―――風間ファミリー秘密基地―――
風間ファミリーの秘密基地は、多馬川近くの廃ビルの中にあった。
当分取り壊しの予定がなく、風間ファミリーで不審者がいないか見回るという名目で部屋の一つを使わせてもらっている。
部屋の中にはメンバーが持ち込んだマンガやゲームが並べられており、ファミリーは毎週金曜日の夜に集まるのだ。
そして今、一子を除くメンバー七人が、ソファーに座ってくつろいでいる。
「それにしても、ワン子おっせーな。まだ修行してんのか?」
「確かに遅いですね。何かあったんでしょうか」
「もうすぐ九時になっちゃうよ」
プロテインを煽っていた岳人、松風を掌に乗せる由紀江、マンガを読んでいる卓也が、未だに来ない一子を心配していた。
「修行がハード過ぎて、疲れて来れなくなったのではないか?」
「ルー師範代がそんなハードな修行させるとは思えないけど…」
クリスの推測を、京は否定した。
京は何度か川神院で鍛錬をしており、ルーが過剰に疲労の残るような無茶な指導はしないことを知っていた。
「待ってりゃ来るだろ?来れるって言ってたしな」
「でも、最近物騒な噂が多いよ?神隠しとか、『復讐屋』とかさ」
「復讐屋?なんだそれ?」
卓也の言った復讐屋というワードに、翔一が興味を示した。
「誰かを恨んでいる人の前に現れて、その人の復讐を手伝って恨みを晴らさせてあげるんだってさ。ネットじゃちょっと有名だよ」
「へー。なんかいかにも都市伝説って感じだな」
「まあ、なんにしても心配はいらないぞ?もう来たからな」
「「え?」」
翔一と卓也の会話に、百代が割り込んだ。
すると、メンバーに新しい飲み物を配っていた卵型のお手伝いロボット、クッキーが声を上げた。
「ムムムッ!レーダーに反応あり!ワン子がビルに入ってきたみたいだね」
「おお!ワン子来たのか!すげえなモモ先輩!」
「ロボットのレーダーより早く分かるって…すごすぎるよ」
百代は気配探知により、一子が来たことに気づいていた。しかし――
「でも、百代。ワン子の他にもう一人反応があるよ?僕のメモリに該当データがないんだ」
「ああ、私も知らない気配だ」
「秘密基地に他人を入れるなんて…ワン子、どういうつもり?」
百代やクッキーによれば、一子が何者かを廃ビルに入れたらしい。
外部の人間がファミリーに干渉することを嫌う京は、たちまち不機嫌な顔になる。
すると、ドアの向こうでドタドタと足音が聞こえてきた。
そして一子が勢いよくドアを開けて入ってくる。
「おいワン子。いったい誰を連れて…」
「みんな!大和よ!大和が帰って来たの!」
入ってくるなりそう言ってきた一子に、クリス、由紀江、クッキーを除くメンバーが固まった。
新メンバーである二人と一機は、みんながなぜ固まったのか分からず、首を傾げている(首のないクッキーは、体全体を傾けている)。
今…一子は何と言った…?
固まっているメンバーがそう思っているのを知ってか知らずか、一子は背後にいた人物を部屋の中に引っ張り込む。
その人物――大和は、呆けているメンバーに対して呆れ気味に言った。
「ったく。ワン子と言いお前らと言い、仲間の顔を忘れちまったのかよ?」
「「「「や…大和!?」」」」
「「「大和…ええ!?」」」
先に声を上げたのは、大和のことを知る百代、翔一、岳人、卓也の四人。
その後に驚いたのは、以前に大和のことを他のメンバーから聞いていたことを思い出したクリス、由紀江、クッキーの二人+一機だ。
その内、前者の四人はすぐさま大和に駆け寄った。
「大和…か?気配が昔と全然違うぞ!?」
「うおー大和ー!ようやく帰って来たのかー!!」
「このやろー!連絡の一つもよこさねーたぁどういうこった!?」
「そうだよ!京がどれだけ…京?」
驚き、喜び、怒りと、色々な感情をぶつける四人。
と、ここで、最後に発言していた卓也があることに気づいた。
大和のことを知る古参メンバーの中で唯一、京だけがソファーの上で固まったままだ。
大和の顔を凝視し続ける彼女に、大和が声をかける。
「おーい京。起きてるかー?」
「……大和?」
「おう」
「………大和ぉ!!」
「どふぉお!?」
大和の声を聴いて、ようやく覚醒した京は、大和に飛び込んだ。
秘密基地に来る前に食らった一子のタックルを上回る、凄まじいボディアタックだった。
常人からすれば瞬間移動と言われても納得できる速度に不意をつかれた大和は、その衝撃に耐えられず押し倒されてしまう。
「ああ大和!私の大和!私だけの大和!ついに帰ってきてくれた!結婚して!」
「お…お友達で…。そして、どいてくれ…うぷっ」
「ああ!このやり取りも久しぶり!」
「ど…どいて…くれ…」
大和の頭を胸に抱き込んでたたみかける京へ、大和は可能な限り冷静に、お決まりの返事を返す。昔散々やっていた告白→お断りの流れを久々にできて、京のテンションはさらに上がり、腕の力を強めてきた。
窒息しかねない状況になり、大和はやや赤面しつつ京の体を離す。
(ヒュー、よかったな大和。こういう時なんて言うんだったか…『お楽しみでしたね』?)
