俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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でりばりー

 メジロパーティーを堪能した。

 そのせいか愛バたちが発狂したような気がする。

 

「あいつらメジロ家を敵視し過ぎだ」

 

 タキオン、カフェ、アルダン、マック、パーマー、ライアン、ドーベル。

 テスラ研ではたくさんドレインできて満足です。

  

 研究所内を見学することにしたメジロ家御一行様と別れ、自室にて休憩中。

 テスラ研、タキオンの実験室横にある会議室兼物置。ここを俺の自室として使用している。

 U字型の長机に12脚の椅子と有機EL大型ディスプレイを備えた部屋。

 用途不明の機械類には「さわるな!」と張り紙されている。部屋の隅っこの簡易マットレスが俺の寝床。

 しっかり換気と掃除をしたので室内は清潔で思いのほか快適。

 今では用も無いのにみんな集まってくるたまり場と化している。

 

 次はどう動くべきか。自宅マンションに一旦帰ってみようか、冷蔵庫の中身が全滅していることだろうし。

 スマホから着信音が鳴る。誰だ?知らない番号、いつもなら無視するがなんとなく出てみる。

 

「突然のお電話失礼いたします。アンドウマサキさんの携帯端末で相違ないでしょうか?」

「はい、俺がアンドウマサキです。どなた様?」

「本人を確認。お久しぶりですマサキさん。ミホノブルボンです」

「おお!ボンさん。久しぶり~元気にしてたか?アルクオンのときは世話になったな、お礼を言う前に別れたから心配だったんだぞ」

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません。マスターから私のことは聞いてらっしゃいますか」

「もちろん。シュウの愛バなんだろう、2人の仲はどこまで進展してる?」

「外堀を埋め逃げ道を塞ぐ作戦を継続中です。結婚までのルートは確定したも同然かと」

「やりますねー!末永くお幸せに!」

「ありがとうございます。もう1人と相談しながら今後も頑張ります」

 

 シュウの愛バも2人か、写真でチラッと見たがどんな子だろう。

 

「マサキさん。今の現在位置はどちらでしょう?」

「テスラ・ライヒ研究所日本支部だけど」

「やはりマスターの予測は完璧でした。今ちょうどそちらへ向かっております、よろしければお会いしませんか」

「会いたい!是非お会いしましょうや」

「では、もうしばらくお待ちください」

「道中焦らずゆっくり気を付けてね。待ってるからな」

 

 ボンさんが来てくれる。本当にシュウには足を向けて寝れない。

 ただ待ってるだけじゃ落ち着かないな。

 おもてなしの準備でもするか、お菓子や飲み物はレーツェルさんに頼んでみるか。

 この部屋も軽く掃除しておこう。

 

「ご機嫌だねカピバラ君。何かいいことでもあったのかい」

「ノックぐらいしろや。女の子が今から来るんだよ、電話してすぐ会えるなんて俺はついてるな」

「電話で女性を呼んだのか。確かにここは自由に使ってくれと言ったが、ハメを外し過ぎじゃないかい」

「すまんの。でもこれはチャンスなんだ。できることは確実にやっておきたいんだ頼むよ」

「なんでメジロ家大集合した今日にするかなぁ・・・男性の衝動については理解してやりたいがね」

「???、マックたちにも紹介するか。みんなで仲良く遊ぶのもいいかもな」

「なんてことを言うんだ君は!みんなでするだと!正気なのか!」

「寂しいならお前も混ぜてやるよ。カフェにも聞いてみるか」

「これは去勢手術が必要かな。だが面白いwww早くみんなに知らせないとwww」

「何か誤解してない?話が噛み合ってない気が・・・あ、行っちゃった」

 

 ニヤニヤしながら走り去るタキオン。何だったんだ?

 お掃除終了。そろそろいいかな、1階の正面玄関口まで迎えに行こう。

 ちょうど検査が終了してゲートを通過した所に出くわす。

 

「おーいボンさん。こっちこっち」

「わざわざお出迎えありがとうございます」

「その節は俺たちを助けてくれてありがとう。今日も来てくれてありがとうだ」

「マスターのご友人は私の友人ですから、困った時はお互い様です」

 

 ちょっとサイズの大きい上着とパーカー、青地に水色の線模様が入ったスパッツ。

 私服かわええ!好き!

