深夜になろうという時間帯。
明かりの落ちたマンションの一室には、男の規則正しい寝息だけが聞こえている。
部屋の主であるマサキが、だらしない顔をして眠っているのだ。
ベッドの上にいるのはマサキ1人ではなかった、すぐ隣には愛バの一人が控えている。
彼女は自らの主を起こさないよう細心の注意を払いつつ、その頭を撫でている。
「この寝顔‥‥‥ずっと見ていられます‥‥‥」(*´▽`*)
皆様ごきげんよう。メジロアルダンです。
ヒロイン視点ではシロさんがメインになることが多いのですけど、今回は私の番です。
どうぞよろしくお願い致します。
操者と二人っきりで過ごす日時は、愛バ会議にて厳格に定められています。
もし、これを破って抜け駆けしようものなら…どんな恐ろしい制裁が待っているかは、考えたくもありません。
本日、操者の付き人(ウマ)は、この私アルダンです。
護衛にお仕事のサポート、身の回りのお世話まで、誠心誠意尽お仕えします。
操者に尽くすことは愛バの喜び。こんなに幸せでいいのでしょうか?いいんです!
ああ、そうそう。お気づきだと思いますが、マサキさんなら私の隣で寝ていますよ。(´∀`*)ウフフ
日中は凛々しい顔をされていますが、お休み中の今は大変可愛らしい寝顔をしています。
この寝顔を守るためなら私、何だって出来る気がします。多分、何だってやってしまうでしょう。
今、私があなたを独り占め出来ている。その事実に、魂が震えるほどの幸福感で満たされる。どうにかなってしまいそう。
フフ、フフフフ、ウフフフフフ、ハアハア‥‥ハアハア‥‥‥( ゚д゚)ハッ!
い、いけません!何を考えているのですか!マサキさんは既にお休み中のなのですよ。
散々愛して頂いたというのに、まだ欲求不満なのですか!?私ってば欲張りさん♪
えー皆様、大きな勘違いなされているようですから、言っておきますね。
私がエロいのではありません。マサキさんの魅力が私を狂わせているだけなのです。
つまり、私がドスケベになったのはマサキさんのせいなのですよ!( ー`дー´)キリッ
私をこんな風にした責任、絶対に取って頂きましょう!ええ、ぜっっったいにです!!
「そろそろ私も……失礼します」
マサキさんの寝顔を見ていて徹夜しました!
なんてことになったら、ココさんたちにアホだと思われてしまいます。
友人であり同じ愛バである御三方は頭にそれぞれの不自由を抱えてしまっているので、まともな私がしっかりしないといけないのです!
睡眠時間はしっかり確保して、明日に備えるとしましょう。
普段はマサキさんの頭を胸に抱き寄せるスタイルが定番ですが、今日は私が彼の胸に包まれることに致しましょう。
布団と腕をそっと持ち上げて、自身の体を滑り込ませることに成功!
ベストポジションについたところで、寝ている彼が無意識に私を抱き寄せてくれました。フォォォ!
「フフ、抱き枕と勘違いしているのかしら」
抱き枕上等です!もっと激しくギュウギュウしてくださっていいのですよ!
ああ、素敵~最高~。彼の匂いと体温に包まれて脳汁がドバドバ出ちゃいます!!(*´Д`)
だ、ダメです!もう眠るって決めたのですから、興奮している場合じゃないです。
羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、マサキさんメッチャいい匂い、羊が四匹、マサキさんの筋肉ヤベェ
ひ、羊、ひつじが、ムラムラします、ひつ、ヒツジ、羊邪魔、ヒツジ本当にクソ邪魔!
ヒツジぃぃーーー!モコモコウールじゃまくせぇぇんですよぉぉーーー!消え失せろ!
羊リストラです。やっぱり、数えるなら好きなモノでないと‥‥‥
マサキさんが1人、マサキさんが2人、マサキさんが3人、4人、5人!
ウホッ!ここが天国か!量産型マサキさん、私の脳内で完成していたのですね!
保存用、観賞用、布教用、そして実戦用!!マサキさんがいっぱいで幸せです!!!
