陸自はドールズフロントライン、海自は艦これとアズールレーン、空自はアッシュアームズ三つの世界でバラバラになりながらでも生き残る   作:ゴーストライターとかした、素人小説書き

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|ω・`)ノ ヤァ

|ω・`)素人小説書きだよ。

|ω・`)今回は三週目を記念して主に出てくると思う登場人物を書かせてもらうよ。

|ω・`)一応、これを見る前に先に本編を見ることをお勧めするよ。

|ω・`)出来るだけネタバレはしない方針だから、出てこない子がいるかもしれないけど、そこは了承してね?

|ω・`)後、登場している子って全員エッチ…{ドンドンドン!!!FBI!!OPENUP!!!}

|ω・`)あ…じゃあ、楽しく見てね…


零話 艦隊これくしょん アズールレーン ドールズフロントライン アッシュアームズ に登場する愉快な人達

零話 艦隊これくしょん・アズールレーン・ドールズフロントライン・アッシュアームズに登場する愉快な人たち

 

 四つの世界には、それぞれ異なる戦場がある。

 

 陸では、銃の名を持つ戦術人形たちが廃墟を駆ける。

 

 海では、艦娘とKAN-SENが同じ海を走り、ときには同じ艦名を名乗る者同士が顔を合わせる。

 

 空では、人の姿をしたDOLLSがARMSをまとい、文明を脅かすリセッターと戦っている。

 

 そして、その世界へ迷い込んだ四人の男たちは、未来の記憶と容易には再現できない装備を持ち込んだ。

 

 彼らは英雄なのか、問題児なのか、それとも単に騒ぎを大きくする人たちなのか。

 

 ひとまず、物語へ深く関わる者たちの名と、その手にある装備をここへ記しておく。

 

 なお、人物評は本人たちの発言をほぼそのまま掲載している。冗談、照れ隠し、私怨、責任転嫁が含まれていても、編集側は責任を負わない。

 

目次

 

零話・一 陸を歩く、少し物騒な人たち

 

零話・二 海を走る、賑やかな鉄の人たち

 

零話・三 空を飛ぶ、愉快で危険な人たち

 

零話・資料 四人の主人公が持ち込んだ装備

 

零話・一 陸を歩く、少し物騒な人たち

 

 銃の名前を持つ人形が、人間の代わりに戦場へ立つ世界。

 

 そこでは今日も、企業が契約を結び、戦術人形が命令を受け、鉄血の人形たちが廃墟を歩き回っている。

 

 そんな場所へ、銃の名前を持たない一人の日本人が落ちてきた。

 

 彼が味方なのか、危険人物なのか。

 

 その質問に対する答えは、聞く相手によって大きく異なる。

 

 そこで今回は、S09地区を中心に活動する人物のうち、物語へ深く関わる者だけを紹介する。

 

 なお、以下の資料は現在公開可能な記録を基に作成している。

 

 経歴の一部が消えていても、記録担当者の怠慢とは限らない。

 

 また、「人物評」は本人たちの発言をほぼそのまま掲載した。内容の正確性と礼儀について、編集側は責任を負わない。

 

渡邉蓮

 

所属・経歴

 

第129期訓練課程修了

第403大隊

第1師団第1普通科連隊

第1空挺団

特殊作戦群第5小隊

S09地区臨時特別小隊長

 

外見

 

身長一七三センチ。引き締まった体格をしており、頬には古い切創の痕が残る。

 

人物

 

渡邉三兄弟の長男。

 

普段は穏やかで、傷ついた者や立場の弱い者を見捨てられない。一方、戦闘へ入れば感情を切り離し、敵の抵抗能力を確実に奪うまで攻撃を止めない。

 

優しさと苛烈さは別人格のように見えるが、どちらも「味方を生きて帰す」という一つの目的から生まれている。

 

歩兵戦、潜入、近接戦闘、即席部隊の指揮を得意とする。決められた戦術へ相手を合わせるのではなく、その場にある地形、人員、武器へ自分の戦い方を合わせるタイプ。

 

最大の問題は、自分の命を作戦資源として安く見積もること。本人は合理的判断だと思っているが、周囲はまったく納得していない。

 

なお、鏡へ話しかけている姿を見たという証言がある。本人は詳細を語っていない。

 

人物評――蓮本人による

 

416――「放っておけない。たぶん、向こうも同じことを思ってる」

VSK-94――「冷静で頼れる副隊長。ただし、俺への命令だけ妙に厳しい」

G3――「一緒にいると場が落ち着く。無理を隠すのは下手」

ブレン――「口は厳しいが、背中を任せられる」

M4A1――「俺より指揮官らしい。だから、あいつの命令には従う」

AR-15――「よく見てる。俺が自分で止まれない時まで」

AK-12――「面白がって人を試すな。あと、勝手に端末を調べるな」

AN-94――「強い。自分で思っているより、ずっと感情もある」

AK-15――「次に会う時は、まず話し合いたい。殴り合いはその後だ」

 

416

 

所属・経歴

 

S09地区所属戦術人形

古参戦闘要員

過去の任務記録――一部閲覧制限

 

外見

 

身長一七〇センチ。目元には、涙の跡を思わせる特徴的な意匠がある。

 

人物

 

S09地区の設立初期から戦い続けてきた戦術人形。

 

冷静で判断が早く、状況が崩れた時ほど余計な言葉を減らす。部隊運用と射撃の両方に優れ、自分が前へ出るべき場面と、全体を支えるべき場面を見誤らない。

 

かつてS09地区で大きな喪失を経験している。その記録の大半は現在も非公開。生還後は任務だけをこなす時期が続いたが、クリミア半島で正体不明の日本人と出会ってから、少しずつ行動が変わり始めた。

 

本人は「必要な判断をしているだけ」と主張している。

 

周囲は、蓮が関係すると必要の範囲が急に広がることへ気づいている。

 

人物評――416本人による

 

蓮――「帰ると言ったのだから、帰ってくるまで捜す。それだけよ」

VSK-94――「有能な人形。蓮の副隊長でなければ、もっと素直に評価できた」

G3――「昔から変わらない。だから、帰ってきてくれてよかった」

M4A1――「いずれ追い越すべき相手。今はまだ、見ている途中よ」

AR-15――「射撃の腕は認める。愛想については私から言えることではない」

SOPⅡ――「騒がしい。でも、静かにされると心配になる」

 

VSK-94

 

所属・経歴

 

警察局勤務

占領地にて捕虜

S09地区保護

臨時特別小隊副隊長

 

外見

 

身長一六九センチ。雪の結晶をかたどった髪飾りが目印。

 

人物

 

かつて警察局で勤務していた人形。

 

鉄血の侵攻時、避難民を逃がすために持ち場へ残り、戦闘の末に捕虜となった。収容中の記録は、本人の尊厳と捜査上の理由から公開されていない。

 

救出後はS09地区の保護を受け、やがて蓮が指揮する臨時特別小隊の副隊長へ就く。

 

温和な印象に反して、任務中の判断は明確。蓮の命令も無条件には受け入れず、部下を危険へ晒すと判断すれば理由を求める。蓮が自分を犠牲にしようとした場合は、命令そのものを却下することもある。

 

最近、「臨時でもボスはボスです」という便利な理屈を覚えた。

 

人物評――VSK-94本人による

 

蓮――「強くて優しい方です。ですから、ご自分にも同じ優しさを向けてください」

416――「信頼できる方です。ただ、ボスを見る目については話し合いが必要ですね」

G3――「無理をして笑う時があります。そういう時こそ、そばにいたいです」

ブレン――「厳しい言葉を使いますが、本当に見捨てる人ではありません」

AK-12――「笑顔のまま何を考えているのか分からないので、警戒しています」

AN-94――「寡黙ですが、AK-12さんの話になると分かりやすいですね」

 

G3

 

所属・経歴

 

S09地区所属戦術人形

一時行方不明

臨時特別小隊戦闘要員

 

人物

 

落ち着いた物腰で、負傷者や不安を抱えた者へ自然に寄り添える人形。

 

