俺と愛バのマイソロジー   作:青紫

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わたしとわたし

 ラーメン食った後、うまぴょいされそうになった。

 いつの間にか愛バが増えていた、ゆるしてゆるして。

 

 某県某市、人里離れた場所の山間部にて。

 ウマ娘のみで構成されたとある部隊は、壊滅の危機に瀕していた。

 

「くそっ、サトノ家は落ち目のはずじゃなかったのか!」

「既に半数以上がやられた。敵はたった一人だぞ、私は夢でも見てるのか」

「聞いてないぞ、あんな・・あんな恐ろしい奴を飼っているなんて!」

「ここはもうダメだ、一時撤退して再起の時を・・・奴だ!」

「来る!あいつが来る、上だ!雷に注意しろ!」

 

 太陽を背に空中で身を捻る人影。

 長いマフラーをなびかせたシルエットはウマ娘。

 足甲に装着されたブースターが展開、発動!

 雷光を纏った覇気を振りまきながら垂直落下、その足で大地を蹴りつける。

 蹴撃の着地点は敵部隊の中心、狙い通り。

 着地点から拡散されるのは破壊の衝撃と振動!そして猛り狂う雷撃!地面を抉り数十人を巻き込みながらあらゆるものを薙ぎ払う。

 戦闘にすらならない、一方的な蹂躙。

 

「「「「う、うわぁぁぁあああああああああああああああああああああ」」」」

 

 この日、数十名からなるUC残党軍は世間に認知されることもなく幕を降ろした。

 

「余りに脆い・・・最初に言いましたよ、抵抗せずに投降しろって」

 

 死屍累々の中、未だ残る雷を弾けさせながら一人立つのは美しき騎神。

 青みがかった毛並みを持ち、首に長い布きれ、通称"正義マフラー"を巻きつけている。

 サトノ家製の黒い装甲服に白銀の手甲足甲を身に着けた超級騎神、その名はメジロアルダン。

 

「いい感じでしたよライオウ。これからもよろしくお願いします」

 

 専用装備のダブルG雷鳳(ライオウ)ビアン博士は注文以上の仕事をしてくれたようだ。

 実に馴染む、私の覇気雷とも相性抜群だ。足甲のブースターはやや重いが問題ない。

 ジンライから譲り受けたマントをマフラーとして再加工してくれたのもありがたい。

 特殊繊維のマフラーは銃弾程度なら軽く弾く、覇気を通わすことで操作可能、攻撃にも防御にも使える。

 先端の擦り切れたような形状は使い込まれた感を出すためのデザイン。見た目もカッコイイのでお気に入り。

 あの人に今の私を見せたら、どんな反応をするでしょうか。

 

「なにがUCですか。この程度で人間を見下すなど片腹痛いです」

「うわ~ホントに一人でやっちゃったの」

「アルダンさん。あなたの力は十分承知しておりますが、単独先行は部隊の足並みを崩します」

「ファルコンさん、フラッシュさんも。申し訳ありません、この方たちが無礼極まる妄言を吐いたものですからつい」

「つい、じゃないよ!もう!要するにムカつくことを言われたからキレちゃったんだよね」

「それで、あなたを怒らせた言動とはいったい」

「はい、赤ちゃんプレイを披露したあの人のことを「低俗極まる最低の人間」「こういう男は存在自体が害悪」などと嘲笑ったので・・・ああ、思い出しただけでイライラします。尻尾を引っこ抜いてやろうかしら」

「バブってたね~。男連中が「さすがマサキ様!俺たちにできない事を平然とやってのける!」って感涙してたし」

「フフッ、私はちょっとカワイイと思いましたが」

「わかります!そうなんです、年上なのにちょっとカワイイ所とかもう!ああ~私も膝枕してさしあげたい」

「ゾッコンってヤツだね、お嬢様たちの操者なのにいいの」

「いいんです。あの人の幸せが私の幸せですから。無かったはずの未来をくれた、その恩に報いたい。こんな私が少しでもお役に立てることが嬉しいのです」

「その生き方を否定はしません。あの方がどう思うかは別として」

「お嬢様たちが起きたらさぁ、相談してみたらどうかな?」

「何をですか?」

「愛バになってもいいですかって」

「ファルコン!それ以上は」

「お嬢様たちは難色を示すと思うけどさ、あの人は「いいよ」って言ってくれそうじゃない」

「・・・・」

「一回ぐらい考えたことあるでしょ?愛バになれたらいいなってさ」

「ホントあなたは、残酷なことを言いますね」

「ダメ元で言ってみようよ!私達もフォローするしさ」

「ちょ、巻き込まないでください」

「ダメですよ、あの人とお嬢様たちの絆に横入するなんて」

「だから!伝えるだけでもいいって!このままじゃ絶対後悔するよ」

「ファルコン・・・あなた、お嬢様たちのドロドロ展開が見たいだけでは」

「ギクッ!な、なんのこと。私は純粋にアルダンちゃんを心配して」

「お気遣いありがとうございます。少し周辺を見回りしてきます」

 

 微かに残った頬の傷、そこをなぞるように触れてから、アルダンは去って行った。

 あの傷になにか思い出があるのだろうか?

