陸自はドールズフロントライン、海自は艦これとアズールレーン、空自はアッシュアームズ三つの世界でバラバラになりながらでも生き残る   作:ゴーストライターとかした、素人小説書き

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第15話 貴方の温もりは私の心を救ってくれた。

第15話 貴方の温もりは私の心を救ってくれた。

 

 S09基地、中央管理棟二階。

 

 主司令部。

 

 廊下へ通じる防火扉の前には、机、書類棚、弾薬箱を組み合わせたバリケードが築かれていた。

 

 その隙間から、指揮官が慎重に外を確認する。

 

 遠くで短い銃声が響く。

 

 続いて、何か重い物が床へ倒れる音。

 

 それきり、再び静かになった。

 

指揮官「……今のは、味方かな」

 

G36「識別できません。中央中継器が破壊されているため、味方の所属信号も届いていません」

 

G36C「先ほどより銃声は減っています。基地全体では、こちらが押し返し始めている可能性があります」

 

 G36はバリケードの右側。

 

 G36Cは左側。

 

 二人とも銃口を防火扉へ向けたまま、廊下の気配を探っていた。

 

 基地襲撃が始まってから、すでに数時間。

 

 主司令部は孤立している。

 

 中に残っているのは、指揮官、カリーナ、G36、G36C、Vector。

 

 そして、レッドカンパニーの連絡将校一名。

 

 情報区画の戦闘が一度収まったあと、UMP45たちによって中央管理棟の安全区画へ移された捕虜だった。

 

 護送車列にいた監視兵と資料原本は、すでに基地内へ収容されている。

 

 敵に残された奪還対象は、この主司令部にいる連絡将校だけだった。

 

 司令部奥から、カリーナが携帯端末を抱えて走ってくる。

 

カリーナ「指揮官様! 北西の臨時指揮所から短文通信です!」

 

指揮官「読んで」

 

カリーナ「地上護送隊の救出完了。負傷者、監視兵、資料原本をすべて回収。死亡者なし」

 

 指揮官の肩から、僅かに力が抜ける。

 

指揮官「よかった……」

 

カリーナ「ただし、護送隊を追っていた傭兵と基地内の鉄血残存機が、こちらへ移動しています。確認できただけで三十以上」

 

G36「最後の目標を奪還するため、戦力を集中させたのでしょう」

 

G36C「増援が到着するまで、防衛を継続します」

 

 隔離室の扉が開いた。

 

 Vectorが、拘束した連絡将校を椅子ごと押してくる。

 

 男の顔は青ざめていた。

 

指揮官「Vectorちゃん。まさか、また焼夷手榴弾を見せたりしてないよね?」

 

Vector「見せただけ。使ってない」

 

指揮官「見せるのも禁止したよね?」

 

Vector「質問へ答えやすい雰囲気を作ろうとした」

 

男「こいつを俺から離せ!」

 

Vector「喋るな」

 

 男は、それだけで口を閉じた。

 

指揮官「捕虜を脅して得た供述は、手続きも信用性も崩れてしまうの。今は監視だけでいいから」

 

Vector「……分かった」

 

 その直後。

 

 中央階段の方向から、連続した射撃音が響いた。

 

カリーナ「敵、中央階段を突破!」

 

 指揮官は表情を切り替える。

 

指揮官「全員、最終防衛配置へ。救援が来るまで、ここを守るよ」

 

     ◇

 

 北西管理区、臨時指揮所。

 

 護送隊救出の成功報告が届いた直後、最後の赤い印が戦術表示盤へ浮かび上がった。

 

 中央管理棟、主司令部。

 

 クルーガー救出後も、戦術表示盤に残り続けていた、もう一つの優先目標だった。

 

G11『敵残存部隊、中央管理棟へ移動中。傭兵二十四。鉄血機は少なくとも十一』

 

M4A1「主司令部との直通回線は?」

 

G11『短文なら通る。でも、音声はほとんど無理』

 

 主司令部には、基地指揮官と主要管理要員がいる。

 

 そこを失えば、基地防衛の統制が崩れる。

 

 さらに、北西管理区の換気口から煙が入り始めていた。

 

 外周の燃料保管区で起きた小火災から、煙が流れ込んでいる。

 

 火そのものは消火班が抑えている。

 

 だが、負傷者と仮設通信機器を置いたまま、この場所を使い続けることはできない。

 

M4A1「臨時指揮所を移します。重要端末と負傷者は、中央管理棟地下の防護区へ。戦闘可能な者は移送路を確保したあと、主司令部を救援します」

 

 主司令部へ直接上がる中央階段は、敵が占拠している。

 

 しかし、北西連絡通路から中央管理棟四階へ入り、東側の防護用昇降路を使えば、負傷者を地下へ運べる。

 

 途中の分岐まで先行隊が確保する。

 

 移送列は右へ折れて地下防護区へ。

 

 戦闘可能な者だけが左へ進み、別の階段から主司令部へ向かう。

 