戦闘では先頭を進めるだけの技量を持つが、無謀な突撃を好むわけではない。周囲の状態を見ながら速度を調整し、遅れた者を置いていかないことを重視する。

 

過去の戦闘で下肢フレームへ大きな損傷を負い、交換と神経接続を受けた。通常行動には支障がないものの、長時間の全力走行には制限が残る。

 

本人が臨時特別小隊へ志願した理由は、「今度は、助けられる側ではなく、誰かを連れて帰る側になりたい」から。

 

人物評――G3本人による

 

蓮――「安心できる方です。でも、安心して目を離せる方ではありません」

416――「長い付き合いです。言葉が少ない時ほど、考えていることが分かります」

VSK-94――「副隊長として頼りになります。少しだけ、ボスへ過保護でしょうか」

ブレン――「怖く聞こえる時もありますが、いつも皆の歩調を見ています」

 

ブレン

 

所属・経歴

 

S09地区保護下

臨時特別小隊戦闘要員

 

人物

 

歯に衣着せぬ言い方をする戦術人形。

 

弱気になった者へ優しい慰めを与えるより、立ち上がるために必要な言葉を投げる。冷たく聞こえることもあるが、自分だけ安全な場所へ下がることはなく、最後尾や負傷者の運搬といった負担の大きい役目を黙って引き受ける。

 

支援射撃と退路の確保を得意とし、混乱した集団を前へ動かす力がある。

 

蓮が部下を生きて帰す指揮官なのか、自分の目で確かめるため臨時特別小隊へ加わった。

 

人物評――ブレン本人による

 

蓮――「腕は認める。だが、自分まで生還者へ数える癖をつけろ」

VSK-94――「副隊長らしくなった。ボスの扱いだけは最初から妙にうまい」

G3――「無理なら無理と言え。黙って倒れるより、ずっと役に立つ」

M4A1――「迷いはするが、最後には自分で命令を出す。隊長ならそれでいい」

 

M4A1

 

所属・経歴

 

AR小隊隊長

 

外見

 

身長一六七センチ。前髪の一部に黄緑色の差し色が入っている。

 

人物

 

AR小隊を率いる戦術人形。

 

慎重で、決断する前に多くの可能性を考える。その姿勢が迷いに見えることもあるが、命令によって誰が危険へ向かうのかを理解しているからこそ、簡単に答えを出さない。

 

必要な時には、強い相手にも命令を下す。捕虜を傷つけようとする蓮を止め、供述ではなく証拠を積み上げる道を選んだのも彼女だった。

 

自信はまだ完成していない。

 

それでも、仲間が従うのは、迷った後に責任から逃げないことを知っているからである。

 

人物評――M4A1本人による

 

M16A1――「姉のような存在です。お酒の量だけは、少し控えてほしいです」

AR-15――「厳しいですが、私が見落としたものを必ず拾ってくれます」

SOPⅡ――「明るくて真っすぐです。だからこそ、守らなければならないと思います」

蓮――「私とは違う方法で答えへ辿り着く方です。危険な時は、私が止めます」

 

M16A1

 

所属・経歴

 

AR小隊戦闘要員

 

外見

 

身長一六九センチ。眼帯と、持ち歩いている酒が目印。

 

人物

 

AR小隊でも特に経験の長い戦術人形。

 

大らかで冗談も多いが、戦場では味方の緊張と敵の意図を同時に読む。正面から戦える力を持ちながら、後輩が自分で判断できるよう一歩引くこともできる。

 

AR小隊の姉貴分であり、精神的な支柱。

 

酒臭いという複数の証言について、本人は「香りだ」と反論している。

 

人物評――M16A1本人による

 

M4A1――「考えすぎる妹分。でも、考えるのをやめるよりずっといい」

AR-15――「もう少し素直になれば楽なのにな。まあ、あれも長所か」

SOPⅡ――「元気な子犬。爆薬を持たせると、ちょっと危険な子犬」

蓮――「面白い奴だ。生きて帰ったら、一度ゆっくり飲んでみたいね」

 

ST AR-15

 

所属・経歴

 

民生人形

AR小隊精密射撃要員

 

外見

 

身長一七〇センチ。背中には、民生人形だった頃に負った古い傷が残る。

 

人物

 

観察力と精密射撃に優れた戦術人形。

 

必要な情報だけを短く伝え、曖昧な慰めは口にしない。その一方で、誰より早く味方の異変へ気づき、言葉より先に退路と援護位置を用意する。

 

民生人形だった頃の記録には、多くの欠損がある。本人も詳しく語ろうとはしない。

 

蓮の危うさを早い段階から見抜いており、彼が怒りへ任せて一線を越えようとした際には、正面から否定した。

 

本人は「監視しているだけ」と言う。

 

人物評――AR-15本人による

 

M4A1――「頼りなく見える時はある。でも、最後に逃げないことは知ってる」

M16A1――「能力は信用している。酒瓶の本数は信用していない」

SOPⅡ――「相棒。撃つ前に考える癖は、もう少し必要ね」

蓮――「一人で答えを決めようとする人。だから、分からない時は私たちへ聞きなさい」

 

M4 SOPMOD II

 

所属・経歴

 

AR小隊突撃・爆破工作要員

 

外見

 

身長一六六センチ。特徴的なヘッドセットを着用している。

 

人物

 

明るく、感情表現が素直な戦術人形。

 

爆発物の設置、即席障害物、簡易的な罠の構築を得意とする。敵を前にすると熱が入りやすいものの、ただ破壊を楽しんでいるわけではない。仲間を守るためなら、自分の得意な爆破を途中で止めることもできる。

 

緊張した場へ勢いを持ち込み、誰も言えなくなった言葉を最初に口にする。

 

本人をマスコット扱いすると喜ぶ可能性はあるが、爆薬の管理権限まで渡してはいけない。

 

人物評――SOPⅡ本人による

 

M4A1――「隊長で、お姉ちゃん!」

AR-15――「相棒! 遠くの敵は任せた!」

M16A1――「お酒の匂いですぐ分かる!」

蓮――「いい人! でも、たまにすごく怖い顔をするから、その時は皆で止める!」

 

AK-12

 

所属・経歴

 

反逆小隊隊長

 

外見

 

身長一七三センチ。普段は目を閉じているように見えるが、開眼時には紫色の瞳が現れる。

 

人物

 

情報収集、電子戦、潜入任務を得意とする反逆小隊の隊長。

 

常に余裕のある笑みを浮かべ、相手へ正面から質問するより、選択肢を与えて行動を観察する。規則を無視するわけではないが、規則の外側にある答えを探すためなら、かなり際どい試験も行う。

 

蓮へ関心を持っている理由は、強さだけではない。

 

彼が怒りを抱えたまま、どこで止まり、誰の言葉なら聞けるのかを見ている。

 

なお、本人はこれをストーキングではなく「継続観察」と呼んでいる。

 

人物評――AK-12本人による

 

蓮――「面白い人。壊れるところではなく、壊れずに済む瞬間を見てみたいわ」

AN-94――「最高の相棒。少しからかうくらいが、一番よく動くの」

AK-15――「頼れる戦力よ。冗談へ反応してくれないことだけが欠点ね」

VSK-94――「忠実な副隊長。ボスに対してだけ、忠実の意味が少し変わるみたい」

クルーガー――「信用しているわ。全部を信じている、とは言っていないけれど」

 

AN-94

 

所属・経歴

 

反逆小隊戦闘要員

 

外見

 

身長一七〇センチ。淡いシャンパンゴールドの髪を持つ。

 

人物

 

反逆小隊でも特に高い戦闘能力を持つ人形。

 

射撃、護衛、状況分析を正確にこなし、命令を受けてから実行へ移るまでが非常に速い。感情が薄いように見えるが、実際には表へ出す方法を知らないだけである。

 

AK-12への信頼が強く、彼女の安全が脅かされると判断の優先順位が偏ることがある。

 

物語の中で問われるのは、AK-12の隣でどれほど強くなれるかではない。

 

彼女がいない時に、自分で何を選ぶかである。

 

人物評――AN-94本人による

 

