俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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けいやく

 新たな乱入者に助けられたようです

 

 

 ホンマに誰やねん君?

 クロシロも知らないならサトノ家のお迎えではないらしい。

 こいつも俺の覇気目当てだったらどうしよう、三つ巴とかマジ勘弁して。

 

「すみません。どこのどなた様でしょうか?」

「強いね、所属はどこ?操者はいるの?」

 

 恐いもの知らずの二人が話しかける。

 

「秘匿事項ですので所属とマスターの有無はお答えできません」

 

 特徴ある喋り方・・・美少女アンドロイドか?そういうキャラ付け嫌いじゃないわ!

 こういう無機質クール系は中身クッソいい子で決まりだな。

 ウマ娘、年はクロシロよりもちょい上ぐらいか?

 青い瞳と無表情かつ美しい顔立ちがより機械的に見える。

 SFチックな銀色のパーツをあしらった衣装、所々光っててカッコイイ!

 

「なんかKOS-MOSみたいな人だね」

「「それな!」」

 

 三人とも同じ事を考えていた。

 「私は人間ではありません、ただの兵器です」とか言いそう。

 このコスモス(仮名)なんかどこかで・・・・昨日会ってる・・・ウマ娘・・・。

 

「あー、昨日のピザ配達員!」

「そうです。昨日ぶりですね」

「随分とキャラが違う」

「こちらが通常モードになります。あの時はピザ屋のバイトになりきる事が任務でした」

「任務とは?」

「ある方の命により、あなたたちの動向を監視しておりました」

「サトノ家か?」

「違います。敵ではない事は保証します」

 

 信用していいのか?悪い子には見えないけど。

 

「助けてくれたのは事実です。信用していいのでは」

「秘密が多いのは気になるけどね」

「そうだな。危ない所を救って頂き大変ありがとうございます!!ほら、二人ともお礼をしなさいな」

「「ありがとうございます」」

「ご丁寧にどうも。任務ですのでお気になさらず」

 

 お礼を言うと少し微笑んでくれた。

 うん、やっぱりええ子やね。

 

「お名前をお伺いしても?」

「ブルボンです。好きに読んでくださって結構です。」

「ブルボン?・・・私ルマンド大好き―」

「バームロール食いてぇ」

「アルフォートも忘れないでください」

「あの、お菓子メーカーではありません」

 

 なんか小腹がすいていきたな。

 その時、瓦礫の山に埋もれた奴が動き出した。

 タフだね~、あれだけ派手に吹っ飛ばされてもまだ動くのかよ。

 

「対象の再起動を確認。この場は私が引き受けます、あなた方は契約完了を急いでください」

「ボンさん、アンタってやつは・・・」

「「ボンさんwww」」

「ボンさんは結構強いので心配無用です。さあ、行ってください」」

「「あっさり受け入れた!?」」

 

 立ち上がるアルクオン、向かい合うボンさん。

 

「訳あって所属は言えません 轟級騎神 ミホノブルボン戦闘開始!!!」 

 

  

 人外の戦闘が開始された隙をついて俺たちは移動、ちょっとは落ち着ける場所はないもんかね。

 

「聞いたか?轟級だってよ、もうボンさんが何とかしてくれそうじゃない?」

「だといいんですけど・・・」

「最初のクリティカルは、あくまで不意打ちだったから成功したみたいだよ」

「初撃でだいぶ覇気を消費したようですし、真っ向勝負で勝つのは厳しいかと」

「そんな・・・ボンさん!」

「彼女の犠牲を無駄にしないためにも契約を完了しましょう」

「犠牲っておま・・・」

「契約完了したら、最悪マサキさんだけは助かる可能性が・・・いや絶体助けるよ」

 

 俺だけってなんだよ・・・そんなこと言うな!全員無事帰還するぞ。

 ボンさんも無理なら逃げてくれよ。

 

 少し開けた場所に到着。

 海が見渡せる公園と言ったところか、円形の広場に石で出来たベンチと謎のオブジェ。

 広場の中心がライトで照らされ、そこだけ小さな劇場のように感じた。

 

「この辺でいいでしょう」

「うん。さっきの場所よりムードあるね」

 

 俺の手を引いて誘導する二人。

 おいおい、真ん中にでやるのか?観客はいないが、ちょっと恥ずかしいじゃないの。

 

「緊急事態ですが、最終確認です。本当に契約してもいいのですね」

「最後通告、もう後戻りできないよ」

「お前たちには色々やられたが、決めるのは・・・決めたのは俺だ」

「「・・・・」」

「キタサンブラック、サトノダイヤモンド。俺をお前たちの操者にしてくれ!」

 

 これもうだだの告白じゃね。

 

「「はい」」

 