 壁際では、衛生要員が蓮の状態を確認していた。

 

 胸部の傷。

 

 左脚の負傷。

 

 どちらも治ってはいない。

 

 ただし、大量の食事を取る前より脈拍と体温は安定し、顔色も明らかに改善していた。

 

 衛生要員は回復を喜ぶより、その変化の速さを不審に思っているようだった。

 

衛生要員「自力歩行は許可しません。移送には車椅子を使います」

 

蓮「まだ何も言ってない」

 

衛生要員「顔に書いてあります」

 

蓮「担架より車椅子の方が早い。それでいい」

 

衛生要員「戦闘行動は禁止。立ち上がる場合は必ず補助を受ける。小銃は緊急時の自衛に限ります」

 

VSK「全部守ってください、ボス」

 

 帰投したばかりのVSKが、車椅子の後ろへ立つ。

 

 車椅子の右側には、蓮の89式小銃が固定されていた。

 

 安全装置を掛け、薬室は空。

 

 弾倉も別にしてある。

 

蓮「副隊長まで医療班側か」

 

VSK「直属の部下として、ボスの生命を守る義務があります」

 

蓮「まだ臨時だぞ」

 

VSK「臨時でも義務は変わりません」

 

 VSKの後ろでは、G3、ブレン、NTW-20が装備を確認している。

 

 弾薬は補充済み。

 

 G3の右脚部も、冷却と診断によって通常移動が可能と判定されていた。

 

M4A1「移動順を確認します。臨時特別小隊が先行。負傷者と指揮要員が中央。後衛はAR小隊が担当します」

 

AK-12「私とAN-94は先行へ付くわ。中央管理棟周辺の敵通信を確認できる」

 

AN-94「AK-12の護衛を継続します」

 

M4A1「お願いします。反逆小隊の所属は維持したまま、移送路ではVSKの現場指示に合わせてください」

 

AK-12「了解」

 

 AK-15はクルーガーの横へ残る。

 

AK-15「私はクルーガー社長と移送列中央を護衛します」

 

AK-12「中央は任せるわ、AK-15」

 

AK-15「先行路の情報共有をお願いします」

 

 二人のやり取りに余計な警戒も反発もない。

 

 互いの役目を理解している、同じ反逆小隊の連携だった。

 

 M4A1が作戦全体を指揮する。

 

 VSKが先行隊を動かす。

 

 AK-12とAN-94が電子偵察と前衛支援。

 

 AK-15がクルーガーと移送列を守る。

 

 指揮系統は明確だった。

 

蓮「VSK。中央管理棟へ入ったら、最初に地下防護区へ続く分岐を確保しろ。敵を追うより、負傷者を通す幅を優先」

 

VSK「了解しました」

 

蓮「G3は先頭。ただし走り続けるな。ブレンは交差点ごとに後方を押さえろ。NTW-20は長い通路だけを見る。狭い場所では対物銃を使うな」

 

G3「了解しました」

 

ブレン「任せろ」

 

NTW-20「妥当な命令だ」

 

蓮「評価は?」

 

NTW-20「食事の件で一つ下がったままだ」

 

蓮「まだ引っ張るのかよ」

 

VSK「先行隊、移動を開始します」

 

 臨時指揮所の端末が閉じられる。

 

 基地を巡る最後の救援作戦が始まった。

 

     ◇

 

 中央管理棟四階。

 

 幅の広い連絡通路では、FAL、Five-seveN、FNC、M14が鉄血のガードを相手に足止めされていた。

 

 廊下の中央には、胸元までを覆う大型盾を持ったガードが三体。

 

 その後方から、通常型が射撃を続けている。

 

FAL「また盾持ち! さっきより増えてるじゃない!」

 

Five-seveN「徹甲弾は、あと三発」

 

FAL「何で三発しかないのよ!」

 

Five-seveN「非常用を日常的に持ち歩く趣味はないもの」

 

FNC「その話、今するの!?」

 

M14「敵が前進します!」

 

 盾を並べたガードが、一歩ずつ距離を詰める。

 

 通常弾は盾の表面で弾かれた。

 

 FALたちが後退すれば、臨時指揮所から来る移送列の進路へ敵を通すことになる。

 

 敵の後方から、手榴弾が投げ込まれた。

 

 床へ落ちる。

 

 転がる。

 

M14「手榴弾!」

 

 爆発する寸前。

 

 一発の弾丸が手榴弾を弾き、盾持ちの足元へ戻した。

 

 爆発。

 

 盾が傾く。

 

 その隙間へ、G3の射撃が入った。

 

 駆動部を撃ち抜かれたガードが倒れる。

 

VSK「前進を止めます!」

 

 通路の後方から、VSKたちが入った。

 

 ブレンが軽機関銃を二脚へ預け、短い連射を送る。

 

 敵の通常型が遮蔽物へ伏せた。

 

 NTW-20は撃たない。

 

 この距離と壁材では、対物弾が貫通した先の味方まで危険に晒す。

 

