【???】
( ´Д`)=3 フゥ ゲップ(*´3`)-з
「めじろざんまい」「たべつくしてやりました」
「おいしかったね」「・・・そうですね」
「いつかおれいしないと」「きかいがあれば」
「なかよくする?」「かんがえておきます」
「したがこえた」「ぐるめきどりか」
「でざーとだべたい」「むちゃいわないでください」
「つぎがたのしみ」「きたいしておきますか」
「なんかきたよ」「このはきどこかで」
「ぼんさん!」「そうそうぶるぼんさん」
「まだくるよ」「ありがたいことです」
「ぼんさんのおかしのあじする」「あまーい!こっちのはどうかな」
「ぱんのあじがするはくまい?」「なんだこれwwwでもすきかも」
「はやくでたい」「あいたいです」
「いっぱいまーきんぐして」「めちゃくちゃあまえたいです」
「ひとりじめ・・・」「わたしだけのものに・・・」
「・・・・」「・・・・」
「あ?だーとにうめるぞこら!」「せんそうするか?お?」
( っ・∀・)≡⊃ ゚∀゚)・∵.
【テスラ研会議室】
「カピバラ君はここを出たらどうするつもりだい」
「とりあえず、自宅に一度戻ってみるつもりだ」
「ついででいいから一つ頼まれごとをしてくれないかい?」
「金ならかさねーぞ」
「君に集るほど落ちぶれてないよ。話だけでもきいてくれ」
会議室兼自室にて皆の話が終わった後、駄弁っているとタキオンが話しかけてきた。
ウマ娘たちは仲良く談笑中。ウォルターさんとレーツェルさんも積もる話があるようだ。
タキオンの頼み・・・怪しい薬品の取引して来いとかじゃないよな。
「私個人ではなくテスラ研からの依頼と思ってくれていい」
「まあ世話にはなったしな。いいよ、言ってみな」
タキオンがリモコンを操作して備え付けの大画面に何かの画像を映す。
「まずはこいつを見てくれどう思う?」
「すごく大きいです」
「やらないか?」
「やらないぞ」
「「アッーwww!!」」
「そこのバカ2人、ガチホモごっこはやめなさい」
カフェに怒られちゃった。
とりあえずタキオンとハイタッチ。
「これは何だ?何かの残骸?」
「テスラ研中国支部で回収された古代兵器だよ」
「骨?と機械と・・・ごめんよくわからん。これのどこが兵器だよ」
「それが回収された直後の画像、そしてこれが1ヵ月後だ」
「うぉ!こいつは・・・龍と虎か」
1枚目は化石みたいに朽ち果てた骨と機械っぽい何か。
2枚目は青い体をもつ翼の生えた龍、白い体に鋭い爪と牙の虎。
「1ヵ月前はガラクタ同然だった彼らは、周囲の機械部品と覇気を吸収し自己再生したのさ」
「なにそれ凄い、まるで生きているみたいだ」
「みたいじゃない、彼らは生きているよ。調査した者の話では個別の意識や感情を持っている素振りすら見せたとか」
「体躯を構成する2割以上が生体部品の半生体兵器。こちらへ移送されるはずだったのでは?」
「おや報告書を読んで無いのかいカフェ。その予定は無期限延期されたよ」
「また報告書に飲み物こぼして捨てたんでしょ。重要書類はちゃんと回してくださいよ」
「そ、そんなこともあったような。まあとにかくこの2体が中国支部から脱走してね」
「アカンやろ。それはいつの話だ」
「3ヵ月以上前の話だ。脱走してから中国各地で目撃情報が相次いでしまって向こうはてんてこ舞いだよ」
「それを俺にどうしろと」
「まあ待ちたまえ、次はこの映像だ」
映し出されたのは1ヵ月前のニュース。
とある国の豪華客船が日本近海で沈没する事故があったのだが、乗員乗客の全員が奇跡的に無事だったのだ。
このニュースが何か?まさか船を襲ったのか。
「救助された者の話では皆を救ったのは龍と虎だったそうだよ」
「すごくいい奴らだった」
「龍は人をその背に乗せて陸地まで飛び、虎は船に残った人を避難させたそうだ。全員助かるまで何度も何度も繰り返してな」
「いい話じゃない」
「この2体のすごい所は人語を理解し、優先順位をつけ子供と老人から救出、ケガ人には覇気のヒーリングまで施したそうだ」
「とっても優秀で感心するわ、でもそんないい奴らがなぜ脱走を?」
