俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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ガシャポン、全力疾走アクリルスタンドを発見したので1回挑戦してみた。
マックイーンでした。


はぶきすぎ

 ナリタブライアンにやっと勝てた。

 女神チート使ってもかなり危なかったけど。

 

「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」

 

 うるさいですね。

 左腕を上げたままラオウスタイルで気絶しようかと思ったのに、うるさくて無理。

 リブの傍にへたり込むように座る。はぁ、マジで疲れた。

 バスカーモードにオルゴナイト、オルゴンクラウド。慣れない新技を使ったのでいつも以上に消耗している。

 

 パチパチパチと拍手しながら、ルルがこちらに来た。

 

「お疲れ様。素晴らしい戦いだったよ」

「そうか?かなり苦戦したし、結構ギリギリだったぞ」

「謙遜することはない、たった今、君は偉業を成し遂げた。人の身で超級騎神に勝利したんだ」

「実はチート使ってました」

「結晶の事か、聞きたいことは山ほどあるが。あの力を呼び寄せ、使いこなしたのは紛れもなく君自身の成果だ」

「そう言ってくれると、ありがたい」

「今は君の勝利を讃えようじゃないか。なあ、皆!」

「「「「「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」

「うるさ・・・囲まれてる!」

 

 沢山の拍手と歓声、気が付けば興奮したウマ娘たちに囲まれていた。

 最初はあんなに拒絶していたモブたちが笑顔で褒めてくれる。

 

「凄かった!凄かったよ!」

「これは認めざるおえないです」

「どんな修練を積めば、そんなに強くなれるのですか」

「血が滾りました」

「その・・・ごめんなさい!ずっと誤解してました」

「最初から気づいてましたよ。あなたはただ者じゃないって」

「ブライアンさんの無防備な寝顔・・・(*´Д`)ハァハァ」

「綺麗なキラキラ結晶、お土産にほしいです」

「やっぱりロリコンだったんですか?」

「ブラボー!ブラボー!」

「トレビアァァァンンン!!!」

 

 お、遂にモテ期到来か。

 気の利いた返しもできず「あ、どうも」「いえ、そんな」とコミュ障気味の返答を繰り返す俺。

 女子の圧力怖い。

 

「はーい散った散った!マサキ君が困ってるわ」

「そこを通してくれるかなポニーちゃんたち。私たちも彼を労いたいんだ」

 

 モブを掻き分けて見知った顔、ネームドウマ娘たちがやって来た。

 

「ナイスバクシンでしたよ。はなまるをあげちゃいます!」

「ああ、バクシンしまくってやったぜ」

「君が起こしたキセキ、しかと目に焼き付けたよ。種と仕掛けが何だったかは気になる所だけどね」

「それは女神のみぞ知るって奴だよ、フジ」

「超イケイケのノリノリだったわね。バッチグーよマサキ君」

「なんだこの激マブは」

「お疲れ様でした~。私、いっぱい応援しました~」

「ありがとなドト、ちゃんと聞こえていたぞ」

「はっーはっはっはっ!最高の舞台だったよ。今日の主役は間違いなく君さ」

「結晶人間になった時はどう見ても仇役だったけどな」

「セイちゃんの思った通りの結果でした。やりますね~このこの~」

「よせやいマイフレンド」

「よくやった!アンタは本当によくやったよマサ公。今日はご馳走にしようじゃないか」

「ありがとう姐御!ご飯が楽しみ~」

「ねぇねぇ、抱っこしてたのが愛バ?」

「見ちゃったか、そうだよ。いつかみんなにも紹介したいな」

「あなたにしてはよくやったわ、褒めてあげる・・・ちょっとだけカッコよかったわ」

「うん。しっかり褒めてくれよキング」

「ボーノッ!キラキラ~でバシューンとしてドカーンだったね」

「語彙力の低下はともかくありがとうボノ」

 

 次々と労いの言葉をかけられて照れます。

 