 代わりに照準器で盾持ちの動きを追う。

 

NTW-20「左の盾。右側面に動力線が露出している」

 

G3「確認しました」

 

 三発。

 

 二体目の盾が落ちる。

 

 VSKは最後の一体へ発砲せず、その背後を見た。

 

 敵は後退している。

 

 盾持ちは、味方を守るためではなく通路中央へ残されていた。

 

VSK「射撃停止! 近づかないでください!」

 

FAL「どうして!?」

 

AK-12「盾の裏を見て」

 

 盾の背面には、灰色の爆薬が固定されていた。

 

 一本の起爆線が、ガードの胴体へ繋がっている。

 

 倒れた二体にも、同じ爆薬。

 

 量は、一体につき数キログラム。

 

 通路を落とすには十分だった。

 

AK-12「遠隔起爆信号を受信――伏せて!」

 

VSK「全員、後退!」

 

 VSKが振り返る。

 

 先行隊の後方。

 

 負傷者を載せた車椅子と、重要端末を運ぶ指揮要員が四階へ入ったところだった。

 

 蓮の車椅子を押していた衛生要員が、警告に気づく。

 

 だが、床の配線へ車輪が引っ掛かり、動きが止まった。

 

VSK「ボス!」

 

 VSKが走る。

 

 車椅子の横へ滑り込み、蓮の身体を右側の保守扉へ押し込んだ。

 

蓮「VSK、お前も入れ!」

 

 衛生要員は後方へ飛び退く。

 

 VSKが扉の内側へ身を投げた。

 

 直後。

 

 爆薬が連鎖して起爆した。

 

 轟音。

 

 通路全体が上下に揺れる。

 

 天井材と配管が落ち、爆風が保守扉を内側へ押した。

 

 非常灯が消える。

 

 視界が暗闇へ沈んだ。

 

     ◇

 

 耳鳴り。

 

 胸の痛み。

 

 口の中に広がる、鉄の味。

 

 蓮は数秒掛けて、自分がまだ意識を失っていないことを確認した。

 

蓮「……VSK」

 

VSK「ここにいます」

 

 すぐ近くから返事がある。

 

 VSKが小型灯を点けた。

 

 狭い保守区画。

 

 蓮は壁際へ座り込み、VSKがその身体を支えている。

 

 車椅子は入口近くで横倒しになっていた。

 

VSK「頭部の損傷は?」

 

蓮「ない。耳が鳴ってるだけだ」

 

VSK「胸は?」

 

蓮「痛い」

 

VSK「脚は?」

 

蓮「同じく」

 

VSK「正直で結構です」

 

 VSKは包帯の上から出血を確認する。

 

 傷口が大きく開いた様子はない。

 

 だが、一人で歩かせることはできない。

 

 無線機を使う。

 

VSK「こちらVSK。ボスと共に生存。保守区画へ退避しています」

 

 雑音。

 

 途切れた音声が、僅かに聞こえた。

 

M4A1『……了解……通路崩落……そちら、中央管理棟側……』

 

 通信が切れる。

 

蓮「向こうには届いた。たぶんな」

 

VSK「現在地は主司令部側です。図面上では、ここから約二百五十メートル」

 

 崩落を越えて仲間と合流するより、保守通路から主司令部へ進んだ方が近い。

 

 ただし、敵も同じ建物にいる。

 

蓮「俺を置いて、先に司令部へ行け」

 

VSK「却下します」

 

蓮「即答かよ」

 

VSK「ボスは、部下へ自分の許可なく命を捨てるなと命令しました」

 

蓮「ああ」

 

VSK「私も、ボスへ同じことをお願いしました」

 

蓮「覚えてる」

 

VSK「では、この話は終わりです」

 

 VSKは蓮の右腕を自分の肩へ回した。

 

VSK「私が支えます。歩幅は私に合わせてください」

 

蓮「副隊長が強くなったな」

 

VSK「ボスが弱っている時だけです」

 

蓮「ひどいな」

 

VSK「冗談です」

 

 VSKが微笑む。

 

 蓮は彼女の肩を借り、立ち上がった。

 

     ◇

 

 崩落した通路の反対側。

 

G3「ボス! VSK!」

 

 G3が瓦礫へ手を掛ける。

 

 M4A1がその腕を止めた。

 

M4A1「今動かせば、上の残骸が崩れます」

 

G3「しかし、このままでは――」

 

AK-12「二人とも生きているわ」

 

 AK-12が途切れた無線記録を見せる。

 

AK-12「位置は中央管理棟側。VSKが一緒なら、蓮を置いて進むことはない」

 

ブレン「だから安心しろと?」

 

AK-12「安心はしていない。でも、ここで全員が瓦礫を掘れば、主司令部が落ちる」

 

 M4A1は後方を見る。

 

 衛生要員と移送中の負傷者に、新たな損害はない。

 

 重要端末も無事だった。

 

M4A1「M16姉さん、AR-15、SOPⅡは移送列を護衛し、南側の予備階段から地下防護区へ向かってください」

 