バンザーイ!バンザーイ!マサキさんハーレム万歳ぃぃーーー!!
●
「アルダン……起きなさい、メジロアルダン……」
あん////ダメですよ。こんな朝から、いや///そんな////
「おーい、アル姉おきろー、おーきーてーよー」
「涎垂らしてますよ、このドスケベ」
仕方ないですね////夜の分の体力残しておいてください/////
「フフフ、へへへへ、やぁ、そんなにしちゃ////嘘です!もっとして////」
「絶対エロい夢見てる!」
「出番ですよチュー魔人、ベロチューで起こしてやりなさい」
「断る!今のアルなんかキモい!チューしたくない」
朝食を作っていた私に襲い掛かって来るなんて////いけない人////
リクエストの裸エプロンはお気に召して頂けたようですね/////
「なんかビクンッビクンしだしたww」
「下手に容姿が優れている分、キッツいなあww」
「見ず知らずの方がいるというのに……なんかすみません、うちのドスケベがすみませんw」
「ふぅ‥‥‥世話の焼ける子ですね」
「偉そうな女がアル姉に何かする気だ。放っておいていいの?」
「ここは謎の女に任せましょう。あの人、アル姉をよく知っているみたいですし」
「気のせいかな、二人ともなんか似てる気がする」
毎日この調子だと家族が増える日も近いですね~。
皆さん、ごめんなさいね。一足先に素敵なファミリー作っちゃいます!!
ウフフ、ウフフフフフ(´∀`*)アーハッハッハッハ~、あ?アーーーッッ!!
「アーーーッッ!いっっっだぁぁぁーーーーいいぃぃ!?!?」
「これか?こんなものがあるから!私が恥をかくのです」
「いーたいたいたいぃぃ!?何、何事!?私のおぱーいに大ダメージが!?」
「やっと起きましたか。脳みそピンクな我が子孫よ」
「あなた誰ですか?何故、私の胸を!?痛い!やめてーー!」
幸せな夢を見ていたのに、胸に走る激痛で飛び起きてしまった。
誰?私の胸を
「それ以上はもげる!もげてしまいますぅぅ!」
「もげてしまえ!私より大きいのムカつくんじゃい」
「いいぞ!これで『愛バ乳ランキング』のトップは私にものに」
「わかってないな~。大事なのは大きさじゃなく質だよ、クオリティだよ」
「揉み心地は私のが一番!だと思うよ。いっぱい褒めてもらったもん」
「ちぃ、こうなったらマサキさんに一斉比較してもらいましょう。まあ、私の勝利は揺るぎませんが」
少し離れた場所にココさんたちがいる!?
いたのなら助けてくださいよ!ナズェミテルンディス!!
私のおぱーいが大ピンチなのですよ!
マサキさん、お気に入りの私のおぱーいがぁぁぁーーー!!!
「い、いい加減にしてください!!」
「ごぼっ!?」
「決まった!アル姉のドリルニー!」
「螺旋状に渦巻く覇気を膝蹴りと同時に叩きこむとは、痛そうw」
謎の乳もぎ女に攻撃を加えることで、やっと解放された。
女が腹を押さえてよろめいている間に、バックステップで距離を空ける。
「ぐぉ、私の下腹部に膝を入れるとは‥‥‥なんと無礼な!?」
「無礼なのはそちらです!私の胸を乱暴にしていいのは、マサキさんだけなのに!それをよくも!」
「ぶっかけ祭りのシロと似たような事を言ってるw」
「アルも大分染まって来たね」
「同じ操者を持つ我々の絆を強く感じますね~」
そうです!私たちの身体、髪の毛一本から爪の先まで、全てマサキさんのもの!
正体不明の女が気安く触れるのは、許されないのですよ!
