陸自はドールズフロントライン、海自は艦これとアズールレーン、空自はアッシュアームズ三つの世界でバラバラになりながらでも生き残る 作:ゴーストライターとかした、素人小説書き
この小説は、シリアスとギャグが少し入っています。
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第13話 新たなる希望に乾杯
S09基地、北西管理区。
市街戦訓練区画から基地司令部へ続く通路を、一台の運搬用台車が走っていた。
AK-15「通路前方、安全」
蓮「安全なのは分かったから速度を落とせ!」
台車を押しているAK-15は、蓮の抗議を聞いても歩調を変えない。
車輪が床の継ぎ目を越えるたび、胸と左脚の傷へ鈍い痛みが響く。
衛生要員「AK-15! 負傷者を運んでいることを忘れないでください!」
AK-15「忘れていません。低速で移動すれば、敵との再接触率が上昇します」
蓮「だからって荷物みたいに運ぶな!」
AK-15「自力歩行が困難なら、現時点では荷物と大差ありません」
蓮「こいつ、本当に一言多いな……!」
M16A1「元気そうで何よりじゃないか」
SOPⅡ「さっき顔が好みって言ってたのにね!」
蓮「今すぐ忘れろ」
416「無理ね」
先を歩く416が、肩越しに蓮を見る。
表情はいつもどおり不機嫌そうだったが、先ほどまでより足取りは僅かに軽い。
蓮の胸元では、返された二枚の認識票が歩調に合わせて小さく鳴っていた。
その時、通路の非常灯が一度だけ消えた。
すぐに赤い灯りが戻る。
天井の拡声器から、雑音混じりの声が流れた。
『北東格納庫周辺の敵を排除。第三整備班は負傷者の搬送を開始してください』
『東門は依然として交戦中。通行不能です』
S09の戦闘は、まだ終わっていない。
M4A1「急ぎましょう。地上車列との通信も回復させなければなりません」
M4A1の声で、一行から笑いが消える。
破壊された橋。
後方から接近する複数の車両。
その車列には、レッドカンパニーの監視兵と、鉄血との関係を示す資料原本が載っている。
敵に奪還されれば、これまで集めた証拠の価値が大きく損なわれる。
それ以上に、護送を担当している者たちの命が危ない。
◇
北西管理区、臨時指揮所。
そこは本来、整備部門の会議室だった。
現在は長机の上へ通信機、基地図、負傷者名簿が並べられ、壁際には簡易寝台まで置かれている。
技術要員が仮設回線を接続し、指揮人形が各区画から届く報告を書き込んでいた。
部屋へ入るなり、衛生要員が台車を簡易寝台の横へ止める。
衛生要員「蓮さんは、こちらへ」
蓮「話を聞くくらいなら台車のままで――」
衛生要員「駄目です」
蓮「まだ何も言ってないぞ」
衛生要員「どうせ『まだ戦える』と言うのでしょう?」
蓮「……よく分かったな」
衛生要員「ここへ来るまでに三回聞きました」
衛生要員とM9が蓮の身体を支え、簡易寝台へ移す。
防弾装備と89式小銃は手の届かない場所へ置かれた。
蓮「せめて拳銃だけでも返してくれ」
M9「駄目なの。今の蓮は敵より先に自分を壊しそうなの」
蓮「信用がないなぁ……」
AR-15「自業自得よ」
M4A1は臨時指揮所の端末へ向かう。
M4A1「M4A1です。補助指揮シェルターの安全を確保しました。クルーガー社長、職員、警備人形は無事です」
指揮官『確認したわ。こちらでも北西管理区との回線が戻ったところよ』
M4A1「地上車列は?」
指揮官『短時間通信を一度だけ受信した。車列は東側外周道路、第二水路橋の手前で停止している』
基地図へ、新しい記号が表示される。
S09東側の外周道路。
前方には、破壊された橋。
後方には、敵と推定される車両が四。
護送車列は三両。
そのうち一両は、先ほどの通信時点で走行装置を損傷していた。
M4A1「乗員の状態は?」
指揮官『負傷者が二名。意識はある。けれど、通信出力を上げれば位置を特定される恐れがあるため、今は受信待機に移らせている』