「がんどうじだぁぁぁああああああっ!!!よぉうおぉぉぉんんんんんん!!!」

「いつまで叫んでるんだチケ蔵!毎回それで疲れないの?」

「アンタの記憶を見てからずっと泣き叫んでるわよ、こいつ」

「勝ったよ、タッちゃん」

「うん、見てた。よく頑張ったね、おめでとう」

「あんなに楽しそうなブライアンを見たのはいつ以来か。マサキ君、妹に勝ってくれたこと、心から感謝する」

「いえいえ、大事な妹さんをボコってすみません。ヒデさんや皆も、どんどんリブに挑戦したらいいと思う。口や態度はそっけないけど、リブは皆と遊びたいんだよ」

「フフッそうだな、その時は姉の威厳というものを思い出させてやるとしよう」

 

 なんだかんだで、リブはちゃんと手加減してくれたし、俺が成長するまで待っててくれた。

 慣れると少しめんどくさいクーデレなのよこの子は。

 こんなこと本人に言ったら殴られそうだけど、友達の輪に「あーそーぼー」とか「いーれーてー」が言えない恥ずかしがり屋さんでもある。

 これからは、姉や仲間にたっぷり遊んでもらえるといいな。

 

「痛たたた、回復にはしばらくかかりそうだな」

「動くな、たわけが。救護班何をしている!ケガ人を放っておく気か」

「アグル、これぐらい心配ないよ。それより見たか」

「貴様にしては上出来だ。盛大な惚気も聞かせてもらった」

「恥ずかしいので、そこは忘れて」

 

 女帝が直々に血を拭ってくれる。

 ダメにした右手を慎重に扱い、処置を施してくれた。さすができる女。

 気絶中のリブを救護班が手当てしようとしている。

 まだ、少し残っているよな。

 

「俺がやる、手当てをするぐらいの覇気ならまだ残ってるし」

「何をする気だ、安静にしてろ」

「いいから、やらせてくれ」

 

 無事な左手に癒しの光を集中。 

 リブの体をヒーリングしていく、傷が残ったりしたら申し訳ないからな。

 

「ヒーリング!?それもこんな高精度の」

「みるみる傷が治っていく。救護班いらないじゃん」

「この回復量、治療師でも十分やっていけるのでは」

「愛バ以外にここまでの処置が施せるなんて」

「君は本当に多芸だね」

「あの、気が散るので見学はお静かに」

 

 ジロジロみられて緊張したけど、ヒーリング完了。

 ちょうどその時、開かれたリブの目と視線が合った。

 

「お前か」

「お早いお目覚めで。ヒーリングしてみたがどうだ、痛い所はあるか?」

「問題ない・・・それよりどういう状況だ」

 

 起きたらみんなにのぞき込まれていた。それは困惑しますな。

 

「起きたか、敗北者の妹よ」

「姉貴、敗北者言うな」

「事実だろう、それで今の気分は?」

「渇きはない、不思議とスッキリしている。やるべき事もできたしな」

「やるべき事?それは何だ」

「更なる高みを追いかけ続けること。上には上がいるってのはいいものだ」

「上ばかり見ていると下からすくわれるぞ」

「それもいいな」

「本当に困った妹だよ。お前に勝利する方程式を考える身にもなってくれ」

「楽しみに待ってる」

 

 姉妹の間で何か思う所があったみたい、良かったわね。

 

「女神様は来てくれた?」

「ミオか。ああ、メルアには大変お世話になってしまった」

「よっと」

 

 小さな黒スライムがぴょんぴょんと飛び跳ねながら、俺の体を登って来た。

 戻って来た便利な相棒に、結晶化に至った経緯を説明する。

 

「覇気の物質化、オルゴナイト、歴代の三女神はその力に目覚めた者たち」

「そうらしいな」

「今回はマサキという男が混じってるね、残りの二人は・・・考えるまでもないか」

「ああ、おそらくな」

 

 いや、ほぼ確信していると言っていい。

 俺の愛バはオルゴナイトの繭に姿を変えたのだ。

 女神が後継者に選んだのは、あいつら二人だってことに。

 

「愛バが持ってた女神の因子にマサキが引っ張られたのかな?」

「1stのあいつらも良くない結晶化をしていたから、そうかも」

 

