陸自はドールズフロントライン、海自は艦これとアズールレーン、空自はアッシュアームズ三つの世界でバラバラになりながらでも生き残る   作:ゴーストライターとかした、素人小説書き

55 / 74
艦これはCアズレンはAと表記させていただきますのでお願いします。

クロスオーバーなので悪しからず

それではどうぞ


4-3 提督はつらいよ

4-3

 

提督はつらいよ

 

 呉鎮守府、甘味処「間宮」。

 

 戸口の硝子が、かたかたと鳴った。

 

 夕食にはまだ早い時刻だったが、店の中は賑わっていた。勤務を終えた整備員と、これから交代に入る軍人。艦娘とKAN-SENが同じ卓を囲み、湯呑みや硝子の器を前に話している。

 

「間宮さーん。ラムネ、あと二本!」

 

間宮(艦娘)「はい、少々お待ちください。伊良湖ちゃん、お願いね」

 

伊良湖(艦娘)「はい!」

 

 伊良湖は冷やしておいた瓶を取り出し、布で水滴を拭いた。

 

 その隣で、間宮がパフェの上へ最後の果物を添える。

 

 注文の声は重なっていたが、二人の手は止まらない。

 

 伊良湖が盆へ瓶を載せる頃には、間宮の用意した二つの器も、その横へ揃っていた。

 

間宮(艦娘)「お待たせしました」

 

「来た来た。これを食べないと、仕事が終わった気がしないんだよねえ」

 

「お前、さっき工廠でも同じことを言っていたぞ」

 

「あっちは仕事が終わっただけ。こっちは、気分の問題」

 

 卓から笑い声が上がった。

 

 間宮は空になった皿を引き取り、厨房へ戻ろうとする。

 

 そこで、入口の戸が開いた。

 

間宮(艦娘)「いらっしゃいま――あら」

 

 帽子を取った隼人が、軽く頭を下げる。

 

 その傍らから、蒼龍が顔を覗かせた。

 

隼人「こんにちは、間宮さん」

 

蒼龍(艦娘)「二人、入れますか?」

 

間宮(艦娘)「もちろんです。ちょうど奥が空いたところですよ」

 

 間宮の顔が、明るくなった。

 

間宮(艦娘)「隼人さんも、すっかりお元気になられましたね」

 

隼人「おかげさまで。こちらのお店へ伺うのは、初めてです」

 

蒼龍(艦娘)「お知り合いだったんですね」

 

間宮(艦娘)「食堂で、お食事をお出ししていましたから。着任された翌朝も、提督とご一緒でしたね」

 

隼人「朝から、随分賑やかな日でした」

 

間宮(艦娘)「あの時は皆さん、隼人さんとお話ししたがっていましたもの」

 

 間宮は、くすりと笑った。

 

 隼人は食堂で向けられた視線の数を思い出し、少しだけ肩を竦める。

 

隼人「最近は、大鯨さんにお会いすることが多かったので」

 

間宮(艦娘)「こちらを開ける日は、食堂をお願いしているんです。私が食堂へ回る時は、伊良湖ちゃんにこちらを見てもらって」

 

蒼龍(艦娘)「間宮さんが二人いるわけではなかったんですね」

 

間宮(艦娘)「もう一人いてくれたら、今日は助かりますけれど」

 

 奥から、新しい注文の声がする。

 

 間宮は振り向いて返事をし、二人を小さな座敷へ案内した。

 

 障子は閉め切らず、廊下側を少し開けてある。

 

 外の話し声が程よく遠くなった。

 

蒼龍(艦娘)「私は、白玉の入った抹茶のパフェにしようかな」

 

隼人「では、私は饅頭を。取り皿を二枚、いただけますか」

 

間宮(艦娘)「はい。お茶もお持ちしますね」

 

 注文を控えた間宮が、手を止める。

 

間宮(艦娘)「それと、隼人さん。お渡ししてほしいと言われている物があるんです」

 

隼人「私にですか?」

 

間宮(艦娘)「はい。今朝、こちらへ来た方から」

 

 間宮の声が、少し慎重になった。

 

間宮(艦娘)「その方のお名前が分からなかったので、憲兵さんにもお話ししたのですが……」

 

 

 その日の早朝。

 

 間宮は、店の前を掃いていた。

 

 暖簾を出すには、まだ早い。

 

 通りには荷を運ぶ者がぽつぽつと行き交い、厨房の中では伊良湖が湯を沸かしている。

 

「すみません」

 

 声を掛けられ、間宮は箒を止めた。

 

 緑を基調とした迷彩服の女性が、店先に立っていた。

 

 見慣れた海軍の服装とは違う。

 

 襟元と、まくった袖の先に、いくつもの傷痕が見えた。

 

間宮(艦娘)「あの、お怪我を――」

 