「この2体は自立起動兵器だが駆動燃料に覇気を必要とする。ここで質問だ!君が戦った羅刹機と君の愛バたちはなぜサトノ家を脱走したのかな?」
「俺を探して・・・こいつらも同じか!」
この龍と虎は自分の主人を探しているのか、自分好みの覇気を持っている何者かを。
「日本に上陸したまでは確認した。その後の消息は不明だ」
「それを俺の覇気で釣れってか?」
「どこにいるかわかるだけでもいい、もしかしたらもう自分のパートナーを見つけているかもしれないし」
「わかった。見つけたら連絡するでいいな」
「助かるよ。話ができるようならこちらに来てくれるよう説得してみてくれ」
「生体兵器の説得か、また妙な案件を」
「もちろん覇気の回収をを優先してくれてかまわない。ついでだよついで」
「了解~」
強い覇気を持っている奴を探している俺と目的が被ってる。
なんとなくシンパシーを感じてしまった。
次の目的
自宅マンションを目指して移動。道中で覇気が回収できる相手を探す。
龍と虎を見つけたらテスラ研に連絡。
・・・・・・・・・・・・・・・・
皆でいるのも楽しいがやるべき事がある。別れの時は必然的に訪れる。
テスラ研の正門前、まずはウォルターさんとアルダンを除いたお嬢様ズがお帰りになるそうだ。
「また会えて嬉しかったぞ。今度はお互いもっと成長してからだな」
「ご期待に沿えるよう努力いたしますわ」
「次はもっと遊ぼうね~約束」
「筋肉は裏切りません。筋トレちゃんとしてくださいよ」
「精々気を付けることね。アンタは変なのに好かれるみたいだから」
「もう!お前たちったら!」
全員まとめてハグしやる。全然嫌がられないそれだけで嬉しいです!
「この度の件、メジロ家一同そしてばば様もお喜びになるでしょう。更なるご活躍をお祈りしております」
「ウォルターさんもお元気で」
車が見えなくなるまで手を振って見送った。またな~。
そして・・・
「タキオン、世話になったな。実験し過ぎて心まで失うなよ」
「その忠告はありがたく受け取っておくよ。何かあったら力になろう連絡待ってるよ」
「カフェ、美味いコーヒーありがとうな。また会おう、あの子にもよろしく」
「はい。お元気で」
「レーツェルさん、今度また何かレシピを教えて下さい。それと姉さんによろしく」
「くれぐれも用心することだ。トロンべに心配かけてはいけないぞ」
「アルダン」
「・・・っ!」
「ぐぇ!」
いきなり抱きつかれたので嬉しいそして苦しい!またブリーカーかよ!
「良かったのか,メジロ家に戻らなくて」
「妹たちとウォルターに直接、ばば様や両親には連絡しました。私は自分の生き方を見つけましたから」
「これからはもっと人生楽しめよ。もったいないからな」
「本当なら私もついて行きたいです。でも邪魔はしたくありません」
「これは俺の使命だからな。まあ見てろ、絶対にあいつらを取り戻す」
「その子たちを紹介してくださいね。約束ですよ」
「おう約束だ」
「マサキさん・・・私の命の恩人」
「そんな大層なもんじゃない」
「助けてくれてありがとう」
「こちらこそ、お前を助けることができて嬉しいよ」
最高に眩しい笑顔のアルダンを見れて良かった。
「この力大事にしますね」と言って雷を手の平に出現させるアルダン。
完全に制御してるし、もうお前のものだよそれは。
「じゃあ行こうか。ボンさん、ライス」
「了解しました」
「はい。みんなありがとう、またね」
みんなに見送られてテスラ研を後にする。アルダンちょっと泣いてたな。
お別れタイムはまだ続く、駅まではあっと言う間だ。
「シュウによろしくな。後、母さんたちとクロとシロにも」
「はい。マスター及びご家族の方々に会えるのが楽しみです」
「ちょっと緊張しちゃうかも。しっかりしないとダメだよね」
「母さんたちはぶっ飛んでるがいい人だから心配ない」
「マサキさん。お気を付けて、何かトラブルの気配がします」
「やめろよ。ボンさんに言われると怖いよ」
「でも本当に注意してね。マサキさんは誰に狙われてもおかしくないから」
「ライスまで・・・」
電車に乗った2人を駅のホームで見送る。
さあ、また1人だ、寂しいです!