 本来なら、ウマ娘が継承する力がなぜ俺に?また今度メルアに聞いてみよう。

 

 その日、俺の勝利記念パーティーが開催された。

 超特急で野外ステージが組まれテーブルやイスが用意された、大量の料理がずらっと並んで準備完了。

 野菜嫌いのリブが頑張ってピーマンを食べたので皆で褒めたり、ルルの一発ギャグとマルさんの死語連発で会場が凍りついたり、フジがチケ蔵を使って人体切断マジックに挑戦したり、バクシンがウララ~してウンスがボーノでアマゾンにキングは一人この俺だったりして、とにかく楽しかった。

 最終的に誰かが俺の飲料に酒を混入し、ダウンした俺は途中退場となってしまったとさ。

 

 翌日、覇気が回復したリブから約束の覇気を提供してもらった。

 ついでにブラッシングもして、ツヤサラストレートの美髪にしてやったわ。

 

「お手入れはちゃんとしろよ、せっかくの綺麗な毛並みを大事にしてやれ」

「考えておく」

「そう言って行動しない奴が多いんだよな。ヒデさんや皆にも監視と指導をお願いしておくからな」

「チッ」

「コラ!舌打ちしない」

 

 ブラッシングついては一応努力することを約束させた。

 カッコ可愛く生まれてきた自分の長所を大事にしなさいよ。

 

 そして遂にルルから覇気をもらえることになった。

 

「それじゃあいいかな、ルル」

「ああ、君ならば私の覇気を託すに値する人物だ」

「リラックスしてね、はいそのまま~」

「頭を撫でられるのはなんとも新鮮だね」

「超級の上に皇帝の二つ名持ち、そんなお方の頭を撫でるなんて恐れ多いことをやってるな俺」

「今の距離感が好ましいんだ。今更、堅苦しい態度をとられると悲しいな」

「じゃあ、これからも対等の友達ってことでOK?」

「ああ、そうしてくれ」

「・・・・」

「・・・・」

「布団が吹っ飛んだ」

「ブフッ!」

 

 定番のダジャレでも吹いてくれるルルだった。

 やったー!念願のシンボリルドルフの覇気を手に入れたぞ。

 

 リブ戦で負った傷と消耗した体力の回復。

 それと、バイクの修理もあるので、数日間UC基地で療養させてもらうことにした。

 

 そんなある日、俺は休憩中のルルたちと執務室でまったりしていた。

 

「結局、UCは解散するのか」

「元々それが当初からの計画でね。既に離反したメンバーや残党の後始末はあるが、ここにいる皆と基地は御三家と学園が面倒をみる手筈になっている」

「どこかのたわけの影響で、かなりの前倒しを余儀なくされたがな」

「ふーん、変な奴がいるんだな。あ、お菓子もらうね」

「自覚がないのか、このたわけが」

「まあまあ、エアグルーブ。マサキ君にとっては何かを成したではなく、普段通りに過ごしただけなんだよ」

「バームロールうめぇ。ボンさん元気かな~」ムシャムシャ

 

 ルルたちとアグルの淹れてくれたお茶を飲みながらティータイム。

 UCは解散決定したようだ。

 ルルとアグルがUCを仕切る→リブをどうにかして学園に連れて帰る→皆を説得→UC解散

 と言う流れを計画しており「皆を説得」は時間をかけて少しづつ人間への拒否反応を緩和していく予定だったのだが、もうその必要もないだろうとのこと。

 

「俺がなんかの役に立ったなら幸いだ」

「君は本当にいい仕事をしてくれたよ。愛バたちもさぞや鼻が高いだろう」

「あいつらに自慢できることが増えたな」(`・∀・´)エッヘン!!