M16A1「了解。そっちは任せたぞ」

 

AR-15「必ず二人を連れて戻って」

 

M4A1「はい」

 

 M16A1たちが、衛生要員と指揮要員を別経路へ誘導する。

 

 M4A1はG3、ブレン、NTW-20を見る。

 

M4A1「VSKが不在の間、臨時特別小隊の三名は私が直接指揮します。下階の整備通路から主司令部へ迂回します」

 

G3「……了解しました」

 

ブレン「了解」

 

NTW-20「異議はない」

 

AK-12「私とAN-94も引き続き支援するわ」

 

AN-94「了解しました」

 

FAL「私たちも行く。助けられただけで終わるつもりはないわ」

 

Five-seveN「徹甲弾は残り二発だけれどね」

 

FAL「それはもう聞いた!」

 

 FNCとM14も頷く。

 

M4A1「主司令部を救援します。急ぎましょう」

 

     ◇

 

 中央管理棟三階。

 

 蓮とVSKは、薄暗い保守通路を進んでいた。

 

 一歩ごとに、蓮の左脚へ痛みが走る。

 

 胸の傷も、呼吸に合わせて熱を持つ。

 

 それでも、VSKの歩調は一定だった。

 

 蓮の身体を無理に引かない。

 

 右脚へ体重を移す瞬間だけ進み、左脚が床へ着く前に速度を落とす。

 

 負傷者を運ぶ方法を理解している動きだった。

 

蓮「警察にいた時、救護も習ったのか?」

 

VSK「はい。応急処置と負傷者搬送は一通り」

 

蓮「助かる」

 

VSK「もっと褒めてもいいですよ」

 

蓮「帰ったらな」

 

 前方から、複数の足音が聞こえた。

 

 VSKが小型灯を消す。

 

 十人以上。

 

 重い装備が触れ合う音もする。

 

 この狭い場所で戦えば、蓮を守りながら離脱することは難しい。

 

 右側に、保守用品を収めた金属製収納庫があった。

 

 一人用に近い大きさだが、内部の棚は外れている。

 

蓮「入るぞ」

 

 VSKが先に蓮を入れ、続いて自分も身体を滑り込ませた。

 

 扉を閉じる。

 

 暗闇。

 

 狭い。

 

 蓮の背中が奥の壁へ触れ、その胸元へVSKの身体が重なる。

 

 VSKは蓮の胸を圧迫しないよう、両腕を壁へ付いて体重を逃がした。

 

蓮「すまん。狭いな」

 

VSK「問題ありません」

 

 足音が近づく。

 

 蓮はVSKの背中へ右腕を回し、収納庫の壁へ身体が当たらないよう支えた。

 

 VSKの耳元へ、蓮の心音が伝わる。

 

 トクン。

 

 トクン。

 

 一定の間隔。

 

 暖かい。

 

 クリミアの地下収容区。

 

 冷え切った床。

 

 動かない脚。

 

 破れた衣服を隠すため、自分へ掛けられた上着。

 

 そして、初めて身体を抱き上げられた時に感じた温度。

 

 その記憶が、現在の心音へ重なる。

 

 強張っていたVSKの肩から、僅かに力が抜けた。

 

 収納庫の外を、傭兵たちが通過する。

 

傭兵「急げ! 二階の司令部を落とせ!」

 

傭兵「連絡将校を確保したら、残りは焼いていい!」

 

 靴音が遠ざかる。

 

 それでもVSKは、すぐには動かなかった。

 

蓮「VSK」

 

VSK「……はい」

 

蓮「寝てたか?」

 

VSK「眠ってはいません。少し、安心していただけです」

 

蓮「敵の真ん中で?」

 

VSK「ボスの心音が聞こえましたから」

 

蓮「生存確認には便利だな」

 

VSK「……帰ったら、理由をお話しします」

 

蓮「なら、二人とも帰らないとな」

 

VSK「はい。約束です」

 

 外の気配が消える。

 

 二人は収納庫を出た。

 

 前方から、主司令部の防火扉を破壊する爆発音が響く。

 

VSK「急ぎます」

 

蓮「ああ」

 

 VSKの肩を借りた蓮は、一歩ずつ二階へ続く保守階段を下りていった。

 

     ◇

 

 主司令部前。

 

 中央階段から上がってきた傭兵たちが、防火扉へ射撃を集中させていた。

 

 バリケードの木材が裂ける。

 

 金属棚へ弾丸が当たり、火花が飛ぶ。

 

G36「右側、三名!」

 

G36C「確認!」

 

 G36Cが短い連射を返す。

 

 傭兵が廊下の角へ下がった。

 

 G36は別方向から接近した鉄血のリッパーを撃つ。

 

 弾薬は残り少ない。

 

 Vectorは拘束した連絡将校を司令部奥へ座らせ、その前に立っていた。

 

男「助けが来たぞ! お前たちは終わりだ!」

 

Vector「静かにして」

 