(うるせえ…。ってかマジでその知識の情報源は何だ?)
まさかゼルバの口からネタ台詞が飛び出すとは、大和も思わなかった。使い方違うし。
ちなみに大和とゼルバは、こうして思念により会話することができる。
大和が興奮する京から何とか離れ、ようやく秘密基地に落ち着きが戻った。
「なあ大和。帰って来たってことは、こっちの学校に通うのか?」
「いや、学校には行かない。今ちょっと事情が複雑でな。詳しいことは聞かないでくれるとうれしい」
翔一からの質問に、困った顔をして大和が答える。
他のメンバーにもいくつか質問されたが、大和は魔戒騎士のことを隠しながらそれに答えていた。
ファミリーに混乱を招いたり、無駄な心配をさせる必要はない。
一子にも、秘密基地に着く前に、みんなには黙っておくように言っておいた。
基本的に大和の言うことは無条件で聞く一子は、その指示に素直に従ってくれた。
「んー。まあ、そう言うなら無理には聞かないけどよ。ところで、その左手の何だ?グローブか?」
大和が複雑というのなら、それは本当に難しい問題なのだろうと、翔一はすんなり引き下がり、話題を大和の左手に変えた。
甲の中央にゼルバが宿り、鈍色に染まっている左手は、知らない人間が見れば装飾の付いたグローブに見えるだろう。
コートの袖の下に隠された左腕を見れば、一目瞭然なのだが…。
とにかく、ゼルバのことを正直に説明するわけにもいかないので、大和はごまかすことにした。
「ああ。外国で買ったんだ。イカスだろ?」
「なんかダサくねぇ?」
「そうだな。なんだよその変な飾り。中二病が再発したのかよ?」
(んな!?)
全面的に否定的な意見だった。
(コイツらぁ…オレがダセえだと!?おい大和!コイツらに魔導火かけていいか!?)
(いいわけあるか!落ち着け!)
頭の中で激昂するゼルバを必死になだめる大和。
普通の人間が魔導火に触れれば、瞬く間に体を焼き尽くされる。
まったく冗談になっていない。
「まあ、それは置いといて、そろそろ新メンバーを紹介してくれるか。ってか、平然とロボットがいるのに驚きなんだけど」
大和は必死に話題を変えた。
古参メンバーからの質問が続いたせいで、新メンバーとまだ話せていないのだ。
「では自分から。ドイツからの留学生、クリスティアーネ・フリードリヒだ。クリスと呼んでくれ」
「私は北陸から来ました、新入生の黛由紀江です。大和さんのことは、皆さんから伺っています。どうぞよろしくお願いします」
「オッス、オラ松風!まゆっちの相棒の暴れ馬だぜ!」
「僕はクッキー。九鬼財閥で作られたお手伝いロボットだよ。よろしくね」
「…お、おう」
さりげなく馬のストラップが自己紹介していたが、あまりにも自然な流れだったために反応が遅れてしまった。腹話術だろうか。
「クッキーには気を付けろよ?キレると変形して手が付けられなくなるからな」
「なんでそんなこと言うんだよガクト!」
岳人が大和に耳打ちするが、クッキーにはしっかり聞こえていた。
クッキーの目が激しく光ると、卵型のボディが瞬く間に変形し、戦闘用第二形態クッキー2になった。
「貴様、我がレーザーブレードのさびとなりたいか?」
「どうやったらレーザーにさびが付くんだよ!」
声も性格も変わったクッキー2が光の剣を岳人に向ける。
ファミリーにとっては日常的に起きることなので、現状に驚いているのは大和だけだった。
岳人が騒ぐ中、大和はソファーから腰を上げる。
「…行っちゃうの?」
「ああ。用事があるんでな」
「……」
大和が帰ることを告げると、京は顔を俯かせる。
「当分川神市にいるから、すぐに会えるぞ」
「…絶対?」
「ああ、絶対」
「うん…わかった」
自信を持って答える大和に、京は笑顔で返した。
未だクッキー2に責められている岳人の無事を祈りつつ、大和は秘密基地を後にする。
「それにしても、京があそこまで騒がしくなるのは、初めて見たぞ」
「ええ。私も驚きました」
「だよなー。恋する乙女はスゲーぜ」
初めて見るハイテンションな京に、クリスと由紀江+松風は素直な感想を述べる。
それに対して、卓也だけは、暗い表情を浮かべていた。
―――廃ビルの外―――
廃ビルの裏口から出た大和は、ビルの外壁に向かって立っていた。
「一応、仕掛けておくか。ゼルバ」
「あいよ」
ゼルバがそう返事をすると、左手の人差し指と中指についている装飾が変化した。
それは、
この爪は『
通常、魔戒法師は『魔導筆』という毛筆を使って法術を行使するが、大和は戦闘中に剣と併用しやすいようにこの魔爪筆を用いている。
大和が魔爪筆で魔導文字を書くと、その文字は廃ビルの壁に溶け込み、ビルの周囲に魔力が行き渡った。
