俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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ろりとやじゅう

 クロシロが駆けつけてくれた。

 

 

 クロシロの顔を見ただけでこんなにも気力が溢れてくる。

 ああ、早く二人を抱っこしたい!撫でまわしたい!それからえーと・・・。

 おっと集中集中、戦いを放棄して悦に浸る所だった。

 

「行くぞぺルゼイン!勝負じゃああああああ!!!」

「・・オォォ」

 

 地面を踏みしめて飛び掛かる。ぺルゼも同じく真っ向から俺に挑んで来る。

 やるぞ!覇気放出はそのまま、光の粒子を纏い攻める。

 

「ああああああ!!!」

 

 自分を奮い立たせるための咆哮!俺がお前を倒すという意思を込めて叫ぶ!

 互いの拳がぶつかる。衝撃が1拍遅れて発生し周囲に拡散する。

 天級が張った障壁で緩和されたものの、観戦者たち全員の体を伝わり響き渡る。

 アルクオン戦は無駄ではなかったな、自分より体格の大きい奴との闘いなんぞに慣れたくなかったが。

 覇気の放出口、手首から肘にかけての強度は信じられないぐらいに上がっている。

 これはもうトンファーを装備しているのと同義。鋭くすることで刃のも形成できそうだ。

 正拳、フック、アッパー、肘打ち、防御隙間を縫うように連撃を繰り出す。

 蹴り技も時折混ぜる。実は蹴りの方が得意なのでこいつでクリティカルを狙って行く。

 

 1発殴られたら数発殴り返せ!ちっ!また防がれた。

 まだ遅い、まだ足りない、もっと早く鋭く。まだまだまだまだ!

 

 人の領域を飛び越えた者同士の戦闘は苛烈を極める。

 体に無数の傷を負いつつも、目に宿る闘志はどちらも枯れる素振りすら見せない。

 覇気と鮮血をまき散らして戦う男と迎え撃つ異世界の異形。

 その二体から誰もが目を離せない。

 こんなに暴力的で衝撃的で残虐的は光景を作り出す存在は、酷く恐ろしくそして・・・

 堪らなく美しかった。

 

「きゃーマサキさん!行けー!殺せぇー!」

「私の操者舐めんなよ鬼面野郎!あ~いいですね、ますます惚れてしまします」

 

 幼い二人の騎神がピョンピョン跳ねながら操者に声援を送る。

 その声に触発されて観客もヒートアップして行く。

 

「素敵よマサ君!さすが私の子!」

「違うわボケ!マサキ!あなたはこの私サイバスターの子供よ!」

「ええのう、若いのう、血が滾るのう」

「いいぞ小僧!もっと暴れろ!人間の力を騎人どもに知らしめろ!」

「きゃ!痛そう。止めなくていいのコレ?マサキ君・・・無茶苦茶だ」

「・・・畏怖・・・羨望」

「フフッ、二人とも楽しそうですの」

 

 応援サンキュー。声援は力になるって本当なんだな。

 クロシロ!寝巻(浴衣)ではしゃぎすぎ!帯が解けて・・・アカン気が散る!

 

 対戦相手に集中だ。ガードされても怯むな、そこから更にコンボを繋げ!

 足の覇気放出口は踵から膝辺りまでこっちの強度もなかなかだぞ。

 少しだけ下がってから助走なしで飛び蹴り、ガードして地面に線を描きながら後ずさるぺルゼ。

 勢いが完全に死ぬ前に両足で踏みつけるように連続で蹴り付ける。

 

「やるじゃねかぁ!ロリコンの癖によぉ!」

「あの2人が愛バなの?犯罪じゃん・・・」

「ウホッ!マサキさん、そんなに俺をムラムラさせてどうする気なんスか!メチャクチャにして欲しいっス!」

「待て!先走り過ぎだホモ男!・・・でも、気持ちは分かるぞ!(*´Д`)ハァハァ」

「皆、あのロリコンがどんだけヤバい奴か理解してるか?ちっ、早すぎる」

「怖い、怖いけど、ダメ!これを見逃すなんてありえない」

「サイさん達に比べればまだ拙いが、この鬼気迫る感じ、魂を揺さぶって来る!」

「操者、騎神を目指す奴らはよく見とけ!こんな光景なかなか立ち会えないぞ」

「す、すげぇ・・・誰か手をかしてくれ・・・こ、腰が・・・」

「行けぇー!ロリコン野郎!」

「負けるなぁー!ロリコン操者!」

「あんなカワイイ娘達が愛バだと!ふざけんな!うらやましいぞペドマサキ!」

 