「これですか? もう、治っていますから」

 

 女性は、自分の腕を見て笑った。

 

 かえって間宮の方が、心配しすぎたような気持ちになる笑い方だった。

 

間宮(艦娘)「そうでしたか。何か、御用でしょうか」

 

「隼人大尉へ、渡していただきたい物があるんです」

 

間宮(艦娘)「隼人大尉……副提督の、渡邉さんですか?」

 

「ええ。その方です」

 

 女性は、胸元のポケットから小さな紙包みを出した。

 

 間宮の掌へ載せられても、ほとんど重さを感じない。

 

間宮(艦娘)「これは?」

 

「忘れ物ですよ」

 

 包みの端が少し開き、黒い小片が見えた。

 

 爪ほどの大きさ。

 

 片側には、金色の細い部分が並んでいる。

 

 間宮が見たことのない物だった。

 

間宮(艦娘)「お預かりします。お名前を――」

 

 その時、厨房から伊良湖に呼ばれた。

 

 間宮は入口へ顔を向け、一言だけ返事をした。

 

 振り返ると、店先に女性の姿はなかった。

 

 通りを見渡す。

 

 角を曲がっていく荷車と、遠ざかる二人の作業員。

 

 迷彩服は、どこにも見えない。

 

間宮(艦娘)「……あの?」

 

 追おうとして、間宮は掌の包みを見た。

 

 小さな黒い物だけが、残っていた。

 

 

 

間宮(艦娘)「すぐに詰所へ届けました。私が覚えている服装や時刻も、お伝えしてあります」

 

 間宮が差し出したのは、紙包みそのものではなかった。

 

 隼人宛ての、憲兵隊からの連絡票である。

 

 拾得物に準じて預かったこと。現物は詰所で保管していること。

 

 その下に、黒い小片の簡単な見取図が添えてあった。

 

 隼人は、その図へ目を留めた。

 

 欠けた角と、片側に並ぶ接点。

 

 見覚えのある形だった。

 

隼人「……記録媒体かもしれませんね」

 

間宮(艦娘)「記録、ですか?」

 

隼人「私のいた世界で使っていた物に似ています。現物を見ないと、確かなことは言えませんが」

 

 microSDカード。

 

 図だけで断定はできない。

 

 ただ、もしそうなら、少なくともこの鎮守府で普通に手に入る品ではなかった。

 

蒼龍(艦娘)「その女性は、見つかったんですか?」

 

間宮(艦娘)「まだ、連絡はありません。今朝の入構記録だけでは、該当する方を確認できなかったそうです。構内にいる方かどうかも、照会を続けると」

 

 隼人は、連絡票の時刻を確かめた。

 

 名前は分からない。

 

 自分を知っているという確証も、まだない。

 

 それでも、大尉という呼び方が、妙に耳に残った。

 

 ここへ来てからは、役職で呼ばれることが多い。

 

 以前の部隊で、誰かに呼び止められた時のようだった。

 

隼人「私の名前を聞いた時、迷っている様子はありませんでしたか?」

 

間宮(艦娘)「ええ。副提督かと聞くと、すぐに、その方ですと」

 

隼人「ほかに、何か仰っていましたか」

 

間宮(艦娘)「忘れ物、と。それだけです」

 

 隼人はもう一度、見取図を見た。

 

 所持品をまとめた時、カードが足りないとは気づかなかった。

 

 自分が落とした物なのか。

 

 何を、忘れたと言っているのか。

 

 今ここで考えても、答えは出ない。

 

隼人「ありがとうございます。現物は、私から確認しに行きます」

 

間宮(艦娘)「すぐに、お出かけになりますか?」

 

 蒼龍も、隼人を見た。

 

 隼人は連絡票を畳み、胸のポケットへ収める。

 

隼人「いえ。まず、お茶をいただきます。知らせを届けてくださって、助かりました」

 

 間宮は少し安心したように、頷いた。

 

間宮(艦娘)「では、すぐにお持ちしますね」

 

 座敷から足音が遠ざかる。

 

 蒼龍は、すぐには何も聞かなかった。

 

 隼人の指がポケットから離れるのを待って、静かに口を開く。

 

蒼龍(艦娘)「知っている方かもしれませんね」

 

隼人「そうであってほしいとは、思います」

 

 隼人は、顔を上げた。

 

隼人「ですが、願っていることと、確かめられたことは別ですから」

 

蒼龍(艦娘)「……はい」

 

 覚えていない女性。

 

 帰ってこない家族と仲間。

 

 どれへ結びつけようとしても、自分の期待が先に出てしまう。

 

 隼人は、何も載っていない卓の上から目を離した。

 

隼人「せっかく、誘っていただいたのに」

 

蒼龍(艦娘)「お茶は、これからですよ」

 

 蒼龍は、いつもの調子で答えた。

 