大和が使った法術は、一種の結界だ。ホラーの接近に反応して発動し、ホラーの侵入を妨げる効力を持つ。あくまで即席のものなので、しばらくすれば消えてしまうだろうが、近いうちに準備を整えてより強力な結界を張りに来るつもりなので問題はない。
ここは、仲間たちが集う大切な場所だ。気休め程度ではあっても、可能な限り安全な場所であってほしい。
結界を張り終え、帰路につこうとする大和は、廃ビルのそばに生えているものを見る。
「…
それは、50年に一度だけ花を咲かせる植物で、風間ファミリーにとって特別な花だった。
昔、ファミリーの遊び場だった空き地に生えていたそれを、みんなで嵐から守り、花を咲かせるのを見届けたことがある。そして50年後、またファミリーで集まって一緒に花を見ようと約束をしていたのだ。
空き地がなくなる際に掘り出し、ここに植えたことを、廃ビルに着いた時に一子から教わった。
思い出の象徴が今も残っていることを喜びながら、大和は廃ビルから立ち去った
―――数分後―――
大和が帰ってからそれほど時間が経たないうちに、風間ファミリーは解散した。
今、卓也は他のメンバーと別れ、一人で夜道を歩いている。
「…はぁ」
暗い表情で深いため息をついた。
大和が五年ぶりに帰って来たおかげで、今日の集会はいつにも増してにぎやかだった。
卓也も、大和に再会できたことをうれしく思っていた。
しかし、それ以上に、彼の心には別の感情が湧いていた。
大和に抱き付いてはしゃぐ京の姿を見てから―――
「何…考えてるんだ。京が元気になったのは、いいことじゃないか…」
まるで自分に言い聞かせるように、卓也はつぶやいた。
すると―――
「おーい坊主。悩み事かい?」
「え!?」
突然、背後から声をかけられ、卓也は振り向いた。
するとそこには、金髪に黒い革ジャンの、若い男が立っていた。
(誰もいなかったはずなのに…!)
卓也以外に通行人のいなかったその道に、男は突然現れたのだ。
卓也が警戒していると、男は話し出した。
「んー、随分とため込んでるみたいだなあ。いけねえぞ?適度に発散しねえとよ」
「だ…誰ですか?」
「おおっとすまんすまん。オレ、こういうモンなんだ」
そう言って、男は懐から一枚の紙切れを出して、卓也に差し出す。
ちょうど名刺と同じサイズのそれは、しかし普通の名刺と違って全体が黒く――
血のように赤い文字で、『復讐屋』と書かれていた。
「!…復讐屋?あれって噂じゃ…」
「いやいや、目の前に実在してんだろうよ」
「………うう」
「そう警戒すんなよ。オレは誰かの復讐のために来たんじゃねえ。お前の復讐を手伝いに来たんだ」
「ぼ…僕は復讐なんて…」
「あー確かに、相手に直接何かされたわけじゃねえのか。むしろこれは…『妬み』か?」
「な…!」
「図星だろ?わかるんだよオレには。他人を殺したいほど恨んでたり、妬んでるやつの気持ちがさ」
「そんな…僕は…殺したくなんか…」
「だが、妬んでるのは事実だろ?いいのか?このままその感情を一生背負って生きていくのか?きっと辛いぜ?苦しいぜ?死にたくなるぜぇ?」
「違う!僕は…」
「あー。まだ理性の方が勝ってんだなあ。んじゃあ…」
復讐屋は突然、卓也に接近し、彼の目を覗き込む。
復讐屋の目には、怪しげな光が点っていた。
「ひっ…」
「オレが、力を貸してやるぜ」
「う…あ…」
「自分に素直になれよ…きっと楽しいぜぇ?クヒヒヒヒ…」
復讐屋の怪しい笑い声を聞きながら、卓也の意識が途絶えた。
―――翌日―――
風間ファミリーは、全員で川神市内を捜索していた。
昨夜、金曜集会が終わって解散した後、卓也が家に帰っていないらしい。
ファミリー加入以前から卓也と一緒にいた岳人は、この連絡を聞いた時に特に取り乱し、必死になって探していた。
しかし妙なことに、百代の気配探知でも位置が分からず、日が落ちた今になっても誰一人として卓也を見つけていない。
そして、京が一人で捜索していると、夜の街を走る大和を見かけた。
声をかけ、一緒に卓也を探してもらおうと思ったが、大和は険しい表情で駆けていった。
彼の様子に鬼気迫るものを感じた京は、気配を殺しつつ彼を追うことにした。
一方の大和は、今日になって番犬所から新たな指令を受けていた。
二夜連続で別のホラーと戦うことになるなど、大和には初めてのことだったが、今川神市を守っている魔戒騎士は彼一人で、この街ではホラーが異常頻出しているのだから無理もない。
ゼルバに気配を探らせると、奇妙な反応があり、大和は急ぎその場所へ向かっていた。
大和がたどり着いたのは、廃工場だった。
建物の周りにはホラーの魔力による結界が張られていて、内部の気配を探れないようになっていた。