 

「あ・・・行っちゃった。フラッシュ~何かいい作戦考えてよ。アルダンちゃんが漁夫の利を得るようなエグイ策をよろ~」

「無茶言わないでください」

「出会いから結婚、妊娠、出産、以下略、老後、墓場までのガチガチプランを妄想した腕をみせろよ!フラァァァシュゥゥゥーッ!!!」

「煽るな!ですが、そうですね。アルダンさん以外にもう一人、巻き込むことができればあるいは」

「なるほど、二対一から二対二にするんだね」

「アルダンさん一人だと怒りの矛先が集中してしまいます。ここにもう一人投入することで憎むべきターゲットを分散、まずは新参者同士で同盟を結び、お嬢様方の結託を突き崩す」

「メッチャ具体的に考えてるーーー!!!」

「もう一人、四人目に求めるスペックは、頭の回転が速くしたたかな性格、それでいてトリッキーな動き得意とする方が望ましい。ブラック様を翻弄し、ダイヤ様の予測を掻い潜る、そんな方が」

「そんな危ない子いるの!?学園の超級たち、もしくはメジロの頭首候補レベルじゃないと無理でしょ」

「現状、実現不可能なプランです」

「もし、そんな子が現れたら・・・もっと面白くなるね!」

「そのお話詳しく」

「ひぃ!い、いたんだアルダンちゃん」

「興味深いお話をしていたようなので、戻ってきました」

「地獄耳ですね、どこから聞いてました?」

「四人目がお嬢様たちを巻き込んで自爆!!その隙に、私があの人をかっさらう所までです」

「かなり都合のいい改変がなされてますね」

「あの人が絡むと途端に頭悪くなるよね、アルダンちゃん」

 

 サトノ家従者部隊でも有数の騎神三名が、スクラムを組んで不穏な計画を立案している。

 捕虜の移送や撤収作業を行う他の部隊員たちは、聞き耳を立てつつ見て見ぬ振りをする。

 中には馬鹿正直に報告する者もいた。

 

「あんなこと言ってますがよろしいのですか、止めなくて」

「放っておいていいよ、娘たちには良い試練だろうからね」

「鬼ですかアンタは」

「マサキ君のことを信頼しているし、アルダン君にもまだ見ぬ四人目君にも、幸せになってほしいんだよ僕は」

「欲張りですね」

「そう僕は欲張りなパパさんだよ。もちろんブラックとダイヤの幸せも心から願っている」

「それで、ぶっちゃけ本音はなんでしょうか」

「面白そうじゃないか!三角関係ならぬ五角関係!マサキ君が選んだ子なら四人目も相当ハジケた子だよ。その全てをサトノ家で迎え入れたら、僕たちが全てを手に入れたも同然!ひゅーー!!楽しくなってきたぁーーー!!」

「それでこそ頭首様です。一生ついて行きます」

「頑張ってくれよマサキ君、全ては君にかかっている!みんなで幸せになろうじゃないか~」

 

 サトノ家は今日も通常運転だった。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 ブラッシングを終えた俺たちはまったりくつろぐ。

 モーさんはあれから俺にべったりだ、自然に距離を詰めてくるのですよこの子は。

 そんな彼女はさっきからタブレットで何かを検索している。

 モーさん曰く、この端末はファイン家諜報部のデータベースに接続できるものらしい。

 げっ!アルダンの情報が羅列されてる。

 

「アルダンが三人目・・・あいつ俺の傷口をペロペロしたのか////」

「メジロアルダン、テスラ研でマサキが救った元爆弾引きこもり娘。うわっ!ザ・清楚系お嬢さまオーラ出てる」

「写真まであるのか、盗撮だろ。その子結構強いのよ、今頃ビリビリで大暴れだ」

「マサキってお嬢様キラー?」

「その称号は名誉なのか」

「メジロ家、サトノ家、そして私のファイン家、御三家お嬢様コンプリートした気分はどう?」

「恐れ多いけど光栄でっす!」

「うーんこの子も手強そうだな。私、かなり出遅れてるし・・・愛バランキングをここから巻き返すには」

「モーさん、当初の目的通り覇気をくれないか」

「いいよ、血を吸わせてくれたらね」

「噛みつくのはヤメロ!あの激痛は絶対無理!」

「だからうまぴょいするべきだったんだよ。体液、血液よりも濃い男性特有のアレでも全然良かったのに」

「アレはちょっと・・・その・・・ねぇ」

「まあ、あれだけ抵抗されて無理やり摂取した所で効果は薄いか。やっぱり合意の上で吸血ちゅーちゅーがベスト」

「ベストじゃないが!何これが決定打みたいにしてんの!」

「契約してよ~、マサキが契約してくれないと行きずりの男と一夜の過ちするよ!それでいいの!」

「それはちょっと嫌かも」

「ちょっとだと!!もっと悔しがってよ!!「あいつ、俺のこと好きだって言った癖に」て悶々としてよ!!」

「キレんなよ、はいはい、かなり嫌です!嫉妬もしますよ!彼氏面してごめんなさいね!!」

「だよね!嬉しいな~マーキングしちゃお~」

 