クロ、シロ、お前たちに会いたいよ。
【テスラ研】マサキが去ってしばらく
「創設者が久しぶりに来てやったというのに出迎えも無しか」
「これはこれはビアン博士、ラ・ギアスに向かったのでは?」
「必要な機材を取りに寄っただけだ。小僧と入れ違いになるとはな」
「おやカピバラ君にご用がおありで?」
「カピバラなんぞ知らん!ダブルGの3号機、あれを小僧用に調整してやろと思ったが・・・興が醒めたな」
「カピバラ君と姫の戦闘記録ならありますよ」
「わかったぞ!カピバラとは小僧のことだな」
「おっそwww」
「姫とはメジロの爆弾娘か?ふん、小僧が役に立ったか」
「はい。見事に私を救ってくださいました」
タキオンとビアンがいる研究室にアルダンが入って来た。
そんな彼女を見てビアンは思う、変わったと。これがあの引きこもり爆弾娘と同一人物か。
小僧め一体なにをやらかした。
「初めましてではないですよね、メジロアルダンです」
「そうだな。ここに来た頃のお前は周りを気にする余裕はなかったからな」
「先程のお話、ダブルGジンライをマサキさん用に改修なさるおつもりですか?」
「そのつもりだったがな」
「その気はないと・・・でしたらそのダブルGを私にくださいませんか」
「姫、これはまた言うようになったね」
「お前が?ダイナミックゼネラルガーディアンを継ぐとでも」
「はい。その力も覚悟も証明してみせます」
アルダンが覇気を開放する。
マサキのバーストモードのように粒子が部屋中に散らばり、やがてそれは青白い雷を纏う。
背中から覇気が噴出して雷翼を形成する。
「これでもかなり抑えています。本気が見たければ屋外でないと」
「もう十分だ。わかったからその鬱陶しい雷をしまえ」
「鬱陶しい・・・酷いです。マサキさんからいただいた宝物なのに」
小僧からもらっただと?いつからあいつは雷を出せるようになった。
これでは前に取ったデータなどクソの役にも立たんではないか、ええい!
「興味深いですよね~。カピバラ君の周囲は研究テーマの宝庫ですよ」
「そんなもの、言われずともわかっておるわ!」
「メジロアルダンだったな」
「はい」
「いいだろう。3号機はお前のものだ、大口を叩いただけの結果を見せてもらおう」
「ありがとうございます。それと提案があるのですけど」
「何だ?」
「ジンライを私の武装に転化するに当たって新しい名前をつけてあげたいのです」
「その様子だと、既に決まっているのだな」
「もちろんです」
マサキさんは死を待つだけの私を救ってくれた。ジンライは己の使命を最後まで全うした。
彼らの魂に報いるのだ、次はきっと私の番だから。
命の恩人たち、その力は私に受け継がれる。
雷(いかずち)の鳳(おおとり)となって。
「雷鳳(ライオウ)でお願いします」
【どこかの海岸】
「フンフンフン~ン♪」
早朝の砂浜をご機嫌な様子で歩くウマ娘がいた。
動きやすい服装の少女は顔に目の周り隠すレスラーがするようなマスクを着けている。
彼女は1人ではなかった。2体のお供を引き連れての散歩中だ。
「ずっと家に閉じこもってばかりなのは不健康デース!お前たちもそう思いますよネ」
「ガゥ」
「キュ~」
同意を求めたウマ娘に対して2体は困ったような鳴き声を上げる。
2体の体は大きい、1体はゆったりとした羽ばたきで空を浮遊し、もう1体は砂浜の感触に戸惑いながらも悠然と歩みを進める。
「嬉しくないんデスカ?あ、グラスに怒られると心配してるのデスネ」
その通りだと言わんばかりに首を縦に振る2体。
「でかい図体の割に肝が小さいデースwwwそれでも四神デスカ」
「グゥ?」
「キュッキュッ?」
「慎重になるグラスの気持ちもわかりマス。ですが私は早く世間にお前たちをお披露目したいデス」
「???」
「???」
「初めてお前たちに会った時はワタシも驚きマシタ、いや腰がぬけましたネ!」