 やったぜ!もう1人いる。ボンさんの背に隠れるようにしてこちらを伺う小柄なウマ娘。

 

「それで、そちらのお嬢さんが」

「ライスさん。ご挨拶を」

「は、はいぃ!ライスシャワーです」

 

 なんだこのカワイイ生き物は。

 ガッチガチに緊張なされている。人見知りする子なのかな。

 美しい漆黒の毛並みに大きめの耳、長い前髪で右目が隠れている。メカクレ女子きた!

 主張し過ぎない程度の落ち着いた色合いの服装。裕福なお嬢様っぽい。

 今日は本物のお嬢様がいるけど負けてないね。

 怖がらせないように目線を合わせて優しく声をかける。

 

「アンドウマサキだ。緊張しなくていいよ、ほら、怖くないだろ?」

「はい・・・あったかくて優しい覇気。お兄さまの言ってた通りの人」

 

 ウマ娘、特に騎神は覇気から得られる情報に敏感だ。

 こちらの意思を伝えるのには言葉や態度よりも覇気に思いを乗せてやる方が有効な場合がある。

 思った通りライスは俺の覇気を読み取り少し緊張を解いてくれた。

 いける!と思ったので手を差し伸べてみる。小さな手で握り返してくれた、握手成功。

 顔を見て笑いかけると、ライスも微笑んでくれた。

 

「流石です。出会って5分以内にライスさんを落としました」

「ブルボンさん!失礼なこと言わないで、私そんなにチョロくないよ」

「仲が良くて結構。とりあえず移動しようぜ、ついてきなされ」

 

 シュウめ、なかなかいい趣味している。

 カワイイし実力も確かな2人を揃えたな。

 握手した時にわかったが、ライスシャワー強くね。

 潜在能力の桁がぶっ飛んでるぞ!今後の修練次第では大化けするかも。

 今まで出会った奴ら、これから出会う奴ら。

 みんな俺をもっとビックリさせておくれ、もちろんクロとシロにも期待大。

 

「シュウはまだラ・ギアスか。ごめんな2人とも、俺の愛バ(結晶体)に付きっきりにさせて」

「謝らないでください。マサキさんに覇気を提供した後、我々もラ・ギアスに向かいますので」

「それがいい。操者と愛バは一緒にいるべきだ。うん、そうだよな・・・」

「マサキさん・・・大丈夫だよ。愛バに操者の思いは必ず届くの、だからきっと」

「ありがとう。元気出していかないとな。2人とも覇気の提供をよろしく頼む」

「はい。重要任務として認識します」

「ライスも頑張るね」

 

 談笑しながら自室である会議室に到着。

 扉を開けるとなぜかみんないる。タキオンとカフェ、ウォルターさん、レーツェルさん、メジロのお嬢様ズ。

 妙な圧にライスがビビったので背後に庇う。俺もボンさんも頭に???だ。

 

「勢揃いして何してんの?」

「マサキさん、その方たちが電話1本で呼び寄せた」

「アルダン顔怖いぞ。そうだ俺のためにわざわざ来てくれたんだ。どうだカワイイだろ?」

「少し幻滅しました。あの子も中指を立てて睨んでますよ」

「待つのだトロンべよ。若い男としてはむしろ健全だ」

「マサキさん嘘だと言ってくださいまし」

「しょーがないよね。男の子だもん」

「うーん理解してあげた方がいいのかな」

「最低!不潔!女の敵!」

 

 やれやれといった表情のウォルターさんに視線を送る。

 

 (どういうことですか?)

 (皆様、なにか勘違いをなされているご様子)

 (なにもしてないのですが)

 (存じております。ですがお嬢様たちの誤解を解くのは少々面倒かと)

  

 この状況を作り出したのは犯人は。

 

「お前か変態科学者。みんなに何を吹き込んだ言え!」

「私は真実を述べただけさ。カピバラ君がデリバリーヘルスを頼んだと」

「ブッ!?」

「???」

「ふぁー!?」

 

 俺驚愕!ボンさんよくわかってない!ライス変な悲鳴www。

 