 自然に抱きついてくるなよ、振りほどけないし。

 モーさんは何というか、間の読み方が凄く上手い。

 こちら間合に簡単に侵入してくるし、気付いたら向こうのペース。

 力を出す瞬間、溜める瞬間、その一瞬の隙間を読み切りそこを突いてくる。

 天然のものか修練の賜物か、どちらにしろ大したものだ。

 うまぴょい回避のためには、バスカーモードの力押しが無ければ危なかったのもこの特技のせい。

 

「マーキングされた奴って、他のウマ娘にはどう見えるんだ」

「見えるというより、匂う、もしくは感じるかな。対象の匂いに混じったメッセージが瞬時に理解できる感じ」

「ウマ娘同士の暗号か」

「その解釈であってるよ、如何なる機具を用いても人間にメッセージの内容解読は無理」

「例えばどんなメッセージがあるんだ」

「基本は牽制や自慢で、よくあるのは『売約済み』『私専用』『これ私の~』」

「なるほど、カワイイ独占欲ですな」

「後は『下手くそ』『ポークビッツ』『早い』『不能』『ご自由にどうぞ』」

「後半のヤツ酷すぎない」

「思い、念を込めて体を擦り付けるの。全身どこで擦ってもいいけど、額、頬、首の辺りからフェロモンが出てるからそこをこんな風にね、甘えてくる猫みたいスリスリ~と」

 

 実践しながらマーキングを見せてくれるモーさん。う~んカワイイです。

 こうしていると本当に信頼されてるって感じるんだよな。

 

「対象のどこに着けるのがいいんだ」

「好きな所にでいいと思う。腕や胸、お腹等の上半身が一般的。中には"うまだっち"やお尻にやっちゃう猛者もいるけどwww変態チックでオススメしない」

 

 ・・・クロ、シロ、お前たちはやってないよな。

 俺が寝てる間とかに、変な所にマーキングしてないよな。頼むぜホント。

 

「クロとシロのメッセージはまだ残ってるか」

「もう消える寸前だけど何とか読み取れるよ、聞きたい?」

「是非」

「『ぶっ殺…』」

「もういい!聞きたくない!あいつら笑顔で何をすり込んでんのよ!」

「うわぁ、凄い長文・・・。これキタちゃん?それともサトちゃん?両方かな、特級呪物も真っ青の怪文書だ」

「やっぱ気になるから要約できる?マイルドに何を伝えているかだけでも教えてくれ」

「う~んとね最初のほうは『私たちのだから取らないで』」

「あいつららしい」

「残りの長文は『ウマ娘に理解のある最高の男』『どうかお願いします。彼が困っていたら助けてあげて』だと思う、健気だね本当・・・妬けちゃうくらいに」

「(´;ω;`)ブワッ」

「あらら、泣かない泣かない。二人には内緒だよ、マーキングされたメッセージを本人にバラすのは基本NGだから」

 

 皆がドレインに協力してくれたのは、愛バのマーキングのお蔭でもあったのか。

 きっと、このメッセージを受け取って協力してくれた子もいたんだ。

 知らぬ間にいつも二人に助けられてた、ズルいぜ・・・クロ、シロ。

 

「もう2年ぐらいになるよね、上書き無しでここまで長くマーキングが残ってるのが奇跡だよ。相当な思いを込めて何度も何度もやったのがわかる」

「・・・もうやめて、涙が止まらない・・・あの子たちったら、起きたら死ぬほど撫で回してやる」

「あの二人がこうもデレるなんてね」

「因みにモーさんは今どんなメッセージを」

「聞きたい?特別に教えてあげる」

「信じてるぞ、ロリコンとかやめてね」

「惜しい!」

「おい!」

「嘘だよwww私のは『定員オーバー』だよ」

「どういう意味だ?」

「五人目はいらないってこと」

 

 どこまで本気なんだろうこの子は。

 

「というわけで血をくださいな」

「嫌どす」

「じゃあこうしよう、マサキが傷を負った場合。もれなく私がペロペロします!これでどうだ!」

「どうだと言われましても」

「無傷で過ごせば何も問題ないよね。私を諦めさせたいなら出血するようなケガをしないこと」

 

 何これ。

 健康無事を願われてるのに、出血を期待されてる。

 