AR-15「東門から救援を出せないの?」
指揮官『東門そのものが攻撃を受けている。南門へ迂回させるにも、基地外周を半周しなければならない』
M16A1「その前に追いつかれるな」
室内に短い沈黙が落ちた。
敵の目的が捕虜の奪還なのか。
証拠の破壊なのか。
それとも、両方なのか。
分からない。
だが、時間が残されていないことだけは確かだった。
UMP45『こちらUMP45。情報区画の制圧を確認したわ』
別の通信回線から、UMP45の声が入る。
UMP45『連絡将校は地下房で無事。記録媒体も確保した。敵が持ち出そうとした内部資料は、G11が真贋を確認しているところよ』
G11『量が多すぎる……全部見る前に寝たい……』
UMP9『今寝たら運ぶよ?』
G11『それなら寝ながら移動できる』
UMP45『寝かせないから安心して』
M4A1「地上車列へ繋がる回線を探せますか?」
M4A1「それと、連絡将校は中央管理棟の主司令部へ移してください。情報区画へ再侵入されても、捕虜を奪われないようにします」
UMP45『了解。Vectorと警備班を護送へ付けるわ』
UMP45『試してみる。ただし、基地の中継器がいくつも壊されている。届いても一往復か二往復ね』
M4A1「十分です。お願いします」
M4A1が通信を切る。
その背後で、部屋の扉が開いた。
VSK「M4A1さん」
金色の髪。
落ち着いた青い瞳。
額にはまだ薄い保護材が貼られているものの、クリミアで拘束されていた時の傷は治療され、服も新しいものへ替えられていた。
VSKは室内を見渡す。
そして、簡易寝台に横たわる蓮を見つけた。
VSK「……ボス?」
その声は、普段の穏やかさを失っていた。
蓮「よう。久しぶりだな、VSK。……って、待て。誰がボスだ」
VSK「蓮さんです」
蓮「俺はまだ、お前の上司になった覚えはないぞ」
VSK「では、今は仮のボスということで」
蓮「仮でも勝手に決めるな」
VSKが駆け寄る。
蓮の胸へ飛び込もうとして、寸前で止まった。
包帯。
血の染み。
固定された左脚。
それらを見たVSKの両手が、行き場を失う。
VSK「生きて……いたのですね」
蓮「勝手に殺すなよ」
VSK「だって、あの場所へ残って……何日も帰らなくて……」
VSKは笑おうとした。
だが、声が僅かに震えている。
VSK「416さんから、最後に姿を見た時の話を聞きました。敵が市街地を捜索していることも。だから、もう……」
蓮「帰るって言っただろ」
VSK「約束を守る人には見えませんでした」
蓮「ひどくない?」
416「妥当な評価ね」
VSK「ええ。とても」
VSKは、今度こそ微笑んだ。
それから蓮の右手を、両手でそっと包む。
強く握れば傷に障ると分かっているためか、触れ方はひどく慎重だった。
VSK「お帰りなさい、ボス」
蓮「その呼び方、続ける気か?」
VSK「はい」
蓮「そうかよ……ただいま」
短い言葉だった。
それでもVSKは、確かにその返事を受け取った。
部屋の入口でAK-15が二人を見ている。
無表情のままだったが、その視線は繋がれた手へ一度だけ落ちた。
SOPⅡ「仮のボスって何!?」
M16A1「本人の同意より先に決まったらしいな」
蓮「お前ら、今は地上車列の心配をしろ」
VSK「その前に、もう一つだけ」
蓮「何だ?」
VSK「次に無茶をする時は、私へ命令してください」
蓮「無茶をする前提なのか」
VSK「ボスが無茶をしない可能性より、私が一緒にいる方が現実的です」
AR-15「反論できないわね」
蓮は何も言い返せなかった。
◇
負傷者の確認と各隊の再編が進められる。
M4A1たちは基地司令部からの指示を受け、東側救援に必要な情報を集め始めた。
蓮は簡易寝台から動くことを禁じられた。
それでも、目と耳まで塞がれたわけではない。
基地図を寝台の横へ移してもらい、最後に届いた車列の位置、敵の進路、周辺地形を見比べる。
VSKは隣へ椅子を置き、蓮が指した資料を一枚ずつ揃えていた。
