタと音を立て花畑を突っ切って来る音が聞こえる。

 先程、顔面を強打されたはずのシャミ子がこちらにダッシュして来た。

 

「うわっ、もう復活しましたか。ゴキブリ並みの生命力がキモいです」

「誰がテラフォーマか!ゴッドドラゴンに向かって不敬ですよ」

 

 ドラゴン?どの辺が?

 

「いきなり何するんですか!私のプレミアムフェイスが陥没しかけましたよ!」

「知り合いが知り合いを騙して襲っていたら、普通、ぶん殴ってでも止めますよね」

「だからといって、バットで!顔を!ホームラン!はありえないです!私でなければ死んでました」

「夢だからノーカンですよwww」

「この金髪巨乳!その見苦しい乳を抉りとっちゃる!」

「おーおー吠えますねぇ、汚ったない発声器官は永久封印でもよかったのでは?」

「がおっーーー!」

「がおー!って子供かww」

 

 シャミ子の両手にオルゴナイトが!?

 あれはフィンガークリーブ「がおがお」言いながら結晶の両拳でメルアを威嚇している。

 やっぱり女神なのか。

 

「もう、マサキさんの前でみっともない。オルゴンバットを尻に突っ込まれたくなかったら自重してください」

「元祖オルゴンアーツ使いである私の尻に、その太くて硬いモノをぶち込むですって!?やってみろよ!やってみてくださいよ!」ハアハア(*´Д`)

「うわぁ・・・」ドン引き

「もうヤダ、このドスケベドラゴン」

 

 ハアハアするシャミ子、ドン引いてメルアの後ろに隠れる俺、頭を抱えるメルア。

 

「メルア―!あ、いたいた」

「シャナ=ミア様と後継者君もいるようね」

 

 おいおい、更に誰か来たぞ。俺の夢、どんだけセキュリティ甘いねん。

 メルアと同質の神気を放つ二人?三女神の残り二柱か、え?それじゃあ、シャミ子は何?

 

「で、何があったの?」

「情欲を抑えきれなかったマサキが、私に襲い掛かったのです」┐(´д`)┌ヤレヤレ

「おいコラ、ふざけんな」

「プレミアムな私にムラムラするのは当然ですが、時と場所を考えましょうね」┐(´д`)┌ヤレヤレ

「腹立つわー」(; ・`д・´)

 

 何がノーカンだ!急に被害者面しやがって。

 どう考えても、お前の方がムラムラしていたくせによ。

 

「本当は逆です。この冤罪ドラゴンが加害者、マサキさんは被害者です」

「「だろうと思ったww」」

「信用ゼロじゃねーか」

「長い付き合いの私よりマサキを信じると?なんと嘆かわしい、草葉の陰でトーヤも泣いていますよ」

「そりゃ、今のシャナ=ミア見たら泣くでしょ。恥ずかしくて」

「嘆かわしいのはあなたよ」

「反省してください」

「味方がいない」(´・ω・`)ショボーン

 

 この4人、俺の愛バたちに似ていると思ってしまった。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 邪魔なキングサイズベッドを片付けて、お茶会の準備をする。

 メルアたちの指パッチンで、どれもあっという間に完了した。

 休憩所に用意されたイスに腰かけ、女神様たちとのゴッドトークを試みる。

 お茶もお菓子も(゚д゚)ウマー。

 

「私はカティア。真名、クストウェル。メルアと同じ三女神の一柱で、キタサンブラックを担当してるわ」

「フェステニアだよ。真名、ベルゼルート。サトノダイヤモンドが後継者さ。テニアって呼んでね」

「クロとシロから聞いています。うちの愛バがすっかりお世話になったようで」

 

「いえいえ、こちらこそ」とペコペコ頭を下げ合う俺と女神様たち。ばったり遭遇した保護者の図です。

 黒髪の真面目そうな女神がカティア、赤毛で活発そうな女神がテニアだな。

「もうご存じでしょうが、改めまして」と前置きし、既知の女神も挨拶してくれる。

 

「私はメルア。真名、グランティード。マサキさんという逸材を見つけた、できる女神です」(`・∀・´)エッヘン!!