「まったく頭のゆるい男だ、全ての人間が貴様のようならば楽なのだがな」

「褒めてるのか?あ、そうだ、ルルたちというか皆はその・・・俺と愛バの記憶を見たんだよな」

「それはもうバッチリと」

「ロリコンめ!あの二人は若すぎるだろ」

「二人が可愛すぎるのが悪いんや!彼女たちを愛バにしたこと、微塵も後悔しておりません」( ー`дー´)キリッ

「ロリコンの鏡だね」

「あれ以来、愛バのことで皆からかってくるのよ、嬉し恥ずかしで困っちまう」

「貴様が操者ではさぞ苦労が多かろうな。精一杯、大事にしてやれ」

「女神と母さんたちに誓ってそのつもりだ」

 

 ルルとアグルは俺の母さんが天級騎神だと知っている。

 身内の七光りを吹聴してマウントとる気はない。

 したがって基本的には、聞かれたり、何かの弾みで言ってしまわない限りは秘密。

 

 今まで出会ったウマ娘の中でも、ルルとアグルの実力と聡明さはトップクラスだ。

 信頼できるこの二人には、女神と会って力を得たことを話してもいいだろう。

 

「三女神の一柱メルアか、にわかには信じ難い話だ」

「最初は夢か自分の妄想が限界突破したのかと思ったけど、どうやら本当っぽい」

「マサキ君が顕現させたオルゴナイト。あの力を見た後では幻覚や妄想で片付けることはできない」

「二人はメルアって聞いた事ない?真名はまだ秘密みたいでな」

「残念ながら聞いたこともない、メルアと言うのは生前に操者が授けた愛称なのでは」

「あだ名か・・・うちのクロとシロみたいなもんか」

「それが貴様の愛バの名か?なんだかペットの猫みたいだな」

「猫じゃない、先代はカナブンだ」

「「カナブン!?」」

「どんな真名だろう、やっぱ女神だから"ヘラクレスオオカブトムシ"とかかな」

「世界最大のカブトムシか、それはいいね」

「よくないです。昆虫から離れろ」

 

 女神については本人に直接問いただすのが一番だと結論付けた。

 二人も心当たりがないようだし。今後、何か手がかりや気付いたことがあれば、連絡をくれることを約束をとりつけた。

 

 お茶とお菓子のお礼に仕事を手伝うことにした。

 書類仕事はルルがテキパキと片付けるので、アグルについていくことにした。

 基地内の見回りやクレーム処理、揉め事の仲裁、搬入物資のチェック、花壇と菜園の整備など多岐に渡るので、俺でも何か手伝えることがありますよね。

 

「これでよし、もう転んだりするなよ、足元注意だ」

「ありがとうございましたロリコンさん」

「さすがロリコンですね」

「いい男紹介してよロリコン君」

「愛バとの馴れ初めを詳しく」

「ロリコンになったきっかけは?」

「もう用は済んだだろう、早く仕事に戻れ」

「「「「「し、失礼しました~」」」」」

「まったく、あいつらは」

「・・・ふふ」

「どうした、幼女がいなくて物足りないか?」

「どこへ行ってもロリコン呼ばわり。もう誉め言葉だよね、ふふふ・・・クロとシロの可愛さを知ったら、誰もが俺を羨むことになる。そうなってから後悔しても遅いんだからね!」

 

 見回り中に転んでケガをしたモブがいたのでヒーリングしてあげましたぜ。

 リブ戦でロリコンが広まっており、もはや訂正不可能。泣けるぜ。

 最初の頃に比べて俺への嫌悪感が大分薄れているのを実感した。

 挨拶すれば普通に返してくれるし、向こうから話しかけてくれることも増えた。

 まだ警戒している子もいるが、人間に対してすこしでもプラスの印象を与えられたのは良かったと思う事にしよう。

 

「人間全員がロリコンだと勘違いしていなければいいがな」

「俺は悪くねぇ!俺は悪くねぇ!」

「愚かなレプリカの真似はやめろ。自分の選択と愛バを信じているんだろう、ならば誰に何を言われても貴様は堂々としていればいい」

「アグルのそういう所が好きです」

「たわけが、仕事はまだ残っている。さっさと次に行くぞ」

「はーい」

 

 アグルのお手伝いをこなしてから寝床に戻るとバイクの修理が完了していた。

 