「じゃあ先払いするね。私の覇気をどうぞ」

「悪いな、期待に応えてやれなくて」

「キタサトちゃんを思ってのことだから仕方ないよ。まだかな〜血、血、血」

「出血待ちやめてもらえます」

「鼻血とかはちょっと嫌なんで、なるべく舐めやすくて吸いやすい箇所をお願いね」

「意地でも出血してやらねえ!」

 

 本気で俺の血が欲しいなら俺を攻撃して傷つけるなりすればいい、それをしないのは俺を大事に思ってくれていることの証明。言わなくてもわかるよねって目が物語ってます。

 

 ドレイン前の下準備、いつものようになでなでします。

 目を細めて気持ちよさそうな顔をするモーさん。

 

「えへへ、嬉しいな。今後もいっぱい甘えさせてね」

 

 ドレイン可能状態までリラックスしてくれた。よしこれで・・・ん?

 

「あ、今吸われてる。なるほどこんな感じなんだ」

「う~ん・・・ん・・・んんん?」

「どうかした?私の覇気に何か問題が」

「ファインモーション」

「なあに」

「お前、本当にファインモーションか?」

「おかしなことを言うね。私がファインモーションじゃなかったら、何だって言うの」

「覇気って不思議だ、記憶や感情が伝わることすらある。本人が望まなくてもな」

「プライバシーの侵害。やれやれ、あなたの前じゃ私はただのクソ雑魚ウマ娘だよ」

「ごめんな。でも、本当は知ってほしかったから、俺に伝わったんじゃないのか」

「やだなぁ、精神攻撃ズルいよ。マサキのドS!肉体だけじゃなく精神的にも隷属させたいんだね!やれるもんならやってみてよご主人様!」

「ちょっと調教が進んだ感じ出すのやめて!」

「ご主人様はダメだった?どんな呼び方でも対応するからね、このブタ野郎!」

「SとMの両対応ですかい。とにかく、伝わった情報は俺の心にしまっておくから心配すんな」

「私の何を知った!言え!どんな恥ずかしいネタで脅迫する気だ!」

「落ち着きなされ」

「隠し財産の場所か!それとも開かずの第七倉庫にいる例のアレか!はっ!まさか、PCのお宝フォルダを・・・それだけは、おごごごごごご!?」

 

「ココ」

 

「っ!?」

 

 俺の一言でピタッと動きを止め目を見開く。

 完全に虚を突かれたといったその表情は、出会った当初の余裕あるものではない。

 何度かパクパクと口を動かすも言葉が出ない、やがて観念したかのように顔を伏せる。

 

「ハァ~~そうきたか・・・私たちの覇気、かなり相性いいみたいだね」

「ごめん、触れられたくない事だったか。この話はもうやめ・・・」

「逃がさないよ、深淵を覗いたツケは払ってもらう」

「大丈夫、ここにいるぞ。だから両手両足でしがみつくな、セミかよ」

「こんなに可愛いセミがいてたまるか!」

「事実だけど自分で言うな」

「本当はね、操者になってから聞いてほしかったけど。うん、今がその時だってことだね」

「よし、一旦座ろう。真面目な話になりそうだからな」

 

 セミの締め付けが徐々にきつくなっていくので危なかった。

 モーさんと向かいあい、フカフカベッドに腰かける。

 目をつぶって一考した後、放った最初の言葉。

 

「私ね、一度死んでるんだ」

 

 あはは、と下手くそな笑顔を浮かべて語り出す。

 

「どこから話そうかな、ファインモーション誕生秘話のはじまりはじまり~」

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【ココ】

 

「おいでココ」

 

 私と同じ金色の瞳をしたウマ娘、お母さんに呼ばれて駆けだす。

 優しく受け止められ抱き上げられる。母親に感じる絶対的な安心感で満たされる。

 

「もうすぐお父さんが帰って来るわ、今日は何が食べたい?」

「うーん、えっとね、ラーメン。ラーメンが食べたい!」

「ココは本当にラーメンが大好きね」

 

 私の名前は"ココ"

 由来は母の名前"ココット"から来ている。ココって響きが可愛いでしょ。

 私が真名とやらを授かるのは成長期を終え、頭首になってからだと祖父母から聞いた

 どうでもいい、興味ないな。

 

 うちは所謂没落貴族ってヤツだ。

 あらゆる分野を牛耳るメジロ家、謎の勢いと行動力で世に蔓延るサトノ家。

 そして、大した功績も力も資金も人材もない我が家、ファイン家。

 メジロとサトノ、両方にいい顔をし、おこぼれに預かっていただけの集団が御三家の一角とかマジウケる。

 もう、張りぼてだらけプライドを捨てて一般庶民に戻りましょうや、その方が絶対楽だって。

 