VSK「東側外周道路の旧図です。現在の基地図と一部が違います」
蓮「どこが違う?」
VSK「第二水路橋の南側。旧図には、整備用の暗渠へ下りる道があります」
VSKが地図の一点を指す。
現在の地図では埋められたことになっている細い道。
だが、閉鎖を示す工事記録が見当たらない。
蓮「使える可能性はある。ただし、車両が通れる幅かは分からん」
VSK「人形なら通れるかもしれません」
蓮「ああ。救援隊の接近路には使える」
蓮がさらに周辺の高低差を確認しようとした時、机の向こうから杖の音が聞こえた。
トン。
トン。
ゆっくりとした歩調。
白い杖を持つ一人の人形が、給水容器を載せた小さな台車とともに入ってくる。
瞼は閉じられ、足元を確かめるように杖を動かしていた。
???「負傷者へ飲料水を配っています。必要な方はいらっしゃいますか?」
VSK「こちらへ一つお願いします」
???「はい」
人形は障害物を避けながら近づく。
床には通信線が何本も延びていた。
杖の先が触れるより前に、その足は線を正確に跨いでいる。
机から落ちた小さなねじも踏まない。
VSKが水を受け取る。
VSK「ありがとうございます。お名前は?」
ラトニク「ラトニクと申します。今は後方支援を担当しています」
蓮の視線が、白い杖へ向く。
ラトニク。
ロシア語で、戦士。
そして、二十一世紀初頭にロシアで進められた次世代歩兵装備計画の名でもある。
その計画と深い関係を持つ小銃。
AK-12。
近くにはAK-15がいる。
どちらも同じ系譜に属する。
それだけなら、偶然で済む。
だが、目が見えないという演技にしては、歩調が正確すぎた。
蓮「一つ聞いていいか?」
ラトニク「何でしょう?」
蓮「その名は、自分で選んだのか?」
ラトニク「ええ。気に入っています」
蓮「そうか。なら、もう一つ」
蓮が、相手の閉じられた瞳を見る。
蓮「いつまで目の見えない支援人形のふりを続けるんだ、AK-12?」
室内の空気が止まった。
VSKの手が、腰の拳銃へ伸びる。
だが、AK-15だけは姿勢を変えなかった。
視線を向けた先も蓮ではなく、正体を言い当てられたラトニクの反応だった。
杖を持つ人形だけが、変わらぬ笑みを浮かべている。
ラトニク「どうして、そう思ったの?」
蓮「半分は知識、半分は勘だ」
ラトニク「随分と乱暴な推理ね」
蓮「ラトニク計画、AK-12、AK-15。閉じた目。それに、見えない奴は床のねじを踏む前から避けたりしない」
数秒の沈黙。
やがて、人形は杖を軽く回して脇へ挟んだ。
AK-12「あら。思っていたより早かったわね」
瞼が開く。
紫色の瞳が、蓮を正面から見つめていた。
VSK「目的を説明してください」
VSKは拳銃を抜いてはいない。
だが、蓮とAK-12の間へ身体を入れ、いつでも動ける姿勢を取っている。
AK-12「警戒しなくても、彼を壊すつもりはないわ。少し話してみたかっただけ」
AK-15「VSK、警戒を解除してください。彼女はAK-12。同じ反逆小隊の隊員です」
VSK「AK-15さんは、最初からご存じだったのですか?」
AK-15「はい。後方支援用の仮身分と接近経路は、事前に共有されています」
AK-15が無関係を装っていたのも、蓮の反応へ余計な影響を与えないためだった。
正体が見破られた今、演技を続ける必要はない。
AK-12「私が正体を明かすまで、あなたは何も言わない予定だったでしょう?」
AK-15「予定より早く、対象が看破しました」
AK-12「残念というより、期待以上ね」
AK-15「観察結果には同意します」
AK-12が偽装用の白い杖を差し出す。
AK-12「後片づけはお願いね」
AK-15「了解」
AK-15は慣れた手つきで杖を折り畳み、給水台車の収納部へ戻した。
淡々としたやり取りだったが、互いの役割を理解した同じ小隊の連携に淀みはなかった。
蓮「俺の何を確かめたかった?」