確実に内部にホラーが潜んでいると思われるが、これでは結界の意味がない。
これではまるで、わざと分かりやすい結界を張って、こちらを誘っているようだ。
だからと言って大和に逃げるつもりはなく、そのまま建物の中に入っていく。
随分前から使われていないのか、廃工場の中にはほとんど物がなかった。
頭上を見ても、工場を横断する通路があるだけで、窓から差し込むわずかな明かりだけが廃工場の中を照らしている。
大和が歩みを進めると、工場内の中央あたりに人影があった。
近づいてみると、それは―――
「…モロ?」
卓也が、一人佇んでいた。それも、ホラーの結界の中で。
この時、大和の頭の中にある仮説が立てられた。しかし、それは―――
(おい大和…。あの坊主から、ホラーの邪気を感じるぞ)
(なっ…!)
ゼルバの言葉が、大和の仮説を確信に変えようとする。
つまり、卓也はホラーに―――
「大和。来てくれたんだ。あの人の言う通りだ」
卓也が突然口を開いた。
「モロ。お前なんでここに…」
「ねえ大和。頼みがあるんだ」
大和の問いかけを無視して、卓也が歩きながら言った。
「頼み…?」
「うん…。あのね…僕の前から、消えてよ?」
「…!」
直後、卓也が懐から取り出したナイフを両手で持ち、大和に襲いかかった。
大和はナイフが己に突き刺さる前に卓也の腕を掴み、抑え込むと、左手に魔導火を着火させて卓也の眼前にかざす。
卓也の瞳に、魔導文字は現れない。
つまり、卓也はホラーに憑依されていない。
大和はひとまずその事実に安堵するが、では、卓也から感じる邪気は―――
(大和、上からホラーの気配だ!)
(何っ!?)
大和が上を見上げると、工場を横断する通路の上に一人の若い男がいた。
金髪に黒い革ジャンという装いで、通路の手すりに頬杖をつき、嘲笑しながら大和と卓也を見下ろしている。
(あいつがホラーだ!)
「お前が…!モロに何をした!?」
「べっつに~?オレはただ復讐屋として、その坊主のストレス発散を手伝っただけだぜ?」
何を当たり前のことを、といった風に、復讐屋はケラケラと笑いながら言う。
「いや~しかし魔戒騎士を妬むヤツが見つかるなんてなぁ。邪魔者は消えるし、オレはうまいメシが喰えるしで、一石二鳥だぜ。その坊主の妬みや恨みはかなりの年季ものだからな。楽しみだぜ」
「妬み…恨み?」
大和は復讐屋の言葉から、卓也の状況についてのヒントを探した。
(なるほど。あのホラーは坊主の心のタガを外して、ある感情に忠実に従うように仕向けたわけだ。この坊主で言えば、妬みや恨みがそれってわけだ)
(つまり…モロが俺を妬んでるってことか?)
それも年季ものということは、かなり昔からその感情を持っていたことになる。
一体なぜ…と、大和が思考を巡らせていると、卓也が口を開いた。
「大和…。京がかわいそうだと思わなかったの?」
「え…?」
「京はね…大和が旅立ってから、全然連絡をよこさないから、すごく落ち込んでたんだよ」
京は元々他人と積極的に関わろうとしなかったが、大和がいなくなってからはさらにひどくなり、一人でふさぎ込んでいた。
だから―――
「だから僕は、色々やったよ!京を元気づけるために!中学に入って、京が川神市を離れたら、金曜集会でファミリーのみんなと一緒に遊んで!最近になって、京は昔よりも元気になってくれた!…でも、でも大和は!たった一度再会しただけで、京をあんなに元気にした!僕は五年も頑張ったのに…!!」
「モロ…まさか、お前…」
「ああ、そうだよ!僕は、京のことが好きなんだ!昔からずっと!」
羨ましかった。
京からあんなに強く想われている大和が―――
妬ましかった。
会うだけで京を元気づけることのできる大和が―――
恨めしかった。
それでも、京の想いを拒み続ける大和が―――
だから―――――
「大和なんか…イナクナッチャエバイインダ!!」
卓也の心が、恨みと妬みの感情に完全に支配された。
「ハッハハハハハハ!いいぞ坊主!もっと妬め!もっと恨め!それが晴らされりゃあ、俺は極上のメシにありつける!」
復讐屋は狂喜の声をあげていた。
人間を喰らうホラーにも、味の好みというものがある。
女性を好んで喰らうホラー。
生きる希望に満ちた人間を好むホラー。
挙げていけば様々だが、復讐屋に憑依したホラー・ジャッカスは「恨みを晴らした人間」を好む。
復讐を果たし、恨みという呪縛から解放された人間は、格別にうまいのだという。
五年前、あるいはもっと前から溜め込まれていた恨みが晴らされた時の味は、どれだけのものか。これから訪れる晩餐に、期待せざるを得なかった。
(…どうすればいい!?)