 ファイン家の実体は、何かの手違いで御三家なんて呼ばれてしまったことに優越感を持っちゃった勘違い集団。

 兼ねに汚く見栄を張る事と世間体を人一倍気にする、それだけが生きがいの老害や一部の寄生虫が私たち家族に口出ししてくるのが本当にウザったい。

 父も母も私も権力や名誉なんていらない。ただ普通の幸せがここにある、それで十分じゃないか。

 

 血筋や格式(笑)を重んじる祖父母に命じられ、嫌々お見合いして出会ったのが私の父と母。

 母は外国籍のウマ娘だった、確かアイルランド出身で王族の血を引いたとかなんとか。王家の血(笑)を取り入れることでファイン家の格がどうたら・・・バカバカしいね。

 互いに望まぬ政略結婚だったらしいが、不思議と意気投合した父と母は両想いで大変仲睦まじい。

 私が産まれてからもしょっちゅうイチャついているのバレてるよ。

 

 ファイン家がどうなろうと知ったことではない。

 私はただの"ココ"として優しい両親に見守られ、これからも生きていくんだ。

 

 そうできたら良かったのに・・・

 

 父と母が死んだ。

 交通事故、即死だった。

 両親の乗った車に信号無視をした暴走車が突っ込んだらしい。私はその日、高熱を出して寝込んでしまい急遽、祖父母宅に預けられていたので無事だった。

 事故の原因は飲酒か薬か前方不注意か・・・わかった所で、もう父も母も帰って来ない。

 最初に感じたのは「なぜ?」という疑問だった。どうして父と母が、二人は何も悪い事をしていないのに。

 納得はしていないが理解した・・・良いとか悪いとかじゃない、この世にはどうしようもない理不尽が至る所で起こっている。それだけのことだった。

 両親たちはそう、運がなかったのだ。

 気が付いたら葬儀は終わっていた。悲しいとか思う暇もなく、過ぎ去る日々。

 どうしよう、どうなるのだろう。どうやって生きていこう。

 

「気を落とさないでね、ココちゃん」

「心配するな、あの子達の分まで大事にしてやる」

 

 私を引き取ったのは当然、祖父母だった。

 面倒を見てくれることには感謝するが、両親の遺産と、ファイン家の次期頭首である私を思うがままにできる権利を手に入れた喜びは隠しきれていませんよ。

 こいつら嫌い、強欲老害どもが。

 

 最初の内、祖父母は比較的優しく接してくれた。

 今では邪魔者扱いだ。

 

「はぁ、早く出て行ってくれないかねぇ」

「まったく、あいつらも厄介な子を置いて逝ったな」

「役立たずな子だよ」

「今となっては本当に息子の子なのか怪しいもんだ」

 

 聞こえてんだよボケ。

 

 元々病弱で、頻繁に高熱だしては体調不良を訴える私を不信に思った祖父母は、金にものを言わせて私の全身を精密検査した。

 高名な治療師まで呼んで覇気の流れから、神核までチェックされた。

 そこでわかった事実が、老害どもが態度を変えたきっかけだ。

 

 極度の虚弱体質であり、身体能力は人間女性の平均以下。

 レース出場はおろか騎神になることなど不可能、神核の一部に欠損あり覇気の循環効率が著しく悪い。

 ウマ娘のアドバンテージを私は持っていなかった。

 更には、先天的異常により妊娠することが出来ない体だと判明。

 

 ウマ娘の力を示せず、頭首の器ではない。

 跡継ぎを残すことができず、政略結婚の道具として使うこともできない。

 祖父母たちにとって私は望みを叶えてくれる大事な子(金のなる木)から、厄介者のごく潰しにクラスチェンジしたらしい。

 

 世間体を気にしてか、家を追い出されることはなかったが、聞こえるように悪態をつかれ、いないものとして扱われる日々はストレスが溜って仕方がなかった。

 両親の遺産を私に代わって管理する、その名目で贅沢三昧な暮らしをする祖父母を見ていると、腹立たしさよりも、こんな奴らの血が流れていることが堪らなく不愉快だった。

 ああ、早く大人になりたい。

 こんな所、早くおさらばしたい、私はのびのびと精一杯生きたいだけだ。

 たとえ、医者から「10歳まで生きていられるかわからない」という死の宣告を受けていたとしてもだ。

 希望は捨てない、意志はまだある。両親の分まで少しでも長生きしてやる。

 いつか天国で二人に会った時「どうだ、私頑張ったよ」って言ってやるんだから。

 

「いやーめでたい!欠陥品のお前を引き受けてくださるそうだ。もっと喜んだらどうだ、なあ」

「私たちはあなたからもファイン家からも手を引くわ、精々上手くやることね」

 

 ある日、ジジイとババアが興奮気味でそんなことを言ってきた。まあ、嬉しそうな顔だこと。今日も腹立つ顔してるな。

 

 数日前からうちに知らない人が出入りしているのは知ってたが、私をどこかに売り飛ばしたらしい。

 それも、あんなに固執していたファイン家をセットにしてだ。

 

 ジジババの話によると、一生遊んで暮らしてもおつりが来るぐらいの金をポンッと支払ってくれたそうだ。

 その代わりの条件が、私の身柄とファイン家に関する全ての権利譲渡。そして、老害と寄生虫どもは国外退去して今後一切ファイン家に関わらないと誓うことだった。

 接近禁止を破った場合は物理的に消されるらしいが、迷わず了承したというからやれやれだ。

 

 これはピンチ?それともチャンス?