「おかえり、じゃーん見てよコレ!」

「おお、ようやく直ったか。なんか前と形状が違うじゃん」

「基礎フレームはそのまま、マサキの身体データに合わせて、乗り心地と操作性を向上させたよ」

「サイドカーは外したのか、へぇー、ほーう」

「シートとサスペンションには拘ったからね、これで尻へのダメージも安心」

「そいつぁすげぇや!」

 

 試しに跨ってみたら凄くしっくりきた。人間工学に基づいて設計してる感じ。

 シートがいいね、これでお尻を痛める心配はない。ハンドルを握る、運転姿勢も問題ない。

 ミオにより俺専用にカスタマイズされたメディウスVer.2.0だ。

 こいつをかっ飛ばすのが今から楽しみだ。

 

「体の方はどう?」

「ほぼ回復した。いつでも準備OKだ」

「じゃあ、そろそろですか」

「そうだな、挨拶しておかないと」

 

 旅はまだ続く、明日にはここを出発しよう。

 

「そうだ、女神とオルゴナイト関連の報告をシュウ宛に送っておくか」

「レポートは既にまとめてあるよ。動画とマサキの生体データ各種も添えておこう」

「シラカワシュウ個人宛で頼む。他者に見られないようにしてくれるとありがたい」

「暗号通信でやってみるか、ネオの息子なら解読も容易いだろうからね」

「任せっきりですまんな」

「かまわんよ」

 

 タキオンやビアン博士には・・・また今度にしよう。

 奴らは俺を研究対象として見てるから、めんどくさいし少々身の危険を感じる。

 どうせシュウからバレるだろうし、こういうのは一番信頼できる兄貴分に丸投げしまーす。

 

 ここを発つことを告げた翌日の朝。

 

「見送りはいいって言ったのに」

「そういう訳にはいかない、君はもう我々の仲間であり大事な友なのだから」

「同じ釜の飯を食った仲ってやつだね」

 

 嬉しくて泣きそうになるからやめてね。

 見送りに集まってくれたのはルルだけじゃない、覇気をくれた皆にモブたちもたくさんいる。

 

 チケ蔵が泣きすぎて水たまりができてるwww。

 ヒデさん、妹の攻略頑張って、期待してるぜ。

 タッちゃん、ありがとうデレてくれて。

 ボノ、姉御、いつも美味しいご飯をありがとう。もらったレシピ大事にする。

 オペ、演劇楽しかったぜ。次の公演でもきっと輝いてるんだろうな。

 ドト、お前は出来る子だ、自身を持ってね。

 ウララ、純なままの君でいてください。

 キング、たくさん世話を焼いてくれて嬉しかったよ。

 ウンス、友よ、また釣りに行こうな。

 委員長、バクシン!これ以上の言葉はいらないな。

 フジ、手品の種明かしを披露してくれ。

 マルさん、自慢のスーパーカーにいつか乗せてね。

 リブ、良い好敵手だったぜ、ちゃんと野菜食えよ。

 アグル、ルルを頼む。たわけって言われるの癖になります。

 ルル、皆を頼む。責任ある立場だからって無理は禁物よ、過労死ダメ!絶対!

 

 撫でたり、ハグしたり、握手したりして別れの挨拶とする。

 目を潤ませたり、本気で別れを惜しんでくれる奴らがいたのでこっちまで泣きそうになった。

 いや、ちょっと泣いた。

 

「愛バの件が解決したら是非とも学園に寄ってくれ、待っているよ」

「ありがとう、皆のことは忘れない。では、サラダバーーー!!!」

「さらばだーでしょ」

 

 黒いバイクに乗ってUC基地を後にする。

 快調なエンジン音を響かせて出発進行~。おほっ!いいスタートですぞ。

 ミラー越しに皆がブンブン手を振っているのが見えた。ありがとう、またいつの日か。

 

「良い奴らだったな。覇気も大漁大漁ですわ」

「トレセン学園か、私もキャンパスライフってのに憧れちゃうな~」

「青春時代・・・ハハハ、ハァ~」

「おや?その反応は中二病を卒業した後にも黒歴史があるとみた」

「ノーコメントで」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 マサキが去った後のUC基地。

 ウマ娘たちはそれぞれの日常へと戻っていった。

 もうすぐこの基地は閉鎖される予定だ、引越準備等で忙しくなるだろう。

 マサキと特に仲が良かった者たちは、ほんの少しの寂しさと幸運にも彼に会えたことに充足感を得ていた。

 きっとまた会える、その時はご自慢の愛バとやらを紹介してもらおうじゃないか。

 