「「「キャー(≧∇≦)メルアさーん素敵!」」」

「ぐぬぬ。目覚めるのが早ければ、私が先にゲットしていましたのにー」

「負け惜しみ乙」

「むきぃーーー!」ヽ(`Д´)ノプンプン

 

 これで伝説の三女神が揃ったぞ!

 さすが女神様だな、三人とも俺の愛バたちに負けず劣らずの美少女だ。

 約一名、変なのがいるけど。

 俺の視線を感じ取ったシャミ子は「やだ、見つめすぎです///」と照れていた。

 珍妙な生き物がいると、ついマジマジと見ちゃうよな。

 シャミ子は置いといて、俺もご挨拶するぞ。

 

「俺がアンドウマサキです。愛バのこと、オルゴナイトのこと、いろいろとお力を貸していただき、誠にありがとうございました」

 

 実際、メルアたちが俺を選んでくれなかったらマジでヤバかった。

 結晶の繭にならなかったら、クロとシロは本格化を無事に遂げられたかわからない。

 俺はブライアンやルクスにまるで歯が立たず志半ばで人生終了していた可能性もある。

 本当に足を向けて眠れない、今後も学園の女神像前に"よっちゃんいか"をお供えします。え?いらないですか、そうですか。

 

「クストウェル様、ベルゼルート様、グランティード様。御三方には感謝してもしきれません」

「ご丁寧にどうも。そんなに畏まられると、なんだかむずがゆいわ」

「とか言って嬉しいくせに~。感謝の気持ちと信仰心は神様的には一番のご褒美だよ」

「そうね。悪い気はしないわ」

「ふぇっ」(´;ω;`)ブワッ

「メルアさん、泣いたー!?」

「ごめんなさい、グスッ、こんなに感謝されたの、ひ、久しぶりで、ヒック・・私がやってきたこと無駄じゃなかったって・・そう思ったら・・泣けてきましたぁ」

「あーあ、綺麗なお顔が台無し」

 

 シャミ子から借りたハンカチでメルアの顔をふきふきする。

 涙を拭いて、鼻もかんで・・・うむ、これでよし!

 なんだかチビだったクロとシロを思い出す。あいつらは今も、よく笑い、よく泣き、よく鼻をかむ子です。

 返却したハンカチは、シャミ子が吐いたブラスターで無に帰った。洗えばまだ使えるのにな。

 

「なんだか疎外感を感じます。マサキ、私にも感謝してください」

「嫌ですけど」

 

 君にはまだ、それほどお世話になっておりませぬ。

 

「オルゴナイト使ってますよね」

「うん」

「結晶を使った技巧の数々、オルゴンアーツ(覇気結晶術)を編み出したのは、この私ですよ」

「え?メルアたちが最初の使い手ではなかったの」

「この3人はパクって無断使用していただけです。特許侵害も甚だしい、世が世なら法廷で損害賠償と慰謝料を請求していたところです」

「シャナ=ミアの無茶振りを根気強くまとめ上げ、理論として構築したのは誰だったかしら」

「確か「アレをずばーんとして」「ここでぎゅーんです」とか無茶苦茶言ってたなぁ」

「クソでかい結晶を投げたり、鈍器として使用する止まりだった攻撃法を、技の領域まで改良して使えるようにしたのは、トーヤさんと私たちですよ(シャミ子は除く)」

「それでも元祖オルゴナイト使いは私なんですぅ!私が思いつかなければ"バスカー"したり"オルマテ"したりもできなかったんですよ。そこのところは、褒めちぎって称えてくれないと困ります」

「はいはい、シャミ子はえらいえらい」

「もっと心を込めて!」

 

 コイツめんどくせぇ。

 しかし、シャミ子がオルゴンアーツの発案者だということは間違いないようなので、感謝はしておく。

 愛バを宥めるように頭をポンポンして「えらい!シャミ子最高!」と唱えると機嫌がなおった。

 本題に入ろう、チョロかわいい彼女が何者なのか聞かなければならない。

 