蒼龍(艦娘)「それに、今日は瑞鶴さんたちのお話を聞く約束です。まだ、聞いていません」

 

隼人「……そうでしたね」

 

 隼人の口元が、少し緩んだ。

 

 蒼龍は、それを見てから湯呑みの置かれる場所を空けた。

 

 

 

 同じ頃。

 

 居住棟の廊下で、武蔵は足を止めていた。

 

 両手に提げた荷物を、一度だけ床へ置く。

 

 借りていた部屋の片づけと挨拶を済ませ、ようやくこちらへ移ってきたところだった。

 

 戸口には、新しい名札が二枚掛かっている。

 

 渡邉隼人。

 

 武蔵。

 

 並んだ名前を確かめてから、武蔵は、その前に立っている女性へ目を向けた。

 

武蔵(艦娘)「……何をしている、大鳳」

 

大鳳(KAN-SEN)「あら。お久しぶりですわね、武蔵」

 

 大鳳は、手にした包みを持ち直した。

 

 その背後の戸は、閉まっている。

 

武蔵(艦娘)「お前も、呉にいたのか」

 

大鳳(KAN-SEN)「ええ。貴方が着任したとは伺いましたけれど、ゆっくりお会いする機会がなくて」

 

武蔵(艦娘)「そうだな。ところで、ここに用か?」

 

大鳳(KAN-SEN)「隼人様へ、お届け物を。二度ほどお呼びしましたが、お留守のようですの」

 

 武蔵は大鳳の顔を見た。

 

 返事がなかったから、待っていた。

 

 それ自体に、おかしなことはない。

 

 ただ、名を口にした時の声が、以前知っていた大鳳とは少し違っていた。

 

武蔵(艦娘)「その包みか」

 

大鳳(KAN-SEN)「はい。新しいお部屋に移られると聞きましたので、お茶を」

 

 大鳳が、丁寧に結んだ包みを差し出す。

 

 武蔵は受け取る前に、中身を聞いた。

 

大鳳(KAN-SEN)「茶葉と、お菓子ですわ。何か問題でも?」

 

武蔵(艦娘)「ない。預かっておこう。本人へ渡しておく」

 

 武蔵が鍵を出す。

 

 大鳳の視線が、その鍵へ吸い寄せられた。

 

大鳳(KAN-SEN)「……本当に、貴方がこちらへ?」

 

武蔵(艦娘)「名札のとおりだ」

 

大鳳(KAN-SEN)「同じ玄関を使って、朝も、夜も……」

 

武蔵(艦娘)「寝る場所は別だと、説明を受けたが」

 

大鳳(KAN-SEN)「ええ。それは、存じておりますわ」

 

 大鳳は笑っている。

 

 笑っているが、包みを持った指が、なかなか離れなかった。

 

 武蔵は引っ張らずに待った。

 

武蔵(艦娘)「渡してよいのか、持って帰るのか。どちらだ」

 

大鳳(KAN-SEN)「……お渡しください」

 

 ようやく、指が離れた。

 

 武蔵は片方の荷物の上へ包みを載せ、鍵を回した。

 

 戸を開ける前に声を掛ける。

 

武蔵(艦娘)「武蔵だ。入るぞ」

 

 返事はない。

 

 開いた戸の向こうには、小さな居間と、二つに分かれた居室があった。

 

 片側には、すでに隼人の荷物が置かれている。

 

 衣類を収めた箱と、机の上の筆記用具。畳んだ寝具。

 

 噂に聞く未来の兵器が、壁一面へ並んでいるわけではなかった。

 

 武蔵は荷を運び入れ、自分の机の脇へ下ろす。

 

 大鳳は、戸口からその様子を見ていた。

 

大鳳(KAN-SEN)「荷ほどきの、お手伝いをいたしましょうか」

 

武蔵(艦娘)「私の分なら、自分でできる」

 

大鳳(KAN-SEN)「では、隼人様の――」

 

武蔵(艦娘)「本人へ聞け」

 

 大鳳が口を閉じた。

 

 武蔵は戻ってくると、共用の卓へ茶の包みを置いた。

 

武蔵(艦娘)「私が決められることではない。ここを使うことになっただけで、あの男の荷物まで私の物になるわけではないからな」

 

大鳳(KAN-SEN)「……そう、ですわね」

 

 少しだけ、声が低くなった。

 

 大鳳は居室の奥から目を離す。

 

 昨日、天城の前で約束したことを、ここで忘れるわけにはいかなかった。

 

大鳳(KAN-SEN)「急がず、お互いを知ることにしたのです」

 

武蔵(艦娘)「そうか」

 

大鳳(KAN-SEN)「ですから、今日はこれだけ。お帰りになったら、大鳳が来たとお伝えください」

 

武蔵(艦娘)「分かった」

 