AK-12――「彼女がいれば、多くの任務を達成できます。いなくても動けるようになる必要は理解しています」

AK-15――「近接戦闘能力は私より高い場面があります。脳筋という評価には同意しません」

蓮――「強い人間です。ただし、戦闘能力だけなら私も負けません」

VSK-94――「指揮代行能力を確認しています。感情については、観察中です」

 

AK-15

 

所属・経歴

 

反逆小隊戦闘要員

 

外見

 

身長一七八センチ。鍛え上げられた長身と、重装備を扱うための強靱なフレームを持つ。

 

人物

 

反逆小隊の近接戦闘と強行突入を担う人形。

 

正面からの制圧だけでなく、侵入、要人警護、突破口の確保にも長ける。命令を簡潔に理解し、必要な行動を迷わず実行する。

 

蓮との戦闘では、純粋な出力で上回りながら、経験と戦術の切り替えによって敗れた。

 

その結果を屈辱として忘れるのではなく、次に勝つための記録として保存している。

 

再戦を望んではいるが、現在の任務中に私闘を始めるほど無分別ではない。

 

人物評――AK-15本人による

 

蓮――「次は勝ちます。そのため、まず生存を確認します」

AK-12――「隊長です。命令の意図が不明な場合でも、必要な範囲は理解できます」

AN-94――「優秀な隊員です。私を脳筋と呼んだ記録については、訂正を求めます」

クルーガー――「契約上の護衛対象です。信頼性に問題はありません」

 

クルーガー

 

所属・役職

 

グリフィン&クルーガー社長

 

人物

 

多数の戦術人形と人間の職員を抱える民間軍事企業の責任者。

 

鍛えられた体格と厳しい顔から現場指揮官に見られがちだが、本来の役目は契約、組織運営、各部隊の権限調整である。

 

蓮を即座に全面信用することはなく、M4A1の指揮権を残したまま、限定的な作戦補佐権限だけを与えた。能力を使うことと、組織を無条件に預けることを分けて考えられる人物。

 

人形を単なる消耗品として扱わない一方、守るために必要な命令なら、危険な任務も下す。

 

人物評――クルーガー本人による

 

蓮――「能力は高い。問題は、能力の使い方を本人が一人で決めようとすることだ」

M4A1――「迷いながらも責任を取る。それは、指揮官に必要な資質だ」

416――「優秀な古参だ。帰還を望む場所ができたのなら、それを失わせるつもりはない」

AK-12――「必要な情報は持ってくる。必要以上の問題も持ってくる」

 

 以上が、陸の世界で主に物語を動かす者たちである。

 

 ここに書かれた関係は、まだ完成していない。

 

 命令する者と従う者。

 

 救った者と救われた者。

 

 監視する者と、監視されているふりをして相手を見返す者。

 

 彼らが最後に仲間と呼び合えるかどうかは、これからの戦場で決まる。

 

零話・二 海を走る、賑やかな鉄の人たち

 

 海の世界には、二つの世代がいる。

 

 長い戦いを生き抜き、弓や艤装を携えて海へ立つ第一世代の艦娘。

 

 異なる技術と成り立ちを持ち、人間の心を読み取ることもある第二世代のKAN-SEN。

 

 同じ艦名を持つ者が、同じ鎮守府で顔を合わせることも珍しくない。

 

 そのため本資料では、アズールレーン側のKAN-SENを「A」、艦隊これくしょん側の艦娘を「C」と表記する。

 

 例として、赤城AはKAN-SENの赤城。赤城Cは艦娘の赤城である。

 

 本人たちは、この記号を気に入っているわけではない。

 

 同名の二人を前にして「赤城さん」とだけ呼ぶよりは安全だという、記録担当者側の事情である。

 

 また、人物評は本人談であり、恋愛、嫉妬、食欲に関する発言の正確性を保証するものではない。

 

渡邉隼人

 

所属・経歴

 

第129期訓練課程修了

第403大隊

護衛艦「あたご」乗艦

水陸戦部隊

特殊作戦群第5小隊

呉鎮守府臨時副司令

 

外見

 

身長一八〇センチ。外骨格へ適応するため、主要骨格には金属・セラミック複合材による補強と人工骨への置換が施されている。

 

人物

 

渡邉三兄弟の次男。

 

初対面では丁寧で距離のある話し方をするが、信頼した相手には少しずつ言葉が柔らかくなる。

 

歩兵、水陸戦、艦艇勤務の経験を持ち、戦場では個人の武勇より情報、補給、退路を重視する。未来の知識を持っていても、それをそのまま過去の装備へ当てはめようとはしない。今ある人員と技術で何ができるかを考える現実主義者である。

 

一方、自分の負傷や疲労を計画へ含めることは苦手。人へ休養を命じる時は的確だが、自分が休む理由を認めるまでには時間が掛かる。

 

戦闘用外骨格《みらい》と支援AI《アイ》の登録使用者。

 

家族と仲間を捜しており、時折、記憶に存在しないはずの女性が夢へ現れる。

 

人物評――隼人本人による

 

剣子――「命の恩人です。少し勢いで決めるところはありますが、人へ任せる勇気を持っています」

赤城A――「優秀な旗艦です。私を見る時だけ、作戦中とは違う目をしています」

赤城C――「経験に裏打ちされた判断をする方です。頼りにしています」

加賀C――「厳しさの中に、母親としての優しさがあります」

蒼龍C――「航空隊を数字ではなく、一人ずつ見ている指揮官です。一緒にいると、妙にこちらの無理まで見抜かれます」

能代A――「真面目で気配りのできる秘書官です。私の知らない鎮守府を教えてもらっています」

大鳳A――「気持ちを隠さない方です。ですから、私も曖昧な返事で誤魔化したくありません」

夕張Cと明石A――「《みらい》を私以上に働かせたがる二人です。壊さない範囲でお願いします」

 

剣子

 

所属・役職

 

呉鎮守府提督

 

人物

 

第一世代の艦娘と第二世代のKAN-SENを束ねる呉鎮守府の指揮官。

 

明るく親しみやすい性格で、部下との距離が近い。好物の限定販売を聞けば執務を忘れて走り出すこともあるが、本当に判断が必要な場面では、専門家へ権限を預けることを恐れない。

 

隼人を保護し、正体不明の装備を持つ彼へ臨時副司令の立場を与えた。

 

それは無条件に信用したからではない。

 

彼の能力を使いながら、同時に組織の規則と部下の安全で彼を縛るためでもある。

 

書類仕事から逃げようとする姿が頻繁に目撃されるが、完全に逃げ切れた記録はない。

 

人物評――剣子本人による

 

隼人――「頼りになる副司令! でも働きすぎるから、私が止め……あれ、私も同じことを言われてる?」

赤城C――「着任した頃からの付き合い。怒らせると今でも怖いです」

赤城A――「強くて優秀! 隼人さんの話になると、ちょっとだけ周りが見えなくなるかな」

大鳳A――「頑張り屋さん。恋愛でも全速力なので、前方確認だけはしてほしいです」

大淀C――「私の書類仕事が終わるのは、だいたい大淀のおかげです」

 

赤城A

 

所属・経歴

 

呉鎮守府第一機動艦隊旗艦

第二世代KAN-SEN

 

外見

 

身長一七二センチ。目元の赤い隈取りと、豊かな狐の尾が特徴。

 

人物

 

呉鎮守府でも特に長い戦歴を持つ第二世代の航空母艦。

 

航空戦と艦隊指揮の双方に優れ、平時には柔らかな物腰で味方を気遣う。だが、大切な相手を脅かすものへ向ける敵意は強く、笑顔のまま周囲を黙らせることがある。

 

赤城Cと天城Aには頭が上がらない。

 

隼人へ強い関心を持っているが、「運命」という言葉を先に置きすぎるため、本人を困らせがちである。

 

隼人が誰を選ぶかより、自分が選ばれる未来を疑っていない。

 

ただし、その確信が本物の相互理解へ変わるかどうかは、これからの話である。

 

人物評――赤城A本人による

 

