俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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ロリベホマ

 自慢の尻尾でカマセワンコ―を倒したシロ。

 彼女の勝利を称えて拍手喝采が巻き起こると思っていたのだけど、何やら様子がおかしい。

 試合中にシロが何をやったのかわからない観戦者たちが戸惑っているのだ。

 

「今の何だったの?」

「カマセワンコ―が勝手に吹っ飛んだ???自爆か?」

「そもそも、クレイジーDはどうやって攻撃したんだよ」

「毒でも盛ったんじゃね?」

「第三者による狙撃…リングそのものに仕掛けがある…とか」

「サトノ家の関係者が秘密裏に援護していた?そんなバカな」

「卑怯な手段を使ったってのか、そういう風には見えなかったぞ」

「なんだぁ、八百長か?」

「ダイヤちゃんがヤラセなんてするはずない。でたらめ言うなハゲ!」

「ハゲてねーし!」

 

 ざわめきは収まらず、次第に大きくなっていく。

 血沸き肉躍る戦いを期待していたのに、蓋を開けてみればワンコ―が一人で勝手にボコボコになり、最後は豪快に吹っ飛んだという意味不明な結末。とても納得できない。

 消化不良を起こした観戦者たちの中から、シロの不正や"ヤラセ"を疑う声も上がる始末。

 そのような状況でもシロは『ふわぁ~』と他人事のように欠伸をしていた。

 

 (飽きちゃいました。マサキさん、そっち戻っていいですか?)

 (今リングを下りたら『やましい事があるから逃げた』みたいになるよ。ちょっと待ってろ)

 (はい。考えるのをやめて、ただひたすらにあなたを待ちます)

 

 外界からの情報をシャットアウトし、シロは無我の境地に入った。

 アストロンという呪文をご存知だろうか?この状態のシロはまさにその通り。

 俺が声をかけるまで動かなくなる。当然、周りの非難や野次などは全て受け付けない。

 半目で薄っすら微小したその表情は、北島屋敷で見た仏像の顔に酷似してる。

 なんでや?

 

「覇気尻尾を隠したのがアダになりましたか」

「どうする?このままじゃシロ『反則負け』にされちゃうんじゃ」

「それはあんまりだ。助けに行こうよ」

「最初からそのつもりだ。愛バが言い掛かりで窮地に立たされるのを、見過ごすわけにはいかない」

 

 全員でリング上のシロを迎えに行く。そして、彼女を擁護するのだ。

 うまく説明できるかな『見えない尻尾でぶん殴ってました!』で伝わるか?

 

「やれやれ、また出番か」

「「「「誰だよ!?!?」」」」

「また出た!知ったかぶり!」

「あーそういえば、なんかいたなあ」

 

 俺たちが動く前に一人の男がリングへ向かって歩き出す。

 クロとシロの試合前後に詳しい解説を披露していた男、知ったかぶり男(仮)だ。

 無造作ヘアの茶髪に黒いサングラスをかけた美男。何者だ、モブではなかったのか?

 めんどくさいから『ぶり男』って呼ぶね。

 あまりにも堂々とした態度のぶり男に呆気に取られた俺たち。

 その隙にぶり男はリング上へ赴き、レフリーからマイクを奪い取る。

 

「今の試合、サトノダイヤモンドは不正などしていないと断言する」

 

 突然現れてシロを庇うぶり男。

 観戦者たちの注意はシロから謎の男へと移った。

 『お前に何がわかるんだよ』『イケメーン』『てか誰だ?』『ウホッいい男』

 ブーイングに晒されてもぶり男は動じない。カッコイイ仕草で髪をかきあげる余裕すらある。

 

「さあ、優秀なる裏方たちよ!手筈通りに頼むぞ」

「「「了解であります!」」」

 

 他に仲間がいたのか、ぶり男の指示でアリーナの運営スタッフらしき人たちが慌ただしく動き始める。

 

「スタンバイOK!いつでもいけますよ」

「映像をモニターに出すぞ!……ポチッとな」

 

 天井から吊り下げられた四面巨大モニターに先程の試合を録画したものが映し出された。

 マッスルアリーナには、遠くの人にも試合が見られるように、こんな豪華設備もあります。

 マジで金かかってんなぁ。

 試合のリプレイ映像、見えない攻撃を受けたカマセワンコ―が倒れる瞬間までの記録だ。

 

「この映像にビアン博士特製『サルでも隠形看破できーる』フィルターをかけると……成功です!」

「うむ。諸君、改めてこちらを観たまえ!」

 

 有無を言わさぬぶり男の態度に、皆は渋々といった感じでもう一度映像を見る。

 シロとワンコ―の戦闘記録、特に変わったところは……あった。

 観戦者たちは次々に気付いていく、見えていなかったものが姿を現していた。

 

「何だありゃあ」

「クレイジーの尻尾から更に何か生えている?」

「アレだ!あの触手でワンコ―をフルボッコにしてたんだ!」

「触手だとぉ!?俺の性癖には合ってますね!!」

「なるほど。覇気で作った触手を隠形術で透明化していたのか、納得だ」

 

 シロが尻尾で攻撃し、ワンコ―を叩きのめす一部始終の映像が流れている。

 特製フィルターにより覇気尻尾が可視化されたことで、消化不良気味だった人たちも安心したようだ。

 なんという手際の良さだ。やるじゃねぇかぶり男!

 

「隠形看破フィルターをかけたが、それ以上の加工や編集は一切行っていない。疑うならいくらでも映像データを提出しよう」

 

 男の言葉に異議を唱えようとした者も押し黙る。

 突っ込まれる前に潔白を証明する手立てがあると先に言ってのけた、素敵やん。

 

「ま、俺は最初から信じていたぜ」

「嘘つけ!サトノ家はヤベェからと、散々非難してたろうが」

「ダイヤちゃんカッコカワイイ~こっち見てーー!」

「なんと美しいアルカイックスマイルだろうか、悟りを開ききった顔をしておられる」

「アレ気絶してね?心ここにあらずってか、微動だにしないんだけど」

「よく見て!(よだれ)鼻提灯(はなちょうちん)が出てるわ!寝てるのよ!!」

「この状況で!?大物というか、まさにクレイジーww」

「ええと、ファンクラブは……嘘だろ!もう公式サイトができてやがる!早く登録しねぇと」

「起きて―!起きて勝利宣言やり直そう~」

 

 知ったかぶり男が俺を手招きする。来てシロを起こせってことね、了解!

 とうっ!髭面の配管工もビックリの大ジャンプする俺。

 リング上に颯爽登場!!

 

「みんな俺やで!!」

「「「「またかよ誰だよ!?しらねーよ!!」」」」

「あ、すみませんすみません。その、あ、あの、この子の操者をしている者で……」

 

 そう言ってシロの肩に手をかけた瞬間……

 

「「「「もげろぉぉぉーーモゲロォォォーーも・げ・ろぉぉぉっっ!!」」」

 

 ひぃぃぃぃ!

 老若男女問わずの大ブーイングが俺の豆腐メンタルを粉々に破壊する。

 勢いで登場したのは失敗だったか、こんな目にあうなんて聞いてないよー。

 怨嗟をともなった皆の圧が凄い!