「!?!?」
「・・・・キュ!」
「ですがそれも過去の話!ただの空飛ぶ蛇と大きい猫を散歩させている私に不自然な点はありマセン。いずれはコソコソ隠れずに大手を振って自由に外を歩けるようにしてあげマス」
「ガゥガゥガゥ!!」
「・・・キュオーン」
振り返らずに喋り続けるウマ娘は気づかない。
2体が何かに反応し、虎の制止を振り切り龍が何処かへ飛び去ったのを。
ウマ娘の話は脱線し親友の愚痴から自分最強伝説へと移行した。
「・・・であってワタシが世界最強ということで?ビャッコ、セイリュウはどこデスカ?」
「ガウゥゥ」
おせーよ!今気づいたのかよ!と抗議の唸り声を上げる。
「ハハ・・・冗談はやめてクダサイ」
「・・・・」
「い、嫌っー!殺されるぅ!グラスに殺されマースッ!どこへいったんデスカ!帰ってきてクダサーイ!」
「グルル」
「カムバック!セイリュウ~!!!!」
発狂する主を前に白虎はやれやれと首を振った。
【マサキ】
「何か懐かしい」
自宅マンションに帰れる前に寄ってみたのはアルクオンと戦ったコンテナだらけの埠頭。
随分と派手にやらかしたはずなのに戦いの痕跡は微塵も感じられない。
サトノ家の事後処理班が綺麗に片付けたのだろう。
「体にくっつけたまま戦うって今考えてもバカだ」
契約直後で全員おかしなテンションだったから仕方がない、いい思い出だ。
少し歩いて契約をした公園に到着。
昼間だとまた雰囲気違うな、俺たちにとって特別な場所だからかちょっと神秘的に感じる。
石造りのベンチに腰掛けてちょっと休憩。大分薄くなった傷跡を触る。
「激痛だったな。あいつら妙にエロかったのにそれどころじゃなかったし」
よいしょっと、覇気を開放してリラックスする。
この開放状態の方が俺の自然体なのかもしれない。
タキオンによると寝ている俺からも覇気の粒子が出ているんだと。
クロとシロは俺に引っ付いて寝たがった、最高に落ち着くとか言ってたな。
目の前にいる奴はどう思っているのだろう。
この公園には先客がいた。
青い体に翼の生えた龍、ほぼ機械で出来ているはずなのに命の鼓動を感じるこれが半生体兵器。
スルーしておきたい所だが、タキオンにお願いされたしな。
敵意は感じない、じっとこちらを見ている。俺がここに来ることをわかっていたのか。
「初めましてだな。俺に何か用か?」
「・・・・」
人語は理解できるんだよな。全長4mぐらい結構でかいから威圧感ある。
俺に向けて首を伸ばしくる。噛みついたりするなよ・・・さ、触ってもいいのかな。
そぉーと顔に触れてみる。不思議だ金属なのにちょっと温もりがある、マジで生きているんだな。
「なんだ大人しいじゃないか。聞いてるぞ、お前脱走してきたんだろう、相棒の虎さんはどこにいる?」
「キュ~」
「お、どうしたどうした」
何かをねだるように声を上げる龍。はっはーん、さては腹ペコだな。
ちょっとぐらいならクロとシロも許してくれるだろう。
龍の体に触れながら覇気を流してやる。
すると嬉しそうに翼を広げて「キュオーン!」と咆哮を上げた。
「そうか、気に入ったか。でもお前もう飼い主がいるだろ」
龍の中には別の人物から与えられたであろう強い覇気を感じた。
中々の実力者であろう覇気2人分、おそらくその内の片方がこいつの飼い主だな。
勝手に餌をやって良かったのだろうか。まあ、怒られたりはしないだろう。
「飼い主と一緒にテスラ研に行ってほしいんだけど、俺の言ってることわかるか」
「キュ~」
「嫌か、大丈夫だよ。タキオンって言う変態以外はみんないい人だから」
「キュルル」
「勝手に出てきたから怒られる?お前それはダメだろ。え、しばら匿ってほしい?その大きさで何を仰る」
「キュー!」
「は?そんなことできんの!」
体の大きさを指摘した直後、一鳴きした龍はみるみるその体を縮めた。