AK-12「いくつかあるわ。一つは、あなたが襲撃側の内通者ではないこと。もう一つは、弱く見える相手へどう接するか」
蓮「それで水配りか」
AK-12「自然に近づけるでしょう?」
VSK「身元調査なら、正式な手順があります」
AK-12「正式な質問には、誰だって正式な答えを用意するものよ」
AK-12は、蓮の枕元に置かれた古い携帯端末を見る。
AK-12「それに、あなたが本当に昔の人間なのかも興味があった」
蓮「まさか、勝手に中を見たのか?」
AK-12「残念ながら、見られなかったわ」
蓮「……は?」
AK-12「無線機能は切られている。記録形式も古い。物理的に接続しない限り、内容へは入れない。電子戦は魔法じゃないのよ」
蓮「だったら、何が分かった?」
AK-12「端末の型式、内部時計のずれ、最後に近距離通信を使った時刻。それだけ」
蓮「本当にそれだけか?」
AK-12「ええ。だから、あなたの大切な秘蔵映像が入っていても安心して」
蓮「なぜ入っている前提なんだ!」
M16A1「入ってるのか?」
SOPⅡ「何の映像?」
蓮「子供は知らなくていい!」
416「分かりやすい反応ね」
VSKが口元へ手を当てる。
肩が僅かに震えていた。
蓮「VSK、お前まで笑うな」
VSK「申し訳ありません、ボス。ですが、無事だと分かって安心しました」
AK-12「なるほど。普段はこういう人なのね」
蓮「もう調査は終わりだ。帰れ」
AK-12「そうもいかないわ。クルーガーに渡す情報があるもの」
AK-12は偽装用の給水台車から、小型の記録媒体を取り出した。
AK-12「東側へ向かった敵車両の短距離通信を拾った。内容は断片的だけれど、彼らは地上車列を破壊しようとしていない」
M4A1「捕虜と資料の奪還が目的なのですね」
AK-12「その可能性が高いわ。ただし、断定はできない。命令文に『貨物を無傷で』という言葉が二度出てきただけ」
蓮「通信元は?」
AK-12「移動中の車両。正確な位置は取れていないわ。傍受時間が短く、送信側も周波数を変えている」
蓮「十分だ」
AK-12「あら、褒めてくれるの?」
蓮「敵が車列を吹き飛ばせないと分かった。それだけで選択肢が増える」
AK-12の笑みが、僅かに深くなる。
AK-12「やっぱり、あなたは面白いわね」
蓮「前にも俺を見ていたのか?」
AK-12「ええ。貨物駅で匿名の情報を受け取ったでしょう?」
契約番号。
輸送記録の一部。
通信兵の供述音声。
発信元を伏せて送られてきた証拠。
蓮「あれは、お前だったのか」
AK-12「あなたが証拠をどう使うか見たかったの。怒りに任せて捕虜を殺すのか。それとも、生かして事実を積み上げるのか」
蓮「最初から立派な判断ができたわけじゃない」
AK-12「知っているわ。止められて、止まった。それも結果の一つでしょう?」
蓮は答えなかった。
M4A1が止めなければ、監視兵を殺していたかもしれない。
その事実は消えない。
だが、失敗しかけたことと、次も同じ失敗を選ぶことは同じではない。
◇
臨時指揮所の奥にある小会議室。
扉が閉まるより先に、通信端末からG11の声が流れた。
G11『地上車列から短時間通信を受信……音声、出すよ』
激しい雑音。
銃声。
遠くで響く車両のエンジン音。
護送隊長『こちら護送三。敵車両を視認! 距離、およそ一・八キロ! 橋は通行不能!』
通信が一度途切れる。
再び繋がった時、声はさらに切迫していた。
護送隊長『資料車は走行装置を損傷! 捕虜は確保している! 増援が来なければ、三十分も持たない!』
通信が切れた。
室内にいた全員が、同時に基地図へ目を向ける。
クルーガー。
基地指揮官と通信で繋がったM4A1。
蓮、VSK、AK-12、AK-15。
蓮だけは簡易寝台ごと運び込まれている。
車列が持ちこたえられる時間は、長くても三十分。
正式な契約条件を読み合わせる時間も、編成会議を行う時間もなかった。
M4A1「救援隊を編成します」