「ふざけんなぁ!ここに俺がデリヘル呼んだってか!バカじゃねぇの!」

「バカは君だろこのエロカピバラが!」

「この反応・・・マサキさんは無実?」

「ああなんてことでしょう。私たちが来た日にそのような暴挙に出るなんて」

「見られると興奮するとか?」

「わわ、そんな」

「男って!男って!」

「弟がこのザマではトロンべは切腹するかもしれん」

 

 ダメだ、反論するとそれ以上の罵声を浴びせられる。カフェは違和感に気づき始めているみたいだか。

 ここでアルダンが机をバンッ!と叩き壊す。壊しちゃったよ、ひび割れぐらいにしとけよ。

 

「どうしてなんですか」

「ア、アルダン?」

「どうして!そんな売女なんかにー!!!」

「「売女!?」」

「勘違いだ!2人に失礼過ぎだろ!」

「言ってくださればいつでもお相手しましたのに!!恩人の頼みとあればうまぴょいの1度や2度はやってみせます!むしろ望む所です!!!」

「おーい、その辺にしとけ。正気に戻った時に苦しむのはお前やぞ」

「殿方の性衝動を甘く見た私にも落ち度があります。メジロ家の名にかけてあなたを正しい道に戻してあげますからね」

「全力でコースアウトしているお前が言うな」

「というわけで、皆さん申し訳ないのですが。マサキさんと2人っきりにさせてください」

「ヤダ!この子結構バカだったのね」

「30分・・・いや1時間ください。頑張りましょうねマサキさん////」

「頑張らねーよバーカ」

「お待ちになってください!」

「そうだマック言ってやれ!このドスケベに言ってやって!!」

「後学のために私も参加してよろしいでしょうか」

「お前もかよぉ!お嬢様こんなんバッカやんけ!」

「マックイーン、あなたならそう言ってくれると思いました。3人で頑張りましょう」

「はい。マサキさんよろしくお願いします////」

「おい、パー子何とかしろ」

「あー聞こえない聞こえない」

「ライアン」

「ふ、2人ともまだ早いよそんな・・・あわわわわ」

「ドーベル」

「そうやって私も手籠めにする気ね!やれるもんならやってみなさいよ!このクズ!////」

 

 もう収集がつかねぇ。

 アルダンとマックはもうダメだぁ。

 パー子は無関係だと自己防衛に入った。ライアンは純真すぎてパニック。

 ドーベル・・・君、喜んでない?実はノリノリだろ。

 

 (メジロ家の未来大丈夫っスか?)

 (お嬢様たちの幸せが私どもの幸せでございます)

 (それなら仕方ないって顔するのやめてくれませんか)

 

 メジロ家とサトノ家が張り合う理由がわかった。

 こいつら根っ子の部分のキチガイっぷりがそっくりだ。似た者同士、同族嫌悪。

 こういう無法地帯を創り出す能力がどちらの家にも備わっているから質が悪い。

 笑うしかねぇwww

 

「皆さん落ち着いてください。マサキさんは悪くありません」

「ボンさん!弁護を頼むよ」

「マサキさんに体を許す(ドレインされる)ことを決めたのは私の意思であって強制ではありません」

「言い方ぁ!!!」

「私の初めて(ドレイン)を捧げるために参上したのです」

「ねぇワザと言ってる?そんなに俺を追い詰めたいの」

「ライスも頑張るよ。お兄さまが言ってたの、マサキさんは経験豊富なテクニシャンだって。今までたくさんの騎神の初めてをもらってきたんだよ」

「お願いもう黙ってくれる」

 

 援護射撃してくれるのかと思ったのに背中を撃たれた。

 シュウには後で鬼クレームを入れます。

 言葉って難しいよね。表現方法ミスっただけでご覧のありさまだよ。

 

「随分と面白いことをほざきますね。詳しくお聞きしたいです」(#^ω^)ピキピキ

「アルダン雷出すのやめーや」

「か、雷。それはダメです。尻尾、尻尾を取られてしまう」((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

「しっかりしてブルボンさん。取られるのは尻尾じゃなくて命になりそうだよ」

 

 プルプル震えてるボンさんに庇護欲が刺激されます。

 雷苦手なのか悪いことしたな。

 ボンさんとライスを下がらせる。2人を庇う俺を見てアルダンがキレそうになってる。

 困ったときは親の七光りで行こうか。

  

