【???】
「きたきた」「まってました」
「たいりょー」「すごいです」
「ごちそう」「ありがてぇ」
「いただきます」
「???」「???」
「なんか」「おいしいけど」
「よろこべない」「くやしい」
「むかつく」「いらっとします」
「たべるけど」「たべますけど」
「おいしいね」「たしかに」
「わかったぞ」「どうしたきゅうに」
「なんてことだ」「おいなにがあった」
「やつらだ」「なに」
「きづけよ」「まさか」
「おそかった」「あとのまつり」
「ぜんぶたべた」「たべましたね」
「「おろろろろろろろろろ」」
「だめだ」「げろできない」
「そもそも」「からだがない」
「そとがきになる」「あのひとのそばに」
「いるね」「いますね」
「「めじろが」」
「またきた」「おなじやつか」
「たべる」「たべますよ」
「くつじょく」「たえろ」
「でもおいしい」「それはどうかん」
「「おかわり」」
【マサキ】
変な夢を見た。
アルダンの覇気をブーブー文句言いながら食べるクロとシロ。
好き嫌いは良くない、つべこべ言わず食え。
それにしても・・・体が無いか・・・。
「夢で互いの過去を見た例もありますし、愛バの状況が伝わったのかもしれませんね」
「俺とあいつらが繋がっている証拠だな」
「カピバラ君、もう一度頼むよ」
「はーい。カフェいいか?」
「はい。お願いします」
ドレインしている最中のデータを取らせてほしい。
タキオンに頼まれたので素直に協力している。ドレイン相手はカフェだ。
これで3回目、負担にならないように注意しながらドレインする。
級位は取ってないらしいがこの感じだと轟級かな。
ウマウタ―?そんなものもありましたね・・・姉さんとの戦闘中に大破したわ!
自分で見た方が早いからね。ウマウタ―とはなんだったのか・・・。
「黒髪ロングはいいものだ」
「本人を前に何を口走っているんですか」
「あの子はどうしてる?」
「マサキさんの隣でウンウン頷いています」
「あの子も同意見じゃん」
ただ撫でるのも芸が無いな、長い前髪を掻き上げておでこを見てやる。
抵抗はされない、困ったような顔で微笑するカフェ。
なんだそのレアな表情はカワイイじゃないの。もっと見せろ。
「イチャつくのはその辺にしたまえ。今度は覇気を流してみようか」
「覇気の循環・・・本当にいいんだな?」
「実験に志願したのは私自身ですから」
「無理はしない、ちょっとでも違和感あったら即終了だ。それでいいな」
「もし私が爆散したら、あの子と一緒に取り憑いてあげます」
「速攻でお祓いしてもらうわ!実家が神社のウマ娘が知り合いにいるからな」
フクキタルに頼んだら変なお守り売りつけられて終わりかもな。
接続開始・・・おk、相性はいいみたいだ・・・。
「どうかな?」
「凄いです、私の体から覇気が溢れてきます」
「キラキラ散布も順調だな。痛みとかは無いか?」
「大丈夫です。温かい・・・不思議な高揚感があります。今なら何でもできそう」
「ンンンンンンンッ!最高じゃないか!もっと見せておくれ!さあさあさあ!」
「マッドサイエンティストがラリってきたぞ」
「いつものことです。放っておきましょう」
俺とカフェがいる実験室の外、ガラス越しに興奮する変態がいる。
放置しておこう。
出力を更に上げる。徐々にだ、ゆっくりゆっくり、カフェの覇気に上手いこと混ぜるように。
成功だ、バーストモードの操者と騎神の完成!