指揮官『M4A1、あなたに現場指揮を任せる。必要な人員を選んで』
M4A1「了解しました」
クルーガーが緊急権限用の認証端末を机へ置く。
クルーガー「渡邉蓮。正式な契約は、この戦闘が終わってから提示する」
蓮「今する話か?」
クルーガー「今だから必要な話だ。君へ、救援作戦に限った特別作戦補佐権限を与える」
蓮「俺は、この世界の法律も人形の運用規定も知らんぞ」
クルーガー「だから作戦全体はM4A1が指揮する。君が担当するのは、手元の情報を整理し、救援中核へ具体的な命令を出すことだけだ」
M4A1「蓮さんの案を私が確認し、作戦命令として承認します。単独で部隊を動かす形にはしません」
権限の範囲は狭い。
期限は、この基地襲撃が終わるまで。
身元確認も正式な適性審査も、すべて後回し。
だが、命令を受ける者が明確でなければ、残り三十分の戦場では一人ずつ判断が遅れる。
クルーガー「まず、VSKを君の直属要員とする。現場では副隊長として君の指示を代行させる」
VSK「了解しました、ボス」
蓮「待て。誰がボスだ」
VSK「蓮さんです」
蓮「俺は今、臨時の補佐役になっただけだぞ」
VSK「では、今は臨時のボスですね」
蓮「臨時でも勝手に決めるな」
AK-12「呼び始めてから、本当に部下になるところまで持っていったのね」
蓮「作戦みたいに言うな」
VSKは冗談で呼んでいるのではない。
蓮の直属として戦いたいと、自分からクルーガーへ申し出ていた。
蓮「VSK。本当に俺の指示で動くつもりか?」
VSK「はい。間違いがあれば部下として報告します。それでも必要な命令なら、理由を理解した上で従います」
蓮「危険な場所へ行かせることになる」
VSK「承知しています」
迷いのない返事だった。
クルーガーが扉へ目を向ける。
クルーガー「ほかの三名も入れ」
最初に入ってきたのは、胸元へ十字架を下げたG3。
交換された下肢フレームで、自分の足で立っている。
その後ろに、ブレン軽機関銃を携えたブレン。
最後に、対物狙撃銃を背負ったNTW-20が続いた。
蓮「G3、もう動いて大丈夫なのか?」
G3「下肢フレームの交換と神経接続は完了しています。ただし、長時間の全力走行には制限があります」
蓮「制限があるなら、異常が出る前に言え」
G3「はい」
ブレン「再会の挨拶は、それで終わりか?」
蓮「生きて会えた。それで十分だろ」
ブレンが僅かに笑う。
NTW-20「私はNTW-20だ」
蓮「渡邉蓮だ。よろしく」
蓮が右手を差し出す。
NTW-20は、その手と蓮の顔を一度ずつ見たあと、腕を組んだ。
蓮「握手は嫌いか?」
NTW-20「必要性を感じない。評価は任務の後にする」
蓮「厳しいな」
VSKが三名の横へ並ぶ。
VSK。
射撃、観測、護衛を担当し、現場で蓮の命令を代行する副隊長。
G3。
中近距離戦と前衛警戒を担当するライフル手。
ブレン。
継続した制圧射撃で小隊の移動を支える分隊支援火力。
NTW-20。
長距離射撃と軽装甲目標への対物射撃を担当する狙撃手。
クルーガー「この四名を、作戦終了まで君の直属へ置く。君を臨時小隊長、VSKを副隊長とする」
蓮「全員、本人の意思は確認したのか?」
VSK「私が最初に希望しました」
G3「私もです。今度は、助けられる側ではなく、誰かを連れて帰る側になりたいのです」
ブレン「お前が本当に部下を生きて帰す人間か、自分の目で確かめたい」
NTW-20「私はまだ評価していない。だから、近くで見る」
蓮「物好きが四人も揃ったな」
AK-15「一名では、あなたを制止できない可能性があります」
蓮「お前まで人数に納得するな」
AK-12「AK-15の計算は正しいと思うわ」
AK-12とAK-15は自然に同じ結論を返した。
互いへ説明する必要もない、同じ反逆小隊の連携だった。
M4A1「反逆小隊のAK-12とAN-94は、臨時小隊へ編入せず、救援作戦の支援に入ります。AK-15はクルーガー社長の護衛を継続してください」
