俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

44 / 150
がくえん

 ハートさんと別れて数日経過。

 俺はついに憧れの場所へ辿り着いた。

 

「ここが日本ウマ娘トレーニングセンター学園」

 

 トレーナー志望だった俺のが目指した夢の場所。

 ここであんな事やこんな事がしたいと何度妄想した事やら。

 

「いるでしょ騎神!いないはずが無い!ここならまさに入れ食い状態」

 

 事情を話せばきっと中に入れてくれるはず・・・・・・・・・・ならよかったですね。

 

「君もしつこいな。ダメだと言っているだろう」

「無茶なお願いなのはわかっています。俺の愛バがピンチなんですよ、どうか責任者の方に話を」

「ハァ~多いんだよね、あの手この手でなんとか学園に侵入しようとする輩」

「嘘はついていません。本当にウマ娘達に力を貸して欲しいだけなんです」

「悪い事は言わない諦めるんだ。ここを突破出来たところで大ケガをするだけだ」

 

 守衛のウマ娘、おそらく騎神のお姉さんはこちらに言い聞かせるように話す。

 この人は俺を軽蔑するより、心配をしてくれている。

 

「無許可でこの学園に侵入した者には武力行使をしても良いとされている。前回の不審者は生徒に捕まった挙句、身ぐるみを剥がされて警察署の玄関口に捨てられていた」

「・・・ひぇ」

「犯人の男は熱狂的なウマ娘ファンだったが、精神を病んでしまってな。ウマ娘はおろか人間の女性が近づくと発狂するようになり、今も閉鎖病棟にいるらしい」

「なにがあったんや・・・」

「わかってくれ。ここはレースやライブで世間を魅了する存在ばかりではない、力を持て余した本物の化物たちの巣窟なんだ」

「ウマ娘のあなたがそれを言っちゃて良いんですか?」

「これ以上哀れな犠牲者を見たくないだけだよ。それでも侵入を試みるバカは後を絶たないがね」

 

 お前はそうなるなよと暗に言われているな。

 

「合法的に学園に入る方法はないですかね」

「学園祭等のイベント時には一般公開される。後はここの教職員となって働くか、理事長達の客人になるかだ」

 

 あんまり門の前でウロウロしていると通報されそうなのでその場を後にする。

 

 母さん達の名前を出す、力づくで無理やり突破、どちらにしろ騒ぎになってしまうな。

 それよりもこの学園全体を大きなドーム状の覇気が覆っているのが気になる。

 おそらくこの覇気に引っかかると騎神が飛んで来る。それにしてもなんて高密度の覇気だ。

 複数の騎神が協力して発生させているんだと思うが、もしこれを1人の騎神がやっているとしたら・・・。

 むりー!今の俺じゃ勝てない近づくなと本能が警告している。

 

「と言う訳なんよ。何とかしてよシュウえもん~」

「私は便利道具を出すネコ型ロボではありませんよ」

「そんな事言わないで。トレセン学園に出資しているんだろ?ちょっと上の人と話をつけてくれよ」

「今、学園はちょうど改革の時期で大変なんですが」

「騎神を本格的に育成する方向になるんだっけか、その件にお前も関わっているんだろう。だったら」

「今の理事長は頭の固い方でしてね。騎神育成プランには反対、発案者の私を目の敵にしています。私の紹介する人物を学園に入れるとは思えません」

「そんな~ここなら一気にドレイン祭りだと思ったのに」

「学園に所属しているからと言って、あなたのお眼鏡に叶う覇気を持ったウマ娘とは限りませんよ。これまで通り地道に探すのが一番効率が良いと思いますが」

「学園の結界らしきものを維持している騎神がいるはずなんだが、そいつなら間違いなくドレイン候補だ」

「その騎神との接触は避けた方が良いでしょう。戦闘になった場合のリスクが高すぎます」

「ですよね~。学園に出入りする生徒に声をかけるしかないか」

「不用意に声をかけてはいけません。まずは遠くから観察して気に入った子を尾行、接近して覇気をチェック、その後交渉するんです」

「どう見ても不審者そのものになるな。今更か・・・」

「長居すると学園に気取られます。成果のあるなしに関わらず1週間以内にその場から移動した方が良いでしょう」

 

 困ったときのシュウえもん、今回はお手上げらしい。

 覇気で騎神を釣りつつ、学園の生徒をチェックする事に決定。

 

「あいつらの事、何か聞いているか」

「自分で確かめたらどうですか」

「それは我慢だ、どんなに寂しくても俺からは極力連絡しない。旅の初日にそう誓ったんだ」

「やせ我慢ですね。特に変わりはないみたいですよ、母達がしっかり面倒をみているので問題ないです」

「そうか、それだけ聞ければ満足だ」

 

 お礼を言って通話を終える。

 我慢した分、再会した時の喜びが増えるってもんですよ。待ってろよクロシロ!