「了承ッ!UCの解体計画は前倒しで遂行することに相違ないな」

「はい、就職希望者は御三家の採用担当が引き取るようです。思い通りの職につけるかは本人の努力次第ですが」

「学園への編入希望者は皇帝のお墨付きだな、次期理事長として歓迎する」

「有望な騎神が揃っていますよ。一段落したら私もそちらへ戻ります」

「うむ、万事順調に運んで何よりだ。それにしても、こうもアッサリと説得に成功するとはさすが皇帝だな」

「私ではありません。皆の心を変えたのは彼ですから」

「彼?UC基地に男が来ていたのか、なんとも肝の据わった奴がいたものだ」

「ええ、とても変わっていて不思議な男でした」

「変な男・・・わかったぞ、そいつは変人だな!」

「ふふ、そうですね」

 

 変人と呼ばれてプンスカ怒っている彼を想像してしまった。

 

 次期理事長に報告をすませてビデオ通話終了、うーんと軽く伸びをしてストレッチ。

 さてと、彼に負けないように私も頑張らないとな。

 ノック音の後、入室を許可するとエアグルーブがお皿に乗った何かを持って来た。

 

「失礼します皇帝、おやつのお時間です」

「子供か私は!まあ、もらうけども」

「あのたわけ、マサキが厨房を借りて作っていたプリンです。人数分用意できなかったそうで争奪戦になりましたが、何とか私と皇帝の分は死守しました」

「いつの間に仕込んでいたのか、マサキ君の置き土産だね。ふむ、プリンか・・・」

「あ、嫌な予感が」

「プリンは栄養たっプリンなんてな!」ドヤァ

「心底不愉快です。このプリンは二つとも私がいだだくことにします」

「やる気が下がらない代わりに辛辣っ!待って!プリン私も食べたい~」

 

 マサキの手作りプリンは概ね好評だった。

 味や形はともかくどこか懐かしく素朴な味わい、作り手が鼻歌まじりに調理する姿が目に浮かぶ。

 料理上手のヒシアマやアケボノ曰く「ちゃんと心ってヤツがこもっている一品」らしかった。

 

「おいしいよぉぉぉ!!!マサキさんいなくて寂しいよぉぉぉんんん!!!」

「あーうるさい!てか食いすぎ!一口だけって言っただろ!」

「やれやれだ」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 UC基地を出発してから一か月ほど経過した。

 今、ドレイン中でございます。

 

「本来、覇気のやり取りってのはやろうと思って出来るもんじゃねぇ」

「そうらしいな、あ、動かないで」

「それをほいほいやってるお前は何だよ。熟練の操者と愛バ、極一部の天才たちにだって不可能な芸当をいとも簡単にしやがって」

「出来るんだから仕方ないし、これは愛バたちを救うために必要なことだからな」

「あークソ!こっちが必死こいて組み立てた理論を嘲笑うかのように飛び越えやがる。これだからイラつくんだよ、規格外の連中は」

「興奮しない、怒ってもいい事ないぞ。ハイ深呼吸して~」

「しかもお前、まだなんか隠してるだろ。こっちの血管ぶち破るぐらいのふざけたネタをよう!」

「はい。どうもありがとうございました~ドレイン完了っス」

「お前のデータを渡してもらう約束忘れんなよ」

「悪用しない、個人情報の取り扱いは厳守する、俺をげっ歯類呼ばわりしないのが条件だ」

「げっ歯類?ああ、テスラ研のマッドサイエンティストか。あんなのと一緒にするな」

「悪名高くて超納得した」

 