テイオーとマヤに接続した時よりずっと深く繋がった。
「ここまでやったのは初めてだ。何度も聞くが大丈夫か?」
「体に異常はありません。しかし、精神面で少々問題が」
「気分が悪いのか?俺の覇気キモい?」
「何と言いますか、凄く力を振るってみたい、壊したい、暴れたい、タキオンさんをぶん殴りたい」
「最後のは私怨だね。なるほど・・・戦意高揚、破壊衝動、万能感。カピバラ君の覇気はウマ娘にとって危ないお薬と同義なのか」
「中毒になられても困る。この辺りで止めておこうぜ」
「待ちたまえ。最後に軽く模擬戦をしようじゃないか。今、標的を投入する」
実験室奥のシャッター解放され中からロボットが出てくる。
「AMじゃない?特機ってヤツか」
「そうだ、物量や生産コストに優れたAMと違い、明確な敵を想定して作られた特殊起動兵器。スーパーロボットというやつだね」
「グルガスト弐式。超闘士グルンガストの量産試作機ですか」
「強そうじゃん。こいつは何を仮想敵としているんだ?」
「メジロ家にいた教導隊メンバーの1人、タイラントだよ」
「タイラント?暴君か、なぜだろう他人の気がしない」
「AIが間に合わなかったので今回は私が遠隔操作するよ」
タキオンがコントローラーらしきものを操作するとグルンガストが巨体に似合わないスムーズな動きをみせる。
コントローラーがどうみてもニンテンドースイッチなんだよな・・・。
「タキオンさんが操作する?つまりこの弐式はタキオンさんそのものですね・・・フフッ」
「そうだとも、さあ手加減はいらないよかかって」
「ふんっ!!!」
「ああー!」
「おっと、顔面がいきなり潰れたぞ」
最後まで話を聞かずにカフェが弐式の頭部に攻撃を仕掛けた。
俺いらないね、壁際に退避しておこう。
「まだだ!メインカメラがやられたぐらいで」
「よくも!食後のコーヒーを醤油にすり替えられた恨み!」
いやwww気づけよwwwウマ娘の嗅覚優秀設定どこにいったwww
「だいだい君はコーヒー飲みすぎなんだよ!たまにはお茶が飲みたい」
「だったら自分で入れろ!」
「飲食物の準備は人にやらすと誓って生きているんだ」
「迷惑な誓約だ」
「さあ弐式よ!そのカフェイン中毒者を懲らしめてやれ」
「マサキさん、手を出さないでください。こいつは私が破壊してやる」
「あ、うん。頑張ってね」
カフェが弐式の首をもぎ取ろうとした所でタキオンの泣きが入った。
これ以上壊されると予算がどうとか言ってた。
今日の実験は終了。まだ仕事がある2人と別れ研究所内の食堂へ向かう。
今日は何を食べようかな~ここの料理はどれもメッチャ美味しいのよ。
ピーク時は過ぎているので人は少ない、落ち着いて食べれそうだ。
「レーツェルさん。今日のオススメは?」
「姫の要望で今週は台湾フェアだ。小籠包と魯肉飯(ルーローハン)のセットがオススメだぞ」
「じゃあそれでお願いします」
「承知した。しばし待つがいい」
ここの飯が美味いのはこの人の料理スキルが並外れているからだろう。
おまけに現場を仕切る能力とカリスマ性もある。スタッフに的確な指示を出し、自らも手を止めない。
厨房全体のレベルが上がって、ここで働くみんなは大満足だ。
レーツェル・ファインシュメッカー(訳・謎の食通)
変なサングラスをかけた金髪お兄さんおそらく偽名。
自称、流浪の料理人だが、身のこなしと覇気を見る限りただ者じゃない。
料理が美味すぎたので上半身脱衣をしたら仲良くなった。
俺でもできる簡単な料理を教えてくれるナイスガイ。ちなみにカフェの操者だ。
「お待たせした。ちょうど私も休憩時間だ、相席よろしいかな?」
「大歓迎っス。一緒に食べましょう」
トレーに乗った料理を受け取る。
レーツェルさんが座ったのを確認して2人で「いただきます」をする。
「ああ美味めぇ!今日も最高ですよ」
「そんなに喜んでもらえると料理人冥利に尽きる」
「知り合いの男連中はどうしてこう料理スキル高いんだか」
母さんたちには悪いがシュウの料理は美味い。
姉さんに悪いがヤンロンの料理もくっそ美味かった。
俺もクロとシロに美味い物を食べさせてやりてぇ、覇気(今の2人の飯)集め頑張ろう。
「本当に美味そうに食べる。トロンべそっくりだな」
「トロンべ?カフェのことですか」
この人、カフェのことをトロンべって言うのよ。
言われた本人はちょっと嫌そうな顔をしたのが気になる。
「そうではない、姉君のミノ・・・たづなのことだ」
「姉さんの知り合いでしたか!もう早く言ってくださいよ」
「すまない、ウォルターから話は聞いていた。本来は君と接触する予定はなかったのでね」
姉さんとウォルターさんとの繋がり、この人メジロ家の関係者か。
「トロンべも私が作った菓子を美味い美味いと食べていた。その時だけは年相応の可憐な少女だったよ」
「姉さんは今も美人でカワイイです」
「フッ、そうだな」
あらあら~なんだこの感じ。姉さんとレーツェルさん何かあったの?