大和は自問した。
ホラーの邪気を払う法術は、確かにある。
しかし、卓也の心が邪気にまみれ、恨みや妬みに完全に支配されている今の状態で使えば、邪気だけでなく卓也の心にもダメージを与えかねない。
少しでも、卓也の心と邪気が離れてくれれば。
焦りのためか、冷静な判断力を失いつつある大和に、ゼルバが咆えた。
(おい大和!さっさとこいつを何とかしろ!)
(何とかったって…!)
(こいつは心ん中に隠してた本音をぶちまけたんだぜ?だったらお前も言いたいこと全部言っちまえ!)
(…!!)
(早くしろ!交渉やら説得やら口喧嘩やら、言葉を使った戦いはお前の
(…分かったよ!)
そうだ、自分の相棒はこういう奴だった。
普段は無駄におしゃべりで、戦闘中でも平気で話しかけてこっちの集中力を削ぐくせに、こういう本当にピンチになった時には、決まって的確なアドバイスを送ってくれる。
恨みも妬みも、卓也の中に元からあったものだ。それを、ホラーの邪気が解き放っただけ。
では卓也は、なぜ今までその感情を隠してきたのか。
きっと卓也には、自分の感情を押し殺してでも、望んでいたことがあるはずだ。
だったら自分も、自分の望んだこと、思ったことをぶつけてやる。
大和は卓也の目をまっすぐに見て、言葉を放つ。
「なあ、モロ。聞いてくれるか?」
一方で、大和と卓也の状況を、京は廃工場の扉の陰に隠れながら見ていた。
「なんで、モロが大和を…?」
相手が赤の他人であれば、京は迷わず大和を助けに飛び出しただろう。
しかし相手は、自分と同じく、ファミリーの絆を大切にしている卓也だ。
そんな彼が、昔からのファミリーの一員である大和に刃を突き付けているその状況が、彼女には理解できなかった。
しかも彼は、大和に恨みがましく言っていた。
卓也が、京を元気づけるために頑張っていたことを。
そして、卓也が、京のことをずっと好きだったことを。
親友だと思っていた卓也が、自分に対してそれ以上の思いを持っていたとは、思いもよらなかった。
京の頭の中は、パニック状態だった。
このまま大和の味方をすれば、卓也ともうこれまで通りに過ごすことができなくなるのではないか。しかしこのままでは、大和が死ぬかもしれない。
どのみちファミリーの仲間がいなくなってしまうという恐怖に飲まれそうになる。
すると、京の耳に、大和の声が届いた。
「なあ、モロ。聞いてくれるか?」
「!?」
「確かに、京には寂しい思いをさせちまっただろうな。でも、俺が川神市を離れることは、あいつのためにもなると思ったんだ」
「何ヲ…言ッテ…」
「あいつをイジメから助けたことに後悔はない。でもそのせいで、あいつは俺しか見なくなっちまった!俺さえいれば他人はどうでもいいなんて、本気で言えるようなやつになっちまった!そんなの、俺は望んじゃいなかったんだ!」
わずかに戸惑う卓也に対して、大和は自分の本心をさらけ出していく。
「あいつにはもっと、世界を広く見てほしかったんだ。そうすれば、もっと多くの友達ができる。もっと幸せになれるって思った!」
「ダカラ…行ッチャッタノ?京ノ気持チヲ無視シテ…!」
「なら、お前はどうだモロ?今のお前は、京の気持ちを考えているか?」
「エ…?」
「お前が俺を…仲間が仲間を殺すことを、京が喜ぶと思うのか!?」
「!!」
卓也の心が、わずかに揺らぐ。
卓也が恨みや妬みを隠していたのは、京が大和といることを望んでいるからだ。
大和と一緒にいる京は、とても幸せそうな顔をする。
そんな京の姿を見ると、卓也自身もうれしかったから。
しかし今、大和を殺してしまったら、京は絶対に悲しむ。それは、卓也の望むことではない。
そして、卓也の望みは、それだけではない。
(揺らいだぞ!もうひと押しだ!)