男「俺に何かしたら、お前も――」

 

Vector「指揮官に殴るなと言われた。だから喋らないで」

 

 Vectorの声は平坦だった。

 

 男は再び黙る。

 

カリーナ「予備扉のロック、あと二分しか持ちません!」

 

指揮官「救援からの連絡は?」

 

カリーナ「ありません!」

 

 正面の防火扉へ、強い衝撃。

 

 蝶番が一つ外れる。

 

 敵が爆薬を設置している。

 

G36「全員、扉から離れてください!」

 

 指揮官がカリーナを机の陰へ押し込む。

 

 G36とG36Cが左右へ退避。

 

 爆発。

 

 防火扉が内側へ倒れた。

 

 煙の中から、傭兵が入ってくる。

 

 しかし、先頭は司令部へ踏み込む前に止まった。

 

 側面の保守扉から放たれた弾丸が、持っていた小銃の機関部へ当たったためだった。

 

 小銃が手から落ちる。

 

 次の二発が、後続の足元を叩いた。

 

VSK「武器を捨ててください!」

 

 保守扉の陰から、VSKが銃を構えている。

 

 その後ろには、壁へ肩を預けた蓮。

 

 89式小銃は右手にあるが、銃口は床へ向けたまま。

 

 弾倉も装着していない。

 

指揮官「蓮さん!?」

 

蓮「話はあとだ! G36、左の机を一メートル前へ! G36Cは右壁へ射線を作れ!」

 

 G36は一瞬で意図を理解した。

 

 机を前へ押す。

 

 倒れた防火扉と机の間に、狭い通路ができた。

 

 敵が一度に入れる人数は一人。

 

蓮「Vector、捕虜を奥のサーバー架台へ移せ! 敵はそいつを撃てない!」

 

Vector「了解」

 

男「俺を盾にする気か!」

 

蓮「盾にはしない。お前を奪い返しに来た奴らの流れ弾から守るだけだ」

 

 Vectorが男の椅子を引き、射線から外す。

 

 敵が顔を出す。

 

 VSKの一発が武器だけを弾いた。

 

 別の傭兵が倒れた防火扉を越えようとする。

 

 G36Cの射撃が床へ走り、足を止める。

 

蓮「敵は連絡将校を生かして回収するつもりだ! 司令部内へ手榴弾は投げにくい! 入口だけ止めろ!」

 

指揮官「分かりました!」

 

 蓮は壁際へ座り込んだ。

 

 立ち続ける力は残っていない。

 

 それでも、目は入口から離さない。

 

VSK「ボス、出血が増えています」

 

蓮「見えてる。あと少しだけ持たせろ」

 

VSK「あと少しで終わらせます」

 

 VSKは入口を狙い続ける。

 

 副隊長として。

 

 直属の部下として。

 

 そして、自分を救った者を守るために。

 

     ◇

 

 中央管理棟一階。

 

 M4A1たちの迂回部隊が、主司令部へ続く階段へ到達した。

 

 敵の後衛が階段を守っている。

 

 AK-12が短距離通信を聞き取る。

 

AK-12「二階へ十四。階段に六。残りは退路を確保しようとしている」

 

M4A1「退路側はほかの部隊へ通報。私たちは二階へ上がります」

 

 G3が階段の角へ小型鏡を出す。

 

G3「上段に二。中間踊り場に四。軽機関銃一」

 

ブレン「軽機関銃は私が止める」

 

NTW-20「ここでは対物銃を使えない」

 

M4A1「NTW-20は後方警戒。突破後、二階の長廊下から司令部前を監視してください」

 

NTW-20「了解」

 

AK-12「敵が階段へ引いた仮設電源を落とすわ」

 

 AK-12が配電箱の位置をAN-94へ示す。

 

AN-94「確認しました」

 

 一発。

 

 階段の仮設灯が消える。

 

 同時に、ブレンが短い制圧射撃を送った。

 

 軽機関銃手が頭を下げる。

 

 G3とM4A1が階段へ入った。

 

 FALたちが続く。

 

FAL「今度こそ、借りを返すわよ!」

 

Five-seveN「徹甲弾、残り二発」

 

FAL「それはもう聞いた!」

 

 暗闇の中、敵の射撃は乱れた。

 

 G3は熱源を頼りに一人ずつ武器を止める。

 

 M4A1が降伏を呼び掛ける。

 

 抵抗を続ける者だけを制圧し、階段を押し上げた。

 

 二階へ出た時、主司令部前の敵は背後を取られたことに気づく。

 

AK-12「挟まれたわね」

 

AN-94「退路はありません」

 

M4A1「武器を捨ててください! 抵抗を止めれば攻撃しません!」

 

 司令部側からはVSK。

 

 階段側からはM4A1たち。

 

 傭兵たちは二方向から狙われた。

 

 一人が銃を床へ置く。

 

 次の一人も続く。

 

 最後まで抵抗しようとした部隊長を、AN-94が腕への一発で止めた。

 

 銃声が止む。

 