不思議過ぎるどういう技だよ。
4m程から15cm程の手の平サイズまで小さくなった龍はパタパタと飛翔し俺の両手に着地した。
「これならいいでしょ」みたいな顔しやがって。
「ハァ~ちょっとだけだぞ。飼い主が迎えに来たらちゃんと戻ること、テスラ研にも行ってくれるよな」
「キュー」
「家に帰るか、そうだタキオンに連絡しないとな。ちょっと何してんの」
俺が持っていたカバンを器用に開けて中に潜り込む龍。
安心したのか体を丸めて寝る体制にはいってしまった。こいつ警戒心なさすぎでは?
ちょっとだけ重くなったカバンを提げて公園から移動する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それで?私のリュウちゃんはどこですか」
「怒らないください、えーとそのデスネ」
「トラちゃん、教えてくれますか?」
「ガゥ~」
「散歩中に何処かへ行ってしまったのね、そもそも不用意な外出は控えるように言ったはずですが」
「ずっと閉じこもったままではストレスが溜ると思ってその~」
「誰が正座を崩していいと言いましたか」
「もう許してくだい~さっきから足の感覚がないデス」
「ガゥ」
「トラちゃんに免じて今回だけは許します。それより早く探しに行かないと」
「あ、足がぁ~」
「もうすぐご飯の時間なのに帰って来ない。迷子になったのでしょうか、きっと今頃お腹を空かせて鳴いている」
「あああ痺れが」
「もう!ちょっと正座したぐらいで情けないですよエル!ほっといて行きましょうトラちゃん」
「ガゥ」
「グラス待って!置いて行かないでクダサイ!ちょダメですビャッコ力任せに引きずらないで!背中に乗せるぐらいしてくれてもアァー!」
「どうしましょう悪い人に捕まっていたら。リュウちゃん、どうか無事でいてください」
マサキが龍を保護した頃、その主であるウマ娘が捜索を開始していた。
「やっと帰って来たな」
自宅マンションに到着。
ここにクロとシロを連れて帰ったのが随分と昔に感じる。
「ん?」
郵便受けがどえらいことになっているのではと危惧したが綺麗なものだったので拍子抜けした。
チラシなんかがどっさり突っ込まれているのを想像していたんだがな。
オートロック付きで俺には勿体ない良物件なので管理会社が気を利かせてくれたのかもしれない。
エントランスを通りエレベーターに乗って目的の階へ、部屋の前に到着して鍵を。
「あれ?開いてる。鍵を閉め忘れたつもりはないが、こんな長期間施錠していなくて部屋は大丈夫なのか」
とりあえず中に入ろう。
「ただいま~。と言っても誰もいないよな」
「おかえりなさいませ!!!」
「!?!?!?」
「お風呂にする?ご飯にする?それとも~ゴ・ル・シ?」
「・・・・」
「おい!何か反応しろよ~つまんねぇだろ~」
「・・・・」
「あのさ、今思ったんだけどよ」
「・・・・」
「誰だお前!!!」
「俺のセリフだ!!!人の部屋で何してんだ!!!何もんだよてめぇ!!!」
部屋に入ると謎のウマ娘が出迎えてくれた。全く心当たりがない初対面のウマ娘。
不法侵入者を前にして俺はかなり動揺していた。
どうやら料理中だったのかキッチンを使った形跡がある。何してくれてんだ。
ここのセキュリティだめだめじゃんか、管理会社に苦情をいれます。
「この私が誰か知りたいのか?いいぜ教えてやるよ」
「もったいぶらずはよいえ」
「聞いて驚くなよ、やっぱり驚け!キングオブハジケリスト!ゴールドシップ様とは私のことさ!」
「あ、もしもし警察ですか?はい、ええ、現在進行形で自宅に不法侵入されて困ってまして」
「やめろよ~民事不介入だろ~」
「立派な刑事事件だろうが!スマホ返せや!」
あっさりスマホを掠め取られた。
初対面のクロとシロにもやったなこのやり取り。まともに通報できた試しがない!