「いたた。くっ、メジロの礎となった子供たちをポコポコ産んだ!大事なお腹に攻撃をするとは!とんでもない子孫がいたものですよ、嘆かわしい!」
「意味不明なことをベラベラと、あなた何者ですか?」
「この子が、こんな子が!私に似ているですって?私の方が断然綺麗で可愛いです。マサキもそう言ってく‥‥‥ひでぶッッ!」
「マサキさんが、何ですって?」(#^ω^)ピキピキ
「お、雷を乗せた覇気指弾か」
「アレ、軽くコンクリの壁に穴を空ける威力ですよ。前に食らったのでわかります」
「食らったんだw何やらかしたのよ」
わけのわからない事を口走る女の顔面に指弾を命中させてやった。
私の一撃でのけぞった女は、涙目で赤くなった鼻を押さえている。
ほう、鼻が弱点なのですね。次は鼻フックデストロイヤーを食らわせてあげましょうか?
「今のは痛かった…痛かったぞーーー!!!」
「来ますか!」
私は迎え撃つ構えをとり、ココさんたちはどっちが勝つか予想して楽しんでいる。助けは期待しない方がいいですね。
しかし、この女は本当に何者なのでしょうか?なんだか無性に不愉快な存在です。
そもそも、ここは何処?私はマサキさんの部屋で眠りについたはずなのに?
(なんにしても凄い覇気、ただのキチガイではなさそうです)
想定した迎撃パターンを行動に移そうとして‥‥‥
「うどん!」
「んぴゃぁ!」
「え!?」
乳もぎ女が変な悲鳴を上げて顔から転倒した。何故?
声のした方向を見ると、新たな見慣れない女がこちらに向かって歩いて来ている。
う、金髪巨乳です。マサキさんのストライクゾーンの女性‥‥‥敵なら排除します。
「何を遊んでいるのです、シャナミア様」
「シャナ…ミア……えぇ!?」
「メ、メルア、これには深い訳がありまして」
「感動の対面もいいですけど、時間は有限ですよ。マサキさんが眠っている内に、やることやってしまわないといけないのですからね」
「は、はぃぃ」
メルアと呼んだ女性が余程恐ろしいのか、シャナミアと呼ばれた女は大人しくなった。
シャナミア……まさか、あのシャナミア様!?いやいやいや!
「あ、あの~」
「あなたは、メジロアルダンさんですよね」
「そうですが」
「そして、キタサンブラックさん、サトノダイヤモンドさん、ファインモーションさん、で合ってます?」
「合ってるよー」
「本日は大事なお話があってお呼びしました。とりあえず、私について来てください。ほら、シャナミア様も行きますよ」
「やれやれ、金髪巨乳は無駄に仕切りたがり屋で困りますよww」
「うどん」
「ぎゃうぇおぉぉぉ」
(どうする?)
(どうするも何も、ついて行くしかないでしょう)
(信用して良いのでしょうか?)
(心配ないと思うよ)
一抹の不安を感じながらも、私たち4人は素直について行くことにした。
〇
美しい草原と咲き誇る花々の広がる大地に爽やかな風が吹いている。
雲一つない青空にはあるべきはずの太陽が無く、鳥の姿も見えない。
自分たちのいる場所が、何処か作り物めいているのは全員が察していた。
案内された先にはお洒落な日本家屋が建っていた。人目を気にする必要はないのか、家の周囲には特に柵などは設けられておらず、畳敷の室内や芝生の庭が丸見えだった。
和風モダン建築の縁側に二人の女性が座っているのを確認。黒髪と赤髪の女だ。
こちらに気付いた二人は金髪と乳もぎの知り合いらしく、気さくに声をかけて来る。
「あー、やっと来た」
「遅いわよ。何処で道草食っていたのかしら」
「私は悪くないです。
「血は争えないということですね。ホント面倒くさい」
不埒って言うな!
血……やはりそういう事なのでしょうか、嫌ですね~勘弁してほしいですー。
「カティアさん!おひさ~」
「フェステニア様も、お元気そうで何よりです」
「お久しぶり、上手くやれているようで安心したわ」
「そっちも元気だよね。やっぱり操者と一緒なのが健康の秘訣かな」
クロさんとシロさんが親しそうに会話をしています。ちょっぴり疎外感!
同じ境遇のココさんが私に耳打ちして来る。
「マサキが言っていた、女神様たちだよ」
ですよねー。
不意に乳もぎ女と目が合う。ドヤ顔が最高に不快!!