 今更ですが俺不審者になります。

 

「あの子は・・・違うな。向こうの子も違う・・・」

 

 俺が今いる場所はとあるビルの屋上、トレセン学園の正門が見え覇気がギリギリ感じられる距離にある。絶好の監視スポット。急遽用意した双眼鏡を手にして学園の生徒を物色する。

 この距離だと覇気がほとんど感じられない、逆に言えばこの距離で反応があれば相当な覇気だとわかる。

 隠されていたらどうにもならないが、この際それは除外しよう。

 

「お、ランニングから帰って来たな。どれどれ、うは!なんか汗ばんでて色っぽいんですけど!」

「目の付け所がいいね。あれ見て学園から出てきたジャージの子!うひょー!お胸がたわわすぎ!」

「マジかよ!あれで今から走るの?おっぱいがブルンブルンして邪魔じゃねぇのか」

「ハァハァ・・・やっぱりトレセン学園は最高!ああ~捗る!捗ってしまう!」

「わかる!わかるぞ!理解者よ!・・・・・・もういいだろ姿をみせろ」

「意外と冷静なんだ。はい、これで見えるでしょ」

 

 ウマ娘の監視に夢中になっていた俺のすぐ隣に姿を現す謎の人物。

 

「なんだウマ娘じゃんか。いいのかハァハァ言う方で、お前はされる方だろ?」

「同族に尊みを感じてもいいじゃない。私はただ可愛らしい彼女達を愛でていたいだけなの」

「なんて澄み切った目をしてやがる。そしてシュウと似たような言動を」

「シュウ様をご存じで、あなたも我が同志だね」

「同志ねぇ・・・まっいいか。操者やってるアンドウマサキだ、お前は」

「アグネスデジタル、一応騎神。級位はまだ取ってない」

 

 アグネスデジタルと名乗ったウマ娘。

 小柄な体躯、頭に大きなリボン、ピンク色の柔らかそうな毛並み。

 美少女なんだが同族を思い「でゅふふふふ」とニヤける彼女は少々残念臭がする。

 

「覇気が感じられないどころか姿が見えないとはな、どんなトリックだ」

「隠形だよ。短時間だけど覇気を纏って隠れているだけ、ステルス迷彩だね」

「大した精度だ、声を出さなきゃ気づかなかったぞ」

 

 グラさんが使っていた技かな。

 まだ若いのに実力はそれなり、そして同族ヲタクか。

 

「ここは私のお気に入り監視スポット、あなたもウマ娘ちゃん達を見てハアハアしたかったんだよね」

「俺の目的は別にあるんだけど。もしかして邪魔だったか」

「気にしないで同志を邪険にはしないよ。この場所を見つけたあなたはかなりの手練れだね」

「不審者スキルを褒められた。・・・これも何かの縁だよな、ちょっと失礼」

「お、なになに・・・私じゃなくて愛でるなら他の子を」

 

 頭にタッチして覇気チェック。うん、良い覇気だこれなら問題ない。

 

「単刀直入に言う、お前の覇気が欲しいんだ。話を聞いてくれるか」

「訳ありなの?いいよ聞かせて」

 

 俺の事情を説明中。

 

「愛バを救うための旅。なんと重大な使命を背負った男か、マジ尊敬します」

「頼む協力してくれないか」

「両親から覇気の取り扱は慎重にと言われてるからな・・・私をその気にさせるネタある?」

「これを見てくれ二人の写真だ。どうだ!メッチャ可愛くない?」

「ぐっは!ヤバいこれはヤバい!なにこの尊さ!もしかしてこの二人はそういうご関係・・・」

「どうかな、仲はいいと思うぞ。風呂は二人で入る」

「あ・・・あ・・・それじゃやっぱり・・・」

「あ、俺も一緒に入っているから風呂は三人だわ。体洗ってくれるぞ」

「ちっくしょー!うらやましいうらやましいうらやましい!なんで私が操者じゃないんだ!」

「落ち着けよ。お前はウマ娘だ、友達を誘って一緒に入浴すればいいだけだろ」

「そうでした。いずれはトレセン学園の大浴場でウマ娘ハーレムをこの目に焼き付ける!」

「その願いきっと叶うさ!応援するぞ!!」

「ありがとう!もう一声なにか!なにか私を興奮させるものを!」

 

 交渉成立寸前、こいつを落とすトドメの一撃は・・・。

 

