ピザが来た。
Lサイズピザ三枚、贅沢に一人一枚づつ食べますよ。
え?クロシロには多すぎるだって?これだから素人は困る。
ウマ娘の食欲なめんなよ!ほっとくとボテ腹になるまで食い続ける個体もいるらしいぞ。
一応クロシロに確認したら「「余裕!」」だそうだ。
手を拭いて、飲み物を用意して。
「「「いただきます!!!」」」
容器のフタを開けるとチーズとその他もろもろのいい匂いが食欲を誘う。
事前にカットされている1ピースを手に取って、よっと、口に運ぶ。
うん!久しぶりに食べたが美味いね、クロシロもホクホク顔だ。
うんうん、たくさんお食べ。
「ねえねえ私、マサキさんとシロちゃんの分も食べてみたい」
「お、いいですね皆でシェアしましょう。いろんな味が食べられて幸せです」
「かまわんよ」
いいねー団欒だねー。
最近、ボッチめしばかりなのでこういうの嬉しい。
「親の目を盗んでジャンキーな物を食べる背徳感!たまりませんね」
「たまにはいいよねー」
「すみません、飲料もジャンキーな奴ありませんかコーラとか炭酸がベストです」
「私この麦茶でいいー」
残念ながらシロが期待するような飲料は家にない、炭酸苦手なんです!
そうだ!今日はまだ"いつものやつ"を飲んでいなかったな、クロシロにも振舞ってやろう。
シェイカーにミネラルウォーターと例の粉末を入れよーく振って混ぜる。
三人分用意できたぞ、こいつを空になったクロシロのコップに適量注いで、自分はシェイカーから直で飲みます。
「なにこれー?あおじる?」
「コーラを頼んで青汁出されるとは思いませんでした」
「ピザだけだと栄養偏るからな、遠慮せず飲んでくれ」
「「・・・・」」
「確かに警戒する気持ちも分かる、最初は俺も意識が飛びかけたしな・・・」
「でも今じゃ毎日飲んでるぞ、その名もクスハ汁!」
「「クスハ汁?」」
飲むのを躊躇する二人。
俺は自分の分を一気に飲み干す、ぷはー!不味い!!これこれ~こいつが癖になるんだよ。
「まずいって言った!」
「これ人類が飲んでいい色と臭いじゃないですよ!あ、なんか謎の固形物が浮いてる・・・」
「好き嫌いは良くないぞ、ためらうな一気にいけ!」
「わたしのんでみるー」
「流石クロちゃん怖いもの知らず」
クロはじめてのクスハ汁。
一気にいけと言ったのに、チビチビ味わって飲んでるよ。
大丈夫か?無理すんなよー。
あ、全部飲んだ偉いぞクロ。
「ほんとにまずいー!でも、もう一杯!」
「私の分をあげますよ。さ、グイっといっちゃってください」
「・・・クロ」
「はい!」
「え?どうして私を羽交い絞めにするんですか?」
俺の意図を汲み取り即座に行動するクロ。
俺はクスハ汁入りのコップを持ってシロに近づく。
「ちょっと、やめてくださいよ!二人がかりなんて卑怯・・・いやっ、やめ・・・ダメー!クスハ汁は嫌ああー!うぇ・・・クサっ!くっっっさっ!!よくこんなの飲めましたね」
「「お前も飲むんだ」」
抵抗するシロにクスハ汁を飲ませた後。
ピザを美味しく完食!三人で食後のまったりタイム。
「ゲロマズでしたけど、心なしか体がポカポカしてきました。」
「そっこーせいありだね」
「気力が最初から150になってる感じがするよな」
「体には良いのでしょうね。二度と飲みたくありませんが」
「私もいらない」
汁友を増やすのに失敗した残念。
まあ、こいつの良さはお子様には分からんよ。
そんじゃまあ、ずっと保留にしてきた本題を聞こうじゃないの・・・
「よーし、もういいだろ話してもらおうか」
「何をですか?」
「とぼけるな、お前たちが家出してきた理由だよ」