隼人――「赤城がお支えするにふさわしい方ですわ。まだご本人が運命を理解していないだけです♡」

赤城C――「尊敬しております。ですから、できれば人前で投げ飛ばすのはお控えください」

加賀A――「信頼する妹です。少し不器用ですが、それも愛らしいところですわ」

加賀C――「穏やかになられましたね。家庭を持つというのは、そういうことなのでしょうか」

大鳳A――「競争相手です。害虫とは申しません。今は」

剣子――「立派な指揮官様です。ラムネの放送で消えるところを除けば」

 

赤城C

 

所属・経歴

 

呉鎮守府第一機動艦隊

第一世代艦娘

艦隊参謀

 

外見

 

身長一六八センチ。赤を基調とした弓道着と長弓を用いる。

 

人物

 

呉鎮守府の創設期から戦い続ける古参艦娘。

 

かつては第一線で機動艦隊を率い、現在は赤城Aを補佐しながら若い世代へ経験を渡している。

 

前線を退いたのは弱くなったからではない。自分が撃つ一矢より、次の世代が十矢を正しく放てる環境を作る方が重要だと判断したからである。

 

穏やかな表情を崩すことは少ないが、問題行動を起こした後輩を素手で制止できる程度には現役。

 

剣子とは、提督と艦娘という立場を越えた古い友人でもある。

 

人物評――赤城C本人による

 

赤城A――「手が掛かるところもありますが、そこまで含めて育てがいがあります」

加賀C――「長い戦友です。最近は母親の顔をしている時間が増えましたね」

加賀A――「冷静さは十分です。次は、予定が崩れた時の一手を覚えましょう」

天城A――「姉のように感じる方です。艦名も世代も違いますが、不思議なものですね」

剣子――「昔から、肝心な場面では逃げません。書類からはよく逃げます」

 

加賀A

 

所属・経歴

 

呉鎮守府第一機動艦隊

第二世代KAN-SEN

 

外見

 

身長一七一センチ。白を基調とした装束と狐の尾を持つ。

 

人物

 

赤城Aと同時期から戦ってきた航空母艦。

 

高い戦闘能力と正確な艦載機運用を誇る。事前に組まれた計画を遂行する力は非常に高いが、通信断や急な指揮変更など、計画そのものが崩れた場面では第一世代の経験へ頼ることがある。

 

本人もそれを弱点として理解しており、加賀Cから戦術を学び続けている。

 

冷たく見えるものの、加賀Cの娘である朝日には勉強を教え、一緒に遊ぶことも多い。

 

隼人の中に、戦闘能力とは別種の危うさを感じ取っている。

 

人物評――加賀A本人による

 

赤城A――「姉さまを失望させるつもりはない。ただし、隼人の話は少し長い」

赤城C――「最初の頃から世話になった。私にはない経験を持っている」

加賀C――「私の恩師だ。いつか、予定外の戦場でも隣へ並びたい」

朝日――「よく学び、よく動く。加賀姉さんが誇らしく思うのも当然だ」

隼人――「善意だけで動く人間ではない。それでも、今は味方として見る」

 

加賀C

 

所属・経歴

 

呉鎮守府第一機動艦隊

第一世代艦娘

艦隊参謀

 

外見

 

身長一六七センチ。青を基調とした弓道着をまとっている。

 

人物

 

赤城Cと並ぶ古参の航空母艦。

 

戦術立案と艦載機運用に優れ、現在は前線指揮から一歩退いて後進を育てている。

 

人間の男性と家庭を築き、娘の朝日を育てている。艦娘が人間と同じ社会で家族を持てることを、最初に形として示した一人でもある。

 

母親になって柔らかくなったと評されるが、判断の厳しさを失ったわけではない。出撃させないこと、待たせること、帰還を優先することも指揮官の仕事だと理解している。

 

人物評――加賀C本人による

 

赤城C――「長い付き合いです。そろそろ、ご自分の先のことも考えてよいと思いますよ」

赤城A――「能力は十分です。感情が先へ出る時だけ、周囲を見るように」

加賀A――「よく学ぶ子です。私を越える日は、そう遠くありません」

朝日――「私と同じ道でなくても構いません。自分で選んだ道を歩いてほしいです」

隼人――「一度、夫と話をしてみてほしいですね。戦場以外で生きることについて」

 

蒼龍C

 

所属・経歴

 

呉鎮守府第二機動艦隊

第一世代艦娘

航空隊指揮官

 

外見

 

身長一六〇センチ。青緑色の弓道着をまとっている。本人は小柄なことを少し気にしている。

 

人物

 

加賀Cと同時期に呉鎮守府へ着任した航空母艦。

 

経験を重ねるほど強さを増した遅咲きの実力者で、現在は飛龍Cと共に第二機動艦隊を支えている。

 

艦載機の性能だけでなく、搭乗員の疲労、帰投時の天候、負傷機の誘導、救難態勢まで含めて航空作戦を考える。飛べる機体があることと、人間が戦えることは同じではないというのが彼女の考えである。

 

穏やかで親しみやすい一方、自分の航空隊に関する責任からは逃げない。

 

一航戦・二航戦の中でも特に酒に強い。しかし、隼人が飲めない時には自分もラムネを選ぶ。

 

隼人へ抱いている感情は、命の恩人への感謝だけでは説明できなくなりつつある。

 

人物評――蒼龍C本人による

 

隼人――「他人へ休めと言うのは得意なのに、ご自分が休む理由を認めるのは苦手な方です。ですから、時々は隣で見ています」

飛龍C――「一番信頼する相棒です。私が考え込みすぎた時は、先に前へ出てくれます」

赤城C――「昔より穏やかになりました。でも、弓を持つと今でも怖いですよ」

加賀C――「同期であり、目標でもあります。私もいつか、戦場以外に帰る場所を持てるでしょうか」

大鳳A――「積極的ですよね。少しだけ、その思い切りのよさが羨ましいです」

 

大鳳A

 

所属・経歴

 

呉鎮守府後期第一機動艦隊旗艦

第二世代KAN-SEN

 

外見

 

身長一七〇センチ。赤を基調とした、大胆な意匠の衣装をまとっている。

 

人物

 

着任から短期間で艦隊旗艦へ選ばれた新鋭航空母艦。

 

目立つのは隼人への強い好意だが、それだけで旗艦になったわけではない。新型艦載機の試験、編成研究、訓練記録の整理を誰より熱心に続けている努力家でもある。

 

感情を隠すことが苦手で、欲しいものへ一直線に進む。

 

隼人への好意も隠しておらず、機会があれば正面から距離を縮めようとする。

 

対する隼人は、指揮系統にある者同士として急いで関係を決めない姿勢を崩していない。

 

大鳳は、それを拒絶ではなく「知ってもらう時間が増えた」と解釈している。

 

人物評――大鳳A本人による

 

隼人――「大鳳がすべてを捧げたい方ですわ。まずは、赤城さんより多く私を知っていただきます♡」

赤城A――「強力な競争相手ですわ。負けるつもりはございません」

赤城C――「着任当初からお世話になっております。怒らせたくない方でもありますわ」

加賀C――「家庭を持つ先輩として、いつか詳しくお話を伺いたいですわね」

剣子――「指揮官様にも、仕事以外のよいご縁があればよいのですが」

 

能代A

 

所属・経歴

 

呉鎮守府所属軽巡洋艦

臨時副司令付秘書官

 

人物

 

真面目で几帳面なKAN-SEN。

 

任務の準備、書類整理、予定管理を着実にこなす。自分にも周囲にも厳しいため、寝坊などの小さな失敗を必要以上に引きずることがある。

 

隼人の秘書官となり、未来の知識だけでは分からない呉鎮守府の慣習や人間関係を伝えている。

 

隼人を万能な英雄として見るのではなく、教わらなければ知らないことも、休まなければ倒れることもある一人の人間として扱う。

 

隼人が自然に頼ることを覚えられるかどうか、その近くにいる人物の一人である。

 

人物評――能代A本人による

 

隼人――「何でもできるように見えますが、何でも一人でする必要はありません。秘書官へ任せてください」

剣子――「決断力のある指揮官です。予定表どおり机へいてくだされば、さらに助かります」

大鳳A――「仕事中は非常に優秀です。副司令を見る時間と書類を見る時間を分けてください」

明石A――「技術面では頼りになります。工房の請求書だけは、事前に確認が必要です」

 