こ、この女、いや、この御方が私の、メジロ家の‥‥‥
「オェッ!」
「アル!?何で!」
「アル姉がゲロした!」
「しっかりして、ゲロ姉さん」
急な吐き気がこみ上げてきて我慢できませんでした。おぇぇぇ。
ゲロ姉さんは酷いです。シロさんには後でデコピン(フルパワー)をお見舞いします。
「私の顔見て『オエッ』とは何事ですか!失礼にも程があります」
「吐き気を催す邪悪面、致し方なしです」
「メルア、もう私をいじめるのは止めませんか?マサキも『シャミ子かわいそう』と言ってますよ。やめましょう、もうやめましょうや~」
「フンだ。私から後継者を奪ったシャナミア様が悪いんですー」
「う、だって、マサキは私の起動者になったから、メルアには他の二人を担当してもらった方がいいと思って!良かれと思ってぇぇぇ」(´Д⊂グスン」
「わかってますよ。そっちの方が効率的で適材適所なのは!でも、でも、やっぱりムカつくんですもん」
「ごめんなさい。トーヤに続きマサキまで奪っちゃってごめんなさいww優秀過ぎてごめんなさいwwモテる女は辛いですwww」
「うどんうどんうどんうどーーーんんんんっっ!!」
「ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ん゙!ぶるっきゃおうぴらむに」
また始まってしまいました。
マサキさんを奪った、ですと?これは私も金髪さんに加勢すべきなのでしょうか。
○
思った通り、見慣れない4人は女神様たちでした。
マサキさんたちが使う結晶、オルゴンアーツは彼女たちに選ばれた証なのだそうです。
簡単に自己紹介しましたが、女神様たちはマサキさんを通じて、既に我々のことをご存知のようでした。
クロさんを担当なさっているのはカティア様、真名をクストウェルと仰るそうです。
才色兼備な黒髪の女神様で、近接格闘戦を得意とされているのだとか。
シロさんを担当なさっているのはフェステニア様、真名はベルゼルート。
元気ハツラツとされた赤髪の女神様で、射撃と敵集団の
今はフリーなメルア様、真名はグランティード様です。
自称、争いを好まないゆるふわ系女神様。持ち前の防御力とパワーを武器に敵陣中央を突破するのが快感らしいです。
マサキさんの担当から外されたようで、これからは私とココさんの二名を面倒見て下さるのだとか、お世話になります!
ここまではいい、問題は……
「そして!この私が!シャナミアです!真名はまだ秘密!」
「ああ、やっぱり‥‥‥オェッ」
「アル姉、二日酔い?」
「これは多分…
「「ふざけんなーー!」」
ちょっと、ココさんシロさんも!揺らさないで、まだ吐き気が収まってな‥‥‥オェッ。
昨日はそれほど飲んでないはず、マサキさんがジト目になるから遠慮したのに!
「驚くのも無理はありません。フューリーのラストエンペラーにしてメジロ家の創始者!オルゴンアーツを編み出したのも私!」
「抜け駆け禁止だって約束でしょ!するならちゃんと準備してからって決めたじゃない!」
「『着けない方が気持ちいい』とか言って、マサキさんを誘惑しんたのでしょう!この色魔!ドスケベサキュバス!」
「エロの人類悪だよ!殺生院キアラだよ!」
「なっ!キアラは言い過ぎですよ!あんな恥ずかしいアルターエゴと一緒にしないでください!」
同じエロのビーストなら、カーマ様の方が好きです!聖杯捧げてレベル上限突破させちゃうぐらい好きです!