「サイレンススズカって知ってる?」

「超好きだよ!轟級騎神の中でも推しの子だね。ミホノブルボンも捨てがたいけどさ」

 

 スズカ有名なんだな、そしてボンさんも。元気にしてるかな。

 

「ここにスズカのイヤーカバーがあるんだが」

「よーし!持っていけ!私の覇気を限界までくれてやる!だからそのお宝をゆずって下さい!」

「いいの?偽物だったらどうする」

「このデジタルの目は誤魔化されんぞ!それは間違いなく本物、スズカさんの高貴な残り香を感じる」

「そ、そうか・・・はいこれ」

「ありがとうありがとう!デュフフフフフフフフ、あ~ヤベェよだれが溢れちまう」

 

 ごめんスズカ・・・変態に渡しちゃった。

 

「いきますぞ!デジタル殿!」

「しゃあー!バッチコーイ!」

 

 ノリノリで覇気を提供してくれるデジタル。

 すっごい楽にドレイン出来ました。提供側がやる気だといつもよりスムーズになるっと。

 

「デジタル殿は十分カワイイんだから、自家発電したらどう?自分を見て興奮すんの・・・キモいな」

「私はナルシストじゃないからね。自分以外のウマ娘が対象なのだよ」

「そうかい。話は変わるけど学園の結界を作っている騎神と交渉したいんだがどう思う」

「それは絶対にやめておくんだ、アレはどうにもならない」

「その口ぶり、直接会った事があるのか」

「フフフ、数ヶ月前の事だよ。ついに我慢の限界を迎えた私はトレセン学園の侵入に成功した」

「なんと!」

「数多の守衛を撒き、セキュリティをかいくぐった私を待っていたのは・・・緑の悪魔だった」

「緑の悪魔?」

「今思い出しても鳥肌が立つよ。柔和な笑みでこちらを見る緑色の事務員、言葉を交わした訳でも、拳を交えた訳でもないのに。気づいたら私は全力で逃走していた」

「結界の維持はその人が」

「そうだと思うよ。彼女は私がウマ娘だから見逃したんだ、向こうがその気なら即殲滅!だったはず」

「そんなヤバい奴がいるのか・・・流石トレセン学園」

「騎神だとしたら間違いなく超級以上、もしかしてあれが天級?」

「それは絶対にない」

「断言したね。まるで天級騎神を知ってるみたい」

 

 お宝を手に入れたデジタルはニヤニヤしながらどこかへ行った。

 

 学園の監視を一旦中断して街をブラついてみる。

 こうやって歩いていると向こうから来るんですよ、たぶん。

 ふと空を見上げると何かが飛んでいた。

 

「紙飛行機か・・・子供の頃に作って飛ばしたっけ」

 

 母さんが作った奴は障害物を貫通しながら半日以上飛行していたな。

 あれは覇気でズルをしていたんだろう。

 まったく紙飛行機に覇気を乗せるなんて・・・あれ?

 

「あの紙飛行機にも覇気を感じる。誰かが意図的に覇気を乗せている?作った奴は騎神か!」

 

 慌てて飛行機を追いかける。それにしても良く飛ぶな。

 どこから飛んできた?作った奴は?とにかくアレを追いかけて回収してみよう。

 順調に飛行を続けていた飛行機だったが、大きな街路樹に引っかかって停止した。

 アレぐらいなら助走をつけてジャンプすれば届く、覇気はちょこっとだけ開放!

 いくぜ!うおおおおお!大ジャーンプ!!!

 よしいける!これなら手が届いく・・・ぞ?

 

「邪魔だよ」

「は!ぐぇ」

 

 飛行機にてが届きそうになった瞬間、背中を誰かに踏みつけられた。

 

「俺を踏み台にしたぁ!!!」

 

 誰やねん!思いっきりふみつけやがって!背中に靴跡残ってないかコレ。

 何とか姿勢を制御して着地。

 