AK-12「了解。現場ではVSKの指示に合わせるわ」
AK-15「私は社長の護衛と臨時指揮所の防衛を継続します」
これで、所属と指揮系統が分かれた。
M4A1が救援作戦全体を指揮する。
蓮が臨時指揮所から戦術案を組み立てる。
VSKが現場で四名を動かす。
AK-12とAN-94は反逆小隊のまま支援へ入る。
蓮「なら、小隊長として最初の命令だ」
四名が蓮を見る。
蓮「自分の命を、俺の許可なく捨てるな。危険なら報告しろ。無理なら下がれ。俺の命令が間違っていたら、その場で言え」
G3「了解しました」
ブレン「承知した」
NTW-20「分かった」
VSK「私からも、一つお願いします」
蓮「もう条件があるのか?」
VSK「ボスも、私の許可なく死なないでください」
蓮「……善処する」
VSK「善処では困ります」
正式な契約書はない。
部隊章も、正式名称もない。
それでも、五人が同じ命令の下で動くために必要なものは揃った。
M4A1「新編された臨時特別小隊を、地上車列へ接近する救援中核とします」
蓮「俺はこの身体だ。前へは出られんぞ」
M4A1「蓮さんは臨時指揮所で作戦立案と情報整理。VSKが現場を代行してください」
VSK「了解しました」
M4A1「G3、ブレン、NTW-20はVSKの指揮下へ。私が救援作戦全体を指揮します」
G3「了解しました」
ブレン「了解」
NTW-20「分かった」
蓮「VSK」
VSK「はい、ボス」
蓮「旧図、敵通信の記録、護送車列の装備一覧を揃えろ。俺たちの最初の仕事だ」
VSK「了解しました」
蓮「G3は再調整した脚の状態を確認。少しでも異常があれば、出撃前に必ず言え」
G3「はい、ボス」
蓮「俺までボスなのか?」
G3「小隊長ですから」
VSK「臨時でも、ボスはボスです」
蓮「嬉しそうだな、お前……」
蓮「ブレンは車列の残弾と、自分が持ち出せる弾薬量を照合。継続して撃てる時間を出せ」
ブレン「任せろ」
蓮「NTW-20は外周道路の射線を調べろ。敵車両のどれを止めれば、残りが詰まるか選んでくれ」
NTW-20「命令は具体的だな」
蓮「不満か?」
NTW-20「いや。評価を一つ上げた」
蓮「まだ一つかよ」
四人は、それぞれの役目へ迷わず動いた。
負傷した蓮の目となり、足となり、届かない場所へ力を運ぶために。
M4A1の指揮の下、包囲された仲間を救うために。
蓮は破壊された橋と、地図から消された暗渠を見比べる。
力だけでは、橋を戻せない。
知恵だけでは、追撃車両を止められない。
だが、使える力と情報を正しく組み合わせれば、まだ道は残されている。
負傷した身体で、蓮は静かに笑った。
VSK「ボス」
蓮「今度は何だ」
VSK「任務を終えたら、皆で乾杯しましょう」
蓮「……そのためにも、全員で帰ってこい」
蓮「さて。急造小隊の初陣といこうか」
◇
S09基地、東側外周道路。
破壊された橋の手前で、三両の車列が防御陣形を取っていた。
最後尾の装甲車が砲塔を後方へ向ける。
遠くの土煙から、敵車両の輪郭が現れ始める。
一両。
二両。
三両。
さらに、その後ろにも影がある。
護送隊長が弾倉を確認し、部下たちを見る。
護送隊長「救援は来る。証拠も、捕虜も、ここで奪わせるな」
誰も答えなかった。
答える代わりに、全員が銃を構える。
残された時間は、三十分。
蓮率いる新たな五人の小隊に与えられた、最初の任務が始まろうとしていた。
はい。
ヒロインはVSKと416ですね…可愛い子だァ…
次回は、新しい小隊です。
お楽しみに。
コメントお待ちしてます!
※2026年8月29日リメイク完了
好きな子がいたら適当に投票どうぞ!
-
HK416
-
VSK-94
-
AK-12
-
AR-15
-
アズールレーン 赤城
-
アズールレーン 加賀
-
艦これ 赤城
-
艦これ 加賀
-
雷電
-
スカイレイダー
-
シュバァルベ
-
渡邉 蓮
-
渡邉 隼人
-
渡邉 勇翔
-
小貝 高虎