夕張C

 

所属・役割

 

呉鎮守府技術部

第一世代艦娘

 

人物

 

装備研究と試験を担う艦娘。

 

未知の構造を前にすると、危険性を理解しながらも目を輝かせる。隼人の外骨格《みらい》と支援AI《アイ》に最も早く技術的関心を示した一人。

 

未来装備をそのまま再現できるとは考えていない。現代の設備で理解できる部分と、触れてはいけない部分を分け、使える知識だけを慎重に拾おうとしている。

 

人物評――夕張C本人による

 

隼人――「説明が正確なので助かります。でも、ご自分で試験体になろうとするのはやめてください」

明石A――「見方は違いますけど、未知の装備を前にした時だけは話が早いです」

《アイ》――「一度、ゆっくり質問したいです。隼人さんの許可を取ってから」

 

明石A

 

所属・役割

 

呉鎮守府工房

第二世代KAN-SEN

 

人物

 

装備の修理、製造、資材管理を担うKAN-SEN。

 

語尾は軽いが、技術判断は現実的。未来の弾薬や誘導兵器を見ても、分からないものを分かったふりはせず、再現不能なら明確に不可能と告げる。

 

隼人が装備を使うたびに整備班の仕事が増えるため、彼の勇敢さより先に部品残数を心配する。

 

甘味で機嫌は多少よくなる。

 

帳消しになるとは限らない。

 

人物評――明石A本人による

 

隼人――「人使いならぬ装備使いが荒いにゃ。帰ってくるのは偉いけど、壊さず帰ればもっと偉いにゃ」

夕張C――「技術の話が通じる貴重な相手だにゃ。止める人が二人ともいなくなるのが欠点にゃ」

能代A――「請求書を見る目が厳しいにゃ。もう少し夢を見てもいいと思うにゃ」

 

徳川雫

 

家族・立場

 

時雨Cと徳川石野の娘

 

人物

 

正義感が強く、仲間を大切にする少女。

 

初対面の相手には口数が少ないが、信頼した相手へは真っすぐに感情を向ける。母のように戦える存在になるため二刀流を学び、現在は隼人から実戦的な身体操作と間合いを教わっている。

 

強くなることを、敵を倒せる数ではなく、守れる相手を増やすことだと学び始めている。

 

人物評――雫本人による

 

時雨C――「母さんで、最初の師匠」

隼人――「お師匠様。いつか一本取ります」

桜――「親友。今は負ける方が多いけど、ずっとではない」

 

常磐朝日

 

家族・立場

 

加賀Cと波留尊の娘

 

外見

 

家族の写真を収めたペンダントを身につけている。

 

人物

 

文武両道を目指し、地道な努力を続ける少女。

 

母の加賀Cを尊敬しているが、同じ航空母艦になることだけが目標ではない。人間と艦娘の間に生まれた自分だからこそ選べる道を探している。

 

落ち着いて見えるものの、年齢相応の秘密もあるらしい。

 

最近、親しい相手ができたという噂については、本人が回答を拒否している。

 

人物評――朝日本人による

 

加賀C――「自慢のお母さん。だからこそ、同じではなく自分のやり方で追いつきたい」

加賀A――「勉強を教えてくれる、もう一人の加賀さん。尻尾も貸してくれます」

赤城C――「母さんの昔話をたくさん知っています。少しだけ話を盛っている気もします」

隼人――「話を最後まで聞いてくれる人です」

 

真田桜

 

家族・立場

 

翔鶴Aと橋本健次郎の娘

 

外見

 

腰に刀を帯びている。

 

人物

 

寡黙で、言葉より行動で意思を示す少女。

 

瑞鶴Aから剣術を学び、同世代でも高い才能を見せている。雫とは親友であり、日々の稽古相手でもある。

 

勝敗へ執着しているように見えるが、本当に求めているのは、自分の技がどこまで通じるのかを知ること。

 

瑞鶴Aを破った隼人へ関心を抱いており、いつか正式に立ち合いたいと考えている。

 

人物評――桜本人による

 

翔鶴A――「母さん。私の前では、あまり怖い笑い方をしない」

瑞鶴A――「師匠。負けたまま終わる人ではない」

雫――「親友。次の稽古では、左から来ると思う」

隼人――「強い。だから、戦って確かめたい」

 

 以上が、呉鎮守府を中心に物語へ関わる者たちである。

 

 誰が誰を好きになるのか。

 

 誰と家族になり、誰と戦友になるのか。

 

 その答えは、まだ人物表へ書くべきものではない。

 

 この海では、救助された一人の男と、彼を迎え入れた者たちが、これから互いの帰る場所を作っていく。

 

零話・三 空を飛ぶ、愉快で危険な人たち

 

 空の世界では、人の姿をしたDOLLSがARMSをまとい、文明を隔てる壁の内外でリセッターと戦っている。

 

 そこへ現れたのは、ARMSを持たない二人の男性DOLLS。

 

 一人は、未来の戦闘機を操る元整備員。

 

 もう一人は、巨大な機関砲を積んだ攻撃機で空中戦まで始める元教官。

 

 二人が常識を持ち込んだのか、それとも常識をさらに壊しに来たのか。

 

 黒十字帝国学連では、今も意見が分かれている。

 

 以下は、現在確認されている主要人物の公開用記録である。

 

 人物評は本人談。冗談、照れ隠し、責任転嫁が含まれる可能性がある。

 

渡邉勇翔

 

所属・経歴

 

第129期訓練課程修了

第403大隊

春日基地西部整備隊

小松基地第6航空団

飛行教導群

特殊作戦群第5小隊

整備協会傘下飛行艇猟兵隊

最終階級――大尉

 

外見

 

身長一七〇センチ。背中には転移後に現れたバーコードと、「20210529α」の識別記号が刻まれている。

 

人物

 

渡邉三兄弟の末弟。

 

元は航空機整備員であり、その後、操縦課程を経て戦闘機パイロットになった。機体の構造を理解したうえで飛ばすため、異常の兆候へ気づくのが早い。

 

空戦では、目の前の一手より数手先を読む。敵が合理的に動く場合だけでなく、判断を誤る場合まで予測へ含める慎重な操縦者。

 

一方、考えを深くしすぎて、自分の中だけで答えを完成させることがある。感情についても同様で、好意へ気づいてから言葉にするまでが長い。

 

雷電のそばでは、ほかの相手へ向ける時より僅かに言葉が柔らかくなる。

 

本人へ指摘しても、長い説明の末に「まだ互いを知っている途中です」と返される。

 

周囲は、その返答そのものが分かりやすいと思っている。

 

人物評――勇翔本人による

 

小貝――「元教官であり、長年の僚機です。技量は尊敬しています。普段の言動は別です」

雷電――「一緒にいると落ち着きます。それ以上のことは、まだ本人にも話していません」

Hs129――「明るくて、場の空気を軽くできる方です。寝言の内容だけは少し怖いですね」

スカイレイダー――「小貝へ正面から意見を言える方です。これからも遠慮なくお願いします」

シュヴァルベ――「冷静で信頼できる方です。言葉が短すぎて、時々こちらが補足を必要とします」

代理人――「年齢に似合わず、交渉と判断が早い。だからこそ、一人で抱え込まないでほしいです」

 

小貝高虎

 

所属・経歴

 

第125期訓練課程修了

第8近接航空支援隊

小松基地第6航空団

飛行教導群助教

特殊作戦群航空要員

整備協会傘下飛行艇猟兵隊

最終階級――少佐

 

外見

 

身長一六二センチ。背中にはバーコードと、「20210529β」の識別記号が刻まれている。

 

人物

 

勇翔の元教官であり、十年以上にわたって共に飛んできた僚機。

 

軽口が多く、戦果を少し広い意味で数える癖がある。それでも報告書と実戦判断は現実的で、A-10を無敵の機体として扱わない。

 

得意とするのは近接航空支援。地上部隊が何を恐れ、どこへ逃げたいのかを読み、必要な場所へ必要な火力を届ける。

 