 あ、やめて!物を投げるのはやめてください!

 俺の"うまだっち"がもげることを、これだけの人々が望んでいるというのか!?

 平気!へっちゃら、だって俺には愛バたちが……ぐほぉっっ!?

 突然の激痛に膝から崩れ落ちる。

 

「悪い…やっぱ辛えわ」

 

 誰かが投げた缶コーヒー(中身入り)が俺のうまだっちにクリーンヒット!!

 あはは、特に防御も覇気集中もしていなかったよ……もげる前に折れたんじゃね?

 

「そりゃ辛えでしょ」

「ちゃんと言えたじゃないですか」

「聞けてよかった」

 

 クロ!アル!ココ!来てくれたのね。

 大量のもげろコールとゴミ投擲から俺を庇ってくれる、愛バたちが頼もしい。

 股間を手で押さえながら三人の愛バに手を伸ばす……

 

「みんな…どうもな。俺、おまえらのこと好きだわ」

「マサキさん!アソコは大丈夫?」

「未来の子供たちに、会えなくなったら悲しいです」

「ちょっと見せて、ヒーリングするから」

 

 やめなさい。ここで下を脱がそうとするのダメ!三人がかりはやめなさい!!

 助けにきてくれたんじゃなかったの?俺を社会的に殺しに来たの?

 くっ!早くシロを起こさなければ大変なことに。

 衆人環視の中でモロだしヒーリングされちゃうのー(/ω\)イヤン

 

「シロ、起きて――ー!」

「はい。起きました」

「早い!こいつら何とかして!」

「かしこまりました。三人ともクソ邪魔です!

「「「キャーー―!!!」」」(≧▽≦)

 

 シロがオルゴンテイルを発動させ、クロアルココの三人をリング外に追い出した。

 『キャーキャー』言いながら逃げて行ったところを見るに、全員本気ではなくじゃれてるだけだ。

 

「それで、私への疑惑は晴れましたか?」

「もう大丈夫だ。あそこにいる知ったかぶり男が解決してくれた」

「それはそれは、後でお礼をしないといけませんね」

 

 あの野郎!俺がリングに登場した時にはスタコラサッサと会場の隅に逃げてやがった。

 俺とシロが会釈すると、知ったかぶり男は『やれやれ』ポーズを決めた。

 イケメンだから様になってるんだけど、ちょっとイラッとした。

 

「見える。今度の尻尾は俺にも見えるぞ!」

「キラキラ光って綺麗……」

「宝石?ダイヤモンドからエメラルドの尻尾が!?」

「おお、おおおお!D様じゃ!見たか皆の衆、あれこそがD様の御神体じゃあぁぁーーー!!」

「「「ありがたや~ありがたや~」」」

「おっと、しまい忘れ注意です」

 

 オルゴンテイルを解除するシロ。輝く尻尾は一瞬で粒子となり消えていく。

 僅か数分の出来事だったが、結晶尻尾は多くの人に目撃された。

 実際に動かすことで、シロがインチキしていないことが証明されたのだ。

 シロの奴、それがわかっていて使ったな。

 

 それから、シロはリングに転がっていたマイクを拾い上げる。

 改めて勝利宣言をするつもりだと、悟った周囲のざわめきが徐々に収まっていく。

 皆が勝利者の言葉を聞きたいと思っている。

 シロの口からどんな突拍子もない発言が飛び出すのか、期待を込めた注目が集まる。

 

 「お集まりの皆様、ダイヤの輝きいかがでしたか?」

 

 凛とした表情を崩したシロは、緊張と照れが入り混じった笑顔で言葉を発した。

 それはお嬢様モードでは見れない表情、素顔のサトノダイヤモンド。

 傲慢でもなく、凶暴でもなく、芸人でもない、ありのままの顔。

 あんなにも強く、あんなにも美しく、あんなにも狂っていて恐ろしいウマ娘。

 それが……この場に集まった全ての人に語りかけた。

 見下すでもなく、媚びへつらうわけでもなく、年相応の少女として、

 『自分こんなヤベェウマ娘ですけど、どうっスか?』と皆に問いかけたのだ.

 

 (はいクソ可愛い!さあ、皆の反応は如何に?)

 

 ズキューンッッッ!!!

 幻聴が聞こえた。多分、少なくはない数のハートが撃ち抜かれたのだろう。

 俺か?俺は毎日撃ち殺されてますよ。

 

 そして……

 

『「「「うぉぉぉーーー!!ダイヤちゃん(様)最高ぅぅぅーーー!!!」」」』

 

 観戦者たちが一斉に叫ぶ!会場は歓声と悲鳴の大洪水だ!

 

「「「D!!D!!D!!D!!D!!クレイジィィィーーーD!!!」」」

 

 鳴り止まない歓声にシロは面食らった。

 観戦者たちの反応が予想以上に大きかったことにたじろいでいる。

 

 (どうしましょうコレ?収拾がつかなくなってますよ)

 (しばらくそのままでいいだろう。みんなシロをお祝いしているんだよ)

 (お祝い?ですか……)

 

 そうさ、シロに会えてよかった。シロがいてくれてよかった。シロがシロでよかったと。

 みんなが祝福してくれているんだよ。おめでとう、そして、ありがとうってな。

 

 (あなたも……そう思ってくれますか?)

 (俺はいつでもお前のことを思ってるぞ。最高の愛バだってな)

 (マサキさん////最高なのは……あなたです)

 

 ダイヤモンドの輝きに魅せられた者たちの声は、長い間会場を揺るがしていた。

 

 〇

 

 マッスルアリーナ、スタッフ用通路

 

 ダイヤへの歓声が響く中、知ったかぶり男は協力者たちに礼を述べていた。

 

「仕事中なのに無理を言ってすまなかった、協力感謝する」

「「「はっ!光栄であります」」」

「敬礼はやめてくれ。今の私はメジロ家を去った身だ」

「関係ありません。教導隊創立メンバーは、今も俺たちの憧れですから」

「あの"黒旋風"にご助力できたとあれば、自慢できるってもんですよ」 

「買い被り過ぎだ……ああそうだ、スタッフルームに差し入れしておいた。良ければ、休憩時間にでも食べてくれ」

「まさか、御自らの手作りでありますか!?」

「そうだ。最近ドイツ菓子にハマっていてな、今日はケーゼトルテに挑戦してみた」

「「「うわーい!超楽しみだぁー!!」」」

 

 仕事に戻っていく裏方スタッフを見送った男はサングラスを外す。

 そして、上着のポケットから新たなサングラスを取り出し装着した。

 

「やはり、こちらがしっくりくるな」

 

 独特なデザインのサングラス、ゴーグル型のそれは男のお気に入りであった。

 

「カツラはとらないんですか?」

「一応、お忍びですから。今日一日はコレで行こうと思っています」

「綺麗な金髪なのに、勿体ないですね」

「いつから気付いておられました?」

「最初からです。あなたが使っている香水の匂いを覚えていましたから」

「トロンべ弟は騙せても、あなたは通用しませんでしたか……アルダン様」

 

 密かに知ったかぶり男を追いかけていたアルダン、どうも彼とは旧知の仲らしい。

 

「敬称は必要ありません。もっとくだけた感じでお願いします」

「ですが……」

「エルザムと、お呼びした方がいいかしら?」

「フッ、あなたには……キミには適わないな。私のことは今後もレーツェルで頼む」

「はい♪謎の美食家さんですね」

 

 クスクスといたずらっ子のように笑うアルダン。

 彼女を見てレーツェルは思う。しばらく見ないうちに大きく成長したと。

 

 (本当に強く美しくなられた)

 

 自分を殺してくれと懇願していた時の彼女はもういない。

 籠の鳥だった姫は迎えにきた王子と共に大空を羽ばたいている。クサさ最高潮!!