きゃー身内の恋愛事情とか!すっげー気になるんですけど!
義兄さんって呼んだ方がいいの?気が早いか。
「アンドウマサキ、君に感謝する。姫を、メジロアルダンを救ってくれてありがとう」
「料理人はカモフラですか、本当はアルダンの監視役?」
「メジロ家には何年か世話になったことがあってね、そのツテで仕事を頼まれた。もしアルダンが人に危害を加えそうになったら私に始末してくれと」
「依頼主はアルダン本人ですね」
「ご名答。しかし、アルダンの暴走は気が狂い暴れるのではなく、自身が爆弾となってしまうものに変化した。せめて彼女の最期は見届けようとここにいたのだが、君が来てその日の内に解決した」
「結構危ない橋だったみたいですけどね」
「君は彼女だけでなく、彼女に生きて欲しいと願う全ての人を救った。誇るがいい、トロンべもきっと褒めてくれるだろう」
「たまたまここに来て、無茶苦茶やっただけですよ。今までアルダンを支えてくれた人たちこそ褒められるべき」
「トロンべが君のことを生きがいだと言った意味がよくわかった」
食後に少し談笑してから厨房に入れてもらう。
余った食パンをつかってラスクを作る。
ハチミツ多め、水飴、グラニュー糖、水少々を鍋に煮込む。
ダイスカットした食パン一斤をオーブンで軽く焼いて、鍋にドーン。
じっくり絡めたら再びオーブンへ、焼き目が付いたらオーブンから出して冷やすと完成。
シュウが昔作ってくれたの覚えていた。おやつにしよう。
レーツェルさんと別れて、いつもの場所に向かう。
工事中の特別収容隔離施設を通り過ぎ、広い屋外試験場に到着。
テスラ研で開発した起動兵器や騎神の武装テスト等を行う場所だ。
「やってるな。相手はランドリオンか」
3体の地上戦用AMに囲まれているのは、動きやすいスポーツウェアを来たウマ娘。
パーカーのフードを被ったその表情は見えないがきっと笑っているだろう。
テスト開始の合図。
3体が下半身のキャタピラを巧みに動かし高速移動。連携を取ってターゲットを襲う。
フゥ―っと軽く息を吐いたウマ娘の姿が消える。
狙いを定めた真ん中の1体に肉薄し、センサー類が集中している頭部を破壊する。
頭や首は急所だからね・・・知り合いが首狩り族ばっかりで怖い。
そこから両拳を合わせて雷の鞭を展開。
背後から迫る相手を絡め取り引き寄せ、勢いのまま蹴り砕く。
「プラズマビュート!?俺より全然上手いじゃねーか」
最後の1体は移動しながら砲撃戦をするそうだ。
レールガンを乱射するが、全く当たらない。AM以上の機動力をもって弾丸を躱しつつ迫る。
ゼロ距離、真っ向からの連撃で完膚なきまでに相手を沈める。
何発は入った?装甲が原型を留めていないし・・・。テスト終了文句なしの完全勝利。
これで修練を長年サボっていたというのだから恐ろしい。
よし!と小さくガッツポーズしてフードを脱ぐウマ娘。
青みがかった毛並み、運動して少し赤くなった顔、その仕草の全てに周囲が見惚れてしまう。
AMを回収する作業員やデータを検証する研究員にペコペコ頭を下げている。
こっちに気づいた。
物凄い勢いでこっちに来る。焦らなくてもいいのに。