戦闘機との空戦も経験しているが、それをA-10本来の仕事だとは考えていない。生還できた無茶と、繰り返してよい戦術を区別している。

 

私生活に関する記録には、本人から話すべき非公開事項が残されている。

 

スカイレイダーとは、食事を共にする程度には距離が近づいている。

 

今のところ、それ以上の説明を二人へ求めても、どちらもまともには答えない。

 

人物評――小貝本人による

 

勇翔――「弟子で、相棒で、面倒な身内みたいな奴だ。本人の前では言わん」

雷電――「勇翔をよく見てる。あいつが考え込みすぎたら、遠慮なく外へ引っ張り出してくれ」

スカイレイダー――「一緒に飯を食うと楽しい。次の店は、向こうが選ぶらしい」

代理人――「頭は切れる。背丈の話をすると怒るので、そこも分かりやすい」

ハっちゃん――「小柄だが、八十八ミリの名は伊達じゃない。子供扱いはしない方がいい」

ヤークトティーガー――「返事は短く、工具は正しい場所へ戻せ。それだけ守れば仲良くできる」

 

代理人

 

所属・役職

 

整備協会所属

飛行艇猟兵隊指揮担当

 

人物

 

外見は幼いが、複数学連との交渉と作戦指揮を任されている人物。

 

勇翔と小貝を保護し、二人の機体と能力を戦力として受け入れた。必要なら駆け引きも使うが、未知の兵器を前にした際は、利用価値より先に被害範囲を考える。

 

転移以前の記憶に欠落があり、自分が知っているはずの情報と、現在残っている記憶の間にずれを抱えている。

 

二人の未来兵器を得たことへ浮足立っていたと自覚してからは、出撃拒否権、交戦規定、未知機の隔離など、使わないための規則も整え始めた。

 

公爵の視察と書類仕事は、リセッターとは別種の脅威だと考えている。

 

人物評――代理人本人による

 

勇翔――「慎重で頼れる。でも、自分へ向ける慎重さだけ時々足りないね」

小貝――「経験豊富な操縦者。作戦中は頼れる。作戦外では見張りが必要」

雷電――「眠そうに見えて、必要な瞬間には一番近くにいる」

グレーテル――「未知の機械を任せられる技術者。説明が怖い時ほど内容は正確だ」

公爵――「……この項目は、視察が終わってから書き直そう」

 

雷電

 

所属・経歴

 

極東重鋼学連

高高度迎撃型DOLLS

整備協会傘下飛行艇猟兵隊

 

外見

 

身長一六〇センチ。青い帽子を愛用している。

 

人物

 

高高度迎撃を得意とするDOLLS。

 

普段は眠たそうで、会話もゆっくりしている。だが、その穏やかさは鈍さではない。周囲の感情をよく見ており、誰かが自分を見失いそうになった時には、短い言葉で足を止める。

 

誰も見ていない場所で訓練を続け、必要な高度へ確実に上がる努力家でもある。

 

勇翔へ関心を持ち、彼の近くで過ごすことを自然に選んでいる。ただし、亡くなった女性の代わりになるつもりも、勢いだけで二人の関係を決めるつもりもない。

 

勇翔が過去と現在を分けて見られるようになるまで、急がず隣で話し続けようとしている。

 

人物評――雷電本人による

 

勇翔――「一緒にいると安心します。もう少し知りたいです。その先は、まだ内緒です」

小貝――「勇翔の教官で、大切な戦友です。少し話を大きくする癖がありますね」

Hs129――「楽しい方です。お酒の量だけは、本人の申告を信用してはいけません」

スカイレイダー――「小貝といる時は、いつもよりよく笑っています。よいことだと思います」

代理人――「信用しています。無理な命令を断る権利まで説明してくれましたから」

 

Hs129

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

対地攻撃型DOLLS

勇翔の案内・居室担当

 

外見

 

紫を基調とした制服とベレー帽を身につけている。

 

人物

 

人懐こく、初対面の相手ともすぐに距離を縮めるDOLLS。

 

勇翔が黒十字帝国学連へ滞在する際の案内を任され、そのまま雷電と共に同室で生活することになった。

 

考えるより先に動くように見えるが、重苦しい空気を察すると、あえて場違いな話を差し込むことがある。深刻な話を軽く扱うためではなく、話した者が沈んだまま戻れなくなるのを防ぐためである。

 

酒が好き。自分の限界を「潰れる一本前」と表現するが、その一本を事前に判別できたことはない。

 

寝言では非常に物騒になる。

 

本人に聞いても覚えていない。

 

人物評――Hs129本人による

 

勇翔――「真面目で面白い人! 考え込み始めると長いから、その時はコーヒーに誘うよ」

雷電――「しっかり者。僕のビールを没収する時だけ判断が速すぎる」

小貝――「コーヒーを欲しがる空飛ぶ熊」

スカイレイダー――「料理ができる! 胡椒の量は日による!」

シュヴァルベ――「もう少し笑えばいいのに。たぶん、笑っても顔はあまり変わらないけど」

 

スカイレイダー

 

所属・経歴

 

星屑連邦学連

攻撃機型DOLLS

整備協会傘下飛行艇猟兵隊

 

外見

 

身長一七〇センチ。サングラスを愛用している。精密作業や相手の表情を確かめたい時には外す。

 

人物

 

低空攻撃と長時間の航空支援を得意とするDOLLS。

 

陽気で冗談好き。音楽、特にロックを好み、緊張の続く任務後にも自然な笑いを取り戻させる。

 

搭載量の多さを誇る一方、爆弾を多く積めることと、すべて投下すべきことを同じだとは考えていない。煙幕、ロケット弾、機銃を使い分け、味方の離脱路を作ることも重要な航空支援として扱う。

 

小貝のA-10と、その操縦者本人へ関心を持っている。

 

小貝が自分の過去を簡単には話さないことへ気づいているが、無理に聞き出そうとはしない。

 

過去を知ることと、噂だけで今の相手を決めつけることは別だと考えているからである。

 

人物評――スカイレイダー本人による

 

小貝――「話していると楽しいよ。話したくなったことから、本人の口で聞けばいいと思う」

勇翔――「Cool! 小貝の話を止めずに訂正できるの、すごいと思う」

雷電――「静かな場所をたくさん知ってる。昼寝にも、考え事にもいい場所ね」

Hs129――「味見を頼むと全部おいしいって言うから、最終確認には向かないかな」

代理人――「食事を用意してくれるなら、私はかなり協力的だよ」

 

シュヴァルベ

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

ジェット戦闘機型DOLLS

 

人物

 

黒十字帝国学連でも珍しいジェット戦闘機型DOLLS。

 

無口で、質問へ必要最小限の言葉だけを返す。感情がないわけではなく、何と説明すべきか考えている間に会話が先へ進んでしまうことが多い。

 

高速戦闘と哨戒を得意とし、Bf109、Fw190らと共に学連上空を守る。

 

勇翔と小貝が男性DOLLSでありながらARMSを使わず、巨大な航空機そのものを操ることへ疑問を抱いている。

 

その疑問は警戒だけでなく、自分たちが何者なのかを確かめたいという関心へ繋がっている。

 

人物評――シュヴァルベ本人による

 

勇翔――「機体と身体を別々に扱う操縦者。まだ理解できないが、戦い方は合理的だ」

小貝――「言葉は多い。戦闘中の報告は簡潔だった」

Bf109――「よく話す。必要な時には助かる」

Fw190――「強い。本人もよく知っている」

Hs129――「静かにしている時は、たいてい眠っている」

 

Bf109

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

戦闘機型DOLLS

元生徒会長

 

人物

 

明るく活動的で、新しい相手へも積極的に声を掛けるDOLLS。

 

かつて生徒会長を務めた経験があり、学連内の事情と人間関係に詳しい。興味を持つと質問が続くため、秘密を抱える相手には少し手強い。

 

勇翔と小貝の戦果を素直に評価するが、英雄として遠巻きに見るより、どうして勝てたのかを聞きたがる。

 

人物評――Bf109本人による

 