 大鳳は一歩下がり、それから、もう一度口を開いた。

 

大鳳(KAN-SEN)「それと……お茶が気に入ったかどうか、伺いたいので。また来ても、よろしいかしら」

 

武蔵(艦娘)「本人と約束して来い。私が追い返す理由はない」

 

 大鳳は、僅かに目を見開いた。

 

 それから、今度は肩の力を抜いて笑った。

 

大鳳(KAN-SEN)「ありがとうございますわ」

 

武蔵(艦娘)「私へ礼を言うことでもないだろう」

 

大鳳(KAN-SEN)「言いたくなったのです」

 

 大鳳は軽く頭を下げ、廊下を戻っていった。

 

 武蔵は、その背中が角を曲がるまで見送る。

 

 以前なら、どんな用件でも、もう少し落ち着いて話す相手だった。

 

 茶を渡すだけで、あれほど言葉を選ぶとは。

 

武蔵(艦娘)「……随分と、気を揉ませる男らしいな」

 

 自分はまだ、顔を合わせてもいない。

 

 武蔵は室内へ戻り、来客を告げる短い書き置きを、包みの脇へ添えた。

 

 それから、自分の荷物の紐を解く。

 

 戸口の鍵は、内側から掛け直した。

 

 

 

隼人「……くしゅん」

 

蒼龍(艦娘)「大丈夫ですか?」

 

隼人「失礼しました。少し、鼻が」

 

 隼人は顔を背け、手巾を畳み直した。

 

 蒼龍が、開いている障子の方を見る。

 

蒼龍(艦娘)「風、当たります?」

 

隼人「いえ。ちょうどよいくらいです」

 

 卓には、湯気の立つ茶が置かれていた。

 

 稽古の話をしているうちに、蒼龍が笑った回数も増えている。

 

蒼龍(艦娘)「瑞鶴さん、きっと次まで練習してきますよ」

 

隼人「でしょうね。翔鶴さんも」

 

蒼龍(艦娘)「楽しみですね」

 

隼人「私の方にも、準備が要りそうです」

 

 隼人が茶を飲む。

 

 蒼龍は品書きを脇へ寄せ、その下にあった新聞を持ち上げた。

 

 前日付の夕刊だった。

 

 折り返された面に、大きな見出しがある。

 

 ドーバー海峡、連合艦隊後退。

 

 蒼龍の指が止まった。

 

蒼龍(艦娘)「……これ、読まれましたか?」

 

隼人「朝、同じ通信社の記事を。そちらは、何と?」

 

 蒼龍が、新聞を二人の間へ広げる。

 

 英国、フランス、ドイツ、ロシア、イタリアの艦艇からなる欧州の連合艦隊が、ドーバー海峡で深海棲艦とセイレーンの混成艦隊と交戦した。

 

 緒戦では、陸上基地と空母から出撃した航空隊が優勢を保ったという。

 

 その後、敵の高速航空機が投入され、状況が変わった。

 

 記事には、ジェット機とみられる、と書かれている。

 

 上空の護衛を失った艦艇は攻撃を受け、海峡の一部から後退。各国は損害を確認中で、民間船の航行には制限が出されていた。

 

 英国は沿岸警備を強化し、フランスは近隣諸国へ支援を要請。

 

 ドイツとイタリアの首脳による、合わせて二十個師団規模の派遣を目指す声明も載っていた。

 

蒼龍(艦娘)「向こうの空にも、あの速い機体が……」

 

 蒼龍の声が、少し細くなる。

 

 隼人は、見出しから記事本文へ目を移した。

 

隼人「同じ型かどうかは、まだ分かりません。新聞には、形も装備も詳しく書かれていませんから」

 

蒼龍(艦娘)「でも、航空隊が追いつけなかったことは同じですね」

 

隼人「ええ」

 

 蒼龍は、空母の損害が記された短い段落を読んだ。

 

 機数の一部は、確認中とされている。

 

 失われたのか、別の飛行場へ降りたのか。それすら、まだ分からない者がいるのだろう。

 

 あの日の空を思い出し、蒼龍は一度、茶へ手を伸ばした。

 

 隼人は新聞を取り上げず、彼女が戻ってくるのを待った。

 

蒼龍(艦娘)「大西洋側にも敵の拠点がある、とは聞いていました。でも、そこから来たのでしょうか」

 

隼人「可能性はあります。ただ、今回の攻撃隊がどこで準備され、どこから補給を受けたかは、この記事だけでは分かりません」

 

 太平洋と大西洋。

 

 離れた海で、似た脅威が現れている。

 

 だからといって、敵が二つの本部だけで動いていると決めることはできなかった。

 

 別の場所にも、同じ装備を持つ敵がいるかもしれない。

 

蒼龍(艦娘)「呉の戦いについて、向こうにも伝わっているのでしょうか」

 