大和はゼルバの声を心で受けて、さらに自分をさらけ出す。
「ついでに言わせてもらうぞモロ!京が寂しがってたって言うが、それはあいつだけだと思うか?」
「…ドウイウ…コト?」
「俺だって、寂しかったさ!この五年間、何度お前たちに会いたいと思ったかも分からねえよ!それだけお前たちは、俺にとって大事な仲間だから!」
五年もの間、大和は魔戒騎士となるべく修行し続けていた。血のにじむような努力を続け、時には挫折しそうになることも多々あった。その度に彼は、仲間たちのことを思い出し、自分を奮い立たせていた。
「俺は、お前に殺されるわけにはいかない!お前に仲間殺しなんてさせない!」
「ウ…あ…」
大和の言葉を受け、恨みに支配されていた卓也の心がさらに揺らぎ始めた。
大和は自分を気にかけてくれている。
自分は彼を殺そうとしているのに、彼はそれよりも、自分が仲間殺しの罪を犯してしまうことを恐れ、止めようとしている。
それに対して、自分はどうだ?
自分にとっても、大和は大事な仲間のはずだ。
自分だって、大和と再会したとき、本当は嬉しかったはずだ。
なのに自分は、恨みなんかに身を任せて――――
―――おい!何を
卓也の頭の中に、復讐屋のけたたましい叫びが響いた。
普通の人間が、ホラーの邪気に逆らえるはずがない。
しかし、実際に卓也の心が揺らぎ始めていることに焦った復讐屋は、何とか軌道修正しようとする。
―――あんなヤツの口車に乗るな!このまま一生恨みを抱えたまま生きるのか!?
「ウ…うう」
―――刺せ!引き裂け!殺せ殺せ殺せ殺せ殺せェ!!
復讐屋の声が、卓也を再び駆り立てようとする。
しかし、卓也のもとへ、別の声が届いた。
「止めて!モロ!」
「「「!?」」」
大和、卓也、復讐屋の視線が、一斉に声の主へと向いた。
声の主は、京だ。
「モロ!私、モロにそんなことしてほしくないよ!」
京は大和の本心を聞き、迷いを払った。
そうだ。自分は、仲間が仲間を殺すことを望まない。
卓也に殺しをさせたくない。大和を殺されたくない。
ならば、自分も自分の望みをはっきりと言おう。
それでもし、卓也がいなくなろうとしたら、自分から声をかけて話そう。
かつて、落ち込んでいた自分に、卓也がそうしたように。
卓也は、京の悲しそうな顔を見て、声を聴き、恨みに抗おうとする思いを強めた。
大和を、大切な仲間を、失いたくないから。
京には、いつも笑っていてほしいから。
だから―――
―――殺せ!
「イ…ヤ、だ」
―――殺セ!
「…いやだ…!」
―――コロセ!
「嫌だ!!」
(今だ!大和!)
「くっ!」
卓也の心がホラーの邪気を拒絶した瞬間を見逃さず、大和は魔爪筆で魔導文字を書き、卓也にかざす。
卓也の体に流れ込んだ魔力が、彼の中の邪気を払い去った。
同時に全身から力が抜け、倒れる卓也を、大和はしっかりと受け止める。
そばに駆け寄ってきた京と一緒に、卓也に呼びかける。
「おい、モロ!しっかりしろ!」
「モロ!」
「う…大和…京…」
邪気のせいで大分消耗しているようだが、意識はしっかりとあった。
安堵する大和たちだったが、廃工場の中に、怒りの声が響いた。
「ザッケンナアアアア!」
見上げると、通路の上で復讐屋が髪をかき乱し、怒り狂っていた。
「テメエ…ヨクモ俺ノゴ馳走ヲ…。タダジャ済マサネェゾ魔戒騎士ィィ!」
「…上等だ」
卓也を京に預け、大和は冷静に復讐屋を睨み返す。
「京。モロを連れて下がってくれ」
「え…?」
「早く!」
「う、うん」
卓也に肩を貸す京が出入口へ向かう。
すると、両手にナイフを持った復讐屋が、通路から飛び降りてきた。
「オラァ!」
「ふっ!」
復讐屋は二本のナイフを素早く振るい、大和に斬りかかってくる。
だが大和は、冷静に敵の攻撃を見極め、魔戒剣で払っていく。
復讐屋が左手のナイフによる斬撃を仕掛けるが、大和はナイフを魔戒剣で受けると、刀身を傾け、ナイフを滑らせて受け流し、復讐屋の背後に回る。
そのまま、勢いを殺せずバランスを崩した復讐屋の背を魔戒剣で斬り裂いた。
「グアア!」
ダメージに耐えながら、復讐屋は振り向いて反撃しようとするが、大和は復讐屋の体を踏みつけて跳躍し、上の通路へと飛び移った。
復讐屋もまた、大和のあとを追って通路に飛び乗り、再び剣戟を始める。
大和が魔戒剣を振り下ろすのを、復讐屋は交差させたナイフで受け止める。
そのまま腕を振って魔戒剣を払おうとするが、それよりも早く大和は魔戒剣を押し込み、ナイフを左側の手すりに叩きつけ、そのまま前進して復讐屋の体を前方へと押し出す。