 

「ここにはお仕事で?」

「今日はオフだ。せっかくなので弟たちの付き添いをしている。キミたちに会ったのは偶然だ」

「操者養成校に通っている弟さん……なるほど、SRXチームとご一緒でしたか」

 

 レーツェルの弟が、人間版トレセン学園の操者養成学校に通学していると聞いたことがある。

 好成績を修めた者は特務隊として実戦経験を積まされている日々なのだとか、SRXチームはその特務隊の一つだ。

 今レーツェルは元教導隊としての腕を買われ、臨時教官として働いているのだという。

 教官ならトレセン学園でやればいいのに……とアルダンは思う。

 レーツェルの実力ならば教官として申し分ない、理事長に言えば一発採用だろう。

 

「あなたも教官ですか、へぇー」

「教鞭を取る事で見えてくるものもある。今の生活は充実しているよ」

「教官ならトレセン学園でやれば‥‥‥はっ!」

 

 そこでアルダンに電流走る!!

 雷の覇気ではなく、ニュータイプの直感的アレだ。

 以前、執事長やマサキに聞いた話と、その他諸々を思い出したのだ。

 メジロ家の教導隊メンバー……暴君と黒旋風のコンビ……そういうことか!

 

「『たづなさん』がいると不都合ですか」(・∀・)ニヤニヤ

「ノーコメントにしておこう」

「脈ありですかぁ?ちゃんとアプローチしてます?デートぐらいは誘ったんでしょうね!」

「ご想像にお任せする」

「いいから!教えてくださいよぉぉ!私にとっても重要な事なんですから!!!」

「私とトロンべの仲がキミにどう関係がある?」

「義理の姉になる方の幸せを願って何が悪いんですか!ええ、私は純粋な気持ちで、だずなさんとあなたを応援します!!」

「腹を割って話をしよう。ここで聞いたことはトロンべ弟には伏せておく」

「あの小姑がレーツェルさんとくっ付けば、ブラコンが少しは緩和される!!それを期待しております!寿退社でもデキ婚でも何でもして、何処か遠くに移住してほしいです!火星とかおススメです」

「トロンべはそんなに邪魔かwww」

「邪魔ですねぇ。私とマサキさんが医務室で二人っきりになる度に訪ねてくるのが本当に邪魔ですね!あと少しでしたのに、何度キャンセルを食らったことか!!」

「キャンセルとは?」

うまぴょいキャンセルに決まっているでしょーが!!」ヽ(`Д´)ノプンプン

 

 本当に変わったなこの子……悪い意味でも。

 トロンべ弟の苦労を思いレーツェルは苦笑する。

 

「落ち着きたまえ。淑女が"うまぴょい"などと絶叫するものではない」

「大変失礼しました。ですが、メジロの女はこれが普通です。初代のシャナミア様から続く伝統なのです」

「ははは、ご冗談を。あのシャナミア様が、そんな発言をなさるわけ」

「何も知らないって幸せですよねー。女は男が思っている以上にエロいと肝に銘じなさい!

「あ、はい。なんかすみません」

 

 アルダンの物凄い剣幕に怯んでしまうレーツェルであった。

 キャラも変わったなあ……メジロの女怖いなぁ。

 プンスコしていたアルダンだったが、すぐに落ち着きを取り戻した。

 急に真面目になるな!マジでついて行くの大変!

 こんなの後三体も面倒見てるんだ……トロンべ弟すげぇな。

 

「実家はどうなってます?」

「ルクスの件から以降、不穏な動きをしている連中がいる。元老院のお偉方だ」

「ババ様の方針に異を唱える方々ですか、具体的にはどのように?」

「各地の軍備増強はもとより、民間の軍事企業とも提携を推し進めているようだ。それから……機甲竜を探しているとも」

「機甲竜ですって!?いや、待ってください、シャナミア様の神体はメジロ家が有しているはず。それを探すとは、どういうことなのです?」

「私も詳しくは知らない。ある程度の推測はしてみたが」

「かまいません。聞かせてください」

「メジロ家、ババ様が管理しているのは竜の全てではない。分割された機甲竜の一部を持っているのにすぎないのではないか?」

「一部……元老院は、ババ様より多くのパーツを集めて……」

 

 元老院はメジロ家の中でも特に絶大な権力と資金力をあわせ持つ幹部トップ10で構成された役員議会だ。

 頭首のワンマン経営で一族が衰退しないよう生み出されたもので、現頭首のババ様に反対意見をぶつけるのが仕事みたいなものだと、アルダンは両親から聞いていた。

 『こういう考えもありますよ』と別の角度から意見を出すのが仕事であり、頭首から権力を奪取しようなどとは思っていない‥‥‥はずなのだが。

 その元老院が、機甲竜のパーツを集めて優位に立とうとしている??それはつまり……

 

「クーデターでも起こす気ですか」

「表向きはルクスへの対抗手段という名目だが、竜を利用してメジロ家内のパワーバランスをひっくり返す気がゼロだとは思えないな」

「権力闘争にシャナミア様を利用するなんて罰当たりにも程があります!それに、神竜はマサキさんを選んだのですよ。まさか……マサキさんまで狙うなんて、ありえませんよね?」

 

 アルダンの怒気に反応して身体から放電が起こる。

 もしも操者に害をなすならば、たとえ生家であろうとも蹴り砕く所存だ。

 

「そうと決まったわけではないが、ルクスの件と同様に注意しておいてくれ」

「実家の悪い所が出ましたね。内輪揉めをしている間に外部勢力に付け入る隙を与えてしまう」

 

 そのことは歴史が証明している。

 メジロ家の内部抗争中に、これ幸いと勢力を伸ばしたのがサトノ家とファイン家だからだ。

 今回はそれがルクスにならないといいが……

 

「今のところは7:3でババ様が優勢だ。しかし、これ以上元老院が出張って来るならば、キミたち次期頭首候補の力を借りなくてはならない」

「私は造反した身ですから候補者ではありません。マックイーンたちが矢面に立たされるのでしょうか……心配ですね」

「都合が悪くなると裏切り者の汚名を被るのだなw」

「だって、めんどくさ……ゲフンゲフンッ!いえ、私のようなじゃじゃウマに、頭首などという大役は務まりませんわ。オホホホホ~」

 

 高齢のババ様に代わり、頭首を務め一族をまとめる存在が必要になる。

 マックイーン、ライアン、ドーベル、パーマー、ブライトの中から次期頭首(仮)を選ぶのか……

 現状だと有力なのはマックイーンかな、とアルダンは思う。

 ラモーヌ?彼女なら休暇とってベガスに行ってる。

 当分の間、日本に帰って来る予定は無い!残念出番はありません!