シュヴァルベ――「不愛想ですけど、必要な時は必ず来てくれます!」

Fw190――「今の生徒会長です。強いです。本当に二回言うくらい強いです!」

勇翔――「噂より普通に話せる人でした。飛び方の話は、全然普通ではありませんでしたけど!」

小貝――「話を盛る人です。でも、盛った部分を聞くのも面白いですよ」

 

Fw190

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

戦闘機型DOLLS

生徒会長

 

人物

 

黒十字帝国学連の現生徒会長。

 

自信家で、自分が強いことを隠さない。実際に学連上位の戦闘能力を持ち、誇張だけで地位へ就いたわけではない。

 

勝ち気だが、他者の実力も正しく評価できる。勇翔たちの戦歴を聞いた際にも、張り合うより先に経験の重さを認めた。

 

大切なことは二度言う。

 

特に、自分が強いという話は二度言う。

 

人物評――Fw190本人による

 

Bf109――「前の生徒会長。明るさだけなら、今も私より上ね」

シュヴァルベ――「説明が短すぎるのよ。私たちを護衛と紹介した時は驚いたわ」

勇翔――「経験のある操縦者ね。今度は、戦術だけでなく機体も見せてほしいわ」

小貝――「面白い人。どこまでが事実か、勇翔へ確認する必要がありそうだけど」

 

ハっちゃん

 

正式名称

 

八八ミリ高射砲FlaK36

通称――アハトアハト、ハっちゃん

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

火砲型DOLLS

小貝の案内担当

 

人物

 

小柄で静かなDOLLS。

 

外見だけを見て子供扱いされることを好まない。八十八ミリ高射砲として長距離の対空・対地射撃を担い、観測情報と射角を基に淡々と目標を捉える。

 

「ハっちゃん」は本人が認めている呼び名であり、ゲーム上でも用いられる正式な愛称である。

 

褒められることには慣れておらず、突然「可愛い」と言われると返答が遅れる。

 

人物評――ハっちゃん本人による

 

小貝――「案内対象。子供扱いはしなかった。少しだけ話が多い」

シュヴァルベ――「静か。近くにいても疲れない」

代理人――「任務をくれる人。説明は分かりやすい」

Hs129――「私の分の飲み物まで持っていこうとする。止める必要がある」

 

スツーカ

 

所属・経歴

 

黒十字帝国学連

急降下爆撃型DOLLS

 

人物

 

柔らかな笑顔と穏やかな話し方をするDOLLS。

 

ただし、リセッターとの戦闘を語る時だけ内容が物騒になる。通常一週間を見込む任務を、休まず敵を狩り続けることで一日で終わらせた記録がある。

 

小貝のA-10へ、単なる新兵器への興味とは異なる親近感を抱いている。

 

大口径機関砲、地上部隊へ肉薄する戦い方、損傷しても帰還しようとする執念。

 

そこに、かつて自分の記憶へ刻まれた一人の操縦者と似た魂を感じているらしい。

 

人物評――スツーカ本人による

 

小貝――「あの機体を大切にしている人。もう少し、ゆっくりお話ししてみたいわ」

A-10――「美しくて、力強い機体ね。少し懐かしい気持ちになるの」

シュヴァルベ――「真面目な子。私を見ると、たまに距離を取るけれど」

リセッター――「見つけたら、全部きれいに片づけるわね♪」

 

グレーテル

 

所属・役職

 

整備協会技術士官

 

人物

 

回収装備の解析、未知技術の評価、危険物の安全化を担う技術者。

 

見たことのない機械へ強い興味を示すが、興奮と安全管理を分けられる。回収された無人戦闘機についても、修復や接続を急がず、隔離、武装の安全化、光学的な記録から調査を始めた。

 

「分からない」を正確に言えることが、技術者としての強さ。

 

代理人へ厳しい意見を述べるが、それは責任を押しつけるためではなく、次の被害を減らすためである。

 

人物評――グレーテル本人による

 

代理人――「判断は悪くない。未知の戦力を得た時に、少し浮かれただけだ」

勇翔――「整備員の視点を持つ操縦者だ。解析作業では話が早い」

小貝――「機体の限界を知っている。知った上で近づくことがあるのが問題だ」

鹵獲無人機――「面白い。だからこそ、電源を入れてはいけない」

 

 以上が、空の世界で主に物語へ関わる者たちである。

 

 二人の男性DOLLSがこの世界へ来た理由。

 

 彼らの背中へ刻まれた日付。

 

 この世界に存在するはずのない、未来の無人戦闘機。

 

 そして、彼らを迎えたDOLLSたちが人の姿をしている理由。

 

 答えはまだ、どの人物表にも記載されていない。

 

 分かっているのは、次に空へ上がる時、二人だけで飛ぶ必要はもうないということだけである。

 

零話・資料 四人の主人公が持ち込んだ装備

 

 四人の主人公は、身体だけで異世界へ渡ったわけではない。

 

 陸には一丁の小銃。

 

 海には、装着者を小型艦艇へ変える外骨格。

 

 空には、二機の軍用機。

 

 どれも転移先では容易に再現できず、壊れれば直せるとは限らない。

 

 強力な装備を持っていることと、それを使い続けられることは別の問題である。

 

 本資料では、物語開始時点で確認できる主人公四名の主要装備を紹介する。

 

渡邉蓮――89式小銃折曲銃床式・空挺運用改修型

 

概要

 

蓮が特殊作戦群時代から使用している89式小銃。

 

空挺降下、車両内、市街地での取り回しを考慮し、折曲銃床式を基礎として複数の改修が加えられている。

 

外見こそ89式だが、部隊運用に合わせて照準器、照明、負い紐、操作部が調整されており、蓮自身の身体へ馴染んだ一丁である。

 

主な改修

 

光学照準器用マウント

 

ACOG系低倍率照準器

 

可視・赤外線レーザー照準装置

 

白色光フラッシュライト

 

操作しやすい位置へ変更された負い紐取付部

 

手袋を着用したまま扱うための操作部調整

 

銃身下へ装着可能な四〇ミリ擲弾発射器

 

銃口部は小銃擲弾の運用を前提としない仕様へ変更されている。

 

蓮は市街地で小銃擲弾を用いるより、必要な時だけ銃身下擲弾発射器を装着する方を選んだ。常に重い装備を持つのではなく、任務ごとに必要なものだけを追加する考え方である。

 

機関部側面には、英語で「SEARCH AND DESTROY」と記されている。

 

本人へ意味を尋ねても、「昔の悪趣味です」としか答えない。

 

弾薬と制約

 

使用弾薬は五・五六ミリ小銃弾。

 

この世界にも近い規格の弾薬は存在するが、装薬、弾頭、雷管の品質が異なるため、そのまま安全に使用できるとは限らない。

 

転移時に携行していた弾薬には限りがある。

 

そのため蓮は、射撃で解決できる状況でも、回避、交渉、鹵獲弾薬の確認を先に選ぶことがある。

 

この小銃は彼の力を増す装備であると同時に、残弾によって選択肢を狭める装備でもある。

 

渡邉隼人――15式強化外骨格戦闘装備《みらい》

 

正式名称

 

15式強化外骨格戦闘装備・陸海両用型

製造番号――第十五号

個体呼称――《みらい》

 

開発経緯

 

第三次世界大戦と、その後の日本国内戦によって、日本は海上戦力の大半を失った。

 

大型艦艇を再建するには、長い年月と巨大な造船能力が必要になる。

 

そこで防衛省は、沿岸防衛、島嶼奪回、港湾警備を少人数で補うため、兵士一名へ小型艦艇に近い索敵・火力・水上機動能力を与える計画を開始した。

 

日本単独の研究から始まった計画には、のちにアメリカ側技術陣と民間軍事企業ATLASが参加。

 

日本は制御系、センサー統合、半導体、骨格フレームを担当。ATLASは人工筋肉と動作補助。アメリカ側は武装モジュールと水上推進機構を担当した。

 

二〇一四年に試作型が限定的な実戦試験へ投入され、その結果を反映した初期量産型が二〇一五年から配備された。

 

《みらい》は、その十五番目に製造された機体である。

 