復讐屋は大和の力に押し負けて後退し、それに合わせてナイフが手すりの上を走り、摩擦によって激しい火花を散らす。
数メートル走り、大和が魔戒剣を力任せに振り抜くと、二本のナイフが弾き飛ばされ、復讐屋は体勢を崩す。その隙に大和が魔戒剣を素早く左に向けて振るうと、復讐屋は剣に吹き飛ばされて一階へと落とされた。
一階に倒れる復讐屋が見上げると、大和は魔戒剣を右肩に担ぎ、左ひじを手すりにかけて復讐屋を見下ろしていた。
つい先ほど大和と卓也を見下ろしていた復讐屋のように、相手の怒りを誘う嘲笑を浮かべながら。
「オレヲ…見下スナァアアア!」
憤怒の咆吼と共に、復讐屋の体が変化を始める。
彼の全身から無数の刃が生え、黒い革ジャンやズボンを引き裂いていく。
やがて復讐屋は、ホラー・ジャッカスへと姿を変えた。
その体中に、ダガーやククリ、コンバットナイフなど、多種多様な形状の黒いナイフを装備している。
敵の変異に対して、大和は魔戒剣で空中に円を描き、鎧を召喚する。
直後、大和の姿は霊獣騎士念狼へと変わる。
その光景を、扉の陰に隠れて見ていた京と卓也は驚愕した。
「や…大和!?」
「…狼だ…」
先手を打ったのは、ジャッカスだ。
両手の指の間に八本のスローイングダガーを挟み、通路上の念狼へと投擲する。
「ちぃっ!」
それに対し、念狼は手すりを飛び越えてダガーを回避し、一階へと降りる。
“防御”ではなく、“回避”を選んだ。
つまり念狼は,同時に迫る八本のダガーを捌き切れないと判断したのではないか?
ならばもっと攻撃の数を増やせば、確実に倒すことができるはず。
そう考えたジャッカスは、次の手を打つ。
全身に備わる無数のナイフがジャッカスの体を離れ、切っ先を念狼に向けながら空中に浮かぶ。
対して念狼は、左手で印を結んだまま、降り立ったその場を動こうとしない。
「ナンノツモリカ知ラネエガ…コノ数、捌キ切レルカ!」
ジャッカスは、無数のナイフ群を念狼へと射出した。
念狼は尚も立ち尽くしたままで、回避する様子もない。
「「大和!?」」
動かない念狼に向けて、京と卓也が必死に彼の名を呼んだ。
諦めたか、とジャッカスが思った瞬間―――
空中を突き進むナイフ群は徐々に速度を落とし、念狼に達する前に完全に静止した。
「ナ…!?」
捌くまでもなかった。
念狼は法術によって、すべてのナイフを受け止めた。
先ほどのスローイングダガーを、念狼はわざと焦ったふりをして回避していた。
ジャッカスがより多くのナイフを一度に使う攻撃を仕掛けるように誘導したのだ。
先に敵の攻撃手段を奪うことで、自分が有利に戦えるようにするために。
大和に見下され、怒りに任せて戦っていたジャッカスはまんまと術中にはまり、すべてのナイフを放ってしまった。
念狼が印を結んだ左手をジャッカスに向け―――
「「この数…捌き切れるか?」」
ゼルバと声をそろえた瞬間、空中のナイフ群は一斉に弾き飛ばされ、ジャッカスへと殺到する。
「ク…ソガァアアア!」
ジャッカスは両腕を振り回してナイフを叩き落とすが捌き切れず、数本のナイフがジャッカスの腕や足に突き刺さっていく。
「おおおおおお!」
ひるんだジャッカスに向けて、念狼は勢いよく跳躍した。
ジャッカスの頭上を通過する瞬間に宙返りし、その回転に乗せて
とどめの一撃を決めた念狼は、ジャッカスの背後に着地する。
すると、消えゆくジャッカスが、念狼に話しかけてきた。
「感…ジルゼェ」
「?」
「オマエモ、心ノ中デ…何カニ復讐シタイト…思ッテンダロ…?」
「……」
「ソレヲ…果タシタイ…ト…恨ミヲ、晴ラシタイト…思ワネエノカ?」
「…仮に、お前の言う通りだとしても…」
己のためではなく、護るべきもののために戦う。
それが、魔戒騎士のあるべき姿。
「俺は…『守りし者』として戦う」
それが、魔戒騎士となった、大和の誓いだった。
ジャッカスの肉体が消え、その邪気は念狼剣に封印された。
大和は鎧を解くと、すぐさま京と卓也のもとへ駆け寄る。
「モロ、大丈夫か?」
「…うん」
「ねえ…大和」
「京、どうしてここにいた?」
「えっと…大和がここに入るのを見て、それで…」
「つまり…最初から見てたのか?」
「うん…」
「…ううっ」
卓也は、悲痛な表情を浮かべた。
自分が大和を殺そうとしたのを、京に見られた。
絶対に、彼女に憎まれる。絶対に、許してもらえない。
卓也がそう思っていると―――
「京。モロを責めないでやってくれ」
(え?)