 キリがないのでロリコンは許そう。

 ペドマサキって言った奴、顔を覚えたからな!ぺドはまだ許せねぇ!。

 

 足の覇気を一気に高めてぺルゼの体を浮かせるほどの蹴り上げを行う。

 浮き上がった自身の体に一瞬反応が遅れたぺルゼに更なる回しの蹴り上げ。

 

 "空円脚"

 グラさんから教わった騎神拳の1つ、まだまだ粗が目立つが形には成った。

 片側に大きくスリットの入った服装で教えてくれた、グラさんの生足が妙にエロかった。

 だって美人なんだもん、どう見ても中高生の外見なんだもん。

 「こんなオバちゃんに反応してくれるんじゃな、憂い奴め」とグラさんは笑ってた。

 母さんとネオさんは「「そっかぁ、私達オバちゃんかぁ・・・」」と遠い目をしていた。

 

 最後に両拳を組み渾身の力で叩きつける。

 ドラゴンボールでたまに見る技、ダブルスレッジハンマーだ!

 凄い勢いで地面に突き刺さるぺルゼ、その際広場のオブジェを巻き込んで破壊し大きな白煙が立ち昇る。

 

「見てシロちゃん!フル・フロンタル像だよ!ここにもあった!」

「誰だ!あの全裸男を量産するバカは!誰得なんですか!あ、股間から爆散した」

「┌(┌^o^)┐タイサァ」

「「今なんかいた!!」」

 

 フゥー・・・今のはさすがに効いただろ。

 白煙が晴れた後に現れたぺルゼは体の各所が砕けて腕もあらぬ方向に曲がっていた。

 まだ負けを認めないか、そもそもこいつ何のエネルギーで動いるんだ?覇気とは違う謎の力か。

 

「・・・アァァァ」

 

 謎の力が膨れ上がるのを感じた、体の損傷が回復していく・・・ああ厄介だ。

 無尽蔵ではないと思うがせっかく与えたダメージを無しにされるのはキツイ。

 もっと体の奥深くを傷つけ回復不能なダメージを与えるにはどうしたら。

 ネオさんに切り刻まれても再生したこいつにはアインストの心臓、核に当たる部分に継続的なダメージを与える必要がある。何かないか。

 

 ヒリュウに滞在していた時、クロシロとこんな会話をした。

 

「何を考えているかですか?」

「ああ、戦闘中にお前達が何を考え意識して動いてるか聞いてみたくてな」

「う~ん、私は特に何も考えてないし決めてないかな。その時々でやりたい様にやってる」

「さすが脳筋ですね。本能で動く癖に良い所突いてくるからバカに出来ませんが」

「それ褒めてるの?」

「シロはどうだ。やっぱり理詰めで動くタイプか」

「私もどちらかと言えば本能で動きたい方ですよ。ただ攻める時の方針があります。」

「それはなんだ、聞かせてくれ」

「自分と相手がやられて1番嫌であろう事を探りながら動く様にしています。相手の立場から見て嫌な所を狙う。自分がされて嫌だった痛かった事をやってやろうとか・・・私ゲスいですね」

「シロちゃん・・・大丈夫?闇深くない?私より先に闇堕ちするの?」

「しませんよ!クロちゃんもしないでくださいよ、あなたの闇堕ちとか勘弁して」

「俺はシロの嫌らしくてねちっこい戦い好きだぜ、何かあったら参考にさせてもらう」

「こんな嫌らしくてねちっこい私ですが、末永くよろしくお願いします」

「本能まる出しの脳筋だよ。見捨てないでね」

「おう、まだ未熟者のヘタレ操者だけどよろしくな」

「「「ぷっ・・・あはははははははは!!!」」」

 

 三人で卑屈になった後、大笑いした思い出。

 基本は本能のまま獣のように動く、そこに一工夫する。

 ぺルゼがされたくない事はなんだ?よくわからん。

 俺がされて嫌だった事・・・アレか?アレをやるのか・・・確かに意外性はバッチリだ。

 本当に獣にならなければできないな。やれるか?

 

 見ている母さんが、皆が、ぺルゼが、クロシロが。

 どうする?次は何をする?もう終わり?やれるよね?もっともっと見せろ魅せてみろ!