「その昔、トーヤと共に大活躍した伝説の愛バにして、今はなんと、あの機甲竜なのですよ!私ってば本当に凄いです!自分の可能性が怖い!」
「二日酔いでなければ、どうせ想像妊娠とかいう間抜けな落ちだねw」
「アルならやりそうww散々騒いだ挙句に病院で赤っ恥かく奴wwだっさっwww」
「行くなら産婦人科じゃなくて、脳外科だろwww」
「残念です。マサキさんには申し訳ありませんが、今日から愛バは私1人になるでしょう。ええ、ほんとうっっっにぃ!残念ですよぉ!!」
「「「やんのかぁゴラァァ!!」」」(゜д゜メ)ゴルァ(。д。メ)ゴルァ(゜д゜メ)ゴルァ
「やりますよ!やってやりますよ!かかってこいやぁーーー!!」(#・∀・)
三対一の戦い、いつかこんな日が来ると思っていました。意外と早かったです。
かなり苦しい戦闘になるでしょうが、幸い三人はかなりのアホです。そこに勝機を見出しましょう。
見ていてくださいマサキさん。私こそが最優の愛バだと証明してみせます!
「シャナミアそっちのけでケンカ始めちゃったよ」
「さすが、マサキ君の愛バね。全員アホだわ」
「シャナミア様ー!ガン無視されてますよー!クソダサドラゴンになってますよー」
「フフフ‥‥‥放置プレイ‥‥‥」ハアハア(*´Д`)
「
放置されてハアハアしている変なのがいます。『へ、変態でちーーー!』と叫びたいほどキモイです。
やる気がそがれてしまったので、ケンカは中止して変態に問いかけます。
「シャナミア様?本当に、あのシャナミア様なのですか?」
「そうですよ。我が
「っ!シャナミアさまーーー!」
「フフ、いらっしゃい。カワイイ子孫を
感極まってシャナミア様に駆け寄る私。
シャナミア様も両手を広げてこちらに来てくださる。
会いたかった、ずっとお会いしとうございました。
二人の影が重なる。私はシャナミア様の両手を掴み、その姿勢を前方へ崩す。
自分の体を後方へ捨て、片足をシャナミア様の下腹に当て‥‥‥勢いを殺さず、ぶん投げた!!
「イ゙ェアアアア!!」
受け身を取り損ねたシャナミア様は背中から地面に叩きつけられました。ざまぁですWW
「綺麗な巴投げね」
「そして、汚い断末魔だ」
痛みに悶絶するシャナミア様に追撃をかける。
「さっきはよくもやってくれましたね!シャナミア様―――ッ!」
「ぐぁぁぁああああああああああ」
「マサキさんを襲ってくれたそうで、そのお礼もまだでしたねぇぇーーーー!」
「のぉぉぉおおおおおおおおおお」
「あなたの因子を受け継いだせいで、そのせいで、私は、私は!」
「みょょょよよよよよよよよよよ」
「アルコール中毒のドスケベゴリラ!!なんて不名誉極まりない陰口を叩かれているのです!超不愉快ッッ!」
お
それもこれも……あなたが悪いんだ…あなたがご先祖だからぁーーー!!
「あなたって人はー!!よくも!このっ!このぉ!」
「お許しください!Dr.ヘルぅぅぅぅぅ!」
「メジロアルダンです!」
急にあしゅら男爵になってもダメです。
海よりも深く反省してください!
「我々は一体全体何を見せられているのでしょう?」
「女が女に"電気あんま"してるの初めて見たww」
「構図としては、のび太にブチギレるセワシ君的な感じか」
「2000年後の子孫と心温まるふれあい。よかったですね、シャナミア様」
「これ感動するところ?どういう顔すればいいの?」
「笑えばいいと思うわ」
○
電気あんまをしばらく続けていたら、ドMのご先祖に耐性ができ始めた。
気持ち悪いので速攻で止めた。「え?もう終わり」と物足りなさそうに言うシャナミア様にキレそうになった。
「なっ!ここは、マサキさんの夢の中ですってーーー!」
「そうです。ここはマサキの中ですよ」
「もうここに永住しよう。そうしよう!」
「それはダメよ。あなたたちにはリアルの生活があるでしょ」
「女神様たちだけズルい!」
「ズルいって言われてもなあ。私たち思念体だからさ、宿主がいると何かと楽なんだよね~」
「マサキさんのおかげで、あなたたちにも姿を見せながらお話できるのです。普通ならあり得ないことですよ」
結局、マサキさんが最高に凄い男なのです。さすが私の操者だけあります!