 

 あ、そうだ。ついでにこれも聞いておこう。

 

「2号機はどうなりました?」

「今、デバイス化の真っ最中だ。完成次第、信頼できるトロンべにトロンべを託そうと思う」

「えーと、あなたが言ってるトロンべは2号機でもたづなさんでもない…カフェさん?」

「確かにトロンべは信頼できるが、我がトロンべを継ぐのは別の新たなトロンべだ」

「あら?新しい愛バと契約なさったんですね。おめでとうございます。その子も黒髪ですか」

「見事なトロンべだよ。実家がケーキ屋らしくねて、菓子作りの腕は私をも凌駕する」

「大体わかりました。ギッチギチのスケジュール管理されちゃってください」

 

 恋愛感情抜きにして契約する操者と愛バか‥‥‥うーん、わかりません!

 マサキさんとビジネスライクなお付き合いしかできないなんて、辛すぎる!!

 そんなん発狂死する自信あるわ!もうあの人なしでは生きていけません。

 

 それから雑談を交えて一言二言、情報交換をした。

 アルダンはそろそろマサキのところに戻ろうと思い、レーツェルに別れを告げる。

 

「それでは、よろしくお願いします」

「ああ、ルクスとメジロ家の動向には今後も目を光らせておく」

「そうではなくて!たづなさんの件ですよ」

「フッ、善処しよう」

「お願いしますよ。サッサと口説き落として"竜巻斬艦刀"決めちゃってください」

「竜巻斬艦刀???」

「もう!察しが悪いですね『竜巻斬艦刀=うまぴょい』ですよ。言わせないでください」ポッ

「そんなもんわかるかっ!!」

 

 アルダンをトロンべ弟に預けたのは、失敗だったかもしれない……後の祭りだ。

 

 〇

 

 クロとシロの昇級試験は無事終了した。

 これから、二人の表彰式があるのだが‥‥‥

 

「ねえねえ!こっち!こっち見てーー」

「しゃ、写真を、どうかお願いします。一枚だけでも!」

「握手とかお願いしてもいいのかな」

「もう一回尻尾見せてよー」

「俺とカップ麺の謎肉について語り合いませんか?」

「ファンクラブ入会しましたぁ!これからずっと応援しますんで!」

「ありがたや~ありがたや~」

「サトノ家とファイン家の求人ってまだある?え、北島組……ついに俺も極道デビューか」

 

 クロ、シロ、ココが大勢のファンに囲まれてしまったのです。

 俺は押し寄せる人の波にどんぶらこと流されて、会場の壁際に追いやられてしまいました。

 あー怖かった。愛バたちは無事みたいだけど、どうしよう。

 

 (マサキさん!?ちょ、こいつらぁ!!)

 (アホ!一般人傷つけたらマサキさんが迷惑するでしょう)

 (でも、ウザいよー)

 (ファンサービスはいいけど、さすがにこの数は……)

 

 愛バたちも人の群れを捌くのに必死だが焼け石に水。

 そこへ、警備の腕章を着けた人たちがゾロゾロと登場した。

 

「はい下がって!下がりなさい、下がれって言ってんだろ!」

「ここより先に踏み込まないように」

「言う事を聞かないクズは叩き出すぞ!」

 

 愛バたちを守るように陣形を展開した警備員は、暴徒と化しつつある人々の鎮圧に乗り出す。

 よく訓練されているようで、これなら安心だ。

 

「申し訳ないが、表彰式まで別室で待機してもらっても?」

「かまいません。助けてくださりありがとうございます」

「俺たちもファンの気持ちは十二分に理解している。キミたちはいろんな意味で魅力的だ」

「お上手だね。悪い気はしないけど」

「私たちはメジロの者だけど、サトノとファイン憎しって訳じゃないわ」

「俺も俺も!御三家のどこに所属していたって、強くて可愛い子は応援するぜ!」

「いい人たちで良かった。でも、マサキさんはどうしよう」

 

 クロが心配そうにこっちを見た。

 

 (こっちは大丈夫だ。表彰式まで別室待機してな)

 (そう。じゃあ、ちょっと行って来るよ)

 

 警備員にガードされながら愛バたちは別室に連れて行かれた。

 取り残された人々はブーブー文句を言っていたが、帰ろうとはしていない。

 表彰式でもう一回アタックする腹積もりなのだろう。

 ファンの愛が怖い!

 

「あらあら、行ってしまいましたね」

「アル、どこに行っていたんだ?」

「知り合いがいたので、少しお話しをしていたんです」

「男か……」

「そうですけど?」

「べっつにー……拗ねてなんかないしー」イジイジ

「嫉妬してくださるんですね‥‥‥可愛い人」

 

 ば、ばばばば、バカ言ってじゃないよ。嫉妬なんかしてませんってば!

 

「安心してください。私は、あなただけ、あなただけものです」

「照れますなあ」

 

 耳元で蠱惑的に囁かれてゾクゾクしちゃった。

 アルはドンドン艶っぽくなっていくなあ……エロ可愛いの権化だな。

 

「アル、ちょっと寄りたい所があるんだけど」

「はい。お供しま……」

「キャーー!見つけたわ!アルダン様よぉーーー!!」

「「しまったぁ!!」」

 

 そうだった。アルも別室待機対象でした。

 女性ファンの悲鳴を聞きつけた人々の視線が一気にアルへと集中する。

 冷汗をかく俺とアル。

 

 (逃げてください。ここは私が食い止めます)

 (バカ言うでねぇ。お前を残して逃げれっかよ!)

 (奴ら(ファン)の狙いは8割方私です、このままではマサキさんまで揉みくちゃに)

 (んんん?……残り2割は何を狙っている?)

 (気付いてないのですか!?試合中からずっとマサキさんをつけ狙っている連中がいることに)

 (は?)

 (右斜め後ろ、気付かれないように見て下さい)

 

 ファンの大群が迫るなか、アルが教えてくれた方向から妙なオーラをまとった連中が突撃して来ている。

 ワンコ―ほどじゃないけど、やたらとガタイのいいタンクトップお兄さんたちだ。

 え、めっちゃ怖いんですけど。目がイッちゃってるんですけど。

 アルじゃなくて明らかに俺を見てるんですけどぉ???

 

「いい尻してやがるぜ」じゅるり

「奴を俺たちの仲間に加えてやろう。ああ、それがいい」ハアハア

「男らしく正々堂々、裸の付き合いとしゃれこもうぜ」フンスッ

「フフフ、僕らローズガーデンの新メンバーは彼で決まりだ」舌なめずり

「どさくさに紛れてテイクアウトするぞ!アジトに連れ帰ってからは、お楽しみだ――!」ヒャッハー

「「「「おおおーーー!!!」」」」

 

 目は口程に物を言う。

 彼らの熱視線は聞きたくない言葉を俺の脳裏に届けた。

 

 (アルすまない。不甲斐ない俺を許してくれ!!)

 (行ってください!バラ族は適当に蹴散らしておきますので、ご安心を)

 

 本当にごめん!!俺はアルを置いて脱兎の如く逃げ出した。

 こんなところにまでホモが湧くなんて!