 

 ともかく、老害と離れる望みは叶った。後は私の引き受け先がまともでありますように・・・

 あははっ!無理か、無理だな!ちくしょう!

 負債だらけのハリボテ名家と短命病弱ウマを買う物好きというか絶対ド変態だぞ!

 私を散々弄んだ挙句、嬲り殺しにして「愉悦ッ!」ぐらいかましてきそう。嫌だなぁ怖いなぁ。

 せめて楽に死ねるよう、従順な態度で媚びを売っておくか。

 どうせ殺されるならイケメンがいい「お前を殺す」て言ってよヒイロ・ユイ。

 

 私を買ったド変態(仮)は想像していたのと大分違った。

 

「ようやく会えたね」

「え?あれ?あなたはいったい・・・」

「私はファインモーション。はじめましてだね、もう一人の私」

 

 老害が旅立ってからすぐに知らない大人たちが迎えに来た。

 ひぇ、黒塗りの高級車とかヤクザ屋さんですか。\(^o^)/オワタ

 絶望に打ちひしがれている私が連れて来られたのは、見た事もない建物(これは何かの輸送機?よくわからない)

 丁重に案内された建物の奥で待っていたのは私によく似た顔の女だった。

 年は向こうが数年ほど上っぽい、いつも鏡で見ている顔が順当に年を取ったときこんな顔になるんだろうな。そう思わせるような顔をしている。

 目の前に鏡が置いてあるのではと錯覚してしまう。

 本当に気持ち悪いぐらいに似ている、生き別れの姉妹?クローン?

 あ、わかったぞドッペルゲンガーだ!目撃したら死の予兆なんだっけか笑えねぇ。

 

「メッチャ混乱してるねwwwもっと近くにおいでよ、説明するからさ。まあ、お茶でも飲みながらゆっくりしなよ」

「は、はぁ」

「ほらおいで~、おお、これがロリな私・・・やだカワイイ~」

「なんだコイツ、キモッ!」

 

 もう一人の私とか言う目の前のそっくりさん、闇遊戯なの?ATMなの?さっさと成仏して。

 

「もっと腕にシルバー巻くとかさぁ」

「嫌ですけど、さっさとこの状況を説明して」

「似ているけど別の世界、パラレルワールドから来たって言ったら信じる?」

「信じる信じないかは全てを聞いてからにする」

「さすが私、賢いね」

 

 それはそれは荒唐無稽な話を聞かされた。

 似て非なる世界1stからやって来たこと、1stは滅びを迎え脱出してきたこと。

 ベーオウルフとルシファー、世界を歪める悪の存在、この世界2ndを二の舞にさせたくないこと。

 

「世界の歴史はおよそ数十年ずれている。そして、全てがそっくりそのまま同一というわけではないの。例えば、2ndの私は既に誕生してヘビーな人生を歩んでいるとか」

「1stと2nd、時間のズレ、似ているようで異なる世界」

「私たちが会えたのは奇跡だよ。まずはそのことを喜ぼうか」

「あなたの望みは何?まさか、ただの同情心で私を買った訳じゃないよね。何をすればいい?」

「本当に賢いね。でも、そんなんじゃ「カンのいいガキは嫌いだよ」って言われるぞ~」

「早く言えよ」

「あなたと合体したい」

「はい?」

「魔法カード融合を発動!」

「だから何?」

「まだわかんないの?私と一つになろうって言ってるの、同化だよ同化」

「ナメック星人?それともフェストゥム?どっちでもいいけど気持ち悪いな」

「私たちが生き残るにはこれしかないの」

「なんですと」

「知ってるんだよ、余命幾ばくも無いんでしょ、死にかけさん」

「うるせー」

「なんと奇遇なんでしょう、私ももうすぐ死んでしまうのです」

「そんな所まで似てて引くわ」

 

 1stからこちらへ転移するにあたり相当な無理をしたらしい。

 ゲートとやらを起動するために、神核にダメージが入るほどの大量の覇気を酷使したのだとか。

 ファイン家頭首として皆を2ndに避難させる責任があるとかなんとか。

 死ぬようなダメージを負っても民を守る義務を果たすとか、すげぇなそっくりさん。

 2ndに来てから残された時間がないとわかった所で、1stの難民をまとめるお役目、後継者となるものの選定にあたっていた所、難民の一部が離反、ヴォルクルス教団を名乗り裏社会へ潜伏したのだとか。