隼人「どこまで届いたかは、司令部で確認しましょう」

 

 隼人は声を落とした。

 

 ここで話してよい範囲を、蒼龍も心得ている。

 

 彼女は頷き、新聞の下の方へ視線を移した。

 

蒼龍(艦娘)「二十個師団。来てくれれば、心強いですね」

 

隼人「実際に届けば、です。記事では、派遣を目指すという表明までですね」

 

蒼龍(艦娘)「もう、出発したわけではないと?」

 

隼人「はい。どの部隊を、いつ、どこへ送るか。そのあと、食料や弾薬をどう運ぶか。そこまで決まらなければ、現地で使える戦力には数えられません」

 

 隼人は、二つの名前へ目を留めた。

 

 アドルフ・ヒトラー。

 

 ベニート・ムッソリーニ。

 

 知っている名だった。

 

 その二人が、フランスへの支援を表明している。

 

 隼人の知る歴史を、そのまま紙の上へ重ねることはできない。

 

 ここで起きていることを、ここで確かめる必要があった。

 

蒼龍(艦娘)「隼人さんは、見出しより下を長く読みますね」

 

隼人「下の方に、条件が書いてあることが多いので」

 

蒼龍(艦娘)「軍人より、政治家に向いていると言われませんか?」

 

隼人「兄弟から、似たようなことを言われたことはあります」

 

蒼龍(艦娘)「やっぱり」

 

隼人「褒めていたかどうかは、怪しいところですが」

 

 蒼龍の口元が緩んだ。

 

 隼人は新聞を畳む。

 

隼人「私は、自分でこの仕事を選びました。ただ、現場へ来る命令が、どこでどう決まるかは知っておきたい」

 

蒼龍(艦娘)「その命令を受ける人が、いるからですか」

 

隼人「ええ」

 

 短い返事のあと、隼人は新聞を卓の端へ置いた。

 

 廊下から、間宮の声がする。

 

間宮(艦娘)「お待たせしました。失礼しますね」

 

 盆の上には、白い饅頭と、抹茶色の冷菓。

 

 白玉の並んだ器へ、小さな匙が添えられている。

 

間宮(艦娘)「こちらがお饅頭、こちらが白玉の抹茶パフェです。取り皿も、お使いください」

 

蒼龍(艦娘)「ありがとうございます」

 

隼人「いただきます」

 

 間宮が下がると、蒼龍は匙を取る前に新聞を見た。

 

 隼人は、自分の饅頭を取り皿へ分ける。

 

隼人「そちらのアイスが溶ける前に、いただきましょう」

 

蒼龍(艦娘)「……はい。半分、どうぞ」

 

 匙の先に、白玉が一つ載る。

 

 蒼龍が口へ運び、頬を少し緩めた。

 

蒼龍(艦娘)「おいしい」

 

隼人「こちらも。まだ、温かいですよ」

 

 窓の外の海が穏やかでも、遠い海まで同じとは限らない。

 

 それでも今、目の前へ用意してくれた物は、温かいうちに食べたかった。

 

 隼人はもう一方の取り皿へ饅頭を載せ、蒼龍へ差し出した。

 

 

 

 夜。

 

 提督居室の扉を閉めた剣子は、上着を椅子へ掛け、そのまま机へ突っ伏した。

 

剣子「……終わった」

 

 少し間を置く。

 

剣子「今日の分だけ」

 

 昨日は、部屋割りの相談が、天城の家の襖の修理にまで繋がった。

 

 今日は、ようやく落ち着いて仕事ができると思っていた。

 

 思っていただけだった。

 

 午前中には、工廠の復旧計画と船団護衛の予定を組み直した。

 

 午後には、欧州方面への支援に出せる戦力はないかという照会が来た。

 

 出せる戦力。

 

 その書き方が、剣子の頭へこびりついている。

 

 書類の上で艦名の横へ丸を付けるだけなら、いくらでもできる。

 

 しかし、修理中の艦は出せない。艦が直っても、航空隊が戻るわけではない。護衛任務から外せば、その船団を誰かが代わらなければならない。

 

剣子「海は、一枚の紙より広いんですけどねえ……」

 

 呟いて、顔を上げる。

 

 さらに、武蔵の居室変更。隼人の任用見直し。大本営から返された書類。

 

 文面の訂正箇所は、一文字だった。

 

 添えられた注意事項は、二枚だった。

 

剣子「二枚書く時間で、そっちで直してくれませんかねえ……!」

 

 剣子は椅子の背へ寄り掛かり、両手で顔を覆った。

 

 誰に言っているわけでもない。

 

 だから、返事は要らなかった。

 

 机の電話が鳴った。

 

剣子「……」

 

 返事は、要らなかったのに。

 

 居室まで通してきた以上、放っておくわけにもいかない。

 