 しょーがねーなぁもう!

 嫌と言うほど教えてやるよ、野獣と化したロリコンの恐ろしさをなぁ!

 

「うぉおおおおおお!」

 

「またバカの一つ覚えで突っ込んで行くぞ」

「何度やっても再生しちまう。この勝負先が見えたな」

「まだだ、まだロリコンは諦めてねぇ」

 

 諦める訳ねぇだろ!カワイイ愛バの未来がかかっているだぞ!

 バーストモードの限界時間は?無視だ無視!死ぬ気でもたせろ!

 体全身に覇気を回す、ぺルゼとの距離あと一歩、大地を踏み込む足に力を込めて例のアレを使う。

 

「電磁加速(リニアアクセル)!」

 

 爆発的な加速。ぺルゼの眼前から消え失せ一瞬で背後に回る。

 デビルバットゴーストも真っ青だ。

 

「「「「「「「「なんだ!?あのスピード!!!!」」」」」」」」

 

 がら空きの背後に向かって蹴りつける。そのまま側面に移動わき腹に正拳。さらに加速する。

 頭に肩に背中に腕に足に腹に胸に、限界を超えた急制動急加速を繰り返し攻撃し続ける。

 加速加速加速加速加速!!!ずっと俺のターン状態!あのぺルゼが全くついて来れない。

 

「目で追うのがやっと・・・ついていけないよ、これじゃ置いて行かれちゃう」

「そうやって先に行ってしまうんですね。遠い・・・あなたの背中が遠いです」

 

 信じられないほどの猛攻繰り出す操者に目を見張るクロシロ。

 あなたは本当に強い、私達を必要としないくらいに・・・。

 自分たちのために戦ってくれている。どこまでも強くなってくれる。涙が出るほど嬉しい。

 だけど・・・今の私達は、あなたに相応しいの?隣にいていいの?一緒でいいの?

 強者への階段を駆け上がって行く操者に強い不安を感じる二人だった。

 

「あれは"乱舞の太刀"の真似か?いつのまに教えたんじゃ」

「教えてないわよ。マサキが今勝手に動いてるだけでしょ、やっぱり息子は母親に似るのよねー」

「いいなぁ。シュウ君もブラックホールクラスター撃てるように鍛えようかしら」

 

 唐突ですが、レース中にウマ娘からオーラのようなものが見えた事はないだろうか。

 見えた人は愛バを探す旅に出ましょう。あなたには操者の適正があります。

 そうです、アレは無意識に放出された覇気なのです。

 その時ウマ娘はスキルと呼ばれる能力を発動しています。

 身体能力の向上、持久力の回復、周辺環境への適応、対戦相手に施すデハブ効果等々。

 

 戦闘時の騎神においてもそれは同じ。

 高位の騎神になればなるほど覇気を自在に操り様々な能力を発動させます。

 そのなかで基本中の基本。身体能力強化を私(マサキです)は加速技(アクセル)と命名しました。

 天級騎神達はそういうのを決める事に無関心すぎたので私が決めちゃいました。

 で、この加速技ですがなんと天級の皆さんには属性がある事が判明。

 覇気を自身のイメージで、ある種の元素に定義づけ、より高い力を発揮していたのです。

 いったい何時から?なぜこの様な事に?他の属性はあるのか?どうすれば習得できる?

 インタビューの結果は「えーと、気が付いたらこうなってた」全く参考になりません。

 

 私は切り札としてこの加速技を習得する事を目指しました。

 ビアン博士の協力により、見よう見真似で私が出来たのは、電磁加速(リニアアクセル)。

 覇気を電気圧に変換して地面の蹴る際、電磁力のなんたらがかんたらで・・・もうむりわかんね。

 とにかく今まで以上に速く強く動けるようになったのです。科学的説明は博士に聞いてください。

 更に、禁じられていた覇気吸収をちょこっとだけ(死なない程度)行い天級の属性を分けてもらいました。

 「こんなバカげた事はお前しか思いつかんしできん!」と博士が興奮していました。

 なので私の加速技は自分のオリジナル、電磁加速の他、後3つあります。

 もちろんまだ制御不完全で上手く扱えず全身にも回せません。

 戦闘中に1回発動が限度でしょう。最後の大勝負時まで温存、大切に使いましょう。

 天級から直々に許可をもらったので現時点での加速技の名前一覧を記します。

 水と土は現在行方不明なので事後承諾になります。

 ※あくまでも仮定なので新属性の発見、天級クラスの思いつきにより変更する場合有り。

 