 二人の前に屈んで準備をする。

 俺の手は二人の背中に、二人の手は俺の背中に回される。

 三人で抱き合っている状態・・・やっぱり緊張する。

 

「始まってしまえば、途中で止める事はできません」

「止める気もないから、頑張って耐えてね」

「ああ、よろしく頼む」

「今度の今度こそ・・・いきます・・・」

「お願い上手くいって・・・」

 

 そうして契約の儀式が始まった。

 

「ぐっ!・・・・」

 

 首筋に鋭い痛みが走る。

 痛ってー!でもこれならなんとか我慢できそう・・・そう思えたのはこの時まで。

 次の瞬間、痛覚を持って生まれた事を激しく後悔した。

 

 あがぁぁああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

 痛い!痛い!痛い!いたいいたいいたいたいたいたいたいイタイタイタイタイイタイタ!!!!

 

 痛いなんてもんじゃない!何だこれ!何がどうなって、いっってぇーー!

 おい、クロシロもう止めてくれ!無理だ、これ以上はくそっ!あああああああああああ!!!!

 

 声も出せないほどの痛みから逃れたい一心で、暴れようとするが動かない。

 クロシロが俺を逃がさないようにガッチリ捕まえているからだ。

 

「・・・・ぷはっ////」

「・・・・はぁ////」

 

 口を離す二人。

 終わりか?「てめぇこの野郎!超痛てぇじゃねぇか!ふざけんな!」と抗議しようとした・・・。

 二人の様子がおかしい。

 頬は上気して、瞳は潤んでいる。口から漏れる吐息が妙に艶っぽい。

 首から口を離すときは糸も引いていたような・・・・・。

 なんかエロい!エッッッッッロ!!!!俺の愛バ超エロくねぇ?

 この年で出していいエロさじゃない!!末恐ろしい・・・ちょっと楽しみ。

 

「痛ければ叫ぶといいよ、少しは楽になるから」

「私たちの体に爪を立ててもかまいません、だから・・・どうか・・・」

 

 再び噛みつく二人。

 やめてくれ!という事もできず、また激痛が走る。

 痛い、どうして俺がこんな目に?いたい、涙が溢れてくる。イタイ、叫びたくても声を出す余裕もない。

 二人の肩に背中に俺の指が食い込むが気にしていられない。

 噛まれている所が焼けるように熱い、灼熱の痛みが首から全身へ広がる。

 これは二人の覇気?痛みと言う異物が体中を侵して行く。

 

 ・・・・ペロッ。

 口を付けたまま、俺の血を舐め取る二人。時折、吸い付いて吸血される。

 今度は俺の奥から何かが出ていく、全身から首そして二人へと・・・・。

 吸われているのは血液だけではなく覇気もらしい。これが覇気の循環・・・・。

 

 あまりの痛みと強烈な脱力感。

 ああ、俺は今クロとシロに食われているんだ・・・命を。

 朦朧とする意識のなか幻聴なのか声が聞こえる。

 

 ごめんね・・・いたいよね・・・

 

 おこってる・・・かなしんでる・・・こうかいしてる・・・

 

 (・・・・)

 

 でも・・・

 

 こわがらないで・・・にげないで・・・きらいにならないで・・・

 

 (・・・・)

 

 どうかお願い・・・受け入れて!

 

 (・・・・)

 

 「「私たちの全てをあげる」」

 

 だから・・・

 

 「「あなたの全てをください!!」」

 

 (いいぜ・・・全部持ってけ!)

 

 ここで俺の意識は途絶える。

 永遠に感じた地獄の果ては、意外にも穏やかだった。

 

 

【契約後クロシロ】

 

「よく頑張ったね。よしよし・・・ありがとう」

「お疲れ様でした。これにて契約完了となります・・・て聞こえてませんか」

 

 儀式を乗り越え気絶した操者を近くのベンチへ寝かせる。

 操者・・・やっと手に入れた私たちの・・・。

 ここまでの道のりを思うと感慨深いが、まだやるべき事がある。

 

「体の方はどうですか?行けそうですか」

「覇気を補給してもらったから、なんとかなりそう」

「同じくです。しかし反動が怖いですね・・・」

「そうだね。覇気の循環に慣れないうちはいつ来てもおかしくないから」

「よし!手早くあいつを倒してしまいましょう。ブルボンさんと合流しますよ」

「了解。三人でリンチだね」

 

 眠っている操者に自分たちの上着をかける。

 小さいが何もないよりはマシだろう。

 そして操者の頬に口づけをする。

 

「行ってきます。マサキさん」

「必ず勝ってみせるから、待っててね」

 

 戦場へ戻る。

 目を覚ました彼は褒めてくれるだろうか。

 

 

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