 中央管理棟に、短い静寂が戻った。

 

     ◇

 

M4A1「主司令部、確保しました」

 

 報告と同時に、G3が司令部へ駆け込む。

 

G3「ボス!」

 

 壁際へ座る蓮を見つける。

 

 VSKが包帯の上から圧迫止血を続けていた。

 

蓮「走るなって言ったろ」

 

G3「今は戦闘が終わりました」

 

蓮「そういう問題か?」

 

VSK「ボス。喋らないでください」

 

蓮「はい」

 

 衛生要員が到着し、蓮の状態を確認する。

 

衛生要員「移送だけと言いましたよね?」

 

蓮「爆発に言ってくれ」

 

衛生要員「歩きましたね?」

 

蓮「VSKに支えてもらった」

 

衛生要員「小銃も持っています」

 

蓮「撃ってない。弾倉も入れてない」

 

VSK「本当です。ボスは指示だけでした」

 

 衛生要員はVSKを見る。

 

 次に蓮を見る。

 

衛生要員「その点だけは評価します。すぐ担架へ」

 

 折り畳み担架へ、蓮が移される。

 

 VSKは最後まで手を離さなかった。

 

 指揮官が二人の前へ来る。

 

指揮官「助けてくれて、ありがとうございます」

 

蓮「俺は道に迷って、ここへ着いただけだ」

 

指揮官「道に迷った人は、司令部の防御を組み直したりしません」

 

蓮「部下が優秀だったんだよ」

 

 蓮がVSKを見る。

 

VSK「はい。臨時でも、ボスの部下ですから」

 

 その返答に、指揮官が小さく笑う。

 

 司令部奥では、Vectorが連絡将校を警備班へ引き渡していた。

 

Vector「焼かずに返す」

 

警備員「……ありがとうございます」

 

Vector「指揮官との約束だから」

 

 M4A1が状況報告をまとめる。

 

M4A1「中央管理棟の敵を制圧。主司令部要員、全員無事。連絡将校も確保しています」

 

 地上護送隊。

 

 監視兵と資料原本。

 

 主司令部と連絡将校。

 

 北西管理区で確認された二つの目標は、どちらも守られた。

 

 それから間もなく、基地内に残っていた敵部隊も投降または外周へ撤退した。

 

 S09基地を巡る戦いは、ようやく終わった。

 

     ◇

 

 二時間後。

 

 主司令部に隣接する救護室。

 

 基地内の組織的な戦闘は終結していた。

 

 各区画では、投降者の収容、負傷者の搬送、火災の消火が進められている。

 

 蓮は再処置を受け、簡易寝台へ寝かされていた。

 

 胸部の傷は開きかけていたが、再縫合が必要なほどではない。

 

 左脚も悪化していない。

 

 ただし、今度こそ絶対安静を命じられた。

 

 救護室の中央へ、小さな机が運び込まれている。

 

 その周囲に、クルーガー、基地指揮官、M4A1、VSK、G3、ブレン、NTW-20。

 

 少し離れた場所には、AK-12とAK-15、AN-94もいた。

 

 クルーガーが一枚の契約端末を机へ置く。

 

クルーガー「渡邉蓮。緊急権限による君の任務は、これで終了した」

 

蓮「なら、俺はまた無職か」

 

クルーガー「そうならないための話だ」

 

 端末へ契約条件が表示される。

 

クルーガー「改めて、君へグリフィンとの特別契約を提案する」

 

蓮「指揮官になれという話なら断る」

 

クルーガー「独立部隊の指揮官ではない。身元確認と適性審査を終えるまでは、特別作戦補佐官としての暫定契約だ」

 

 グリフィンの作戦規定に従うこと。

 

 捕虜と民間人の保護規定を守ること。

 

 作戦全体の決定権は、基地指揮官または任命された現場指揮官が持つこと。

 

 蓮は情報分析、作戦立案、部隊教育を担当すること。

 

 個別に配属された要員については、限定された範囲で直接指揮権を持つこと。

 

蓮「俺はこの時代の法律も、政治関係も、人形の運用規定も知らない」

 

クルーガー「知らないことを把握し、知る者へ確認できる人間は貴重だ。今日の君は、M4A1の指揮へ従いながら、手元の情報と部下の能力を組み合わせた」

 

M4A1「独断ではありませんでした。危険な案は事前に報告し、現場のVSKへ判断の余地も残していました」

 

クルーガー「だから契約を提示している」

 

 クルーガーがVSKを見る。

 

クルーガー「VSKを、君の直属部下兼副隊長として正式に配属する」

 

VSK「よろしくお願いします、ボス」

 

蓮「もう臨時じゃないからって、真っ先にそこを確定させるな」

 

VSK「呼び慣れておいて正解でした」

 

AK-12「先に外堀を埋めた成果ね」

 

蓮「作戦みたいに言うな」

 

 クルーガーは続ける。

 

クルーガー「G3、ブレン、NTW-20も、本人たちの希望を確認した上で君の直属へ置く」

 