「良かった~ちゃんと回収できたよ。マヤノの奴、飛ばし過ぎだよ」

「おいコラ!人を踏みつけて謝罪の一言もないのか」

「ん?ああ、ごめんごめん。まさか人間があんなにジャンプできるとは思わなかったよ」

「なぜ俺を踏んだのよ」

「君がこの飛行機を取っちゃうと思ったからつい」

「その飛行機を先に見つけたのは俺だ、渡してもらおうか」

「これは僕の友達が作ったんだよ。君の物じゃないよね」

「作った奴を知っているのか?そいつの所に案内してくれないか、是非会いたいんだ」

「会ってどうする気」

「えっと、頭を撫で回して覇気を吸収します」

「変態じゃないか!君みたいな奴をマヤノ会わせられないよ」

「変態はさっき俺が会ったウマ娘だな。あいつに比べれば俺なんてまだまだ未熟よ」

「とにかく!僕はもう行くよ。迷惑な行動は控えるように!親切な僕からの忠告だよ」

「逃がすと思うか」

「僕とやる気?ウマ娘を甘く見ない方がいいよ」

「勝負だ、尻尾鬼で勝負しろや!」

「あのねぇ僕たちは物心つく頃から尻尾鬼で遊んでいるんだよ。それじゃ勝負になんないよ」

「ハンデだよハンデ。まさかウマ娘が人間の俺に負けたりしませんよねぇ?」

「あー今バカにしたな!いいよ勝負しよう、後悔させてあげる」

 

 紙飛行機を追っていたら見知らぬウマ娘と勝負する事に。

 

 元気が有り余った活発そうな外見、自分の力に相当自身があるんだな。

 前髪の一房に白メッシュが入り、後ろ髪を束ねたポニーテールが特徴的。

 ・・・クロ?瞳の奥で燻る闘争心に似たものを感じた気がする。

 違うなクロはもっとこう・・・笑いながら相手を殴り続ける感じ・・・狂戦士でも好き!

 

 車や歩行者にぶつかったら危険なので場所を変える。

 オフィス街にある噴水広場、今日は平日なので人はまばらだった。

 安全を考慮して周囲の人に状況説明、快く場所を空けてくれたので感謝します。

 学園が近いせいかウマ娘の身体能力に皆理解があるのだろう。

 

「俺が鬼だ。鬼に尻尾を掴まれると死ぬ!」

「なんだよそれ無駄に怖いよ!」

「お前のライフは5つ、5回尻尾を掴まれると将来ハゲます」

「嫌だよ!変な呪いを付与しようとするな」

「では始めるよ~・・・・・・お前を殺す!」

 

 目の前のウマ娘、クソガキ(仮)に飛び掛かる。

 クロシロより年上みたいだがうちの子のほうが大人びてるわよ!

 俺の動きに即座に対応、流れる様な脚運びで綺麗に躱してみせるガキ。

 変わった脚の使い方だ、こいつなりの独自の歩法か。

 

「どう?ついて来れないでしょ」

「やるなクソガキ!生意気言うだけあるじゃないの」

「クソガキって言うなよ!僕は帝王様だぞ!」

「なにが帝王じゃボケ!マジンガーZEROぶつけるぞ!」

「ぴぇ!よくわかんないけどそれはやめて!」

「ほい!1回目っと」

「あ!」

 

 なかなかの身体能力だが対処できる範囲だ。

 スぺやスズカ達と遊んだ事は無駄じゃない、どんな変わった脚運びをしようとも摑まえる!

 1回目は油断したのだろう2回目以降はガキも気合を入れてきた、それでも俺は勝つ!

 

「帝王様・・・もう4回死んでますよwwwプークスクスwww」

「クッソォ!なんでだよー!なんで掴まっちゃうんだよ」

「俺の方が強いからじゃねwww」

「うるさいな!そもそも君は人間なの?実はウマ娘だったなんてことは」

「仕方ないな人間だって証拠を見せるから、ちょっとその辺の物影に行こうか」

「どこへ連れ込んで何を見せる気だよ!やめろ!チャックに手をかけるな!」

「わがままだな~。俺は正真正銘人間の男だよ、まあ操者ですがね」

「操者?それなら覇気が強い理由に・・・いや、やっぱりおかしいよ!変だよ!」

「変じゃないよ~連れて来てないけど愛バだっているんだし」

「そんなに動ける操者なんて普通じゃないって言ってるんだよ」

「シュウにリューネに村の男衆・・・俺の知り合いにはこれぐらいできる人間いっぱいいるよ」

「僕ヤバい人に関わっちゃったのかな・・・」

「どうすんの?もうやめる?瀕死の帝王様www」

「・・・ゴメンね、君を甘く見ていた」

「お、やけに素直になったじゃない」

「ここからは本気でやるよ。でないと君には勝てないから!」

 

 お!向こうから突っ込んで来た。

 この尻尾鬼には制限時間を設定していない。

 鬼である俺は尻尾を5回掴めば勝ち。

 帝王様は俺が諦めるまで逃げ続けるか、俺を戦闘不能にすれば勝ち。

 そうだよ最初から俺をボコりに来ればいいんだよ。

 

「やっと来たか!見せてもらおうか帝王の力ってヤツを!」

「たぁあああ!!!」

 