 剣子は受話器を取り、机へ向き直る。

 

剣子「はい、好美です」

 

『大本営から、お繋ぎします』

 

 交換手の声だった。

 

 剣子の目が、天井へ向く。

 

 昼に返した回答の、どこかがまた足りないのだろう。

 

 小さな雑音のあと、向こうから息遣いが聞こえた。

 

剣子「今度は、何を増やすおつもりですか!」

 

 沈黙。

 

 言ってから、剣子は少し強すぎたと思った。

 

『私が一人、増える予定なのだが』

 

剣子「……はい?」

 

『連合艦隊司令長官、山本五十六だ。好美剣子少佐で、間違いないかな』

 

 椅子が鳴った。

 

 剣子は立ち上がり、受話器を落としかけ、両手で持ち直した。

 

剣子「は、はい! 好美です! 大変、失礼いたしました!」

 

山本「うむ。元気は残っているようだね」

 

剣子「残していたわけではなく、その……申し訳ありません!」

 

 誰も見ていない部屋で、剣子は深く頭を下げた。

 

 受話器の紐が、机の端へ引っ掛かる。

 

 それを外そうとして、また姿勢が崩れた。

 

 向こうで、短い笑い声がした。

 

山本「こちらこそ、遅い時刻に悪かった。今、話せるか」

 

剣子「はい。伺います」

 

 剣子は上着を取ろうとして、やめた。

 

 代わりに、机の引き出しから紙と鉛筆を出す。

 

 掌に、汗が滲んでいた。

 

山本「米国との会談を終えて、今日戻った。呉の戦闘詳報と、その後の復旧報告は読んでいる」

 

剣子「ありがとうございます」

 

山本「君が任用した渡邉大尉についても、近藤元帥から資料を受け取った。三十日の任用期間が終わる前に、本人と、現場を預かる君の話を聞きたい」

 

 剣子の鉛筆が、ようやく動き始めた。

 

 名前を初めて聞いた、という電話ではない。

 

 報告を読んだうえで、確かめに来る。

 

 その意味を考えると、別の緊張が背中を伸ばした。

 

山本「明日、午前中に呉へ入るつもりだ。都合はどうか」

 

剣子「明日、ですか」

 

山本「急なのは承知している。欧州からの詳報が届き始めた。こちらでも、あの高速機と通信妨害について、確認を進めなければならん」

 

 剣子は手帳を開いた。

 

 午前の予定は、埋まっている。

 

 全部空いています、と言うのは簡単だった。

 

 その代わり、誰かの予定が全部、後ろへ押される。

 

剣子「十時までは、工廠と補給担当の打ち合わせがあります。そこを外すと、翌日の修理工程が決まりません」

 

山本「では、そのあとにしよう」

 

 思っていたより、返事が早かった。

 

剣子「よろしいのですか?」

 

山本「私が来るために、修理を止められては困る。到着が早まったら、こちらが待つ」

 

剣子「……承知しました」

 

 剣子は、予定表の線を一本引き直した。

 

山本「出迎えの式典は要らん。飾り直した姿ではなく、今の呉を見せてくれ」

 

剣子「はい。隼人さんには、私から伝えます」

 

山本「身体は、もう回復しているのだね」

 

剣子「はい。通常勤務へ復帰しています。本日も、施設の試用と稽古を予定どおり終えました」

 

山本「それはよかった。では、詳しい到着予定と随員の人数は、担当から送らせる」

 

剣子「お待ちしております」

 

山本「それから、好美少佐」

 

剣子「はい!」

 

山本「明日は、増えた私を追い返さないでくれよ」

 

 剣子の鉛筆が止まる。

 

剣子「……大変、申し訳ありませんでした」

 

 穏やかな笑い声を残して、電話が切れた。

 

 剣子は受話器を戻し、ゆっくり椅子へ座る。

 

 しばらく、目の前の紙を見つめた。

 

 長官来訪。

 

 明日。

 

剣子「……明日?」

 

 今さら、もう一度声に出た。

 

 

 

 電話が鳴った。

 

 今度は、すぐに取らなかった。

 

 一度だけ深く息を吸い、受話器を耳へ当てる。

 

剣子「呉鎮守府、好美剣子です」

 

近藤「はい、よくできました」

 

 剣子は目を閉じた。

 

 この声を聞き違えるはずがない。

 

 海軍元帥、近藤佐美子。

 

 剣子が昔から頭の上がらない相手であり、困った時に頼れる相手であり、ときどき、困る原因そのものになる相手だった。

 

剣子「……元帥閣下。何の御用でしょうか」

 

近藤「さっき、隣にいたのよ」

 

剣子「そうですか」

 

近藤「何を増やすおつもりですか、って」

 

剣子「聞こえたんですね」

 