G3「今後も、よろしくお願いします」

 

ブレン「まだ、お前が部下を生きて帰す人間か見届ける途中だからな」

 

NTW-20「今日の評価は一つ上げた。正式配属を受ける理由としては十分だ」

 

蓮「全部でいくつあるんだ、その評価」

 

NTW-20「教えない」

 

 臨時に編成された五人は、そのまま正式な小隊として承認された。

 

 正式名称と部隊章が決まるまでは、引き続き「臨時特別小隊」の呼称を用いる。

 

 蓮が小隊長。

 

 VSKが直属副官兼副隊長。

 

 G3が前衛。

 

 ブレンが制圧射撃。

 

 NTW-20が長距離および対物射撃。

 

 より上位の現場指揮官が任命された場合、小隊単位でその指揮下へ入る。

 

 反逆小隊のAK-12、AK-15、AN-94は編入されず、必要に応じて協力する。

 

AK-12「私たちは私たちの小隊のまま。けれど、面白い作戦なら手伝うわ」

 

AK-15「正式な支援命令がある場合に限ります」

 

AK-12「あら、そこは私より真面目ね」

 

AK-15「役割分担です」

 

 AK-12が笑い、AK-15はいつもどおり無表情で返す。

 

 対立ではない。

 

 性格の異なる二人が、互いのやり方を理解しているだけだった。

 

蓮「契約条件の残りは?」

 

クルーガー「衣食住、医療、身元保証、保険、週二日の非番を保障する。君の兄弟を捜すため、グリフィンの公開情報網も利用できる」

 

 蓮が報酬欄を見る。

 

蓮「月額六十万。危険手当と作戦手当は別……?」

 

クルーガー「働きに見合う対価は払う」

 

蓮「まさかのホワイト企業だった」

 

VSK「入社理由がお給料だけでなくて安心しました」

 

蓮「大事だぞ、給料」

 

 蓮の視線が契約期間へ移る。

 

クルーガー「君の望む者たちが見つかるまで。見つかった後は、契約を終えても、継続しても構わん」

 

 隼人。

 

 勇翔。

 

 どこにいるのか。

 

 同じ世界にいるのかさえ分からない。

 

 一人で探せば、手掛かりを得る前に力尽きる可能性が高い。

 

 グリフィンの情報網。

 

 衣食住と治療。

 

 そして、自分の直属として立つことを選んだ四名。

 

 断る理由はなかった。

 

蓮「契約する。ただし、俺の過去を勝手に漁るな。手帳の中身も、俺の許可なく他人へ見せない」

 

クルーガー「認めよう。必要な身元確認は行うが、目的と範囲は事前に説明する」

 

AK-12「私も?」

 

蓮「お前は特にだ」

 

AK-12「残念」

 

 蓮が契約端末へ署名する。

 

 旧時代の人間が、百年以上先の世界で初めて得た所属。

 

 仮のもの。

 

 審査付きのもの。

 

 それでも、独りで彷徨う状態とは違う。

 

クルーガー「ようこそ、グリフィンへ。渡邉蓮」

 

VSK「改めて、よろしくお願いします。ボス」

 

蓮「ああ。よろしく頼む、VSK」

 

 VSKが嬉しそうに目を細める。

 

 そこで、カリーナが紙のカップを載せた盆を運んできた。

 

 中身は、補助シェルターから回収された温かい紅茶。

 

蓮「今度こそ、本当に乾杯か」

 

クルーガー「ああ。戦闘は終わった。区切りを付けても誰も責めん」

 

 M4A1、VSK、G3、ブレン、NTW-20もカップを受け取る。

 

クルーガー「失ったものは多い。基地は傷つき、戻らなかった者もいる」

 

 屋上へ自分たちを送り届けた機長。

 

 基地内で倒れた者たち。

 

 勝利という言葉だけで、その死を覆い隠すことはできない。

 

クルーガー「だが、守られた命がある。持ち帰られた証拠がある。そして、新しい力が加わった」

 

 クルーガーがカップを掲げる。

 

クルーガー「失った者への敬意と、これから救える命へ」

 

M4A1「乾杯」

 

G3「乾杯」

 

ブレン「新しい小隊に」

 

NTW-20「……乾杯」

 

VSK「乾杯、ボス」

 

蓮「……新たなる希望に、乾杯」

 

 紙のカップが、小さく触れ合った。

 

     ◇

 

 会議が終わり、皆がそれぞれの仕事と休息へ戻ったあと。

 

 救護室には蓮とVSKだけが残っていた。

 

 VSKは直属副官として、寝台の横へ椅子を置いている。

 

蓮「お前も休んでこい」

 

VSK「ここで休みます」

 

蓮「椅子だぞ」

 

VSK「クリミアの床より快適です」

 

蓮「比較対象が悪すぎる」

 

 VSKが小さく笑う。

 

 それから、収納庫で交わした約束を思い出したように表情を改めた。

 

VSK「先ほどの理由を、お話ししてもよろしいですか?」

 