 そのようなゴタゴタの最中、私を発見して没落ファイン家ごと買い取ったのが真相だった。

 

「魂継(たまつぎ)って知ってるかな」

「引退や死期を悟った騎神が、子や弟子、後継者に力を譲渡する儀式」

「その受け皿をあなた、もう1人の私にやってほしいの」

「マジっすか」

「力だけじゃない私の記憶、1stの知識と経験、神核の情報を全てダウンロードするるもりだよ」

「それをやるとどうなるの」

「かなりの無茶をやるから、終わった後で私は死んじゃうよね。成功すれば私とあなたの意識は統合されて、健康な肉体もゲットできる・・・といいな」

「かなり危ない橋みたいだな、成功率は聞かないでおくよ。仮に成功したとして、そいつは私?1st出身のあなた?それとも新しい第三者なの?」

「知らね」

「おいぃぃぃ!」

「そんなの、やってみなくちゃわかんないんだもん!二人で死を待つより、二人で新たな生に賭けてみない?」

「・・・いいよ。その賭けにのった」

「即決ありがとう!それでこそ私だね。じゃあさっそくいいかな、気が変わる前にやっちゃおう」

「うわぁ軽い」

 

 両親は既に他界、私の余命は明日も知れず、じゃあやってみるしかないよね。

 不思議と恐怖は無かった、失敗しても両親に会えると思ったし。

 

 分かれていたものが本来の形に戻る、それが自然のような気がしたから。

 

「怖い?」

「ちょっとだけ」

「私もだよ」

「ラーメン好き?」

「大好物」

「そっか、そっか、うん」

「お互い苦労したね」

「まだまだこれからだよ、頑張ろう」

 

「じゃあやるよ。よろしくね私」

「うん。お願いね私」

 

 儀式は滞りなく進行。

 全てが終わったとき、私は私の遺体に抱きしめられていた。

 穏やかな顔、まだ温かい、先程までその体はちゃんと動いていた、動かしていた。

 

「上手くいった?なんか頭がグワングワンするな」

 

 二つの記憶が混ざり合う感じがちょっと気分悪い。

 馴染むまでもう少しかかりそうだ。

 

「ちょっと!成功率30%以下じゃない!ああ~今となっては誰に文句を言えばって私か!」

 

 人格の統合もなんとかなってる。

 目の前の体、1stの体を静かに横たえる。あ、目が半開きになって怖い。ちゃんと閉じてっと。

 う~ん、不思議な感覚だ。確かに私は死んだ、でもまだ生きている。

 ずっと2ndの体に入ってた意識と、1stからやってきた意識が余りに自然に統一されていくので、なんというかその、目の前の死体を見てもwww不謹慎なんですがそのwww笑いそうでしてね。

 コイツ死んでるwww私www死んでるwww安らかすぎじゃねwww

 

「おい!モーション、生きてるかって・・・は?」

「あ、ゴルシちゃん。ハロー!元気してる」

「おま、え、死んで、何。どういうこったこれは?」

「あはははっ、ゴルシちゃんが真顔でwww唖然としてるwww」

「なにやってんだてめぇぇぇーーー!!!」

 

 ドアをぶち破って現れた友人のテンパり具合に笑ってしまった。

 首を絞めるのはダメです。もう体はこれしかないのでやめてね。

 ゴルシちゃんに説教された、怖かったので素直に謝った。

 魂継をすることは1stの皆には内緒で行った。だって絶対反対するでしょ。

 賭けには勝ったからもう怒らないで・・・はい、すみませんでした。

 

 そして私は『ファインモーション』になりましたとさ。

 これからは真・ファインモーションですよ。ワクワクしてきたぞっと。

 

 1stの体は手厚く埋葬した。

 自分の棺桶運んだの自分ですからwww貴重な体験をしてしまった。

 その後は、ファイン家頭首の新生を1stの皆に納得(無理やり)してもらって、忙しい頭首様の生活が始まった。

 現状の問題点を総ざらい、2ndファイン家の立て直しと1st難民の受け入れ先を何とかしなくては。

 

 天級騎神に接触、ラ・ギアスへの移住とクロスゲートの監視をお願いする。

 説明するまでもなくゲートの危険性に気付いていた天級はやはりすごい。

 

 メジロ家及びサトノ家に技術提供を行い、ファイン家の有用性を示し太いパイプを形成する。

 サトノ家の子供たちは最重要警戒対象だ。

 早い内に会っておきたい、そうだな、操者を探せと言い聞かせておくか。

 1stの二人には操者がいなかった、もし操者がいたのならあのような結果には・・・。

 

 ヒュッケバインの事故?そんなの1stではなかったはず。

 そもそもブラックホールエンジンはまだ早すぎるだろ、2ndの技術は1stに迫っている。うちがちょこっと未来の技術をばら撒くので進歩状況は加速するだろう。

 

 ゴルシちゃんの年齢がわからない、深く考えたら負け。

 