「お疲れ~調子良さそうだなアルダン」
「見ていらしたんですか?恥ずかしい////]
「カッコよかったぞ。AMがちょっとかわいそうだったが」
「タキオン教授に模擬戦を頼んだのですが、断られてしまったので。あの子たちは代役です」
「タキオンは逃げて正解だ。並みの騎神は相手にならんよ」
「マサキさん、またお相手してくれますか?」
「3日前のこと覚えてる?お互いヒートアップして収容隔離施設破壊しちゃったよね」
「タキオンさんwww膝から崩れ落ちてましたねwww」
「笑い事じゃないよ。あそこには組み上げ予定のPT用パーツが保管してあったんだと」
「そんなの知りませんよ。私という爆弾と一緒の建物に置いた時点で消失決定です」
「キャラちょっと変わったか?」
「変わったとしたらあなたのせいですね。今の私はお嫌いですか?」
「超好き」
「ならこのままいきますね」
アルダンのパズルを完成させ限界までドレインをした。
俺はそのまま気絶、覇気の余波で部屋は吹き飛び、収容施設内部がちょっと壊れた。
結果アルダンの覇気は安定してメディカルチェックも異常なし。
彼女の救出は見事成功した。爆弾チョーカーはもういらない。
袋に包んだラスクと水筒を手渡す。
「さっき作ったラスクと、レールツェルさんからドリンクの差し入れ」
「まあ!ありがとうございます。クスハ汁(上級者用)運動後はこれがいいのです」
「ラスクは俺が作った。小腹がすいたら食べて」
「あなたが作った?永久保存加工をして家宝にします」
「食品だから食べてくれない。保存とかされると引く」
「大事に食べますね」
覇気が安定し引きこもりを終えた彼女はみるみる明るくなりましたとさ。
もう本当に元気過ぎるぐらい。
迷惑をかけたとたくさんの人いお礼を言い、自分にも仕事をくれと研究所のテスターを引き受けたりしている。
先程の模擬戦やデータ収集もよくやっている。頭もいいので研究員としても働けるとタキオンが言ってた。
良かったな、本当に良かった。彼女は本来の姿を取り戻したのだ。
明確に変わった所もあるけど。
整った顔立ちの左頬、よく見ると薄っすら切り傷ができていた。
俺が気絶した直後、溢れた覇気の余波が自らを傷つけたらしい。
本当によく見ないとわからない程度の傷だが、このお嬢様に残していいのだろうか?
「その傷いいのか?テスラ研の技術なら消すことは造作もないらしいぞ」
「いいんです。これはあの日を忘れないために残します」
ストライクガンダムに復讐を誓ったイザークさんみたい。
「それに、お揃いですからね」
「お、おう」
俺の左頬にも似たような傷がある。あの時の余波はついでに俺も傷つけてた。
そっと俺の傷に触れるアルダン。やめなはれ心臓がトゥンクしちゃうから。
「マサキさんは消さないんですか?」
「傷は男の勲章ですから」
「私はあなたの愛バではありません。だけど、たまには思い出してください。約束ですよ」
「おk約束する」
誰か―!ここにすんごい良ウマ娘がいますよー!
イケメン!全てのスペックが限界突破したイケメン!操者になってあげてー!