 私の体が目当てなんでしょ?ホント男ってサイテーよ!

 

 〇

 

 で、迷ったって訳。

 

 このアリーナ広すぎるよ~。

 一心不乱に逃げたからどこをどう走ったか覚えてねぇ!

 表彰式までに戻れるかな?

 

 メジロマッスルアリーナは4つのブロックが合体してできた、複合スポーツ施設だ。

 東西南北の建物にそれぞれABCDのアルファベットが割り当てられている。

 俺がやって来たのはBブロックはずだから、今いる場所はBとCの中間地点。

 Cブロックへ向かう通路だな。うん、あっているはず。

 最悪、一周してしまえばいいのだ!よーし、ちょっと探検しちゃおうかな。

 

 気持ちに余裕が出て来た俺は鼻歌混じりに通路を歩く。

 そこで、見覚えのある幼女を見かけた。

 親とはぐれたのかと思い、声をかける。

 

「よっ、こんなところでどうしたんだ?」

「あ!ロリコーンだあ!」

 

 その子はワンコ―の魔の手から救出した幼女。

 彼女は通路の突き当りにある部屋を覗き込もうとしていた。

 部屋の入口に掲げられたプレートには『医務室』と書いてある。

 

「あの時、やっぱりケガを!?ごめん、俺のミスだ!」

「ち、違うよ。私はケガしてないの。えっとね……その」

「ちゃんと聞くから、落ち着いてゆっくり話してくれ」

 

 医務室を覗こうとしていた理由を、身振り手振りで一生懸命説明してくれる幼女。

 ‥‥‥‥なんだ天使か。

 打ち明けられた理由に胸がキュンキュンしちゃう。

 こんないい子が生まれるなんて、この世界まだ捨てたもんじゃねぇな!

 

「私が行ったら迷惑かな……」

「そんなことない。わかった、俺が先に行って様子を見て来るよ」

「本当!ロリコーンありがとう」

「しばらくここで待てるか?」

「大丈夫、ママがいてくれるから」

 

 すぐそこの自販機で買い物をしていた、幼女の母親がちょうど戻ってきた。

 俺を見つけるとまた頭を下げて来る。いえ、ジュースはいりません。お気持ちだけで結構です。

 幼女と共に事情説明……母親は快く引き受けてくれた。

 

「じゃあ、お母さんと待ってて。大丈夫そうなら呼ぶからね」

「うん!」

 

 幼女の朗らかな笑顔に見送られ、俺は医務室に入った。

 ほう、俺の職場であるトレセンの医務室とは違うな。

 まず広さが全然違う、AEDなんかの医療機器も最新のものが揃っているようだ。

 設置してあるベッドの内、パーティションで仕切られた一つに人だかりができている。

 その中心、ベッドに片膝を立てて座る人物と目が合った。

 

「何だ、アタシを笑いに来たのか?」

「そんなに暇じゃねーよ」

 

 頭に包帯を巻き、腫らした頬にガーゼを張った痛々しい姿。

 シロがボコボコにしたウマ娘、カマセワンコ―その人であった。

 

「なんだてめぇ帰れよ!」

「お前たちにのせいで、ワンコ―さんはこんな姿に」

「もういいだろ、そっとしておいてくれよ」

 

 取り巻きたちが口々に俺を責める。『帰れ』だの『鬼畜』だの酷い言われようだ。

 帰れ!コールが巻き起こりそうになったところで、覇気をほんのちょっと解放。

 

「ぴーちくぱーちく…うるせぇから黙れや、他の患者さんもいるんだぞ」

「あ……何だこいつの覇気…」

「ヤベェ、足、足が勝手に震えて」

「うあ、ああああ。オェッ」

 

 吐かなくてもいいだろ!ちょっと覇気で脅かすとこれだもんなあ。

 俺の覇気を目の当たりにしたワンコ―は自嘲気味に笑う。

 なんか悟ったというか、諦めちゃった顔してる。

 

「それがお前の正体か、見抜けなかったアタシがバカだったわけだ」

「まあな。本当の実力なんて、みんな隠しまくってるよ」

「で、真の身の程知らずにトドメを刺しにきたか」

「そんなわけあるかーい」

 

 ビビりながらもワンコーを庇おうとする取り巻きを押しのけ、ワンコ―の正面に立つ。

 本業のテクニックをお見せしましょう。

 

「うちのシロが悪かったな。うんしょっと!」

「おい、何をして……」

 

 手の平から緑の粒子が溢れる。それをワンコ―の頭に優しく当てる。

 直接触れた対象のケガを癒すハンドヒーリング、俺の十八番です。

 効力はベホイミぐらい。骨折していなければすぐ治せるぜい。

 

「なんて温かい覇気」

「ワンコ―さんの傷が、どんどん治っていく!?」

「す、すげぇ。どんなレベルの治療術だよ」

 

 取り巻きたちの感心する声に、医務室にいる専属の医師や他の患者たちも何事かとこちら伺う。

 そして、マサキの施術を見て呆然と固まる。

 

「お前……」

「あー、動かないで。他に痛いところは?」

「じゃ、じゃあ肩を」

「よっしゃ、任せなさい」

 

 ワンコ―の全身をヒーリングする。

 シロが結構痛めつけたのに、もう自力で回復しようとしている肉体だ。

 肉体の強度は厳しい修練を積んできた証。口は悪いが根は真面目なんだな。

 

 10分ぐらいで大体終わった。

 最後にワンコ―の顔を両手で包み込み、顔の傷を治療して完了じゃい。

 

「これでオッケー。傷は残らないと思うから安心しな」

「ワンコーさん!ワンコ―さんが復活したぞ」

「よかったッスねワンコ―さん」

「あ、ありがとう。ヘタレ」

「ヘタレ言うな」

 

 取り巻きは大喜びだが、ワンコ―は釈然としない顔をしている。

 

「一応、包帯やガーゼを取るときは、ここの医者に診てもらってからにしろ」

「……何が望みだ?」

「は?別に金なんて要求しねーよ」

「じゃあ、アタシの体か////」ポッ

「何言ってんだ?それだけは絶対にない!」キッパリ

「そうか。アタシレベルの女を抱くのは恐れ多いか、なら仕方ないな」

「ポジティブ勘違い!」

 

 なめんなよ筋肉ダルマ!俺にも選ぶ権利あるわ!

 俺が普段どんなレベルの女にヒイヒイ言わされてるかわかってんのか?