 たった今、覇気をくれたこのウマ娘さんの名はエアシャカ―ル。

 街中でいきなり声をかけられたからビックリしたわー。

 逆ナンかと思ったのは一瞬、ヤンキーに絡まれたと思ってビビッたのは内緒。

 雇い主はファイン家、モーさん直属の部下でゴルシの同僚らしい。

 テレビ出演をした俺のことを探してわざわざ会いに来てくれたのだった。

 

 黒い毛並みに眉の横に特徴的なピアス・・・ワイルドなイケメン女子。

 高圧的な見た目ではあるがかなりの常識人。

 頭も性格もキレキレのデータ主義者で、アバウトなものを嫌い、ロジックによる筋道がたったものを好む。

 俺は文系なので、数字に強い子は素直に羨ましい。

 

「スマホにデータ転送したよ。私もマサキについてはわからないことだらけだよ、それで我慢してね」

「ラズムナニウム製の自立行動型AI、てめぇも十分すぎるほどの規格外だ」

 

 (マサキ、私の詳細と女神関係の話は言っちゃダメだよ。いずれバレるとしてもね)

 (今喋ったらシャカの脳みそパーンッ!しそうだからな)

 

「行くぞ」

「どこに?」

「決まってるだろ、うちのボスが待ってんだよ」

「やった!今、会いに行きます。モーさん」

 

 現時刻20時、場所はとある都会の繁華街。

 人混みで賑わう夜の街をシャカの後に続いて歩いて行く。

 

「あんまキョロキョロすんな、田舎者かよ」

「田舎出身ですけど何か?欲望渦巻く夜の繁華街、俺には無縁の場所だな」

「ぼったくりバーに行こうよ!カモのふりして散々飲み食いした後に、バスカーモードで店ごと潰してやんの」

「そういう店の取り締まりは警察に任せるわ」

 

 煌めくネオン、騒がしい人々、お酒を提供するお店の数々。場違いな空気を感じますね。

 ふと、UC基地を出てからここまでにもいろんな出会いがあったのを思い出す。

 

 自称姫を名乗るウマ娘が舞踏会ならぬ、武闘大会に間違って参加したのを見守った。

 

 痴漢冤罪容疑をかけられそうになった所を、ギャルウマ娘たちに助けられた。

 

 雨の中、楽しそうに散歩するウマ娘に付き合ってびしょ濡れになった。

 

 田舎から出てきたウマ娘を道案内して余計深刻な迷子になった(ミオがいなかったら詰んでた)。

 

 読書好きの眼鏡っ子ウマ娘に誤って官能小説をプレゼントしそうになった。

 

 魔女に憧れるウマ娘にホグワーツだと言ってトレセン学園をオススメした。

 

 ヒーローに憧れるウマ娘に雄英高校だと言ってトレセン学園をオススメした。

 

 噛みつき癖のあるウマ娘を発見したので逆に噛みついてやろうと追いかけ回した。

 

 「なのなの」言うウマ娘に覇気をもらったなの!

 

 狐面てやんでぃな江戸っ子ウマ娘と勝負してねじ伏せた。

 

 道場破りを繰り返す格闘ウマ娘の野望を阻んだ後、一緒に修練した。

 

 俺様系ウマ娘がいたので壁ドンをしてもらったらキュンキュンした。

 

 正統派主人公みたいな素直で良い子なウマ娘がいた、マルさんに憧れてるらしい。

 

 マーベラスがマーベラスでマーベラスだった。

 

 ニット帽をかぶったアウトローウマ娘と賭け狂いした。

 

 ハチマキを巻いた熱血ウマ娘に風紀委員が似合うねと言ってみた。

 

 妙なテンションのアクティブウマ娘にジョジョ立ちポーズ勝負で引き分けた。

 

 どこか影を背負ったダウナーウマ娘を笑かそうと頑張った。

 

 自身の可愛さをよく理解しているウマ娘に自撮りの極意を教わった。

 

 6人目のメジロ来ちゃったよ・・・おっとりマイペースですか、俺の性癖には合ってますね。

 

「詳細は省くけど、なかなか濃いメンツだったな」

「省きすぎ!」

 

 皆いい子たちでしたよ。ええ本当に。

 




実装済みキャラの出会いエピソードは全員分書く予定でしたが力尽きました。

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