あ、イケジョでも全然良いです。
「雷上手く使いこなしているな」
「ごめんなさい。そのせいであなたは」
「気にするな。きっとその力は君にプレゼントするためのものだったんだよ。よく似合ってるしな」
「あなたにいただいたこの力、決して無駄にはしません」
「気負わないでいい、じゃんじゃん有効利用してやれ」
パズルを完成させた時、覇気中枢を安定させるために俺の覇気を注ぎ込んだ。
接着剤代わりのつもりだったが、思いのほかアルダンの覇気に馴染んでしまい。
雷はアルダンに吸い取られました。
今のアルダンは本来の高い覇気加えて雷属性を纏うようになった。
俺の雷は減少、プラズマビュート1本をちょっと伸ばすのが限界。
アルダンに雷を8割方持っていかれたが後悔はしてない。彼女なら上手く使ってくれる。
姉さん怒るかな?レイジングストライクまたやるのは無理かも。
アルダンのことは一件落着、ウォルターさんのからの依頼を無事達成。
後でタキオンの覇気をドレインしておかないと、そろそろ旅を再開してもいいかもな。
「マサキさん。明日お時間をいただけませんか?」
「おや、何かあるの」
「サプライズです」
「サプライズって言っちゃたよ」
お嬢様が嬉しそうなので明日を楽しみにしておこう。
2人で研究室に戻るとカフェがタキオンを絞め落とそうとしていた。
あーあー、完全に首をロックしちゃってるよ。
アルダンと一緒に引き剥がす。
「何があった?」
「今度は墨汁とすり替えたんです!こいつには臨死体験を経験させてやります!」
「カフェイン中毒者はキレやすくて困るね」
「タキオン教授反省してください。カフェさんがかわいそうです」
「ちょっと飲んじゃいましたよ・・・ウェ」
だからwww気づけよwww
「アルダン、水筒の残りはあるか?」
「半分以上残ってますよ、どうぞ」
「2人共、その変態科学者を逃がすな」
「「了解」」
「ちょっと何をする気だい!やめないか!その液体は!?ウボェ、なんだこの不快すぎる臭いは」
「毎日、研究でお疲れでしょう?効果抜群の健康飲料です。はい、あーん」
「ちょ、やめ!それを近づけるな!2人とも離せ!はな・・・あああああああああああああ!!!!」
クスハ汁(上級者用)は素人にはキツかったか。
カフェの希望通り、タキオンは臨死体験をした。その間に無理やりドレインしておいた。
意識が無い状態ではやはり効果が弱い。
起きたタキオンに改めてドレイン、クスハ汁に怯える彼女をたっぷり撫でまわした。
翌日。
「まだだ!まだ終わらんよ!」
「逆境でも諦めない殿方は素敵です。だらかもっと追い詰めてあげます、こんな風に」
「ちっ!」
「カピバラ君!動きが鈍っているぞ!第3倉庫から退避したまえ、そこは足場が悪すぎる」
「研究所敷地内は全て有効範囲です。一応観客にはケガをさせないようにお願いします」
「「了解」」
「ふむ。トロンべはどちらが勝つと思う」
「アルダンさんでしょうか。彼女のスペックは日を追うごとに上昇しています。信じられないスピードで本来の彼女に、それ以上の何かになろうとしていますから」
「マサキは新たな獣を世に解き放ったか」
「彼にドレインされたウマ娘はリミッターが外れるとでも?でしたら私も含めて、とんでもないことになりますよ」
「限界を超えた騎神が集う時代が来るか・・・頼もしいな」
「カビパラ君ってば!気合がたりないぞ何やってんのー!私の研究予算をかけているんだ、負けたらダメだ!マジで頑張って!お願いしますぅ!」
「あなたという人は」
爆弾と恐れられ奇跡の生還を果たしたお姫様とそれを救った変な人間。
人々は驚き喜び姫の無事と人間の活躍を讃えた。
しかし、俺とアルダンがヤベェ奴というのは、すぐにテスラ研中に知れ渡った。
テスト、実験、修練、じゃれ合い、発作、まあいろいろやっちゃたよ。
視認できる異常な覇気粒子をまき散らしながら動き回る2人。
今じゃすっかりテスラ研の収容違反認定ですよ。
俺達が今やっているのはみんな大好き尻尾鬼。
暴走するのを恐れて今までやったことがないと言った。アルダンに催促されて始めたんだが。
「まさかここまで激しくなるとは!」
「あら、後悔してますか?」
「全然!超楽しい!」
「私もですよ。さあもっともっと狂い合いましょう」
「ウマ娘基本バーサーカー説!正しかったんや!」
もうこれ尻尾鬼じゃないよ。ただの戦闘、相手をぶちのめすが勝利条件。
観客が多いな。白衣を着たままの研究員や作業員、警備員、一般来訪者、その他大勢。
連日やっていたら観戦人数が増えた。どっちが勝つかギャンブルしている奴らもいる。
仕事しろや!
