ウマ娘二人のあだ名を決めました。
黒髪がクロ、ロングヘアーがシロです。
あだ名を決めた後、好きな”打ち切り漫画”について話しなが歩く。
そうだね、やっぱり"斬"は外せないよね。
重そうなスーツケースは俺が持ってやろうとしたが、断られた。
人間より力持ちな彼女たちには、余計なお世話だったか。
そんなこんなでやっと我が家に到着。
「着いたぞ」
「おー、なんか思っていたのと違う」
「結構良いマンションじゃないですか。生意気ですねー」
貧乏男の一人暮らし、ボロアパートでも想像していたのだろか。
期待を裏切ってゴメンね。
生意気とか、お前が言うな。
エレベーターで5階の501号室へ。
「よし。早く入れ、ご近所に見られる前に早く!」
夜中に女児二人も部屋に連れ込む男。
俺だったら通報しちゃうね。
「「おじゃましまーす」」
とりあえず風呂の準備をして、二人の服も洗濯しないとな。
ああ、そのタオルも寄こしなさい。
「荷物置いたらまず風呂に入れ、着替えは持っているのか?」
「あるよー準備万端」
「こんな事もあろうかと、替えの下着等は抜かりなく用意してます」
だったら傘とタオルも準備しておくべきだったな。
スーツケースのロックを解除する二人。
指紋認証かハイテクですね。
「えーと、あったあった下着はこれとこれで」
「ケースの中身を整理した方がいいですね、すみません、お部屋を少々散らかします」
「かまわんよ」
何が入っているのだろう?
失礼かと思ったが中身を見てしま……うぇぇーーーー!!!
衣類、通帳、カード類、札束、札束、札束、金塊、札束、札束、札束、札束、金塊、札束‥‥‥‥。
はい、アウト―!
もう無理、もうヤダ、しゅーーーりょおーーーーー!!!
オワタオワタ、俺の人生詰みです。
「終わりじゃないです」
「私たちの冒険はそう‥‥‥」
「「ここから始まるんです!!!」」キリッ!
凄くムカついたので、クロシロのウマ耳を乱暴に引っ張ってやった。
「あだだだだだだだだ!!」
「すみません!なんかキメ顔でいい事言ってみたかったんです!アーーーッ!」
涙目の二人を解放する。
「ううー、耳引っ張るとかないよー」
「ねえ、もげてない?私の耳もげてない?ちゃんとある?」
お互いのウマ耳を確認しあうアホ二人。
「‥‥‥やめだ」
「え?」
「もう知らん!!どうにでもなーれー!あはははは!」
「ひぇ、マサキさんが壊れた」
机の上に置かれたチラシを手に取り電話を掛ける俺。
「まさか、通報する気ですか?」
「やめてー」
違う。
「あ、もしもしウマウマピザですか?デリバリーお願いします」
「「ピザ!!!??」」
「えーと、4種類のチーズのやつと‥‥‥でサイズは‥‥‥」
「いきなりどうしたの?」
「ええ、それで後は‥‥‥ちょっと待って下さい。おい、お前らも好きなの選べ」
「いいの!」
「言いましたね。Lサイズでメガ盛りチーズまみれのやつが食べたいです!」
注文を終える。
わかるわかる、ピザ頼むとテンション上がるよね。
「お言葉に甘えましたけど、なぜ急にピザ?」
「腹ペコなの?」
「今のうちに、好きなもの食べておこうと思ってな」
「どういうこと?」
「刑務所の食事にピザがあるかわからないしな」
「「・・・・・」」
「ピザなんて久しぶりだぜ。まさかこれが最後の晩餐ってやつか、はは‥‥‥」
「ちょっと、やめてくださいよ」
「元気出していこう」
「母さん本当にごめんな。あなたの息子で最高に幸せだったよ」
「「・・・・・」」
「シュウにも迷惑かけちまうな……すまねぇ、世話になってばかりだったな」
【女児二名を誘拐した男の部屋には大量の札束と金塊が!?】
こんなんもう、犯罪者以外の何物でもない。
俺に不利な物的証拠が揃いまくっている!あー、最悪最悪!!
「俺の夢『うまぴょい計画』もここで終わりか」
「「うwwwまwwwぴょいwww計画wwww」」
あ?何笑ってんだコラ。計画が破綻した元凶はお前らだぞ!
「うまぴょい計画!何と言うパワーワードwwwそれをウマ娘の、私たちみたいな子供の前で言う男wwwあははははははwwww!!」
「成人してるよねww私より10年は長生きしてるよねwwそれなのにw」
「計画の詳細をお聞きしてもww私ならプププww再建案を提示wwできwwやっぱ無理ですぅww」
「二十歳過ぎてコレはwwクソワロwwいやいやww可愛いねww」
そうか、そうかそうか、お前ら二人で俺をバカにするんだね。
逮捕寸前の俺に鞭打つような真似をして楽しいか?