近藤「ええ。よく通る声だったわ」

 

剣子「忘れていただけませんか」

 

近藤「難しいわねえ」

 

 楽しそうだった。

 

 剣子は鉛筆を握り直した。

 

 折らない程度に。

 

近藤「私も明日、そちらへ行くから。よろしくね」

 

剣子「元帥も?」

 

近藤「ええ。報告書で見ていた人に、ようやく会えるのよ」

 

剣子「写真の話は、ほどほどにお願いします」

 

近藤「まだ、何も言っていないでしょう」

 

剣子「以前、言いました」

 

 向こうで、近藤が笑った。

 

 剣子の書いた『長官来訪』の横へ、元帥の二文字が増える。

 

 一人、ではなかった。

 

近藤「もちろん、会うだけで済ませるつもりはないわ。呉の修理と補給の状況も、その目で見ておきたいの」

 

剣子「今日、提出した一覧のとおりです。欧州へ回せるかという照会には、現行の護衛任務を維持する限り、直ちに抽出できる戦力はないと回答しました」

 

近藤「読んだわ」

 

剣子「余裕があるふりをしても、艦も人も増えませんから」

 

 先ほどより、はっきりと言えた。

 

 近藤は、そこで茶化さなかった。

 

近藤「だから、その一覧が必要なのよ。出せない理由まで添えてあれば、こちらでも話ができる」

 

 剣子の手から、少し力が抜けた。

 

近藤「向こうも苦しい。こっちも苦しい。どこへ何を残すか、誰かが決めないといけないでしょう」

 

剣子「はい」

 

近藤「渡邉大尉の装備だけで、全部を埋められるわけでもない。それは、私からも言っておく」

 

 剣子は、机の上の予定表を見た。

 

 明日の会談に使う資料の横へ、短く印を付ける。

 

 万能の兵器がある、という話で会談を始められては困る。

 

 その点では、近藤も同じ考えだった。

 

剣子「ありがとうございます。では、来訪の準備はこちらで進めます。費用は、そちら持ちでよろしいですね」

 

近藤「……費用?」

 

剣子「はい」

 

近藤「今年は、海軍も厳しいのよ。陸の方へも、随分持っていかれているし」

 

剣子「こちらは、襖一枚を直す費用まで計算しています」

 

近藤「襖?」

 

剣子「別件です。今回のお出迎えも、別件としてお願いします」

 

 近藤が吹き出した。

 

近藤「随分、はっきり言うようになったじゃない」

 

剣子「はっきり書いて送っても、読んでいただけないことがあるので」

 

近藤「それ、誰の話かしら」

 

剣子「ご自分でお考えください」

 

 少し、言いすぎたかもしれない。

 

 だが、近藤は気にした様子もなく続けた。

 

近藤「まあ、細かいところは総務と詰めておいて。食事だって、長官が普段どおりでいいと仰ったでしょう?」

 

剣子「普段の食事にも、お金は掛かります」

 

近藤「……本当に、しっかりしたわねえ」

 

剣子「褒める代わりに、費用区分を明記してください」

 

近藤「はいはい。担当へ話しておくわ」

 

剣子「ありがとうございます」

 

近藤「それじゃ、明日ね。今夜は、少しは寝なさいよ」

 

剣子「今、寝る前の仕事を増やした方が、それを――」

 

 電話が切れた。

 

 剣子は、口を開けたまま受話器を見る。

 

剣子「……最後まで聞け」

 

 誰もいない部屋へ、低い声が落ちた。

 

 

 

 剣子は受話器を乱暴に叩きつけなかった。

 

 これを壊せば、また修理費が要る。

 

 静かに戻し、今度は自分から電話を掛けた。

 

剣子「大本営海軍部の総務へ、お願いします」

 

 しばらく待って、担当者が出る。

 

『総務課です』

 

剣子「呉鎮守府の好美です。明日の長官と近藤元帥の来訪について、受け入れ費用の区分を確認したいのですが」

 

『明日の……少々お待ちください』

 

 紙をめくる音がした。

 

 続いて、少し離れた相手へ呼び掛ける声。

 

『申し訳ありません。たった今、こちらにも連絡が来ました』

 

剣子「こちらも、たった今です」

 

 互いに、少し黙った。

 

 それだけで、通じるものがあった。

 

剣子「特別な式典と会食は行いません。通常の食事と、会談場所の用意で受け入れます。追加の宿泊や車両が必要でしたら、人数と一緒にお知らせください」

 

『承知しました』

 

剣子「その実費を、訪問側の費用として処理できるか、確認をお願いします。呉の復旧費からは出せません」

 

『近藤元帥から、こちらへ調整するよう指示が来ています。旅費担当と合わせ、区分を明記して回答します』

 

 剣子は、紙へ担当者の部署を控えた。

 