「女神様たちのことはわかった。で、結局シャミ子は何なの?」

「フフッ、私に興味津々ですか。マサキのスケベさん」

「うるせー、スケベェなのはそっち」

「私はただ、男性の体を触ったり舐めたり、アレをコレして、うまぴょいで「アッーー!」となりたいだけです!」

「それをスケベと・・いや、話が進まないからいい」

「シャナ=ミア様、自己紹介のお時間ですよ。ドスケベなあなたでも、それぐらいできますよね?」

 

 「できらぁ!」とばかりに立ち上がるシャミ子、演出のためか放出した覇気の粒子を自身の周りに振りかける。

 目がチカチカする。ちょっと抑えて、そうそう、それぐらいで。

 

「準備はいいですか?腰を抜かさないでくださいね」

「へーい」

 

 もったいぶらずはよしろ。

 

「私はシャナ=ミア。三女神と同じく"原初の操者トーヤ"の愛バにして、由緒正しい帝政国家フューリー最後の皇女なのです」

「そっか」

「リアクション薄ッ!あの!トーヤの愛バですよ!?フューリー知りませんか?皇女ってわかります?す、凄く偉くてとても強いんですよ。平伏して賛美してもっと大事にしてください!」

「かまってちゃんウザ。なあ、メルア、これは妄想癖からの虚言か?」

「残念ながら真実です」

「そこ!せめてコソコソする素振りをみせて」

 

 そうそう、トーヤってのは最初に操者の称号を得た男だったな。

 ここにいる4人を愛バにして戦った伝説の存在か、愛バが4人・・・シンパシー感じちゃうわ。

 フューリーってのはよくわからんが、超技術を持った超古代文明の大国ってヤツだろう。

 そこの皇女様であられましたか、(* ̄- ̄)ふ~ん

 俺って身分が高い連中に縁があるというか、物怖じしないんだよね。

 だから基本ため口で、気が向いたら敬う感じです。

 

「シャナなの?ミアなの?どう呼ぶのがベストなの?」

「今まで通り、シャミ子でいいですよ」

 

 よかったぁ。シャナとミアの間のコレ→「=」めんどくせぇと思っていたんだ。

 

「気が合いますね。私も常々、コレ→「=」めんどくせぇと思っていました」

「2000年使った名前を自ら否定しますか、さすが、シャナミア様、狂ってやがりますね」

「さっそくコレ→「=」が消されてるww」

 

 さようならコレ→「=」こんにちは、シャナミア様。あだ名はシャミ子。

 

「シャミ子はどうして俺のところに来たのん?」

「もちろん、あなたに力を託すためですよ。私の本体、機甲竜の力をね」

「機甲竜!?えーと、えーと、それってメカゴジラ的な?」

「かなり近い!まあ、私にかかれば歴代メカゴジなんぞ全機ワンパンで沈めますよ」

「すげぇ!そいつが味方してくれるなら、是非、ルクスを踏み潰してもらおう」ワクワク

「よい笑顔で殺害を依頼する。トーヤにはない凶悪さにシャミ子、キュンキュンします///」

「今のはマイナスポイントでは?私なら力を貸すの躊躇するわ」

「決めるのはシャナミア様だからね~」

 

 "機甲竜"

 超古代文明が造り上げた決戦兵器。

 そのコアである疑似神核にはシャミ子のモノが使われている・・・え?それって

 

「そうです。私は機甲竜を完成させるために・・この身を犠牲にしたのです」

「そ、そんな!そんなのありかよ!」

「今日会ったばかりの私のため憤ってくれる。マサキは優しい人ですね」

「だって、兵器を造るために命を犠牲にするなんて、そんな暴挙をトーヤは許したのかよ」

「仕方がなかったのです、愛しい人と臣民たち、そして世界のために誰かがやらねばいけない、それなら私がと立候補したまで」

 

 シャミ子ぉぉぉーーー!

 お前ってば・・お前って奴は・・・なんと気高い魂の持ち主なのだろうか!