「ついに来たね、この時が」
「私たち三人が出会うきっかけとなった全ての元凶、その真実が今!明かされる!!!」
「無駄に壮大な感じにするな、はよしろ」
クロシロは事件?の発端を話し始めた。
「私たちの家はそれなりの力を有しておりまして、力の象徴と呼ぶべき物・・・うーんと、家宝?みたいな物があるのです」
「いろいろあるよ、よくわからないものがたくさん」
「そのうちの一つをですね・・・なくしてしまったんです」
「ごめんね、私がアレで遊びたいなんて言ったから・・・」
「クロちゃんのせいじゃないですよ!私もアレには興味がありましたし、勝手に持ち出したのは私です」
「すぐにママや皆に知らせたんだけど・・・」
「時すでに遅し、アレの行方は今もわかりません」
家宝を紛失したのか、あちゃー。
「大騒ぎになって、たくさん怒られたよ」
「アレの捜索に私たちも参加したかったのですが、父たちに止められてしまいました」
「[お前たちが動くと余計にややこしくなる、頼むから大人しくしてて!
ホントに頼むから!!!]だってさ」
「今のもしかして父のものまねですか?うーん似てない!中年の哀愁が足りません」
「シロちゃんの[必死かよwwウケるwww]発言で道元(ドウゲン)パパもっと怒ったよねー、あと泣いてた」
「それで家に軟禁されてしまいました、本当に大人げない人ですよ」
ママにパパね・・・二人の親らしき人物が話に出てきた。
シロェ・・・お前って奴は本当に・・・。
「自分のやらかした不始末ですから、何としても自力で解決したかったんです」
「だからね、なんとか家を抜け出して来たんだよ」
「その際に少々活動資金を金庫から持ち出しました。あーまた怒られますねコレ」
「武器庫は監視の目が厳しくて断念したよ」
「軟禁生活も三日目に入りいい加減退屈でした、我慢の限界だったんですよ」
「三日経っても見つける事ができないママたちも悪い」
「そうです!不甲斐ない大人たちのせいで私たちが出張る事になったんですよ、まったくもう!」
あのお宝セットは金庫から拝借してきたと・・・窃盗罪て身内でも成立するのでは・・・・武器庫?何でもありかお前らの家。
おい、何逆切れしてんの?もっと親御さんたち労わってあげて!
「家を出た後はご存じの通り、雨で滑って転んであなたに会ってテイクアウトされて風呂入ってピザ食べましたね。大冒険です」
「そう?ほとんど何もしてないような・・・ま、いっか」
「事情は分かった。で、これからどうするんだ」
「気は進みませんが、二人ではどうにも無謀なのでやはり家に帰るべきですねトホホ」
「しょうがないよね。また怒られるかな」
家に帰る事にしたらしい。
よし、これで一安心!明日二人を送り出せば任務完了!犯罪者ルート消滅しまーす!成し遂げたぜ!!!
親御さんも心配しているだろうしそれがいい。
これにて事件解決!その後はこいつらの家の問題だ。
家宝、早く見つかるといいですね。他人事ですが何か?
「申し訳ないのですが、今晩は泊めてくださいね」
「おとまりおとまり」
「元々そのつもりだ、心配すんな」
「その優しさにキュンキュンします」
「拾ってくれたのがマサキさんでよかったー、ありがとう」
「なあ、聞いてもいいか・・・家宝だっけ・・・アレって言ってるけど何?」
「アレはアレですよ」
「アレだねー」
「言いたくないのか?」
「知らない方がいいと思います。一応、門外不出秘蔵の一品ですから」
「大人はみんな[ヤベェよ、こいつぁヤベェよ」て言ってた」
触らぬ神に祟りなし、これ以上の詮索はやめておこう。