 口約束だけで終わらせなければ、明日の自分が少し助かる。

 

剣子「ありがとうございます。それと、元帥へ伝言をお願いできますか」

 

『はい』

 

 剣子は、一度息を吸った。

 

 言いたい言葉は、沢山あった。

 

 そのほとんどは、公式な伝言には向いていなかった。

 

剣子「呉の工事を止めるお出迎えはできません。復旧を優先した上で、お待ちしております、と」

 

『そのまま、お伝えします』

 

剣子「お願いします」

 

 電話を切る。

 

 剣子は紙を読み返し、ようやく椅子へ深く座った。

 

 今度こそ終わり、と言いたかった。

 

 扉が叩かれた。

 

剣子「……はい」

 

大淀(艦娘)「大淀です。来訪予定の連絡が当直にも入りましたので、確認に」

 

剣子「入ってください」

 

 大淀は薄い書類を抱え、もう片方の手に、小さな紙袋を持っていた。

 

 剣子は、その紙袋を見た。

 

剣子「そっちも、書類ですか」

 

大淀(艦娘)「お饅頭です」

 

剣子「……饅頭」

 

大淀(艦娘)「隼人さんと蒼龍さんからです。よろしければ、執務室の皆さんで、と」

 

 剣子は、しばらく黙って袋を見た。

 

剣子「お茶、飲めたんですね。二人とも」

 

大淀(艦娘)「ええ。そのあと、隼人さんは憲兵詰所へ立ち寄られました」

 

 大淀が、薄い方の書類を机へ置く。

 

 早朝に届いた、差出人不明の預け物についての報告だった。

 

 現物は、隼人が見知っている形状の記録媒体だったという。

 

 本人の所持品かどうかは未確認。内容も、まだ読んでいない。

 

 受領後は技術区画へ保管を依頼し、確認の準備を進めることになっていた。

 

剣子「……お茶を飲みに行って、何を拾ってくるんですか、あの人は」

 

大淀(艦娘)「拾ったのは、間宮さんです」

 

剣子「そういう話ではなくてですね」

 

 大淀は口元を少し緩めてから、報告書を開いた。

 

大淀(艦娘)「憲兵隊が差出人の照会を続けています。今夜、提督から新たにご指示いただく事項はありません。続報が入り次第、ご報告します」

 

剣子「分かりました。では、明日の来訪の話を先に」

 

 剣子は、自分の書いた紙を大淀へ向ける。

 

 午前の工廠との打ち合わせは動かさない。

 

 会談はそのあと。

 

 使う資料は、提出済みの報告書と最新の修理・補給一覧。見栄えのために、一から作り直さない。

 

 大淀は確認しながら、必要な箇所へ印を付けた。

 

大淀(艦娘)「承知しました。隼人さんへの連絡と会議室の調整は、こちらで行います」

 

剣子「助かります。長官は、普段どおりでいいと仰っていました」

 

大淀(艦娘)「では、そういたしましょう」

 

剣子「普段、長官と元帥が一緒に来ることはありませんけどね」

 

大淀(艦娘)「お茶をお出しするところまでは、普段と同じです」

 

 剣子は、それを聞いて少し笑った。

 

 大淀も、笑いを返した。

 

 最後に担当を確かめると、大淀は書類を閉じた。

 

大淀(艦娘)「正式な到着時刻と費用区分の回答は、当直で受け取ります。変更がなければ、朝の申し送りで」

 

剣子「お願いします」

 

 大淀が退出し、扉が閉まる。

 

 剣子は饅頭を一つ取り、残りの袋の口を折った。

 

 明日、皆にも分ける。

 

 自分の分まで明日へ回す気には、ならなかった。

 

 口へ運ぶと、甘い餡が舌へ広がった。

 

剣子「……おいしい」

 

 やっと、仕事以外の感想が出た。

 

 剣子は残りを食べ、机の上の紙を揃える。

 

 明日は長官と元帥が来る。

 

 欧州の戦況は悪い。

 

 持ち主の分からない小さな記録媒体も、まだ残っている。

 

 それでも、今夜の当直は自分ではない。

 

 剣子は上着を畳み、灯りへ手を伸ばした。

 

 その直前、机の紙にある一行が目へ入る。

 

 長官来訪。特別な歓迎不要。

 

剣子「……それ、朝まで変えないでくださいね」

 

 念を押す相手は、もう電話の向こうにもいなかった。

 

 剣子は灯りを消した。




はい、どうも

お久しぶりです素人小説書きです。

いやぁ~、バイトと自衛隊の試験が重なったせいで伸びちゃった…

すんません…

次回はできるだけ早く書くと思います。

それでは

2026年9月18日リメイク完了

ヒロイン

  • 416
  • VSK-94
  • 大鳳A
  • 蒼龍C
  • 雷電
  • スカイレイダー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。