 わっかんねぇだろなー。

 いや、本当にマジで凄いのよ。ああいうの、ベッドヤクザっていうのかしら。

 

「借りを作りたくないんでね。望みがあるなら言いな」

「望みか……では、謝ってもらおうか」

「土下座でもしろってか?いいぜ、額ぐらい、いくらでも擦り付けてやらぁ」

「俺にじゃない、お前が蹴ろうとしたあの子にだ」

「あのガキのことか……まだ根に持ってやがったのかよ」

「当たり前だ!幼女を傷つけようとした者は、漏れなく俺のブラックリスト入りだ!」

「おー怖ぇ怖ぇ。はぁ……サッサと終わらすか」

「その前に聞かせてくれ。お前、他人に対して何でそんなに攻撃的なんだ?」

「身の上話もしろって?カウンセラー気取りかよ」

「いいからはよ。早くしないと、俺のダイヤモンドを召喚するぞ」

「「「や、やめろぉぉ!!」」

 

 ワンコ―当人ではなく取り巻きが大慌てで俺を止めた。

 そんなにシロを呼ばれたくなかったのん?彼女、いい子なのになあ。

 苛立たし気に頭をかいたワンコ―は、ため息をついた後に語り出した。

 

「アタシはずっとバカにされて生きてきた。"かませ犬"泣き虫の"ワン公"だってな」

 

 幼いころのワンコ―は名前から連想されるネタでからかわれていた。

 その頃はまだ、体も小さく覇気も使えない。

 理不尽に耐えるだけの苦難の日々が続いた。

 

 それが一変したのは本格化が始まってからだという。

 体は大きく成長し、覇気の扱いも覚えた。戦闘技能を学び、ただ強さを追い求めた。

 過去の自分を振り払うように、あの理不尽な日々を忘れ去るように。

 

 力を手にしたワンコ―はそれまでの鬱屈から解放され歓喜する。

 自由にやりたいように行動した。立てつく奴には容赦しない。全て力で黙らせた。

 力とはなんと素晴らしいのだろう。力があれば何でもできる。

 もっとだ、もっと力を、アタシに力を寄越せ―――ッッ!!

 

 力を追い求めたワンコ―は格闘技界に飛び込んだ。

 元々の才に加え努力を惜しまず貪欲に強さを求めるワンコ―。

 彼女が頭角を現すのに時間はかからなかった。

 聞くに堪えない言葉でバカにしてきた奴らは、試合後も散々痛めつけてやった。

 金を積まれたのか、明らかな誤審をしたレフリーも沈めてやった。

 気に入らない奴はぶっ飛ばす。そうして頂点を目指す……そのはずだった。

 

 ある夜、格闘技界の重鎮に呼び出された。

 香水臭い女が集まる下品な店で、だらしない肉体の男は口を開いた。

 『次の試合はワザと負けてくれ』『私に従えばいい目が見れるぞ』

 そんな感じのことを言われた気がするが、正直覚えていない。

 怒り狂ったワンコ―は重鎮を殴り飛ばした後、店を徹底的に破壊したからだ。

 それで逮捕され実刑判決を受ける。

 覚えていないが、誓って酒は飲んでいない。ただ、許せなかっただけだ。

 自分の信念を、これまでの努力を、踏みにじられた気がしたからだ。

 

 出所した後、格闘技界を追放されたワンコ―は騎神を目指す。

 生きていくには働かなければならない、自分ができる仕事は一つ。

 力を必要とするものを助けて、報酬をもらうことだ。

 汚い仕事はしかくなかった。ギルドの正規ルートから真っ当な仕事を紹介してもらう。

 身辺警護、ストーカー対策、一斉摘発のサポート、現金輸送車警備、子守!?

 自然と守る仕事が多くなる。そうしてなんとか生計を立てて行くと…・・・

 『ありがとう』と感謝されることが増えた。

 不思議な感覚だった。そんな、金にもならない一言で満足する自分が不思議だった。

 だが、悲しいことに生来のコミュ障性格ブスは『うるせー』だの『けっ!』だのと、無礼な反応しか返せなかった。

 

 いつの間にか自分を慕う者たちができていた。

 『ワンコ―さん』『ワンコ―さーん』とチョロチョロして目障りだ。

 勝手についてきて、勝手に自分の世話を焼く。意味がわからない?

 だが、追い払うのも疲れたので放置した。

 その中に一人、とんでもない雑魚がいた……数年かかってやっと烈級に合格した雑魚。

 弱いくせに危険なクエストを受けたがる大バカ。

 『私、ワンコ―さんみたいに強くなりたい』『ワンコーさんは私をバカにしませんよね』

 勘違い女が……

 お前はアタシみたいになれないよ。だって雑魚だから。

 バカにしない?バカにする価値もないからだよ。

 来る日も来る日も雑魚はまとわりついて来る。何が楽しいのかずっとニコニコしている。

 雑魚、雑魚、雑魚、雑魚、あー本当にうっとうしい雑魚。

 昔のアタシを見ているようだなんて……思っていない。

 

 雑魚が死んだ。

 

 同業者の高難易度クエストに、サポート役としてついて行ったらしい。

 感染体と呼ばれる暴走したPTにアッサリ殺されたのだと。

 しかも、逃げ遅れた他人のために自分の身体を楯にしてだ……バカじゃねぇの?

 

 何簡単に死んでんだよ?死ぬなら戦いの中で死ねって言っただろうが!

 アタシの部屋にあるてめぇの私物……誰が処分すんだよ。おい!

 今週の料理当番サボる気か?一向に上達しないマズメシ、もう作らない気かよ。なあ?

 これだから、雑魚は嫌いなんだ。

 

 勝手に期待して浮かれて!騎神だなんてもてはやされて!勘違いして!

 つまんねぇ命をつまんねぇ理由で消費していく。

 こちとらやっと雑魚のペースに慣れてきたってのによう。

 勝手に梯子を外してんじゃねえよ!!

 『やった!褒められた』『「お前ならできる」そう言ってくれるのワンコーさんだけ』

 褒めたりしなきゃ良かった。「できる」だなんて、無責任な言葉を吐くべきではなかった。

 アタシがあいつを、一人前だと認めようとした………だから死んだ。

 

 なんだ……やっぱり雑魚は雑魚じゃないか。弱い奴はずっと弱いままだ。

 

 ………………アタシみたいに……ずっと変わらない。変われない。

 

 やめよう。もうやめよう。

 他人に期待するのも、他人を認めるのも、全てくだらない、おこがましい!

 アタシは誰にも期待しない。裏切られるのが怖いから。

 アタシは誰も認めない。無くすのが怖いから。

 否定しよう。全部否定してやろう。

 気に入らないもの全てに噛みついて、罵詈雑言を吐き散らそう。

 

 それがアタシ、狂犬と言われた騎神カマセワンコ―。

 

 そういう生き方しかできない、負け犬のウマ娘。

 

「以上だ。マジでくだらねぇよな?自分の不甲斐なさを、他人に当たり散らすことで隠そうとしてるんだぜ。最高にカッコ悪ぃだろ?なあ」

「ワンコーさん……」

「そんな……」

 

 結構ガッツリ話してくれことにビックリ!

 シロに敗れたからか、もう自暴自棄になっているのかも?

 心の奥底覗いちゃいましたよ。

 

「無駄に絡んで悪かったな。お前と、お前の愛バたちにも謝罪しよう」

 

 俺に向かい、ベッドの上で頭を下げるワンコ―。

 え?素直過ぎて怖い。

 憑き物が落ちたような、急激なキャラ変にオロオロしちゃう。

 

「これでわかったろ?アタシはお前たちの憧れた狂犬じゃねぇ。ただの負け犬だ……理解したなら、もうアタシには関わるな」

「そんなことない!そなことないですって!」

「言わないで!言わないでくださいよぉ」

「知ってたよ。知ってましたよ!アンタが性格ブスだってこと!でも、それでも私は……」

「お前たち……」

 

 取り巻きさんたちが泣いちゃった。やっべぇ!もらい泣きしそう。

 今俺が泣いちゃダメでしょ!我慢我慢~。

 

 まとめるよ~。

 結局、ワンコ―は自分の弱さ故に人に噛みつくような態度しかとれなかったと。

 コミュ障こじらせてますなぁ~。

 今回は運悪く俺たちに出くわしてケンカを売った。

 そして、シロの尻尾であえなくノックダウンされてしまったと。

 自業自得だな。うん!