「大丈夫です~ちょっとうちのダーリン酔っちゃってて、ごめんなさい。はい、ご迷惑おかけしました」
「誰がダーリンじゃ!酔ってねぇよ!俺は下戸だ」
「お前さあ、悪戯で110番するのはダメって知らないのかよ」
「悪戯じゃねーよ。本気の110番だよ」
「まあまあ、長旅で疲れてるだろ?今すぐ飯にするからちょっとまってろ」
「おい話を聞け!」
俺にスマホを返すと当然のように料理再開しやがった。
一体何なんだ?訳の分からない勢いに飲まれて終始向こうのペースだ。これがハジケリスト?
埒が明かないのでとりあえず勝手知ったる我が家に入る。
なんか掃除が行き届いてる。俺がここを出た時よりピカピカなんだが。
カバンを置いてソファーに座る・・・家具が追加されてる!ソファーなんかなかったぞ。
「あ、そうだ。おーい起きてるか」
「キュ」
カバンを開けるとのそのそと龍が出てきて俺の膝に乗って来た。
指先に覇気を集中して近づけてやると嬉しそうに額を合わせてくる。
うんうんカワイイ奴めしっかりお食べ、今ご飯をあげています。
「できたぞ!ゴルシ様特製の焼きそばだ。ん?ミミズをペットにしてるのか、変わってるな」
「キシャーッ!!!」
「ミミズ呼ばわりはやめてやれよ!よしよし、お前は立派な龍だぞ。このキチガイは放っておけ」
「キチガイwww言ってくれるwww」
あんなに大人しかった龍が興奮してゴールドシップと名乗ったウマ娘を威嚇する。
今にも飛び掛からんとする龍を両手で包んで回収、体を優しく撫でて落ち着かせる。
「冗談だよ龍王機。超機人なんて久しぶりに見たからさ、ついからかっちまった」
「龍王機?超機人?お前こいつが何なのか知っているような口振りだな」
「どーでもいいだろそんなこと。それより早く食えよ冷めちまうぞ」
「いろいろちゃんと説明してもらうからな。・・・いただきます」
「おう。腹いっぱい食ってくれや」
なぜ自宅を不法占拠している奴の料理を食べないといけないのか。
しかし、このやきそば・・・もう見た目と匂いからして絶対美味いと保証されているようなもんだ。
作った奴は別にして、これは温かいうちに食べないと損するぞ。
箸を受け取って焼きそばを口に運ぶ。
「超美味い」
「だろ?」
「悔しいがマジで美味い。ああ、これはヤバいな箸が止まらない」
「こいつを食っちまったら二度と他の焼きそばに浮気はできないぜ」
夢中で焼きそばを食べる俺を満面の笑みで見つめるゴールドシップ。もうゴルシでいいや。
あっと言う間に完食してしまった。
「ごちそうそさま」
「おそまつさまだ」
「キュー」
龍はいつの間にか俺の頭に乗っかってる。あまり重さを感じない、つくづく不思議な存在だ。
ゴルシは食後にお茶も出してきやがった。
生意気にも紅茶だし、そんなティーカップ知らないし。
「落ち着いたか?腹が減ってると短気になるからな」
「そろそろ説明してくれ」
「何についてだよ?」
「お前の目的は?なぜここにいる?」
「それ聞いちゃうかー」
参ったな―と大袈裟なリアクションをするゴルシ。
格好はジーンズにシャツ・・・そのシャツは俺のじゃねぇか!勝手に着るなよ。
シンプルな装いは着こなすのが難しいというが、長身で無駄にスタイルがいいこいつには似合っている。
白銀の美しい毛並みをもっており、ちょっと気品のある所作が凄く腹立つ。
黙って本性を出さなければどこかのご令嬢でも通用しそう。シロと同じタイプか。