 ファイン家は皆の頑張りで急成長を遂げる。新しい人材も沢山は雇うことができるようになった。

 エアシャカ―ルはよく私の愚痴を聞いてくれる。採用面接時、1stのことを話しても「あ、そう」で返してくれたので即採用。殆どの人は「コイツやべぇ」「ファイン家狂ってやがる」って顔して途中退席するんだよね~プンプン。

 

 アースクレイドル・・・1stでは机上の空論で終わった大規模都市シェルター。

 2ndにて実験的に稼働していたが襲撃事件により多数の犠牲者を出し、現在は放棄されている。

 クロスゲートの研究施設があったことを確認。

 

 ヴォルクルス教団・・・マジめんどくせぇ。

 カルト教団の分際で私の仕事を増やすなボケが。

 やめてよー本当に勘弁して、あのくそワカメオヤジめ。いつか坊主頭にしてやろう。

 

 うわ、妖機人の出現報告がある。ふむふむデモンと呼んでるのね。

 超機人が味方になってくれるといいけど。

 バラルが絡むと碌なことにならないのはわかってるからな~。どうしたもんか。

 

 1stでは起きなかった事件事故、まるで何者かの意志を感じるのは気のせいか。

 アストラナガンが警告した"世界の破壊者"そのような存在がいるのだろうか。

 この世界は2ndは守らなくてはいけない。

 

 体の調子はすこぶる良好。

 体が軽い、もう何も怖くな・・・やめよう、死亡フラグだ。

 二つの魂を統合したんだ、強くなって当然ですよねー!そう簡単なら良かったんだが。

 頭で知ってるのと体が動いてくれるのは違う、特にこの2ndボディは病弱だったためまともな修練などしたことがない。ゴルシちゃんや皆に頼んで徹底的に鍛え直すことにした。毎回ゲロ吐くほど頑張った。

 体が動くってのは素晴らしい、逃げ出したくなるようなキツイ修練も何とかこなし、少しづつ強くなる実感が嬉しい。2ndの私が望んでも手に入らなかった強い体、いいじゃないの。

 1stの私は覇気制御に長けていた、魂継で記憶を転写できるほどの使い手はそういない。2ndの私は虚弱だったがセンスはあったらしい、健康体に優秀な頭脳と知識、そして修練を楽しめる才覚と天性の戦闘センス。

 今の私結構強いかも。父と母に見せてあげたかったな。

 

 キタサトちゃんに接触してからしばらくたった。

 あの可愛らしい二人が、あのベーオウルフとルシファーの幼体・・・ウソやろ。

 操者は見つかったのだろうか、心配だな。

 

 ビックリした!本当にビックリした!

 し、尻尾がピーン!となって全身の毛が逆立った。まだ心臓がバクバクしてる。

 

「今の何?覇気の爆発?何かヤバいのいる!」

 

 ゴルシちゃんが「おもしれ―奴がいるみたいだぞ」って笑ってた。

 シャカは「ロジカルなんて言ってられねーふざけた野郎がいる」ってキレてた。

 一応、調査警戒だけはしておこう、何かが動き出す予感がする。

 

 ラーメンは美味い。

 1stではお店自体が少なかったから大満足。2ndの私は元から大好物なので大満足。

 つまりは美味しいってこどで・・・かぁ~今日もウメーーー!!!

 油断すると太るな・・・筋トレ真面目にやっとくか。

 

 キタサトちゃんが契約したらしい、操者を見つけたのだ。おめでとーよくやった。

 

「二人の操者が尻尾ピーン事件の元凶とはね・・・ブッ!アハハハハハハハハハハッ!」

 

 報告書に添付された男の資料写真、なぜこの写真を選んだ!絶対ワザとだろ。

 

「目www薄目開きwwwアルカイックスマイルwww悟り開いてるwww」

 

 菩薩像かよ!失敗した免許写真だコレww瞬きしたのを採用するなよ。

 

「あーおかしいwwえっと、サイバスターの・・・へ、養子!?実子ではないのにあの覇気なの?」

 

 彼についての調査報告、所々不可思議な点がある。しかも彼は、1stに存在していない人間だ。

 イレギュラー・・・これ絶対何かあるやつだ。

 そんな訳あり男を操者に選んだキタサトちゃん・・・これが吉と出るか凶とでるかは賭けだ。

 

「アンドウマサキ、あなたはどんな人間なのかな」

 

 妙に耳に残る名前だ。

 彼にはすごく興味がある、ちゃんと会って話がしたいな。

 

 何かが始まる予感がする、これは乗るべき流れだね。

 

「私はいつも通りやるべき事をやるだけ、今までもこれからも」

 

 私はファインモーション、弱い"ココ"はもういない。

 

 私は私に出会い、新しい本当の私になった。

 




クロ「どいつもこいつも!」
シロ「卑しか女だらけですよ!」
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