 

 操者   アンドウマサキ ??? 電磁加速(リニアアクセル)

 

 天級騎神 サイバスター   風  風精加速(シルフィードアクセル)

 

 天級騎神 グランヴェール  火  火精加速(サラマンダーアクセル)

 

 天級騎神 ガッデス     水  水精加速(ウンディーネアクセル) 

 

 天級騎神 ザムジード    土  土精加速(ノーマアクセル)

 

 天級騎神 ネオグランゾン  闇  重力加速(グラヴィティアクセル)

 

 

 何で闇精じゃないの?とか、お前の属性わかんないのかよ!等ツッコミどころは多々あります。

 ビアン博士と一緒に足りない頭と中二心をフル回転して名付けました。

 だって母さん達「めんどくせ!」とか言って考えてくれないから!

 文句は天級に言って!もう俺もめんどくさいのよ・・・好きに呼んだらいいと思います。

 

 どうでもいい設定終わり。

 相手の動きを完封したまま、次の段階へ。

 速度をあえて落とし意図的に隙を見せる、ぺルゼが放つ拳を受け流し姿勢を低くする。

 足元を刈り取る下段の大回し蹴り、そこに炎を乗せる!

 

「サラマンダーアクセル!!!」

 

 足払いなどではない、爆炎に包まれた剛脚はぺルゼの両膝を破壊して姿勢維持を困難にさせる。

 

「よっし!おい見たか!わしの炎じゃぞ!」

「「はいはい」」

 

 立っていられないだろう、崩れ落ちる体に更なる一撃をお見舞いする。

 

「グラヴィティアクセル!!!」

 

 俺の左膝に重力球を形成して高速回転、ぺルゼの胸部に膝蹴りを入れる。

 高密度の覇気で形成された重力球は小さいながらも触れた物体を削り取り続ける。

 膝に削岩用のドリルや回転ノコギリでも装着したかのよう、胸部装甲をズタズタにする。

 ちっ!制御が難し過ぎる。大きさ破壊力も想定の半分以下だ・・・要練習。

 

「アレ私の!あの黒いの私があげたんだから!マサ君いいわよー!そのまま殺ってしまえ!」

「「はいはい」」

 

 右腕に力を集中、手首から肘までの覇気の刃を形成、これに風を乗せる!

 ただの刃と言うには大きすぎる暴風で作り上げられたギロチン!

 それを一切の容赦なく相手の頭部に振り下ろす!

 

「シルフィードアクセル!!!」

 

 覇気と暴風が炸裂する。

 先程の2属性攻撃の衝撃も冷めやらぬうちに行われた撃滅の絶技。

 脚を砕かれ、胴体を裂かれ、頭部を破壊されたぺルゼは遂に崩れ落ちる。

 

「ほら!見てよ!あの風は私とあの子の絆そのもの!ヤバい泣きそう、本当に立派になって」

「「はいはい」」

「もっと感動してよ!炎に重力と風それからなんだ電磁?よくわかんないけど、アレ全部叩き込めるヤツ他にいる。いないよね?私の息子だからできた芸当よね!」

「お前達・・・授業参観ではしゃぐバカ親だな」

「ビアン博士、せめて親バカって言って!いいわよ、あの子のためならいくらでもバカになってみせる!」

「でも本当に嬉しいわね。子供の成長を感じられる瞬間は」

「ああ、なんとも誇らしいのう」

 

 うお!もう再生が始まってる。この隙を逃してはダメだ、残った左腕に覇気の鞭を形成。

 属性攻撃はさっきのでネタ切れだ、後は俺とクロシロ分の覇気でやる。

 鞭の長さ強度を上げて拘束に使用する。ぐるぐる巻きにしてやったわ!

 捉えた!ここからだ!

 身動きを封じられたぺルゼの背中に貼り付き狙いを定める。そら首を出せ!

 

「があああああああああああああああああ!!!」

「!?!?!?」

 

 俺の行動にぺルゼは混乱、ギャラリーもドン引きした。

 

「「「「「「「「か、噛みついたぁあああー!」」」」」」」」

 

 人体の中で最も硬い組織は歯だ。

 そこに可能な限りの覇気を集中ぺルゼの首筋に牙を立て噛み千切る!

 うげ!口の中が切れた、味は無いけど無機物であって有機物のような感触がキモい。

 血や体液が出ないというか無いのか、良かった。そんなもん飲みたくない!