蓮「ああ。言いたくないことまで、無理に話す必要はないぞ」

 

VSK「ボスには、知っていてほしいのです」

 

 VSKは自分の両手を見る。

 

VSK「私が警察官として勤務していた地区へ、武装集団が侵入しました。最初に狙われたのは、避難所として使われていた学校です」

 

蓮「子供がいたのか」

 

VSK「はい。大勢」

 

 署長と残っていた警察官たちは、避難用車両が裏門から出るまで正面を守った。

 

 車両が学校を出たところまでは確認できた。

 

 その先で子供たちが助かったのかは分からない。

 

 警察官たちは包囲された。

 

 署長も、同僚も倒れた。

 

 VSKは損傷し、武器を失い、捕らえられた。

 

VSK「その後、何日地下にいたのかも覚えていません」

 

 殴られた。

 

 嘲笑われた。

 

 警察官としても、一人の人間としても、尊厳を踏みにじられた。

 

 助けを求めても、誰も来なかった。

 

VSK「最後は、もうこのまま壊されて終わるのだと思っていました」

 

 蓮は何も挟まない。

 

 軽い慰めで埋めていい言葉ではなかった。

 

VSK「そこへ、ボスが来ました」

 

蓮「……ああ」

 

VSK「最初は、また別の兵士が来たと思いました。けれど、ボスは私を見て、すぐに武器を下げた」

 

 蓮にも、その時の光景が残っている。

 

 冷たい床へ座り込み、両脚を動かせず、それでも銃口から目を逸らさなかったVSK。

 

VSK「『助けに来た』と言ってくれました」

 

蓮「泣きそうな顔をしてたから、慌てて出た言葉だ」

 

VSK「それでも、私には必要な言葉でした」

 

 VSKは蓮の右手を取る。

 

 両手で、そっと包む。

 

VSK「上着を掛けてくれた」

 

VSK「私の傷を見ても、嫌な顔をしなかった」

 

VSK「身体へ触れる前に、必ず声を掛けてくれた」

 

VSK「そして、自分も傷だらけなのに、私を抱えて地上まで運んでくれました」

 

蓮「置いていく理由がなかっただけだ」

 

VSK「皆が、そうするわけではありません」

 

 VSKの手から、確かな温度が伝わる。

 

VSK「収納庫でボスの心音を聞いた時、あの時の温度を思い出しました」

 

蓮「だから、敵の真ん中で安心したのか」

 

VSK「はい。怖いはずなのに、ここは安全だと思えたのです」

 

 VSKが蓮をまっすぐ見る。

 

VSK「貴方の温もりは、私の心を救ってくれました」

 

 蓮は、すぐに答えられなかった。

 

 銃弾を避ける方法なら考えられる。

 

 敵を欺く言葉も出る。

 

 だが、まっすぐ差し出された感謝を受け取る方法は、よく分からない。

 

蓮「……俺は、そんな立派な人間じゃない」

 

VSK「知っています」

 

蓮「そこは否定してくれよ」

 

VSK「立派だから選んだのではありません」

 

 VSKは手を離さない。

 

VSK「傷があっても、迷いがあっても、最後に誰かを置いていかない人だから選びました」

 

蓮「買いかぶりだ」

 

VSK「では、これから直属の部下として確かめます」

 

蓮「長い確認になりそうだな」

 

VSK「はい。ですから、勝手に死なないでください」

 

蓮「お前もだ」

 

VSK「約束ですね」

 

蓮「ああ。約束だ」

 

 VSKは安心したように目を細め、握った手の上へ額を預けた。

 

 しばらくして、その呼吸がゆっくりになる。

 

蓮「VSK?」

 

 返事はない。

 

 眠っている。

 

 クリミアで捕らえられて以来、初めて誰かの傍らで警戒を解き、自分から眠ることを選んだのだ。

 

 蓮は起こさなかった。

 

 握られた手の指先を、僅かに動かす。

 

 VSKの手が、それへ応えるように少しだけ強くなる。

 

 救われた温もりを、今度は失わないために。

 

 そして、傷を抱えたまま前へ進もうとする人を、自分の手で支えるために。

 

 戦いの終わった救護室で、二人はようやく静かな夜を迎えた。




はい。

クリスマス?

おめでとう!今日も一人だ!!(号泣)

そんな一日をゲームのキャラで慰めてもらう素人小説書きです。

決戦は次の章ですのでお待ちを…

アンケート変わりましたが小説には何も関係ありませんので、お好きに入れてもらってください。

次回はウマ娘書いてから海自に移ります!

それでは!

ちなみに、とりあえずの目標は評価赤にしたいぐらいですね!

モチベアップの為にコメントお願いします!



一日に遅れですが、メリークリスマス!!

皆様の人生に幸あらん事を!!

※2026年8月29日リメイク完了

好きな子がいたら適当に投票どうぞ!

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  • VSK-94
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  • アズールレーン 赤城
  • アズールレーン 加賀
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