「みんなー注目!今から天級騎神の覇気を見せるよ~しかも3人分!」

「カピバラ君・・・ついに頭が」

「酷いですタキオンさん!マサキさんの食事に何か盛りましたね!」

「これはいけない!私が一生お傍で看病しないと!」

「メジロ家には優秀なカウンセラーもおります。サトノ家のことはもう忘れてうちで暮らしましょう」

「あはははwww天www級wwww」

「笑っちゃダメだよパーマー、心の病気は大変なんだから」

「こうなってしまうと哀れね」

 

 こいつら舐めやがって!ばば様から何も聞いてないのか?

 状況を察したウォルターさんとレーツェルさんはさり気なく壁際に移動。

 ボンさんとライスもちょっと後退。知ってるのはこれだけか。

 天級の腕輪に覇気を通す。輝き溢れ出すのはこの世の理を超えた規格外の覇気。

 俺をメンヘラ認定した連中が固まる。頭が高けぇーんだよ控えおろう。

 よーし静かになったな。

 

「やっと落ち着いたか。ボンさん、ライス、適当に座ってくつろいでよ。レーツェルさんお茶とお菓子の準備を手伝ってくれますか?」

「承知した」

「お手伝いします」

「ラ、ライスも」

「お客さんなのにすまんな。じゃあ一緒に行こう」

 

 食堂へ向かう途中、会議室から「今のなんですのー!」とマックが叫んでいるのが聞こえた。

 説明はウォルターさんがしてくれるだろう。

 精神が早熟で大人びだウマ娘は多いけど、小中学生相手に下ネタで揉めるの成人としてどうなん。

 

 ・・・・・・

 

「はい終了。ありがとうボンさん。みんな拍手―!」

「お役に立てれば幸いです」

 

 ボンさんの覇気ゲット。

 周囲からパチパチパチと拍手されて少し照れるボンさん。

 デリヘル疑惑が払拭された後、みんなでティータイム。

 一息ついた所で自己紹介とドレインを並行して行っている最中。

 

「次行ってみよう!おいでなさい」

「は、はい!」

 

 俺の前にびくびくしながらやって来るメカクレ女子。

 会議室に集まった皆の視線に晒され緊張しているな。頑張ってみんな味方よ。

 

「お兄さま、シラカワシュウの愛バ。烈級騎神ライスシャワーでしゅ!あ」

「ちょっと噛んだけど可愛いので許しましゅ!」

「ライスさんファイトでしゅ!」

「ひぃぃー!やめてくださいー!」

 

 ボンさんと2人で弄ったら泣きそうになったのでこれ以上はいけない!

 

「ライスシャワー?その風貌・・・あなたがあの凶鳥ですの?」

「ほう。良きトロンべかと思えばそういうことか」

「えっと・・・」

「何?何のこと?」

「後ほど説明します。無暗に吹聴するのは控えていただきたいのですが」

「バニシングトルーパーには御三家だけじゃなくテスラ研も関わっている。ここにいる全員は賢い選択ができる者ばかりだ、安心したまえ」

 

 訳ありですか?ここはライスが話してくれるまで待つのが吉とみた。

 バニシングトルーパーは初耳、凶鳥ってのはどこかで聞いたような。

 それと・・・。

 

「今、御三家って言った?もう1つヤバい一族がいるだと!・・・やめてよね」

「彼女らはメジロ家やサトノ家ほど目立った動きはしていない」

「おこぼれや漁夫の利を狙っている感はある、したたかな連中ってイメージ」

「メジロ家には全然劣る、けどその力はスルーしていい物じゃなし、独自の戦力やテクノロジーも侮れない」

「メジロ家とサトノ家が衰退、もしくは共倒れするのを待っておるやもしれません」

「第三勢力(゚∀゚)キタコレ!!」 

「あの人たち、変わった神様にお祈りしてる」

「宗教やってんのか?三女神信仰?」

「それとは別の神です。アレをを神と言っていいのわかりかねますが」

「パーマー、あなは次期頭首に会ったことがありましたわね」

「モーちゃんのこと?一緒にサッカーやったな~。リフティングがすっごく上手だったよ」

「もういいでしょ、ライスのドレイン始めるよ~」

「お、お願いします」

 

 気にはなるが後だ後、ドレインをしっかりしないとね。

 ライスの緊張をほぐすために頭を優しく撫でる。俺の撫でスキルもレベルがどんどんあがるぜ。

 

「毎回アレやらないとダメなのかな?」

「本人の趣味でしょ、いやらしい」

 

 外野うるさい、そうだよ!役得だよ!