なめんなよ。俺はフェミニストではない、いざとなれば女でもグーパンを決める覚悟のある男だ。
今回の攻撃はコレだぁ!!
「メイオウ攻撃!!」⊃天⊂
「出たーゼオライマーwww!いだい!いだい!wwwあはwあははははwww!」
近くにいたクロの頭を引き寄せ、両拳でグリグの刑を執行する。
こいつめ!チリ一つ残さず消滅させてやろうか?
「もうやめて!www木原マサキさん?wwwそれ以上は、クロちゃんの次元連結システムが持ちませんwww」
俺は木原じゃなくて安藤じゃ!間違えんなボケ!!
あんな外道科学者と一緒にすんな!俺がそんな悪人に見えるか?
「落ち着こう!一旦落ち着きましょう!今、全員が変なテンションになってますよww」
「あははwwwおなかくるしーww」
「けっ、もうどーでもいいーよー」
「すっかりやさぐれちゃったね」
「諦めたらそこで終了ですよ、マサキさん」
「笑えよ」
「もう笑ったよ?」
「この惨めな俺を笑えって言ってんだよーーー!」
「これは重症ですね」
「家出娘を保護した優しい男の正体は~、なんと!ロリ強盗犯を誘拐した大バカ野郎でしたってか!!ふざけんな!」
そう、俺は理解してしまった。
この二人はウマ娘。その身体能力は子供と言えど侮れない。
二人は銀行か現金輸送車を襲い、逃げていたところを俺にばったり出くわしたのだ。
そして、俺に罪を着せて万々歳!という筋書きなんですね。わかります!わかりたくなかった!
「強盗なんかしてませんよ。誤解ですって、ちゃんと説明しますから‥‥‥ああ、泣かないで下さい」
「よしよし。大丈夫、大丈夫だよ、何も心配ないからね」
「ヒック……うぇ……もう……ヤダ‥‥‥なんでこんな……うおおおんんんん」(´Д⊂グスン
泣いた。今後の自分を悲観してむせび泣いた。子供の前で情けないとか、どうでもよかった。
余りにも哀れだったのか、クロとシロが二人がかりで抱きしめて、撫でてくれた。
いい匂いがした。
クロシロによしよしされる事数分・・・。
「落ち着いた?」
「すまねぇ、情けない所を見せたな」
「お気になさらず。人は誰しも泣きたい時がありますよ」
逮捕されるかどうかはもう知らん!
どうにも出来ないことを悩んでも仕方ない、考えるのはやめて流れに身を任せることにする。
今やるべきは‥‥‥
「頼んだピザが届く前に風呂入って来い、服は洗濯しておいてやるよ」
「お風呂!やった」
「いい加減さっぱりしたかったので、望む所です」
「使い方は分かるか?」
一応、風呂場の使い方をレクチャーしておく。
水回りは常日頃から綺麗にしておく質なので、急遽女児二人を入れても安心だ。
「二人でお風呂なんて久しぶりー」
「そうですね。今日は狭いので暴れないでくださいよ」
狭いって言うな。
やっぱりこいつらお嬢なのか?
「マサキさんも一緒に入る?」
「私は三人でもどんとこいですよ。どうします?」
「いえ、私は遠慮しておきます」
「あの、冷静に断られると虚しいので、少しは照れて下さい!」
「缶詰工場、ソイレントシステム‥‥‥」
風呂に入ったクロシロ、濡れた衣服とタオルは洗濯する。乾燥までやってくれる、ドラム式洗濯機サイコー!
脱衣所にパジャマ代わりのシャツ(俺の)を置いておく。
クロシロにはぶかぶかのサイズ、二人曰く「だがそれがいい!」らしい。
「ほほう、マサキさんが毎日裸体をさらけ出す現場はここですか、その‥‥‥ムラムラしますね」
「温度の設定はこれでいいかな、シャワーはここを」
「ちょ、いきなりこっちに向けな‥‥‥ギャーーー!目がぁ!目がぁ~~!」
あいつら、一々やかましいな。
疲れるしトラブルだらけ、多分この先も碌な事にならないはずだ。
それなのに、クロとシロのことは嫌いじゃないわ!
参ったな、どうしよう。この短い間に情が移ってしまってる。
別れの時はきっとすぐに来る。それなのに、二人と一緒にいたいだなんて……やめよ、これ以上は自分がキモいわ。
風呂場は相変わらず騒がしい。
「やりましたよマサキさん!バストサイズは私の方が上です!」
「い、今だけだもん数年後は私が勝つよ!」
「そうですか~。私の未来予測によれば、クロちゃん"B85"私"B87"でやっぱり私の勝ちですね!」
「へー、そうなんだ。じゃあ、今のうちに削っておこうねっ!!」
「ぎゃーーー!やめて!取れる取れちゃう!ごめんなさいごめんなさい!!ウマ娘の乳首って再生するんですかぁ!?誰か教えてーーー!!!」
やっぱり、早く帰ってほしいかも。