装備の性格

 

名称は外骨格だが、一般的な歩兵用パワードスーツより遥かに大きく重い。

 

装着者の動きを内側のフレームが読み取り、人工筋肉と駆動装置が増幅する。重量の大半は装着者の骨ではなく、外骨格の脚部と接地機構へ逃がされる。

 

隼人の身体には適合手術が施されており、主要骨格の補強材と神経接続端子を通じて《みらい》を制御する。

 

骨をすべて金属へ置き換えたわけではない。

 

生体としての回復能力を残しながら、負荷の集中する骨盤、脊柱周辺、肩甲帯、四肢の一部を人工骨と複合材で補強している。

 

主要装備

 

二〇ミリ多銃身機関砲モジュール

 

一二七ミリ自動装填式主砲モジュール

 

小型垂直発射装置

 

14式小型対艦誘導弾モジュール

 

対空・対水上捜索レーダー

 

近距離水中探知用ソナー

 

電子戦・通信中継装置

 

分解収納式小型無人偵察機

 

水上移動用推進・姿勢制御装置

 

これらすべてを常に同時装着するわけではない。

 

任務に応じて背部、肩部、腕部の接続点へ必要なモジュールだけを取り付ける。

 

一二七ミリ主砲と対艦誘導弾は、外骨格の駆動系と射撃制御が正常でなければ使用できない。主砲発射時は脚部支持装置と姿勢制御を展開し、反動を装着者の肩ではなくフレーム全体へ分散する。

 

つまり、隼人が人力で一二七ミリ砲を担いで撃っているわけではない。

 

装着者を中心に組み上げられた、小型の陸海戦闘車両に近い装備である。

 

支援AI《アイ》

 

《みらい》の射撃管制、損傷診断、通信、無人機制御、生体情報監視を担当する支援AI。

 

隼人の命令を実行するだけでなく、装着者の負傷や装備の限界を警告する。

 

隼人が警告を無視しようとした場合、その事実を周囲へ報告することもある。

 

本人は監視ではなく安全管理だと主張している。

 

隼人は監視だと感じる時もある。

 

弾薬と制約

 

《みらい》最大の弱点は、転移先で専用弾薬と交換部品を量産できないことである。

 

同口径の砲弾が存在しても、電子式信管、弾体材料、装薬特性が異なる。二〇ミリ弾も、未来側で使用していた高性能徹甲弾を完全には再現できない。

 

対空誘導弾と対艦誘導弾は、誘導装置、推進薬、センサーのいずれも現地技術だけでは製造困難。

 

一発を撃つことは、一発を永久に失うことでもある。

 

《みらい》は圧倒的な火力を持つが、物語が進むほど「何を撃たないか」が重要になる。

 

渡邉勇翔――F-3先進制空戦闘機

 

概要

 

日本が極秘開発していた双発ステルス制空戦闘機。

 

第三次世界大戦中、既存のF-2だけでは敵の新型スホーイ、ミグ系列機へ対抗し続けることが難しくなり、試験段階にあった計画が緊急実用化された。

 

研究開始から数か月で無から作られた機体ではない。

 

戦前から進められていた低被探知技術、国産エンジン、高統合センサー、次期戦闘機研究を一つへまとめ、戦時下で試験項目を絞り込むことで限定配備へ移した機体である。

 

勇翔は初期配備部隊で運用と改修に関わった後、自ら操縦者となった。

 

設計思想

 

F-3の目的は、単に旋回性能や最高速度で敵機へ勝つことではない。

 

敵より先に発見し、複数のセンサー情報を統合し、味方へ共有し、相手が有効な反撃へ移る前に戦闘を終えることを目指している。

 

主な特徴は次のとおり。

 

電波反射を抑えた機体形状

 

機内兵装庫

 

長距離捜索用レーダー

 

赤外線捜索・追尾装置

 

複数機間の戦術データ共有

 

高い推力と上昇性能

 

冗長化された飛行制御

 

電子戦装置と受動探知能力

 

特定の一点だけを比べて「F-22以上」とすることはできない。

 

探知、航続、電子戦、格闘戦、整備性には、それぞれ別の長所と短所がある。

 

F-3の強さは、機体単独の数値ではなく、勇翔が情報を組み合わせて戦場全体を先に理解することで発揮される。

 

勇翔機

 

機首側面には、女性の影と舞い散る桜を描いたノーズアートがある。

 

その女性が誰なのか、勇翔は多くを語らない。

 

コールサインは「スカイ1」。

 

未来の誘導弾と電子装備を搭載しているが、転移先には対応する衛星、補給網、暗号鍵、部品工場が存在しない。

 

一部の能力は使用できず、故障した電子部品は代用品すら作れない可能性がある。

 

最先端の戦闘機でありながら、飛ばすたびに残り寿命を消費する機体でもある。

 

小貝高虎――A-10C近接航空支援機

 

概要

 

地上部隊の近くへ留まり、敵の火力を抑え、味方が帰るための時間と空間を作る近接航空支援機。

 

日本が運用する機体は、第三次世界大戦前の緊急防衛協定に基づき、アメリカから移管されたA-10Cと予備部品を基礎としている。

 

開戦後、保管機、製造治具、修理権限が追加供与され、日本国内で再生、組立、近代化改修が行われた。

 

完全な国産新造機ではないが、単純な輸入機でもない。

 

国内で維持し続けるため、配線、通信装置、敵味方識別装置の一部は日本仕様へ変更されている。

 

設計思想

 

A-10は、被弾しないことだけを前提とした機体ではない。

 

低高度で地上部隊を支援する以上、対空砲火を受ける可能性がある。そのため、操縦系統、油圧、燃料系統を冗長化し、左右のエンジンを離して配置し、操縦席周辺へ装甲を施している。

 

主武装はGAU-8/A三〇ミリ七砲身機関砲。

 

ほかに爆弾、ロケット弾、空対地誘導兵器、自己防御用の空対空誘導弾を任務に応じて搭載できる。

 

頑丈さについて

 

A-10には、大きく損傷しながら帰還した実績がある。

 

しかし、「半分なくなっても必ず飛べる機体」ではない。

 

主桁、操縦系統、エンジン、残存揚力のどれかが限界を越えれば墜落する。頑丈さは無敵を意味せず、被弾しても生還できる可能性を少しでも増やすための設計である。

 

小貝も、損傷を誇るより、帰還後にどこが生き残っていたのかを確認する。

 

機体が耐えた無茶を、次の標準戦術にはしない。

 

小貝機

 

機体には風神と雷神を描いた意匠がある。

 

コールサインは「ボルト2」。

 

小貝はA-10で敵戦闘機と交戦した経験を持つが、本来の役割は制空戦闘ではない。勇翔のF-3が上空を押さえ、小貝のA-10が地上部隊へ必要な火力を届ける時、二機は最も強く機能する。

 

搭載可能なJDAMは、通常なら衛星測位と慣性航法を併用して座標へ向かう。

 

転移先では対応する衛星測位を利用できないため、慣性航法だけで飛翔させることになる。その場合は誤差が増え、移動目標への使用も難しい。

 

未来兵器であっても、必要な環境がなければ性能をすべて発揮できない。

 

それが、この世界で二人が最初に直面する現実である。

 

四つの装備に共通すること

 

 89式小銃は、撃つほど弾薬が減る。

 

 《みらい》は、使うほど交換できない部品を消耗する。

 

 F-3は、飛ぶほど整備できない電子装備へ負荷を掛ける。

 

 A-10は頑丈だが、壊れても自然に直るわけではない。

 

 四人が持ち込んだ装備は、物語を一方的に解決する万能の力ではない。

 

 使えば勝てる場面でも、次の戦いに何を残すのかを考えなければならない。

 

 だから彼らの強さは、装備の威力だけでは決まらない。

 

 いつ使うか。

 

 誰のために使うか。

 

 そして、使わない決断ができるか。

 

 その選択こそが、四人を別々の主人公にする。

 

 




はい。

大体これくらいかな何か足りないところ気になるところがあればコメントの方お願いします。

次回は陸自ですそれでは~

※2026年8月30日リメイク完了

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