 

 順調にドレインできてる。覇気の質もいいしクロシロも喜ぶだろう。

 ちょっと気になったので右目にかかった前髪を掻き上げてみる。

 ひょっ!あ・・・なんてことだ・・・。

 瞳の色が右と左で違う、その特徴に本当なら大喜びする所なのだが。

 ライスにだけ意志が伝わるように目線会話。

 

 (オッドアイ・・・)

 (義眼なんです・・・ごめんなさい見苦しいよね)

 (そんなわけあるか!すっごく綺麗でカッコイイ!好き!・・・ってごめん、茶化していい訳ないよな)

 (お兄さまが造ってくれた宝物なの。前よりずっと良く見えるし、ライスこの右目が好きだよ)

 (シュウは良い仕事をしたな。冗談抜きで本当に綺麗だ似合ってる)

 (ありがとう。マサキさんはとっても優しいね)

 (ビームもしくはレーザーが出たりする?)

 (さあ?どうかな)

 (え、え?どっちよ?超見てぇ!)

 

 左目は淡い紫色、右目の義眼は綺麗な黄金色。これモデルしたのネオさんの目やん。

 あー確かにライスとネオさん纏う覇気とかが似ているかも。

 子供の頃のネオさんってこんな感じだったのかもな。

 シュウめ!かつて俺をマザコン呼ばわりした癖に!お前も大概じゃねーか。

 ライス連れて行ったらネオさん絶対喜ぶわー目に浮かぶわー。

 

「無事完了!よく頑張りました。みんな拍手」

「良かったぁ~。ちゃんとやれたよ」

「ライスさんお疲れさまでした」

 

 ドレイン完了。

 ちょっと休憩しよ、このコーヒーはカフェが入れたな香りが違う!

 

「いい香り~そして美味い。コンビニコーヒーで満足してたのに、舌が肥えちゃう」

「トロンべのオリジナルブレンドだ。褒めてやってくれ」

「褒めても何も出ません。おかわりありますよマサキさん」

「もらう~カフェ好き」

「はいはい」

 

 カフェが入れたコーヒーが美味かったから契約したと言ったレーツェルさん。

 最初冗談かと思ったがこのできばえなら納得してしまうかも。

 この2人の距離感、嫌いじゃないわ。俺とクロシロはべったりしたい派ですけどね。

 結構いろんな子に好き好き言ってしまってすまんな・・・軽く躱されるとなんかゾクゾクします。

 

「おーいアルダン、いつまでそうしてるんだ」

「ころして・・・ころして・・・」

「ダメみたいだね」

「戦犯のお前はもう立ち直ったんだ」

「私は最初からカピバラ君を信じていたよ」( ー`дー´)キリッ

「どの口が言うのか」

 

 興奮して醜態を晒したアルダンは正気に戻ってからずっとあのままだ。

 部屋の隅で体育座りをして顔を伏せている。ブツブツ不穏な言葉を呟いている姿に悲哀を感じる。

 羞恥心で死にそうになってるな。精神耐性持ちなのかマックはケロッとしている。

 俺を追い詰めた元凶のタキオンは全く気にしていないのが腹立つ!

 クスハ汁(死んでも健康になりたい狂人用)をいつか飲ます!!!

 

「コーヒー飲む?紅茶の方がいいかな」

「・・・ちがうんです・・・ちがうんです・・・」

「レーツェルさんが作ったお菓子もあるよ」

「嫌いになりました?」

「そんなことない。ドスケベお嬢様いいと思います」

「ドスケベって言わないでください~」

「もうバレちゃってるから大丈夫。ほら見てごらん、みんなの生温かい眼差しを」

「憐れみと蔑みを感じます・・・妹たちの前で私はなんてことを」

「俺の愛バたちもちょっとおバカでスケベなんだ。それでもカワイイと思ってるぞ」

「私のこともそう思ってくれます?」

「ああ、ドスケベかわいいぞ」

「だからやめてくださいってば!!!」

「アルダンあなたがどんなにドスケベでも、大事なメジロ家の家族ですわ」

「欲求不満だったからしょうがないよドスケベなのはwww」

「そうだよ姉さん!ドスケベでもいいって私の上腕二頭筋も言ってる」

「姉さんは姉さんよ、例えマサキがちょっと引くぐらいドスケベでも」

「生まれて初めてあなたたちにムカつきました。特にマックイーン!あなたにだけは言われたくない!」

「「「「なんで!?」」」」

 