アルダンは雷を纏い操る。攻撃に防御に移動に青白い稲妻が弾ける度に歓声が上がる。
雷をこの子にあげて良かったのかしら?鬼に金棒じゃなくて鬼にバズーカーだよ。
覇気の出力はまだ俺が勝っている!全力開放!
「「「「「「「「出たぁー!バーストモード!!!!!」」」」」」」」
ノリノリの観客に応えてやろう。
アルダンそんなに目をギラギラさせるなよ。悔し泣きさせてやりたくなるだろが!
「そんなに見つめないでください。泣かせたくなります」
「同じこと考えてるー!」
「私に勝てたらマーキングしていいですよ」
「するか!クロシロに殺されるわ!」
「私が勝ったら一生取れないマーキングをします」
「それも殺されちゃう!!」
ヤッベ!命がかかってきた。
建物の屋根や屋上を駆け抜け外壁を蹴り、移動しながらの戦闘。
敷地内からは出たらダメなんだよな、研究所入口の駐車場方面に出たぞ。
耳に装着したマイク内蔵無線イヤホンよりタキオンから連絡が入る。
「車が侵入してくる。くれぐれも被害を出さないように」
「「了解」」
アルダンの攻撃を捌きながら近くの建物屋上へ。
SUV型の高級車、中が広そう頑丈な見た目がカッコイイ。
「よそ見してはダメです」
「すまぬ」
「今は私だけに集中してほしいです」
「そうしないと」
「すぐに終わってしまいますよ?」
プラズマビュート2連!完全にものにしてる。
避ける!って、そんなに伸びるのかよ!片足を掴まれた。
引き寄せずそのまま振り回すことにしたらしい、ちょいちょいちょい!なぜ車の方に投げた。
SUVから誰かが降りてくる。
「ウォルターさあぁぁぁん!」
脚に絡みついた雷鞭を引きちぎり体勢を立て直し着地。ズサァーと靴底が地面をこすってやっと停止。
ぶつかる所だった。
「マサキ様。本日もお元気でなによりでございます」
「すみません俺やってしまいました!封印解いたばかりか強化しちゃった」
「まあ!ウォルター。お久しぶり」
「もう追いついてきた!車の中身をしっかり守ってください!」
「かしこまりました。お二人とも存分にお楽しみください」
「察しが良すぎるのは相変わらずですね」
ウォルターさんは申し訳ないが後回し。
アルダンに集中、これは遊びだ、だけど真剣だ。
母さんが言ってた。どんなことでも真剣にやればそれだけの結果が返ってくると。
小さい頃からそうだ俺は尻尾鬼の時はいつだって本気。
勝ち負けじゃない全力で遊べなかった時の自分が嫌なだけ。
長いこと引きこもってたんだもんな、ずっと遊びたかったの我慢してたんだろう。
それに付き合ってやりたい。この強い相手に勝ちたい!