「なんで今日はマサキさん呼ばないの?」
「女同士でないとわからないアレコレをやりたい!」
「意味不明です」
「まあまあ、こういうのもいいじゃん」
女子会がやりたかっただけなのかしら?
神様も女の子なんですね、わかります。
オルゴンアーツの調子を見るとのことで、クロさんシロさんと担当女神様は何やら問診のようなやり取りを開始しました。
みんなが構ってくれなくなったので、シャナミア様は畳の上に転がりゴロゴロしています。ダメなご先祖です!
「では、ちょっと診ていきますね。私の真名はグランティード、それを心中で思い浮かべ念じてください。いきますよ~」
メルア様が私とココさんの頭に手を置いてムンムン唸っています。
万が一、力が暴発することを懸念して、私たちは綺麗なお庭に出ていますよ。
「二人とも、オルゴナイト‥‥‥要ります?」
「いります!欲しいです!」
「あって困るもんじゃないし、私もオルマテしたいよ」
「うーん。使えないこともないです、けど、どうしようかな~、どうするのがベストでしょうか」
「悩むことですか?欲しいならくれてやればいいでしょう」
ゴロゴロに飽きたシャナミア様が割り込んで来た。
「ですけど、この二人は」
「そっちのメラメラは心配するだけ損ですよ。燃え上がったところで、死にはしません」
「メラメラ?ビリビリではなくて?」
「メラメラです。ビリビリはマサキからパクった副産物、この子の本質はメラメラですよ」
ビリビリとは私のことでしょうか?メラメラとは一体?
「それより問題は、こっちの子ですよ」
「ですよねー」
「私?私、何か変かな?」
メルア様とシャナミア様がココさんを鋭い目つきで見ています。
ココさんはラーメン狂いですが、いい方ですよ。私の大事な親友です!!
「あなた、いい目と耳を持っていますね。さぞや、よく見えてよく聞こえることでしょう」
「収納スペースの整理はこまめにした方がいいですよ。私も昔、苦労しましたから」
「あらら、さすが女神様たちだね。マサキにしか言ってない秘密に感づいちゃうとは」
ココさんの秘密?。心当たりは…
「下手にオルゴンアーツを継承しちゃうと二人の才能が潰れるようで、それは勿体ないといいますか」
「問題ないでしょう。オルゴンクラウドだけでも使えるようにしておけば、後はこの二人が勝手に折り合いつけてやりますよ」
「それでいいのかな。でもな~」
「ええい!まどろっこしい!そんなに悩むことですか?向こうの二人も、相当なアレですよ」
「だからですよ。継承者全員が、オルゴンアーツと同等かそれ以上の力を秘めた化物って前代未聞です!鬼に金棒…いや、鬼に核ミサイルです」
「マサキを継承者に選んだあなたがww今更何をwww」
「あの時は知らなかったんですよ!だって、まさか…神‥‥器が‥」ゴニョゴニョ
「それ以上はいけない!」
「トップシークレットですね。わかってまーす」
女神様たちがしゃがみ込んで何やら密談して、直ぐに立ち上がった。
「それで、核ミサイルはもらえるのかな?」
「あげるのは金棒の方です。核ミサイルは既に持ってるでしょうに」
「どうすれば発射できるのか、わかんないけどね。宝の持ち腐れってヤツだ」
「わかってないのはアルダンだけ、あなたはわかろうとしていないだけ。全く、めんどくさい子ですよ」
「???」
「気にしないでね、アル。とりあえず、オルゴンアーツを使えるようにしてくれるってさ」
「あ、はい」
ココさんは一人で理解して勝手に完結したようです。
相談されないのは悲しいですが、私の力が必要な時は、頼ってくれると信じてます。
「はい、いちーにーさんー!はい、おしまいでーす」
「「簡単過ぎでは!?」」
メルア様が再び頭にタッチして、三つ唱えて即終了!
こんなので本当にオルゴンアーツを使えるのでしょうか。
「あ、できた」
「できました」
腕や足に緑色の結晶を具現化することができました。
出来たのですが‥‥‥マサキさんたちのに比べると、大きさも強度も輝きも、何もかも‥‥‥
「ショボいですねwww」
「その通りですから、反論できません!」
シャナミア様の言う通りショボショボです。やだ、私のオルゴナイト…ショボ過ぎぃ!