 

「ぺっ!」

 

 噛み千切った肉片?を吐き出す。うんクソマズい!

 瞬く間に再生を開始する首筋にもう一度噛みつく。

 

「「「「「「「「またいったぁ!!!」」」」」」」」

 

 普通ならあんなゴツくて硬そうな奴に噛みつこうとは思わないだろう。

 だからこそやる。本能の赴くままに獣になれ。

 これからが本番、噛みついた牙から覇気を相手に流し込む。

 俺とクロとシロ、三人分の覇気を体の奥深くに突き立てる。

 

「オォォオオオオオ!」

 

 ぺルゼが狂った様に暴れ回る。振り解かれないように牙を立てて覇気の注入を続行する。

 痛いよな、わかるぞ。

 俺が人生で最高に痛かったのはあの時、クロシロと契約した時だ。

 

 他者の覇気が直に体内に入ると拒絶反応が起こる。

 自身の覇気中枢にまでそれが侵食すると、想像を絶する痛みが発生する。

 相性がいいはずのクロシロの覇気で俺は気絶するほど苦しんだ。

 碌に相性をチェックしていない、そもそも覇気に体が適応できる存在かどうかもわからない。

 異世界から来た謎の存在にやるのは完全に賭けだったが、この暴れっぷりからして相当効いているな。

 ぺルゼにとって俺達の覇気はもはや猛毒。体を再生する余裕がなくなっているな、いけるぞ!

 

「ひぃ!何なんだアイツ完全に人間やめちまったぞ!」

「化物VS化物だコレ!」

「でも見て!今までで一番苦しんでる。効いてるわ!」

「あんなにヤベェロリコン見た事ねぇ!」

「ああ俺も噛みついて欲しいっス!美味しく喰べてくださいっス!」

「怖ぇ!俺は赤鬼よりロリコンの方がこえーよ!」

 

 ぐ、クソ・・・ぺルゼが暴れまくって集中できない。顎が疲れてきた。

 

「ワイルドになっちゃってまあ」

「・・・うう」

「何を泣いておるんじゃ」

「あんなに可愛かったマサ君がまるで野獣よ。サイさんの凶暴性が移ったのね」

「凶暴性はアンタが上でしょ!私は何もしてない、マサキが自分で強くなったのよ」

 

 おい、もういいだろ!降参しろよ!

 もう限界だろ!俺は限界だよ!倒れろー!

 覇気残量はあと少しだ、このまま最後までぺルゼに注入してやる。

 どっちが先にくたばるかしょう・・・ぶ・・・だ・・・。

 

 いいのか本当に?

 残りの覇気は俺だけのものか?違う、クロとシロからもらったものだ。

 これを消費してしまえばあいつらは・・・。

 

「ダメ!いいからやって!」

「勝って!お願いですから!」

 

 いいわけないだろ・・・何のために、ここまでやったと思ってる!

 

 気が緩んだ、その隙は致命的だ。

 拘束を振り解きぺルゼが背中の俺を片手で鷲掴みにする。

 そのまま投げられ地面に叩きつけられる。

 

「かはっ!・・・あ・・・ぐ」

「・・・・」

 

 全身が痛い覇気を防御に回し分、今ので完全に使い切った。

 後は最低限の生命維持とクロシロの分・・・これは使えない。

 

 ぺルゼが拳を振りかぶりトドメを差そうとする。

 終わりかこんなところで、契約解除は俺が死んだ後も可能なのか聞いておけばよかった。

 母さん達に後は任せるしかない。

 

 クロ、シロ、ごめんな・・・ちゃんと生き残れよ。

 

「・・・おい・・・何のつもりだよ・・・」

 

 ぺルゼがこちらに手を差し伸べている。 

 こいつ・・・本当にどこまでも・・・俺なんかよりよっぽど器が大きい奴だよ。

 トドメを差そうとしたのではない。

 俺の覇気残量を計測してもう勝負はついたと、敗者である俺に手を貸そうとしている。

 騎士道か?武士道か?そんな見た目して紳士か!

 

「お前ホント強ぇな・・・俺の負けだ、降参する」

 

 ぺルゼの手を取って立ち上がらせてもらう。

 ギャラリーの歓声が響き渡る。

 クロとシロが駆け寄ってくる。ああ悔しい情けない。

 

 負けた・・・完敗だ。

 

 

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