 

「あの子を蹴ろうとしたのはなぜだ?」

「さあな。昔の自分と重なったのかもしれない……いや、ただ単にイラついただけさ」

「そうか……」

「嘘だッ!ワンコ―さん、先週の仕事で……」

「黙ってろ!言うな…」

「すまん。教えてくれないか?」

「ああ、実はですね」

 

 取り巻きの一人から事情を聴く。

 ワンコ―たちが先週受けたクエストに、災害救助任務というのがあったそうな。

 到着した現場では建設中のビルが事故により倒壊しており、死者は出なかったものの、多数の重軽傷者がいて戦場さながらの悲惨な光景だったという。

 瓦礫に埋もれた少女をワンコ―が救出したが、意識不明の重体。

 現在もICUにいるらしい。

 その少女はウマ娘。事故当日、学校帰りに迎えに来た母親を見て元気よく走り出したらしい。

 目撃者の話によると、母親は『逃げて!こっちに来ちゃだめ!』と必死に叫んでいたが、少女には倒壊するビルの姿は目に入っていないようだったという。

 ウマ娘の脚力ならば回避できた事故。視野狭窄が起こした悲劇。

 幸いにも母親は軽症であったが、崩れ落ちるビルに娘が飲まれる光景を見たのはトラウマものだろう。

 

 それを、母親の口から直接聞いたワンコ―はどう思ったのか。

 

「雑魚は本当にアッサリ死んじまうんだ」

 

「その前に、誰かがわからせてやらなきゃならない!恨まれても怖がられても!例え、最低の悪だと罵られても!」

 

「痛みと恐怖を理解しないとダメなんだ。そうじゃなきゃ、勘違いしちまうだろう……自分は特別だって、何でもできる、最強無敵の存在だって……そう、勘違いしたまま、死んじまうんだ」

 

 なるほど、わからせですか。

 確かになぁ。あのまま幼女が走り回っていたら、ケガをしていたかもだし、誰かにケガをさせていたかもしれないよなあ。

 事故が起こる前にワンコ―が悪役を買って出たってことかい?

 

「それでも、足蹴はやりすぎでしょう」

「そうだな。あの時は、お前がいてくれて助かった。手加減していたとはいえ、咄嗟の思い付きで始めちまってよ。今思えば結構力んでんたぜ」

「もう!危ないんだからね」

「悪かったよ……」

「俺に謝ってもダーメ!そういうのはちゃんと言葉で伝えればいいのさ。てなわけで、入っておいで~」

 

 щ(゚Д゚щ)カモーンと医務室の外にいる幼女を召喚!

 俺の呼びかけに、母親と共におっかなびっくり入室してくる幼女。

 ワンコ―の姿を見てちょっと尻尾がピーンッ!となる。

 

「どうして……」

「俺が来る前からいたんだ。お前に用があるみたいだぞ」

「アタシに?」

 

 ワンコ―がうろたえる。何故幼女がいるのかわからないようだ。

 母親に促され、フンスッと気合を入れた幼女は歩き出し、ワンコ―の元までたどり着いた。

 幼女の目には強い意志の力が宿っている。

 それに対するワンコ―の目には力がない。自分を恥じ入るあまり、幼女の顔すらまともに見れないでいる。

 

 『偉そうにしていたくせに敗けてるじゃん』『ざまぁwww』『雑魚はお前だ!』

 と、幼女の口から暴言を吐かれてしまうのではないか。

 きっと、ワンコ―はそんなことを考えているのだろう。俺も最初はそう思った。

 

「ワ、ワンコ―、おね、おねぇちゃん」

「……え?」

「だ、大丈夫?」

「何を言って……」

「痛そう」

 

 幼女は小さな手を伸ばし、ワンコ―の顔に貼ってあるガーゼに触れる。

 俺のヒーリングで傷は治ってるが、包帯やらガーゼやら貼ってある場所ってのは痛々しいよな。

 

「試合観てたよ」

「ハッ!無様だったろう?アタシがやられて、お前もスカっとしたんじゃないか」

「スカっとはしなかったよ。お姉ちゃんがボコボコになって、かわいそう、痛そうだって思った」

「かわいそう、か‥‥‥そうだな、本当に哀れな負け犬だよ」

「だからね!お見舞い!お見舞いに来たの」

「はぁ?何でそうなるんだよ」

「だって、元気になってほしいから。また"無駄にクソ偉そうで鼻につく"怖いお姉ちゃんに戻ってほしかったから」

「お前、アタシのこと嫌いだろ?」

「うん!嫌い!だけど、痛いのはかわいそう、元気になって!」

「意味がわからん」

 

 だよなあww俺も意味わかんない。

 嫌いな相手だけど、ケガして痛がってるのはかわいそうだ。だからお見舞いに行くってwww

 子供特有のとんでも理論だけど、それ故に純粋で真っ直ぐな思い。

 自分がやりたいからそうする。怖くても理不尽でも間違っていると笑われても止まらない。

 そこに打算も計算も何もない、あるのは自分の我儘を貫き通す信念のみ!

 眩しくて自由でなんて愛おしい存在なのだろう。

 やっぱり幼女は最高だぜ!最高だぜっっ!最高なんだぜぇぇぇ!!

 超大事なことなので三回言いました。

 

「はは、なんてワガママなクソガキだ…やりてぇことをやってるだけってかwww」

「あー、クソガキじゃないもん!」

 

 ワンコ―が笑った。

 人をバカにする下品な笑みではなく、幼女の心意気に感心したように笑っている。

 

「私、ワンコ―お姉ちゃんに怒られてよかったよ」

「何?」

「あの後ね、ママにも怒られたし、ロリコーンにも言われたの『周りをよく見ないで走るのは危ない』って、本当にそうだと思う」

「……」

「強い人がいっぱいいて、楽しくなっちゃって周りが見えなくなったの。だから、お姉ちゃんにぶつかっちゃった……ごめんなさい」

「……あ」

「そして、ありがとう!私を怒ってくれて、危ないって教えてくれて」

「……ああ」

「お姉ちゃんのおかげで私、助かったんだよ。強くなったんだよ!」

「……あああああああ」

 

 ワンコ―は泣いていた。

 伝える気はなかった、伝わるわけがなかった、ワンコ―の不器用で最低な"わからせ"

 それをこの聡明な幼女は全て理解してくれたのだ。

 暴力を振るわれて怖かったろうに、バカにされて悔しかったろうに、その全てを乗り越え糧にしてしまった。

 半日と経過していない短時間に、幼女はこのアリーナに存在する誰よりも大きく強く成長した。

 『なめるなよ自分は雑魚じゃない!』『いつか、お前にだって勝って見せる!』

 きっと、幼女自身はわかっていないのだろう。

 お見舞いに来たつもりが、ワンコ―に対して超強力な"わからせ返し"をブチかましたことに。

 それを食らって、ワンコ―は今、子供のように泣きじゃくっているのだ。

 

「ワンコ―お姉ちゃん!どうしたの!?まだ痛いところあるの」

「ごめん……ごめん……ごめんなさい、ごべんなざぃぃぃぃ!!」

「え、ええええと、ど、どうしたら?どうしたらいいのロリコーン!?」

「そういう時はロリベホマですじゃ!」

「何それ!私にもできる?」

「お主にしかできぬ!さあ、ワンコ―の頭をよしよしするのじゃ!」

「身長が足りない!ロリコーン手伝って!」

「仰せのままに!!」

 

 俺のLT-Ⅾが発動!でたぁーデストロイモードだ! ※全く何も変わってない

 え?ロリコンデストロイヤーならお前が真っ先にくたばれってか?