 仲がいいな、クロとシロもアホなことで度々ケンカしていた。微笑ましい。

 

「たまには姉妹ゲンカも必要かもな」

「マサキ様・・・改めて感謝いたします。お嬢様たちがあのような姿を誰が想像できたでしょう」

「なんかすみません。俺のバカがうつりましたかね」

「私を含めお嬢様たちを慕う者は大勢います。ですが我々ではあの笑顔は引き出せなかった。あなただからできた」

「アルダンは不気味な笑みを浮かべて、他の4人は引きつってますけど?」

「それでもいいのです。もっといろんな喜怒哀楽を体験していただきたい、その1つ1つがお嬢様たちの成長に繋がるのですから」

「そういうもんですか」

 

 男はちょっとバカぐらいがいいって母さんが言ってた。

 女だってそうだと俺は思う。クロシロのおバカな所も大好きだからな。

 たまにやり過ぎて大変な目に合うけど。

 

 アルダンも復帰したのでここからは。

 

「質問タイム!御三家とは何ぞや!教えてくれる人挙手!」

「はい!」

「アルダンさんどうぞ!」

「御三家とはメジロ家、サトノ家、ファイン家の3つの指します」

「ファイン家?聞いたことがない俺はダメな子ですか」

「そんなことありません。ファイン家は表舞台に出るのを嫌がる傾向にある一族だったのですから」

「だった?」

「数年前から動きが活発になっております。こちらに干渉する気はないようなので放置しておりますが」

 

 アルダンとウォルターさんが答えてくれる。

 マックたちも頷いているのでその通りなんだろう。勉強になるな。

 

「現状の力関係はどんな感じ?」

「メジロ家>>>サトノ家>>>ファイン家>>>その他有象無象、でしょうか」

「自惚れではなく総合能力ではメジロ家の1人勝ちです」

「しかし~」

「サトノ家は最近勢力が衰えております。ファイン家がそこにつけ込み第2位の座を奪うと予測している者もおります」

「次期頭首が無機物、パパさんとママさんも娘たちが心配だろうし、求心力が無くなって力の拡大どころじゃない。詰んだか・・・俺のせいだぁー!」

「それは違います。あなたがいなければ今頃サトノ家はメジロ家に吸収合併されていますわ」

「そうだよ。マサキを手に入れたことで首の皮一枚繋がった感じなの」

「あなたがサトノ家の子たちと契約した。これは御三家を揺るがす大事件だったのですよ」

「覇気の大量放出で尻尾がピーンとしてから、どれだけの人員があなたを探したことか」

「すでに手遅れだったけどね~。ファイン家もきっと悔しがってるよ」

 

 俺の知らない所で事が進んでいる・・・恐ろしや~。

 

「ファイン家は要注意か?」

「正直わかりません。向こうの考えが読めない、敵味方の判断を下すのは早計かと」

「わかった。直接会った時に考える。メジロ家とサトノ家は今後も争ったりするのか?」

「今はサトノ家の子たちがあの状態ですから。あなたのこともありますし、武力衝突等、過激な行動には出ないと誓いましょう」

「ケンカ友達、良きライバルって感じだからね。消えてもらうのもそれはそれで困る」

「吸収合併しても完全にお取り潰しとはならないでしょう」

 

 器が広い!少しは見習ってもいいんじゃないのかい、クロシロよ。

 ファイン家のことは心の片隅に記憶、メジロVSサトノは今のとこ休戦。

 

「次!えーといいのかな・・・凶鳥と言うのは・・・」

「ライスさん・・・」

「いいんだよブルボンさん」

「言いたくないなら無理すんなよ」

「知らないのはカピバラ君だけだよ」

「うそ!みんな知ってるの?俺だけ仲間外れはいやー!」

「ヒュッケバインのこと、ちゃんと話すから安心してね」

 