とても失礼なことだがなぜかゴルシとマックを似ていると思ってしまった。
許してくれマックイーン、お前はこんなにハジケてないよな。
「まさかとは思うが、メジロ家のウマ娘か?」
「悪いな、この世界の私はまだ生まれてねーよwww」
「お前はここに存在しているじゃないか!頼むから真面目に会話してくれ」
「嘘は言ってねーんだけど、まあいいや。私が世話になっているのはファイン家だよ」
「ここで来たか」
御三家の1つである謎多きファイン家関係者に遭遇。
向こうから接触してきた・・・さて何が狙いなのだろうか。
「じゃあさっそく始めるか、ほら持っていけよ」
「話を飛ばずな」
「いらないのか?覇気を集めてるんだろ」
「その通りなんだけど、頼んでもないのに協力的でちょっと引く」
「用心深いのは美徳だがそのせいでチャンスを逃がすこともあるんだぜ」
ふざけた言動の中で時々垣間見える知性の高さにイラっとする。
生意気にも俺に愛バたちを思い出させるからだ。ほんと早く会いたい。
まだ会って少ししか経ってないががゴルシはおそらく強い、覇気を提供してくれるのなら歓迎するべきだ。
「上手い具合に乗せられたようでムカつくが、確かにお前の言うことも一理ある」
「早く!早くしてくれよ!もう待ってられねー」
「ああもう、わかったから頭出せ」
ゴルシの頭を撫でながら覇気をドレイン。
「あ~もうちょっと右~そこだ!そこが下痢になるツボだ」とか言ってるバカは無視。
髪質がマックそっくりなんだけど・・・覇気もなんか似てる。
「メジロマックイーンって知っているか?」
「死んだ婆ちゃんと同じ名前だな」
「もういい忘れてくれ」
「うちの婆ちゃんwww品性がどうこう言う癖にスイーツをバカ食いするわwww草野球で相手チームと乱闘騒ぎ起こすわでwww」
「もういいから!お前の面白お婆ちゃんと、俺の知り合いが別人だってわかったから」
「別人だといいなwww」
メジロ家の皆さん大変失礼しました。
一瞬でもこいつをメジロブランドのウマ娘と勘違いした俺の目は曇っている。
「もっとしてくれよ~」とせがむゴルシの頭撫でを継続中。
質問には答えてくれそうなので聞いてみよう。
「俺のことをどこで知った」
「お前インターネットやSNSとかやらねーの?原始人かよ」
「時代遅れで悪かったな、それがどうした」
「1年ぐらい前だったかな、お前が化物と戦ってる動画が拡散されたんだよ」
「え・・・聞いてないよ」
「それから少しして、ウマ娘を撫で回す変態が出るって噂が立ってな。掲示板やウマッターはお祭り騒ぎよ」
「なんてこった」
「実際に被害にあった奴からの情報提供も凄かったぞ、作り話にしてはえらい具体的でよう。なんでも撫でるのは覇気を吸収するためとか、愛バのために頑張ってるからとか」
「・・・あいつら」
今までドレインしてきた奴らの中に俺のことをネット上に晒した駄バがいるらしい。
犯人は誰かな~1人か?それとも全員か?どちらにしろいつかキッチリお礼しないとね。
「音速の貴公子とオールラウンダーって奴らの投稿が特に詳しくてな」
「犯人なんとなくわかった」
「お前のことロリコン、シスコン、マザコンの三重苦だってwww」
「ねぇ、変態って拷問しても罪にならないよね」
姉さんのことはそんなに話してないはずなのに、どこで嗅ぎ付けたんだか。
脳裏にアグネスと言う名を冠した変態ウマ娘たちが浮かんだので、いずれ制裁を加えることを誓った。