「ブラックとダイヤの操者、現カピバラのアンドウマサキ」
「元メジロ家頭首候補、現テスラ研被験体№555メジロアルダン」
「「ぶちのめす!!」」
永遠にも感じられた攻防。
ずっとこうしていたい、けど決着の時は訪れる。
言い訳はしない。確かに全力で頑張った。
姉さんの時だって最後はくしゃみ一発で意識を刈り取られた。
眠れる騎神、起こしたのは俺。
助けたお姫様は獣になって人間を襲いましたってか。
俺は地面に頭押さえつけられ、完全に動きを封じられた。
「強すぎじゃね」
「負けたらダメですよ。あなたがこの程度のはずがない」
「タキオンの奴、俺にかけてやんのwwwあいつ今頃焼き土下座の準備してるぞwww」
「酷いですね。あなたの勝利を信じてましたのに」
「サプライズはアレらのことか?」
「はい。直接見てもらうのが1番だと思ったので」
「いきなりカッコ悪所を見せちゃった」
「降参しますか?少し消化不良気味です」
「・・・なあ、アルダン」
「何ですか?」
「お前雷どうした」
「え?は、あれ?」
「かかったなぁ!詰めが甘いんじゃよ!おひめさまぁー!!!」
「そんな!きゃっ!」
「うっし!形勢逆転!」
「力が出ない!?まさかENドレイン」
ちょっとづつ俺も進化してるのだよ。
接触さえしていれば相手の覇気を吸収することが可能。
俺を組み敷いている時間が長すぎた。
会話をせずに10カウント取ったので私の勝ちと宣言すれば良かったのに。
意識を完全に失わない限り最後まで何をするかわからん、それが俺です。
ひっくり返して押さえつける。
押し倒した感じになっているのは不可抗力です。
アルダン、その期待を込めた視線をやめなさい!何もしませんから!
「タキオン~。見てるか?カウント取って」
「見えているとも良くやった!スリー、ツー、ワン、ゼロ!しゅーりょーう!カピバラ君の勝ちー!」
撮影用のドローンと敷地内の至る所にあるカメラを駆使して生中継してたからな。
研究所のそこかしこから歓声、悲鳴、怒号が聞こえる。知らね。
「油断大敵ですね」
「負けたのに嬉しそう。はい、立ってくださいよお嬢様」
「野外で初体験するかと思って期待しました////」
「何言ってんの!生中継されてるの知ってるだろ!ウォルターさんもいるんだぞ!」
「見せつけてやる気なのかと////」
「ヤダもう!シロもそうだったけどお嬢様ってドスケベなのか?」
「次の世代に優秀な遺伝子を残そうとするのは本能です」
「もっともらしいことをぬかしよる」
エロいお嬢様を立たせる。
お互いの損傷をチェック。出血はなし打ち身は少々、吸い取った覇気をアルダンにリリースする。
ヒーリングもできるので俺が攻撃した箇所に手当してやる。
「私もそういうのができたらいいのに」
「これは操者の特権だからな。治療師も人間の方が多いんだろ」
「ヒーリングはウマ娘より人間の使い手が優れています。ですが例外もあることをお忘れなく」
「ウマ娘でも規格外の回復能力もちがいるのか」
「水の天級騎神がそうだったような」
「そうなのか!その人の覇気ならクロシロの体を元に戻せるかもな」
ホントどこにおるんや?