 PT(パーソナルトルーパー)AMとは別規格のフレームで組み上げられた起動兵器。

 AMは無人機が主流、リオンシリーズやビアン博士のヴァルシオンがコレ。

 PTはパワードスーツタイプの有人機が主流、ゲシュペンスト、シュッツバルト、ビルトシリーズがあるのよ。

 両方とも騎神の武装に転化流用可能。

 

 ロボ、パワードスーツ、武器ってな感じ。

 

 武器の使い手がいねぇ、これ騎神でも無理だろ、人命を気にしたくない→ロボにしますか。

 人間に装着させたい、一般人でも騎神に勝ちたい、→パワードスーツ。

 ロボが壊れた、作るのめんどい→そうだ武器にしよう。

 

 ヒュッケバイン

 ゲシュペンストに代わる新たな主力PTとして期待されていた本機。

 新技術ブラックホールエンジンを採用し、起動実験はAIを組み込んだ無人機仕様で行われた

 しかし、起動実験の最中に暴走事故を引き起こし実験施設を巻き込んで消滅。

 生存者は開発者の博士とその場に居合わせた少女2名、合計わずか3名の大惨事となった。

 

「生存者の1人がライスなの。右目はその時の事故で・・・」

「それだけではありません。当時の人々は事故の責任と怒りの矛先を生存者に向けた」

「まったく嘆かわしいことだよ。ハミル博士やライス君たちは最後まで人員の避難と暴走を止めるために尽力したというのに」

「消滅事故を起こしたヒュッケバインはバニシングトルーパーと呼ばれるようになり、後続機や量産機もあるにはあるがイマイチ人気がない。サトノ家は好んで使っているみたいだが」

「ヒュッケの別名が凶鳥ってのもマズかったよね。不吉の象徴だって言われちゃってさ」

「凶鳥が生存者を揶揄する言葉として定着したのは誠に遺憾です」

「申し訳ございませんライスさん。あなたのお気持ちを考えずに私は」

「気にしないでマックイーンさん。今では結構気に入っているんだから」

 

 祝福の名ライスシャワーと名付けられた少女は、不幸を呼ぶ凶鳥として蔑まれた。

 

「え・・・マサキさん?」

「よしよしヾ(・ω・`)」

「どうしたの?」

 

 最悪で怖くて苦しい目にたくさんあってきたのだろう。

 この子の苦労を思うだけで何もしてやれない、泣きそう。

 聡いライスには俺の感情が覇気から伝わったことだろう・・・本当に頑張ったな泣いてもいいのよ。

 

「ライスいっぱい泣いたよ。もう大丈夫だから、ライスを必要としてくれる人たちがいるってわかっているから」

「ならば良し!困ったことがあればシュウに全てぶつけろ、アイツならなんとかしてくれる」

「お兄さまと同じことを言うんだね」

「シュウがダメそうなら俺でもいいぞ」

「ありがとう。えへへ、マサキさんはもう1人のお兄さまだね」

「お兄さま!?なんという心地良い響きだ・・・これが妹属性のパワーか」

「カピバラお兄ちゃん!人体実験に付き合って!ご飯毎日作って食べさせて!!」

「雑草でも食ってろ」

「最近のカピバラ君は余りに反抗的だと思わないかいカフェ?」

「自業自得です」

「ンンンンンンンンンンンッ!ダメかぁ~!」

 

 変態がウザかったのでライスを見て心を浄化しよう。

 

 ブラックホールエンジンに欠陥があったかどうかは現在も調査中。

 ただエンジンの素体となった物質は外部から持ち込まれ出所不明、事故の直前にファイン家から中止要請が入る。事故の規模に対し死者行方不明者数が少な過ぎる(それでも三桁弱)など人為的なものを感じるのだとか。

 

 これもう母さんたちに出てきてもらった方がいいのではなかろうか。

 姉さんのこと、アルダンのこと、ライスのこと、何かが蠢いてやがるのですかねぇ。

 どこの誰だか知らんけど、俺の前に現れてみろ母さんに言いつけてやる(これが最適解)

 

 

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