「初めてですからね。きっと、まだ馴染んでいないだけですよ」
「若しくは、二人の才がオルゴンアーツと反発し合っているのでしょう」
「上手く使うには工夫が必要ってことか」
「メイン武装ではなく、補助としての使用が最適解だと判断します」
「理解の早い子たちですね。さすが、私の新後継者!」
「だから言ったでしょう。マサキの選んだ子たちなのです、少々無茶したぐらいでは壊れませんよ」
シャナミア様、もうちょっと褒め方を考えてください。
女神様たちとの邂逅、これで私たちの戦力はアップしました。
これで益々、マサキさんの力になることができます!
クロさんとシロさんの方も終わったらしく、全員が揃った後はお茶会となった。
女神様たちの操者トーヤ様の話を聞きながら、私たちの操者マサキさんの話をして盛り上がる。
楽しいひと時でした……あれ……なんだか、眠たく‥‥‥なって…
「シャナ…ミア…様‥‥また……」
「はい。またお会いしましょうね。酷い目に会いましたが、あなたとお喋りできて幸せでしたよ」
「わたし…も……です」
優しい声を聞きながら、眠りに落ちていく。その声はどことなく母に似ていた。
起きた時には隣にマサキさんがいることだろう。今日の体験を話してそれから…それから……
夢空間からアルダンたち4人が退去した後。
「ふぅ、騒がしいけど楽しかったわね」
「昔を思い出しちゃった。トーヤがいて、みんながいて、あの時も……うん」
「ダイヤモンドさん、ケーキに顔面から突っ伏してましたけど。あれは良いのでしょうか?」
「あの子はメジロの血こそ引いていませんが、私と同じ芸人魂を感じます。大丈夫ですよ」
「それ褒めてんのww」
しばしの沈黙…女神たちはそれぞれの後継者を思う。
マサキを含め、今回の5人は性格も才能の飛びぬけている。
これほどまでの異常者‥‥‥もとい!異能者が集まるのは、何かしらの運命を感じてしまう。
「これで最後…ですからね」
「出し惜しみは無しってこと?」
「時が来た!ってヤツですよ」
背水の陣、もう後がない、尻に火が付いた、当たって砕けろ、やぶれかぶれ。
言い方はどうあれ、世界という概念自体が危機感を抱いたのは間違いない。
「全く‥‥‥どいつもこいつも、遅いんですよ」
そう遅い、私たちも遅すぎた。そのせいで、管轄外とはいえ多くのものが失われた事実がある。
間に合うか?わからない、わからないけど、私たちはやるべきことをやる、奴を宿敵を倒すのだ!
マサキたちと一緒なら……きっと…
●
目覚めの朝は快調そのものだった。
今日の俺は珍しく愛バより早起きだ。
朝起きると至近距離から寝顔を凝視されていて、毎回ビックリするんだが、今日はそれがなかった。
アルを起こさないようにベッドから降りて身支度と整え、朝食の準備をする。
途中で起きたアルが「寝坊した!シャナミア様のアホ!」と言って怒っていた。
どうやら、愛バたちは女神様たちと夢空間で会ったらしい。
俺、呼ばれてない。(´・ω・`)ショボーン
「申し訳ありません!寝坊したばかりか、朝食の準備までマサキさんに」
「ええんやで。ほら、食べよう食べよう」
アルほど凝ったものは作れないので、申し訳ないのはこっちの方だ。
ちょっと焦げた目玉焼きに、みそ汁とご飯、夕食の残りとお漬物を少々ぐらいだよ。
それでも、美味しい美味しいと言って褒めてくれる‥‥‥そんな愛バが大好きだ!
「シャミ子と会った感想はどうなん?」
「おぱーいを、もがれそうになりました」
「どういうことなの!」
「お返しに、電気あんましてやりましたよ」
「マジでどういうことなの!?」
味噌汁吹きそうになった。
先祖と子孫、感動の対面は中々バイオレンスな状況だったようで、見たかったなぁー!