 嫌でーす!こまけぇことはいいんだよ!

 LT-Ⅾはね、幼女を守り育て慈しむことを第一に考えるシステムなんだ!

 幼女のペルプ要請に応えた俺は得意の抱っこをする。

 安心してください!後方でサムズアップ中のお母さんの許可は取ってます!!

 

 幼女を抱っこしてワンコーの頭をよしよしできる高さまで調整。

 へへ、俺ができるのはここまでだ。後はキミに託す。

 

「よしよし、泣かないでお姉ちゃん」ヾ(・ω・*)

「ううう、アタシ、アタシって奴は……本当にサイテーだぁ……うああああああ」

「みんなにいっぱい酷い事言ったもんね」

「うん。うん。ごめんなさい…‥‥」

「めっちゃイキってたもんね」

「ううううう、ホントは小心者なんですぅぅぅ、なめられたら終わりだと思って

「筋肉が暑苦しいよね」

「ごめん、食べたら食べただけ筋肉増えるんですぅぅ。うおおおおんんんん」

「ダイヤちゃんにボコられちゃったね」

「ひぃぃぃぃ!ごめんなさいごめんなさい、尻尾!尻尾はもうイヤァァぁぁぁーーー!」

 

 おや?ロリベホマで回復させるつもりが、ダメージを与えているぞ?

 はっはーん、さてはマホイミだな。

 この幼女、閃華裂光拳の使い手でござったか。

 

「お姉ちゃん。私、強くなるよ」

「うぇ?」

「ワンコ―お姉ちゃんや、ダイヤちゃんみたいに強くなって、今日のことみんなに教えるの」

「今日の……こと」

「危ないことしゃちゃダメってこと、怖い人も優しい人もたくさんいるってこと、上には上がいるってこと、力だけが強さじゃないってこと、本当は泣き虫だってこと、えーと、尻尾はヤバい、それからそれからね、ロリコーン好きっ!!

がはっぁ!」`。*:`( ゚д゚*)ガハッ!

「「「ギャー――!こいつゲロ吐きやがっったぁぁーー!」」」

 

 ゲロじゃないです。

 口からブラスターが出そうになったのを慌てて相殺したら、緑のゲロ吐いたみたいになっただけよ!

 ふー危ない危ない、幼女に告られて吐血しそうになったぜ!!

 恐ろしい、これが閃華裂光拳か‥‥‥次食らったら昇天不可避。

 今の録音しておけばよかった『ロリコーン好きっ!』のところリピートしまくりたいわ!

 あ、ティッシュどうも。いえいえ、これ覇気なんでそのうち消えます。

 

 ロリベホマがやっと効いたのか、気付けばワンコ―は泣き止んでいた。

 

「アタシは自分勝手な理屈で、お前を傷つけようとした。本当にどうかしていた……ごめんなさい、どうか許してくれ、この通りだ」

 

 ワンコ―はベッドから下り、抱っこされたままの幼女に向かい土下座をした。

 しっかり床に額を擦り付けている。

 

「ほう、中々の土下座だ。うーん60点!!」

「「「お前何様だよ!?」」」

「土下座マイスターマサキですけど、何か?」

「「「知らねぇよ!!」」」

「なっ!お前、土下座マイスターだったのか!?どうりで……」

「「「なんでワンコ―さんが知ってんだよ!!」」」

 

 土下座マイスターの称号を持つ者は、日本に数人しか存在しない超レア資格だ。

 その一人が俺です。知り合いでは、サトノ家頭首のパパさんも持ってたと思う。

 

「降ろしてロリコーン!」

「承知!!」

 

 幼女を床に降ろす。

 未だ土下座中のワンコ―、その頭をペシペシした幼女は顔を上げさせる。

 

「許す!許すから、お顔上げて」

「あ、ありがとう。本当にありがとう」

「はい。もうお終い、仲直り完了!今からワンコ―お姉ちゃんは私の友達、ね?」

「あ、アタシなんかでいいのか?」

「うん。今日は負けちゃったけど、ワンコ―お姉ちゃん強いもん」

「そ、そうかな」

「そうだよ。私も強くなりたい、強くなるには、強い人と一緒にいればいいと思うの!どう?名案でしょ」

 

 えへへ、と笑う幼女が可愛い。

 強くなるために強い人と一緒にいる……真理だよなぁ。

 

「お前……あいつと同じこと言うんだな」

「???ダメだった?」

「ダメじゃないぜ。わかった、今日からアタシたちはダチつーか、妹分だな!」

「おお!筋肉ムキムキお姉ちゃんゲットだぜーー!」

「言っとくがアタシは厳しいぞ。お前が雑魚のまま終わらないよう、ビシバシしごいてやるからな!」

「望むところ。私だって、お姉ちゃんが悪口言ったり、無駄にイキって迷惑かけたら怒るからね!」

「へっ!言うじゃないか、こいつめぇ!」

「キャー(≧▽≦)くすぐらないでーー!」

「ワンコ―さんだけズルいっスよ!妹分ちゃんを私らにも紹介してくだせぇ!」

「「そうだそうだ!!」」

「あー、もう、お前らウゼェから帰れや」

「コラッ!ワンコ―お姉ちゃん、お友達にウザいとかダメ!!」

「サーセン」

 

 医務室に笑い声が響いた。

 どんよりとしていた空気を幼女のピュアな心が吹き飛ばしたのだ。

 幼女とワンコ―たちが楽しそうに談笑している。もう大丈夫そうだな……

 邪魔しないように、こっそりとバックステッポウ!!

 出入口付近で待機していた幼女のお母さんに会釈してから退散する。

 アンドウマサキはクールに去るぜ。

 

 それにしても強い子だったな。頭も驚くほどいい。

 将来はきっと、優秀な騎神として人々を守っていくことだろう。

 今回の一件、俺も幼女からいろいろ学ばせてもらったぜ。

 『好きっ!』て言ってもらっちゃったし!(´∀`*)ウフフ

 尊い!本当に尊いなあ!

 

 尊い存在の未来を守るためにも…ルクス!お前の好きにはさせない!

 決意を新たにする俺でした。

 

 さぁて、元の会場に戻って愛バたちの表彰式だ!

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・迷子になりました。タスケテ―(゚Д゚)ノ

 

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