アルダンにヒーリングをけていると車からゾロゾロ人が降りてくる。
ああ、やっぱりお前たちか。
「まったく再会してすぐこれですか」
「前にもまして面白いね~」
「お久しぶりです」
「やっぱあなた変」
「よお、元気にしていたか。マック、パーマー、ライアン、ドーベル。また会ったな」
意外と早い再会だったな。
ドレインするためにもう1度会えたらいいなと思っていたからちょうどいい。
こいつらの頭を撫でたとき俺の覇気中枢に何かがハマる気がした。
今思えばあれは無意識にドレインした覇気が俺の体に吸収されたサインだったんだな。
「ウォルターさん。ご依頼の件はこれでよろしかったでしょうか」
「見事なお手並み感服いたしました。メジロ家を代表してお礼申し上げます」
「こちらこそ感謝を。アルダンは最高のお嬢様でしたよ」
「やはりマックイーン様たちの目に狂いはなかった。あなたこそ真の操者です」
「やめてください持ち上げすぎです」
向こうではアルダンたちが喋っている。
「みんな来てくれてありがとう。心配かけましたわね」
「姉さんもう大丈夫なの?」
「マサキさんのおかげでこの通り。力が有り余って仕方がないくらいです」
「何年もどうすることもできなかったのに」
「それを短期間で解決しちゃうとかやるね~」
「正確には出会って1時間たってないぐらいで解決しました」
「1時間!?マサキさんならと思いましたが、これは私も想定外のスピード解決ですわ」
「みんなマサキさんが今困っているのは知ってるかしら?」
「ウォルターから聞きました」
「愛バがピンチ」
「石になったとか」
「意味わかんない」
「あなたたちの覇気が必要なの。協力してくれるわよね」
「私は最初からそのつもりでしたわ」
「まあ適当にやっちゃてよ」
「姉さんの恩人なら喜んで」
「仕方ないわね」
「みんなありがとう。マサキさん!OK出ました!さあこの子たちを絞り上げてください!」
「「「「え!?ちょ」」」」
「まってましたぁー!覚悟しろ!思う存分撫でまわしてやるからな」
「まさか逃げたりしませんよね?」
アルダンが展開したプラズマビュートが4人を拘束する。
「ウォルターさん?」
「ばば様もGOサインを出しております。今回の報酬としてお嬢様方の覇気を提供します」
「お許し出ちゃったね。ヒャッハー!メジロパーティーの開催じゃぁー!」
「「「「いやぁぁぁあああああああああ!!!!」」」」
( ´Д`)=3 フゥ大漁でござったな。
ドレインを思う存分堪能したので満足です。これからも姉妹仲良くするんじゃぞ。
「凄い光景だな。メジロ家の至宝たちが手玉に取られているぞ」
「エルザムか。今回は流石のお前も出番がなかったな」
「今はただの料理人で通っている。トロンべの弟は伊達ではなかったというだけだ」
「気になるなら会いに行け」
「そのうちな」
「面倒な。老兵からの忠告だ、つまらん後悔だけはするな」
「肝に銘じておくよ」
【???】
「ああああああああああああああああああああああああああああああ」
「なんでなんでなんで」「これはひどい」
「こおひいのつぎが」「かったいれーしょん」
「そしてなんと」「まさかまさかの」
「めじろぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「たいりょうだよ」「ふるこーすでしたね」
「なにやってるの」「なにやったらこうなるの」
「ありえないありえない」「こんなことあってはならない」
「いやだいやだいやだ」「ゆるせないゆるせない」
「ちっくしょぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
「もうがまんできん」「なにをするきですか」
「ここからでる」「やめとけ」
「それでいいの」「よくはない」
「とめないで」「とめねーよ」
「・・・・」「どうしたさっさといけ」
「とめてよ」「めんどくせー」
「いまでてもからだない」「しねんたいのままさまよってろ」
「わたしがでたらみちづれ」「まじやめろよ」
「はぁ・・・・・・」
「どうするのこれ」「たべますよ」
「どうせこんなもの」「くっそまずいにきまって」
「・・・・・」「・・・・・」
「うめぇぇぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええ」
「くやしいでもおいしい」「やってくれたなほんとうに」
「たべてやる」「むさぼってくれるわ」
「てんきゅうのやつさいこう」「おかあさまのやつさいこう」
「このあいだのにく」「あれもすごかった」
「でもやっぱりいちばんは」「きまっています」
「あのひとのはきがいちばん」
「きづいてる」「びりびりがきえたな」
「そうだねでも」「しつがあがってきた」
「どんどんつよくなるよ」「さすがわたしの」
「わたしたちのね」「はいはい」
「うれしいね」「がんばってくれてます」
「もっとたべるぞ」「くってくいまくって」
「もういちどかならず」