 ただの痴女だと思っててごめんなさい、マジリスペクトします。

 

「全て嘘です」

「嘘かよ!!俺の感動を返せ!」

 

 メルアの一言で台無し。

 

「嘘ではありません。コアには私の神核が使われています。ここにいる私が機甲竜を制御する人格データそのものなんです!」

「話を美化し過ぎなんだよなぁ。立候補も犠牲になったのも嘘じゃん」

「じゃんけんで負けたシャナミア様が「死ぬ!死にますってコレ!神核ぶっこ抜かれて死ぬぅぅぅ!」って大暴れの大騒ぎしただけですし」

「泣き叫ぶシャナミアをトーヤ君が疲れた顔で引きずっていくシーンが哀れでね・・・しかも、市街地でやるもんだから目撃者多数」

「はて?私の記憶と違いますね」

「都合よく改ざんしたんだろうな」

 

 機甲竜のコアにはシャミ子、カティア、テニア、メルアの誰か一人の神核データをコピーして使う案が採用された。

 それっぽくコピーすれば十分事足りたのである。生きている者から神核を移植しろとは言ってない。

 作業自体、命に関わるものではなく、処置も5分で終わるものだった。

 しかし、勝手に曲解したシャミ子は「あ、殺される」と勘違いしたから、さあ大変。

 暴れて脱走した挙句、自らの操者に捕縛連行される始末になった。

 その現場を目撃した臣民たちも美談として勘違いする。

 

 「シャナミア様、御自らが竜の生贄に志願なさっただと!」

 「ああ、我らのために犠牲になる道を選んだそうだ」

 「くっ、どこまでお優しいお方なんだ」

 「お飾りの皇女様じゃなかったんだな・・決めた、俺、騎士団に入るよ」

 「お、俺もやるぜ。姫さんと一緒に戦わなくて何が男だ」

 「ママ~。シャナ様、死んじゃうの?」

 「違うわ、あの方は生まれ変わるのよ。竜のお姫様にね」

 「竜の姫・・・竜姫・・」

 「うおおーー!シャナミア様ーーー!最高!」

 

 「「「「シャナミア様!シャナミア様!シャナミア様!シャナミア様!!!」」」」

 「「「「竜姫様!竜姫様!竜姫様!竜姫様!竜姫様ーーー!!」」」」

 『神竜■■■■■バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!バンザーイ!』

 

 バンザーイ!じゃねぇよ。

 当時の熱狂っぷりが勘違いから起こったものだと知ったら、皆で顔真っ赤になったろうに。

 

「思い出しました。あの後、ピンピンして戻って来た私は好奇の目に晒されて大変でした」

「だろうな」

「今で言うところの炎上騒動ですね」

「フフフフ、民たちから「死ぬ死ぬ詐欺のシャナミアw」と指を刺される毎日は辛かった」(´Д⊂グスン

「「「ブフォッ!」」」

 

 当時を思い出したのか、三女神が同時にお茶を吹いた。

 うわー、美女神様たちの一斉噴射シーンなんてレアだな。ウマチューブにアップしたら再生数稼げそう。

 

「シャミ子、大変だったな」よしよしヾ(・ω・`)

「今はテーブルの上と駄女神たちが大変ですけどね。大噴射なんて!あーwwお下品ですことw」

「「「やかましいわ!!」」」

 

 テーブルと女神様たちをキレイキレイしました。

 お茶とお菓子を再セットアップ。

 

 機甲竜、その力をもっと早く手に出来ていたのならルクスに遅れはとらなかったのに、悔しいのぅ。

 

「竜の力は強大です。それ故に、竜を駆る者"起動者"の選定には慎重を期してきました」

 

 そりゃそうだ。悪い奴が機甲竜の力を手にしたらとんでもないことになる。

 

「今までの起動者はどうだったんだ?」

「いません」

「・・・今まで、ずっと、ただの一人も?」

「はい、起動者候補でお会いしたのはマサキ、あなたが初めてです」

「機甲竜の戦闘経験は?」

「シミュレーションでは何度かあります。実戦経験は皆無です!」

「不安しかない」

 

 ということは何か?

 この竜姫様、ずっとスタンバっておきながら出番がなくて放置プレイされてんの!