大和が京にそう言ったのを聞き、卓也は驚いた。
「モロが俺に襲いかかったのは、さっきの怪物のせいだ。モロは悪くない」
「で…でも大和!僕は…」
「モロ、最後に嫌だ!って言ったろ?俺を殺したくないって、そう思ってくれたんだろ?」
「う…うん」
「なら、俺はそれでいいさ。お前が俺を殺さずに済んだんだからな」
「やま…と…」
危険な目にあったというのに、大和は卓也を責めようとしない。
卓也が大和を殺さず、無事に済んだことを、喜んでいる。
そんな彼の優しさに、卓也は涙をこぼし始めた。
「なあ、京」
「…いいよ。と言うか、元々モロのことを責めるつもりはないし」
「えっ…?」
「モロの様子がおかしかったのは、なんとなく分かってたしね。でも、さっきの怪物のこととか、ちゃんと説明してもらうよ。大和」
「ああ。とりあえず、モロをどっか休める場所に連れて行かないとな」
「ううっ…ぐすっ」
京も、許してくれた。
卓也の目から、次々と大粒の涙が流れ落ちる。
「ぐすっ…ごめんね、大和」
「気にすんな。ファミリーだろ?俺たちは」
「うん…。ありがとう…!」
笑顔で返す大和に、卓也は涙をぬぐい、笑顔で答えるのだった。
その後、卓也発見の報せを受けた他のファミリーのメンバーが、秘密基地で休む彼のもとへ駆けつけ、全員で彼の無事を喜ぶのだった。
―――翌週 廃ビルの屋上―――
卓也は、京を呼び出していた。
他の仲間たちにはこれからすることを予め説明し、来ないように言ってある。
「京…」
「うん」
卓也は、意を決して、京に言った。
「僕は…ずっと、京のことが好きでした!」
「ごめんなさい」
「早っ!想定以上の即答!?」
当たって爆砕の覚悟だった卓也の告白は、瞬く間にお断りされた。
「うう…分かってたけど、ちょっとショックだ…」
「ごめんね。私、大和一筋だから」
「ううん、いいよ。気持ちを伝えられて、少しスッキリしたよ」
苦笑いを浮かべながらそう返す卓也に、京は続けた。
「でも、ありがと」
「え…?」
「モロが、私のこと友達以上に思ってくれてたなんて、知らなかった。そうなるなんて、思ってもみなかった」
京にとって、異性として好きなのは、自分をイジメから救ってくれた大和一人。
だから、京は大和以外の異性に興味はなかったし、他の異性から好かれることはないと思っていた。
「大和が旅立ってから、モロ、ずっと私のこと気遣ってくれてたよね。ファミリーのみんなも…。モロたちのおかげで、私、この五年間を楽しく過ごせたよ。だから、ありがと」
「…あはは。どういたしまして」
京から感謝の言葉をもらって、卓也の心は徐々に晴れやかになっていく。
この五年間、京の力になれていたんだと、そう思えたから。
卓也と話す一方で、京は大和が言っていたことを思い出していた。
大和が、京のためを思って行動していたこと。
大和もまた、仲間に会えず、寂しいと思っていたこと。
(もう少し、ファミリー以外の人とも、話してみようかな…)
大和があそこまで自分のことを考えてくれていたのなら、自分はその気持ちに応えたい。
だから、まず今は―――
「モロ。これからも、友達でいてくれる?」
「うん!もちろんだよ、京!」
京は卓也と、これまでと変わらない友情を確かめるのだった。
読んでいただき、ありがとうございます。
文章書くのが楽しくなってきた、常磐です。
今回は京とモロの話でしたが、モロの方が数倍目立ってますねコレ。
モロってホラーに狙われそうだなーと思いましたが、だからってホラーを憑依させたら
大和がダークサイドに堕ちてしまいかねないので、今回のような形になりました。
説得シーン、ちゃんと書けてるでしょうか…。
また、今回の戦闘シーンでは、自分なりに『大和らしさ』を出せたと思います。
やはり、キャラの特徴を生かせないと、大和を主役にした意味がないと考えまして。
『策を巡らす魔戒騎士』を、今後も書けていけたらと思っています。
では次回、第三話『霧幻』にて、またお会いしましょう。