 帝王様と俺、覇気を開放した二人の攻防が始まり周囲の人がギョっとする。

 ちょうどお昼時になったのか噴水広場は多くの人が行きかう、そして皆足を止めてその光景を見た。

 

「いいね!いいよ!やるじゃんか!ガードした所がクッソ痛てぇわ!」

「随分余裕だね!反撃してもいいんだよ!そらっ!」

「させる気ない癖によく言うわ!マジで強かったんだな、甘く見てたのは俺の方か」

 

 広場を中心にでたらめな動きで飛び回る。二人の動きは段々と苛烈になっていった。

 トレセン学園が近い事もありウマ娘の非常識さを知っている人々は慌てない。

 お弁当を食べながら見物する者も大勢いる。ウマ娘の子供と、あれは人間?なのか。

 

 移動を繰り返していると人にぶつかりそうになることもある。

 俺への攻撃をミスった帝王様が人にぶつかる直前に投げ飛ばし広場中央へ戻す。

 

「おい!今のは危ねぇぞ!見物客と建物への被害は抑えろ」

「ご、ごめん。ああもう!もっと広い場所にすれば良かった」

「はは!お前今楽しいだろ!俺はすっげー楽しいぞ」

「悔しいけど楽しいよ!何もかもどうでもいい!今は君とずっと遊びたいよ!」

「やっぱお前クロに似てるわ!」

 

 闘争心に火がついた二人は止まらない。

 

「名前教えてよ!僕はテイオー!トウカイテイオーだよ!」

「蹴り飛ばされながら自己紹介されたの初めて!アンドウマサキだ!」

「マサキ!悪いんだけどそろそろ潰れてくれる!」

「トウカイさん!それはできぬ!」

「できればテイオーって呼んで!」

「かしこまり!」

 

 こいつもまた才能の塊か、クロやシロにマックやスぺ、スズカに皆。

 全員でバトルロワイアルさせたらさぞ面白かろうな!

 シュウも言っていたが次世代の騎神達は結構な粒ぞろいですな。

 

 独特の脚運びでこちらを追い込むテイオー。

 大技来るか・・・なんだか焦ってる?それに脚の動きにキレが無くなって・・・。

 

「これで決めるよ!せぇえええいい!!」

「ちょ、待て!」

 

 覇気を脚に乗せ全力を込めた蹴り、確かにこれは大技だ。

 自身のスペックを度外視したな。

 覇気開放えーと30%ぐらいで・・・アクセル。

 

「もう終わりだ。じっとしてろ」

「え・・・なにが・・・」

 

 テイオーの蹴りを受け流してそのまま加速する。

 渾身の力を込めた一撃をあっさりいなされたテイオーに隙が生まれた所で、お姫様抱っこ!

 そのまま人混みを抜けて移動する。

 

「暴れるなよ尻尾は掴んだからな、俺の勝ちだ」

「僕負けたんだ・・・で、なんで抱っこされてるのかな」

「ちょっと移動する。衆人環視の前では恥ずかしいし」

「な、なにする気!まさかハゲる呪いの執行!や、やだ!やめて」

「呪いをかける方法なんぞ知らん!ちょっと脱いでもらうだけさ」

「ひぃ!まさか・・・うまぴょい!負けたらうまぴょいなの!」

「え?うまぴょいしてもいいの!すげぇなコレが帝王の覚悟・・・しかと受け止めた!」

「受け止めないで!そんな覚悟微塵も無いから!ごめんなさいごめんなさい!」

 

 ギャーギャー騒ぎながらウマ娘を抱えて消えていく謎の男に周囲は唖然とする。

 その背中を見つめる人物達がいた事にマサキは気づかなかった。

 1人は熱き闘志を秘めた武人風の男、残りの2人は年若いウマ娘。

 

「見つけたぞ・・・学園から近いな、やはりあいつの狙いはウマ娘か」

 

「聞きしに勝る破天荒な方ね。ああ管理して差し上げたいです」

「トイレに行く時間まで管理するのはやり過ぎだからね。それより彼は私のファンになるべき」

「売れない地下アイドルは諦めて本業に専念してくださいね」

「アイドルじゃないよ、ウマドル!ウマドルが本業なの!」

「ハァ~なんであなたがシングルナンバーになれたんですか、理解に苦しみます」

「副業がてらにやってたら出世しちゃった」

「追いかけますよ。もう少し様子を見ましょう」

「は~い。お仕事お仕事」

 




マサキ  マザコン、ロリコンと言われても全く動じない

デジタル 変態は誉め言葉だ

テイオー 湿度?しっとり?僕には関係ない言葉だね
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。