 古代の超兵器でも2000年も放置されていたものが、まともに戦えるのかよ。

 

「お手入れは怠っていません。だから、大丈夫なはずです」

「だといいんだが。俺は起動者として合格か?」

「ここまでは順調です!もう、メルアに話を聞いてからずっとソワソワムラムラしていたんですからね!」

「そうそう、マサキには残りの試練を受けてもらうんだよね」

「全ての試練をくぐり抜けた者が起動者となり、竜の力を手にする定番よね」

 

 俺は知らないうちに起動者になるための試練をいくつかクリアして来たらしい。

 

 ・試練その一 三女神に見初められ、オルゴンアーツを習得すること。

 

 ・試練その二 皇家の血に連なる者と契約し、操者になること。

 

 ・試練その三 竜姫自らによる面接、その際、限定封印を解除すること。

 

 ・試練その四 やりたいようにやれ!その場のノリと勢いで決めてよし!

 

 ・試練その五 竜姫の真名を叫ぶんだ!(腹から声出せ!!)

 

 日本語で書かれたA4サイズの書類を見せるシャミ子。

 

「ね、簡単でしょう?」

「そうか?自慢じゃないが、一番と三番、俺じゃないとほぼ不可能だろ」

「ですが、三番まではクリアしています。マサキさんならやれますよ」

 

 なんと、今日の出会いは面接だった。クリアできたということはシャミ子に気に入られたらしい。

 ヒーリング習得していなかったらアウトだったぞ。

 五番は恒例の真名当てクイズ、時が来れば自然にわかるはずなので今はスルー。

 怖いのは四番の存在だ。 

 これ、シャミ子が自由に決めるってことだよな、すごく嫌な予感がします!

 

「二番の皇家の血はもしや・・・」

「はい、お察しの通り。愛しい愛しい、トーヤと私の子孫です!」

 

 シャミ子の子孫だと・・・こいつちゃんと結婚して子供産んだのか・・見た目と言動からは想像できん!

 

「名を変え場所を変え、2000年もの間存続するとはあっぱれです」

「先祖伝来の生命力には素直に感心するわ」

「私たちの子はもう散り散りになっちゃったから、余計にそう思うよ」

「トーヤと頑張った結果です!子だくさんは未来を救う!つまり、うまぴょいは世界を救う!」(*´▽`*)

「名言来ちまったな」

 

 うまぴょいは世界を救う!マサキは今の言葉を深く心に刻み込んだ。

 

 皇家の子孫、身分の高い家、大きな力を持った一族、シャミ子の血、俺が既に契約している。

 このタイミングでシャミ子が俺に接触してきた理由も加味すると、導かれる結論は・・・

 

「俺からシャミ子さんに質問~」

「何でも聞いてください。好きな男性の部位はもちろん!だっちする――」

「「「言わせねぇよ!」」」

「シャミ子はエロい。もうドスケベだよね」

「えへへ、それほどでも」(〃´∪`〃)ゞ

「お酒好きか?」

「嗜む程度には」

「嘘つけ「ワインは樽で持って来い」が常套句だったじゃん」

「飲み過ぎた挙句、初対面のトーヤさんにゲロぶっかけた醜態は忘れません」

「あの時、私はトーヤにハートを撃ち抜かれたのです」(/ω\)キャッ

「ビックリしたトーヤ君が、シャナミアの心臓に掌底を打ち込んだの間違いよ」

「比喩ではなく物理か」

 

 ゲロから始まる恋か、シュウとボンさんもそんな感じだったような。

 

「トーヤったら「早く風呂に入りたい」とか言って混浴に誘ってくるんですもの////」

 

 アホか、一刻も早くゲロを洗い流したかっただけだろ。

 

 酒好きのドスケベか・・・おまけに奇行が目立つアホ。お菓子もパクパク食ってたな。

 良く知る愛バの姿が目に浮かぶよ。

 

「血だよなぁ」

「今、グゥレイトォかつエレガントでプレミアムな我が血筋を妬みましたね?」

「妬んだというか、悩んだというか、悟ったというか」

「答え合わせのお時間です」

「皇家の末裔たる一族、その現在の名前は~?」

 

 皆さんご一緒に、それ、さんはい!

 

「メジロ家だ!!」

「大正解です」

 

 アル、お前の面白ご先祖様に会ったぞ。

 

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